近年の小学生の「なりたい職業ランキング」では、男子女子ともにランクインをしてくるほどに認知が広がってきている建築士は、ありとあらゆる建造物の設計を行い、人々の生活を豊かにしていく欠かせない仕事です。
今回の記事では建築士の中でも、十分な経験を積み、高い知識を持ち合わせているからこそ取得できる「一級建築士」について、給料や試験の難易度、合格者数を多く輩出している大学など詳しく見ていきます。
厚生労働省による平成29年賃金構造基本統計調査では、一級建築士の男性月給は43.2万円、年間賞与が135.7万円、年収が653.5万円で、女性月給は36.3万円、年間賞与が125.6万円、年収は560.9万円となっていました。
男性 | 女性 | |
月給 | 43.2万円 | 36.3万円 |
賞与 | 135.7万円 | 125.6万円 |
合計 | 653.5万円 | 560.9万円 |
一級建築士の過去試験結果
総合 | 学科 | 製図 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 受験者数 | 受験者数 | 合格者数 | 受験者数 | |
令和5年 | 9.9% | 28,118 | 4,562 | 16.2% | 10,238 | 3,401 | 33.2% |
令和4年 | 9.9% | 30.007 | 6,289 | 21.0% | 10,509 | 3,473 | 33.0% |
令和3年 | 9.9% | 31,696 | 4,832 | 15.2% | 10,499 | 3,765 | 35.9% |
令和2年 | 10.6% | 30,409 | 6,295 | 20.7% | 11,035 | 3,796 | 34.4% |
令和元年 | 12.0% | 25,132 | 5.729 | 22.8% | 10,151 | 3,571 | 35.2% |
令和元年からの5年間の過去試験結果を見てみると、学科試験の合格率は約15~20%前後、製図試験の合格率は約35%前後で、最終的な総合合格率は10%前後となっています。
この結果が表しているように、一級建築士の資格試験はとても厳しいものとなっています。しかし合格率の低さは、一級建築士の資格が高い専門性と信頼性を保持している証でもありますので、この厳しい試験に合格することは、建築分野におけるプロフェッショナルとしての地位を確立する重要なステップとなります。
一級建築士(学科)
合格者数大学ランキング
出典:建築技術教育普及センター 令和5年「学科の試験」
学校名 | 合格者数 | THE大学ランキング (日本版) |
---|---|---|
日本大学 | 143人 | 141-150 |
東京理科大学 | 117人 | 33 |
芝浦工業大学 | 99人 | 34 |
早稲田大学 | 75人 | 14 |
近畿大学 | 65人 | 70 |
明治大学 | 62人 | 45 |
工学院大学 | 61人 | 141-150 |
名城大学 | 56人 | 141-150 |
千葉大学 | 51人 | 19 |
神戸大学 | 50人 | 13 |
このデータは、「学歴」を受験資格として申し込んだ者のみの人数となります。現在は大学別の合格率は公表されていないので、この大学に進学すれば”一級建築士に合格しやすい”というような事は一概には言えません。
しかし、どの大学出身者が合格しているかはとても参考になりますし、また同じ大学出身ということでコネクションも生まれやすくなるといったこともあるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
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1位:日本大学
- 学生数
-
75,000人
- 関係学部
-
理工学部建築学科
工学部建築学科
生産工学部建築工学科 - 各学部
学生数 -
理工学部:8,700人
工学部:4,000人
生産工学部:6,500人 - 学費の目安
-
年間約150万円〜
日本大学には、建築学を学べる3つの異なる学科があり、それぞれに独特の特色と教育の焦点があります。
- 理工学部 建築学科
-
設計・計画・構造・環境・歴史・都市など多岐にわたる建築分野のほぼ全てから、自分の興味にあった学修ができる環境が整っている。
2023年度入学雰囲気は高校時代と変わりません。建築の基礎を詳しく学べたり、英語、数字を勉強したり、建築の歴史なども学べるのでより建築に興味が湧くと思います。
