「大学では英語を武器にしたい」。そう考えて調べ始めると、関西だけでも英語に力を入れる大学は数えきれず、どこをどう選べばいいのか迷ってしまいます。
偏差値ランキングやAIの要約は「代表校の名前」までは教えてくれますが、その先の「各大学が“英語のどこ”に強いのか」「自分の目的にどこが合うのか」までは答えてくれません。
そこでこの記事では、進路指導のプロである高校教員が選んだ最新ランキング(2025年度・大学通信)を軸に、関西の各大学の英語教育の中身を公式情報で整理しました。まずは「選び方」から見ていきます。
- 進路指導教諭が選ぶ「グローバル教育に力を入れている大学」近畿トップ3は、関西外国語大学・同志社大学・関西学院大学(2025年度)。
- “英語に強い”は4種類ある=〈英語で受験できる/英語で学位が取れる/留学が制度化されている/就職に強い〉。目的で選ぶと外さない。
- ランキングは出発点。学部名が同じでも中身は大学ごとに違うので、最後は足を運んで相性で決めるのが近道です。
“英語に強い大学”は4種類ある|関西で選ぶときの軸
「英語に力を入れている大学」とひとくくりにされがちですが、力の入れ方は大学によってまったく違います。同じ「国際◯◯学部」でも、英語教育の質も就職支援も大学ごとに差があります。まず自分が英語で何をしたいのかを、次の4つの軸で切り分けてみてください。
英語1科目・英語重視の方式で入れる(英検・外部試験の優遇も)。“得意な英語で合格したい”人。
授業の多く/すべてが英語で、英語で卒業できるコース。“英語漬けで4年学びたい”人。
全員が必修で1年間留学するなど、留学が仕組みに組み込まれている。“確実に海外を経験したい”人。
エアライン・観光・商社など、英語を使う業界への就職実績が厚い。“英語を仕事にしたい”人。
たとえば「英語1科目や英語重視の方式で受験したい」なら、対象校と配点は事前に調べる価値があります。関西で英語を活かして受験できる大学は、英語だけで受験できる大学【関西】で方式ごとに整理しています。
一方「入学後に英語だけで学位を取りたい」なら、狙う軸が変わります。授業も卒業も英語で完結するコースは、英語で学位が取れる大学にまとめました。目的の軸が決まれば、次のランキングの見え方も変わってきます。
“英語に力を入れた大学”に入れば英語は伸びる?
ランキングに入る大学を選べば安心、とは言い切れません。大学選びで見落とされがちな2つのことを、先に正直にお伝えします。
ひとつは、英語だけでは足りないということ。就職の現場では「英語ができるのは当たり前」という前提の企業も多く、評価されるのは〈英語×専門分野×人物〉の掛け算です。英語力そのものより、英語で何ができるかが問われます。“英語に力を入れた大学”は入口であって、英語を武器にできるかは、そこで何を身につけるかで決まります。
もうひとつは、「英語漬け」には向き不向きがあること。全授業が英語・全員必修で1年間留学、といった手厚い環境は、裏を返せば逃げ場がありません。英語で学ぶ負荷を楽しめる人には最高でも、まず日本語で専門をじっくり固めたい人には合わないこともあります。どちらが良い悪いではなく、自分の性格と目的に照らして選ぶことが大切です。
- 向いている=英語で読み書きし議論することにワクワクする/留学や異文化に飛び込みたい
- 慎重に=まず日本語で専門を深めたい/英語は手段と割り切り、他の学問を主役にしたい
ランキングや偏差値の数字だけでは、この「相性」までは見えません。実際の経験を一つ紹介します。
筆者の体験