※出典:minkou.jp 2022年度入学学びたいことが明確にあり、建築に興味があればとても楽しめると思います。友人も見つけることができ、学生生活にも非常に満足しています。
※出典:minkou.jp - 工学部 建築学科
-
都市や空間の建築計画から、人間にとって快適で安全な空間づくりの考案、建築材料の検討など幅広い領域を学ぶことができる。
2022年度入学専門的な知識を持った教授が数多くおり一人一人をきめ細かいサポートでみてくれます。就職まで安心して知識を習得できます
2022年度入学日大理工の建築はかなり歴史があるが、その他建築を学べる学科でも今はそう大差ない内容が学べると思う。やはり周囲の意識や土地的な差だったりで劣る部分はあると思うけど、落ち着いた環境で建築を学ぶには普通にいい学部。
※出典:minkou.jp - 生産工学部 建築工学科
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新しい建築の価値を生み出す発想力・応用力・対話力を身に付けて、問題解決能力を備えたやわらかい建築を創造する建築技術者としての性・技・術を磨く。
2018年度入学先生との距離が近いのでアドバイスをもらい勉学や将来のことに困ることは少ないかと思います。また経営学についても学べるので将来のの視野が広がります。
※出典:minkou.jp 2019年度入学大学に建築のことを本気で学びたくてきてる人にはとてもいい大学だと思います。研究室は先輩や先生方から評判を聞いて決められる。
※出典:minkou.jp\ 最新の学校情報をチェックする /
2位:東京理科大学
- 学生数
-
20,000人
- 関係学部
-
工学部 建築学科
- 建築学科
の学生数 -
447人
(男65%/女35%) - 学費の目安
-
年間約150万円
東京理科大学の工学部建築学科では、設計、造形、構造、環境、材料防災、都市計画、建築史など、建築や住環境に関連する幅広い分野を網羅していて、学生は初年度から建築学の基礎に触れることができます。特に、将来の技術進化に備えるためのコンピュータ教育に力を入れている点が注目されます。
教育プログラムは6年間で構成され、前半3年間での基礎教育を経て、後半3年間ではより専門的な知識と技術を深めるカリキュラムが用意されています。さらに、グローバルな視野を育むために、フランスやポルトガルを含む海外の大学との交流プログラムに力を入れていることも、学生たちにとって大きな魅力の一つです。これらの交流を通じて、学生は国際的な建築界で活躍するための経験を積むことができます。
たくさん課題が出るため、毎日勉強ができます。学生にはとてもよい大学だと思います。施設は学食があり充実しています。
※出典:minkou.jp
建築を志す人間としてはとても魅力的で、理科1課目で入学できるというのもおすすめできる点です。勉強に専念したいという方には非常に最高の環境だとおもいます。
※出典:minkou.jp
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3位:芝浦工業大学
- 学生数
-
9,500人
- 関係学部
-
建築学部
- 建築学部
の学生数 -
1040人
- 学費の目安
-
年間約150万円〜
芝浦工業大学は、先端の知識と技術に触れることができる充実した施設と設備を誇っているのが特徴で、またキャンパスの魅力も特筆すべき点で、湾岸エリアに位置する豊洲キャンパスは開放的な空間の都市型キャンパスであり、大宮キャンパスは緑豊かな「グリーンキャンパス」として知られています。
また、芝浦工業大学は就職支援にも力を入れていて、全国私立大学中で有名企業400社の実就職率で第4位にランクインするなど、その実績は高く評価されています。模擬面接講座やキャリアサポートセンターによるきめ細かい支援、実践的な講座の開講など、学生の就職活動を全面的にバックアップしているそうです。
建築の中でも特にデザインに興味がある人などは1年前期から図面を書いて、デザインもするので楽しいと思います。
※出典:minkou.jp
素晴らしい!満点です一人一人輝ける本当、におすすめ最高です。みんな真剣に学習できるところです私も頑張れるところです。
※出典:minkou.jp
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過去のランキングと比較