大学受験を迎えた娘と一緒に、外国語大学のオープンキャンパスへ足を運びました。同じ外国語系でも雰囲気はまるで違い、一校は説明を聞いて回るだけで終わったのに対し、もう一校は一日を通してプログラムが組まれ、娘が自分で予定を選んで動けるほどの熱量がありました。最終的に娘の気持ちを決めたのは、パンフレットの数字ではなく、その場で聞いた在校生の先輩のひとことでした。ランキングや偏差値は候補を絞る出発点として役立ちますが、「ここで学びたい」という手応えは、やはり自分の足で確かめて初めて分かるのだと実感しました。
そして、英語力そのものは大学に入ってからではなく、いまからでも伸ばせます。「話せること」と「試験で結果を出すこと」は別物で、そこを埋めておくと、受験でも入学後の英語の授業でも効いてきます。今の英語力で、いつまでに・どこまで届きそうかを一度プロに相談してみるのも一つの手です。
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進路指導教諭が選ぶ 関西で英語に強い大学【2025年度】
ここからが客観的な物差しです。下の表は、大学通信が全国の高校の進路指導教諭を対象に行った調査「グローバル教育に力を入れている大学」の近畿地区ランキング(2025年度版)です[1]。偏差値でも塾の主観でもなく、進路指導のプロが評価した順位である点がポイントです。
| 順位 | 設置 | 大学 | 点 |
|---|---|---|---|
| 1 | 私立 | 関西外国語大学 | 78 |
| 2 | 私立 | 同志社大学 | 76 |
| 3 | 私立 | 関西学院大学 | 75 |
| 4 | 私立 | 立命館大学 | 60 |
| 5 | 国立 | 京都大学 | 59 |
| 6 | 国立 | 大阪大学 | 26 |
| 6 | 公立 | 神戸市外国語大学 | 26 |
| 8 | 私立 | 近畿大学 | 24 |
| 9 | 私立 | 関西大学 | 22 |
| 10 | 私立 | 京都外国語大学 | 15 |
| 11 | 国立 | 神戸大学 | 10 |
| 12 | 私立 | 桃山学院大学 | 8 |
| 13 | 私立 | 大阪経済法科大学 | 7 |
※14位以下(各5ポイント以下)は、同志社女子大学・龍谷大学・大阪成蹊大学・大和大学(各5)、京都工芸繊維大学・甲南大学(各4)、大阪女学院大学(3)、京都産業大学(1)と続きます。
全国約3,000の高校を対象にアンケートを行い、751校から回答を得たものです。各項目で5校を選んで順位をつけてもらい、1番目の大学に5ポイント、2番目に4ポイント…と配点して集計しています[2]。「進学のプロが、生徒に自信をもって勧められる大学」を映した指標といえます。
昨年までと比べて、順位はどう動いた?
この調査は毎年実施され、順位は年ごとに大きく動きます。ひとつ前の2023年度版では、1位 関西外国語大学(58ポイント)、2位 同志社大学(46)、3位 立命館大学(40)、4位 京都大学(37)、5位 関西学院大学(31)という並びでした[3]。
最新2025年度版との違いを見ると、関西学院大学が5位から3位へ上昇し、立命館大学は3位から4位へ、京都外国語大学は8位から10位へ動きました。旧版で10位圏内だった摂南大学・奈良大学は近畿の上位から外れ、代わりに神戸市外国語大学・神戸大学・桃山学院大学が新たにランクインしています。
このように顔ぶれは毎年入れ替わります。ランキングは「今年の評価」であって固定ではない、という前提で見るのがおすすめです。
関西の上位校は“英語のどこ”に強い?
順位だけでは、各大学が英語の何に強いのかは分かりません。上位校を中心に、公式情報で確認できる“看板”のプログラムを整理します。自分の4つの軸(受験・学位・留学・就職)と照らして読んでみてください。
関西外国語大学(1位)|留学の規模は全国トップ級
近畿1位の関西外国語大学は、なんといっても留学の厚みが看板です。海外協定校は55の国・地域の428大学にのぼり、2025年度には約1,300人の学生が海外留学を実現しました。世界38の国・地域から年間約1,100人の留学生も受け入れており、キャンパスそのものが国際交流の場になっています[4]。
英語キャリア学部の英語キャリア学科では、原則として全員が長期の専門留学(プロフェッショナル・スタディ・アブロード)に参加する仕組みになっています[5]。
就職面の実績もはっきりしています。朝日新聞出版の大学ランキングによると、卒業生のキャビンアテンダント採用者数は2023年の19人、2020〜2023年の累計121人とも全国第1位です[4]。「英語を使う仕事に就きたい」人にとって、選択肢に入れる価値のある一校です。
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同志社大学(2位)|英語だけで学士が取れる
同志社大学の看板は、英語で学位を取りたい人向けの選択肢が揃っていることです。国際教育インスティテュート(ILA・2011年開設)では、授業を英語で行い、英語だけで学士号を取得できます[6]。
加えて、グローバル・コミュニケーション学部には英語コースがあり、実践的なコミュニケーション力を鍛えます[7]。総合大学の幅広い学問と英語環境を両立させたい人に向く一校です。
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関西学院大学(3位)|国際学部は全員が留学
今年3位に上がった関西学院大学は、国際学部で原則として全員が留学に参加します。期間は短期(約1か月)・中期(約4〜6か月)・長期(約6か月〜1年)から選ぶ形で、中期留学には学部生全員に40万円の補助(在学中1回・返還不要)が用意されています[10]。「留学を確実に経験したい」人にとって、制度として組み込まれている点は大きな安心材料です。
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立命館大学(4位)|海外大学と2つの学位を狙える
立命館大学は、海外大学との共同プログラムが特徴です。グローバル教養学部(GLA)は、オーストラリア国立大学(ANU)とのデュアル・ディグリー・プログラムで、立命館で3年・ANUで1年を過ごし、4年間で2つの大学の学位取得を目指します。授業はすべて英語、大阪いばらきキャンパスで、定員は年間100人です[8]。
国際関係学部には、米アメリカン大学と1つの学位を共同で授与するジョイント・ディグリー・プログラム(JDP)もあります[9]。英語で学び、海外大学の学位まで取りにいきたい人には強い選択肢です。立命館の英語重視の入試方式や配点は、立命館大学の英語の配点で詳しく確認できます。
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近畿大学(8位)・関西大学(9位)|外国語系は全員1年留学
近畿大学の国際学部は、グローバル専攻・東アジア専攻とも1年次後期から原則1年間の留学があり、渡航前に学内で集中的に語学を鍛えてから送り出します[14]。
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関西大学の外国語学部も、2年次に提携大学へ原則全員が1年間留学します(スタディ・アブロード・プログラム)。留学しても4年で卒業でき、保険料など約13万円は大学が負担します[15]。関関同立の中で外国語学部として留学を組み込んでいる点が特徴です。関西大学と近い難易度帯で英語を学べる大学は、関関同立・産近甲龍の次に狙う関西のおすすめ大学も参考になります。
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京都外国語大学(10位)|語学専門大学の強み
京都外国語大学は、外国語学部に英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・ブラジルポルトガル語・中国語・日本語・イタリア語・ロシア語の9つの言語学科を持つ語学専門の大学です。加えて国際貢献学部(グローバルスタディーズ学科・グローバル観光学科)があり、言語を軸にキャリアを描けます[11]。少人数で言語をとことん学びたい人に向きます。
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京都大学・大阪大学・神戸市外国語大学|国公立という選択肢
ランキング上位には国公立大学も入っています。京都大学のKyoto iUP(英語による学士課程)やKUINEPといった英語プログラムは、主に外国人留学生や交換留学生を対象としたもので、日本人高校生が英語だけで入学・卒業する学位課程ではない点は知っておきたいところです[12]。
大阪大学には、学部の課程を英語のみで受講・卒業できる「学部英語コース特別入試」があります[13]。研究力の高さと英語環境の両立を求めるなら、これらの国立大学や、公立の外国語専門大学である神戸市外国語大学も候補に入ります。
関関同立の国際系学部はどう選び分ける?