2023年(令和5年) | 2022年(令和4年) | 2021年(令和3年) | |
---|---|---|---|
1位 | 日本大学(143人) | 日本大学(149人) | 日本大学(153人) |
2位 | 東京理科大学(117人) | 東京理科大学(123人) | 東京理科大学(141人) |
3位 | 芝浦工業大学(99人) | 芝浦工業大学(96人) | 芝浦工業大学(96人) |
4位 | 早稲田大学(75人) | 早稲田大学(79人) | 近畿大学(88人) |
5位 | 近畿大学(65人) | 近畿大学(74人) | 早稲田大学(70人) |
6位 | 明治大学(62人) | 工学院大学(63人) | 明治大学(70人) |
7位 | 工学院大学(61人) | 明治大学(60人) | 千葉大学(68人) |
8位 | 名城大学(56人) | 法政大学(56人) | 工学院大学(63人) |
9位 | 千葉大学(51人) | 神戸大学(55人) | 京都工芸繊維大学(57人) |
10位 | 神戸大学(50人) | 千葉大学(52人) | 京都大学(56人) |
\ 大学など271校の情報が掲載 /
過去3年の合格者データを見ると、日本大学、東京理科大学、芝浦工業大学は常にトップ3に位置していて、一貫して高い合格者数を出していることが分かります。
また、4位以降にランクインしている大学も、例年同じ大学が名前を連ねているようで、これらの大学が一貫して高い合格者数を出していることから、これらの大学には優れた建築関連の教育プログラムがあること、または大学が受験対策に力を入れている可能性が考えられます。
11位以下の学校一覧(2023年)
2023年度(令和5年度)の試験で、10人以上の合格者を出した学校を合格人数順で11位以降は以下のようになっています。
学校名 | 合格者数 |
---|---|
京都工芸繊維大学 | 44人 |
九州大学(九州芸術工科大学) | 43人 |
京都大学 | 42人 |
法政大学 | 41人 |
東京電機大学 | 40人 |
関西大学 | 39人 |
大阪工業大学 | 39人 |
広島工業大学 | 38人 |
広島大学 | 38人 |
金沢工業大学 | 35人 |
大阪大学 | 33人 |
新潟大学 | 31人 |
名古屋工業大学 | 31人 |
信州大学 | 29人 |
東京都市大学(武蔵工業大学) | 29人 |
東洋大学 | 29人 |
熊本大学 | 28人 |
大阪市立大学 | 28人 |
東京都立大学(首都大学東京) | 27人 |
東京大学 | 27人 |
福岡大学 | 26人 |
京都建築大学校 | 25人 |
東北大学 | 25人 |
北海道大学 | 25人 |
愛知工業大学 | 24人 |
三重大学 | 24人 |
前橋工科大学 | 24人 |
立命館大学 | 24人 |
横浜国立大学 | 23人 |
鹿児島大学 | 23人 |
神奈川大学 | 23人 |
東海大学 | 23人 |
東京工業大学 | 22人 |
日本女子大学 | 22人 |
福井大学 | 22人 |
千葉工業大学 | 21人 |
東北工業大学 | 20人 |
武庫川女子大学 | 20人 |
室蘭工業大学 | 18人 |
大阪工業技術専門学校 | 18人 |
山口大学 | 17人 |
中部大学 | 16人 |
岐阜工業高等専門学校 | 15人 |
青山製図専門学校 | 15人 |
長崎大学 | 15人 |
宇都宮大学 | 14人 |
慶應義塾大学 | 14人 |
日本工業大学 | 14人 |
名古屋大学 | 14人 |
関東学院大学 | 13人 |
九州工業大学 | 13人 |
修成建設専門学校 | 13人 |
大分大学 | 13人 |
豊橋技術科学大学 | 13人 |
愛知産業大学 | 12人 |
京都造形芸術大学 | 12人 |
中央工学校 | 12人 |
米子工業高等専門学校 | 12人 |
関西学院大学 | 11人 |
熊本県立大学 | 11人 |
昭和女子大学 | 11人 |
公立大学法人名古屋市立大学 | 10人 |
滋賀県立大学 | 10人 |
秋田県立大学 | 10人 |
摂南大学 | 10人 |
奈良女子大学 | 10人 |
有明工業高等専門学校 | 10人 |
和歌山大学 | 10人 |
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