関西で英語を学ぶ私立を考えるとき、多くの人が最後に迷うのが関関同立の国際系学部です。同じ「国際系」でも、力点は次のように違います。目的の軸(学位・留学・言語)と重ねると選びやすくなります。
- 同志社=英語だけで学士が取れるILAと、グローバル・コミュニケーション学部の英語コース。総合大学の幅と英語環境の両立。
- 立命館=GLA(ANUとのデュアル学位)や国際関係学部のJDPなど、海外大学の学位まで狙える国際色。
- 関西学院=国際学部で全員が留学。留学を制度として確実に経験したい人向き。
- 関西=外国語学部で全員1年留学。「英語・外国語そのもの」を専門として深めたい人向き。
「英語で受験できるか」という入り口の観点でも各校は違います。英語1科目や英語重視の方式で受けられる関西の大学は、英語だけで受験できる大学【関西】で方式・配点までまとめています。
まとめ|関西で英語に強い大学は「目的」から選ぶ
進路指導教諭が選ぶ2025年度ランキングでは、関西外国語大学・同志社大学・関西学院大学が近畿のトップ3でした。ただしこれは出発点です。「英語で受験する/英語で学位を取る/留学が制度化されている/就職に強い」という4つの軸のどれを重視するかで、あなたに合う大学は変わります。
そして、数字だけでは分からない相性は、オープンキャンパスで在校生の話を聞くなど、足を運んで確かめるのがいちばんです。英語力そのものは今から伸ばせます。受験でも入学後でも効いてくるので、早めに動いておいて損はありません。
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で、いつまでに何をやれば届く?
✓ 外部検定のスコアで出願を有利にしたい
✓ 参考書は買ったが、伸びている実感がない
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英語外部検定は、出願の要件になったり、点数に換算されたりする方式が増えています。ただ「何点必要か」が分かっても、今の自分の英語のどこが足りていないかは、独学だと一番見えにくいところです。まずは無料のカウンセリングで、今の英語力と目標を突き合わせてもらうところからでも遅くありません。
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※編集部は情報提供の立場です。カウンセリングは実際に英語のスコアを伸ばす方法を探している方の相談窓口です。合う・合わないは相談のうえでご判断ください。外部検定の加点・換算の扱いは必ず各大学の最新募集要項でご確認ください。
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参考情報・出典
- 大学通信オンライン「2025年 進路指導教諭が評価する大学/グローバル教育に力を入れている大学 近畿地区」(2025年度版)
- 大学通信オンライン「グローバル教育に力を入れている大学ランキング2025【近畿編】」(調査方法)
- 大学通信オンライン「グローバル教育に力を入れている大学ランキング【近畿編】」(2023年度版・前年比較用)
- 関西外国語大学「OVER VIEW」(協定校428大学・派遣留学生数2025年度・受入留学生数2025年度実績・キャビンアテンダント採用者数は朝日新聞出版『2025年版大学ランキング』による)
- 関西外国語大学 英語キャリア学部 英語キャリア学科(専門留学)
- 同志社大学 国際教育インスティテュート(ILA)
- 同志社大学 グローバル・コミュニケーション学部 英語コース
- 立命館大学 グローバル教養学部(GLA・ANUとのデュアルディグリー)
- 立命館大学 国際関係学部 国際連携学科(ジョイント・ディグリー・プログラム)
- 関西学院大学 国際学部 留学プログラム
- 京都外国語大学 外国語学部(言語学科)
- 京都大学 Kyoto iUP(英語による学士課程)
- 大阪大学 学部英語コース特別入試
- 近畿大学 国際学部 留学プログラム
- 関西大学 外国語学部 スタディ・アブロード・プログラム
