難関私立大学群のMARCH(マーチ)
東京都に本部を置く難関私立大学群MARCH(マーチ)は下記大学の英字表記の頭文字で構成されます。
MARCHは、歴史が長くブランド力の高い私立総合大学として、いずれも日本の教育界で高い評価を受けていて、多様な分野での優れた教育力が認められています。
全国的に知名度も高く、入試難易度では首都圏において早稲田、慶応、上智などに次ぐ難関大学グループとされています。
MARCHは人気、知名度、ブランド、歴史などの他に、就職の強さも際立っているため、第1志望として受験する層はもちろん、早慶上智の滑り止めとして、また日東駒専のチャレンジ校として、上位ランクからも下位ランクからも受験生が集まってくるようです。
内部進学の人気が高まるワケ
各大学は多様な人材を呼び込むための入試戦略を実施していて、優秀な生徒を早く確保したい大学側と、現役合格を望んでいる学生との両者の意向が合致し、その結果AO・推薦入試での入学者が激増しているとのこと。
このようなこともあり、近年では難関大学へエスカレーター式に進学できる大学付属中高の人気が高まってきていて、今後さらに注目が高まっていくと思われます。
そこで今回の記事ではMARCHの一角「法政大学(H)」の附属校(付属校)や系属校(系列校)などの内部進学状況について詳しく見ていきたいと思います。
法政大学の特徴
THE 日本大学ランキング2023
- 総合順位:54位
- 教育充実度:35位
MARCHの中では下位の大学と揶揄されることもある法政大学ですが、人気は非常に高く、2022年度入試実志願者数ランキング(週刊朝日)では全国1位、2023年私立大学の実志願者数ランキングでも2位となっています。
またMARCHの中でも一際グローバル教育にも力を入れていて、少人数教育、国際教育の質が高く評価されています。様々な分野の専門科目は講義だけでなく、ディスカッションやレポート、論文の執筆も英語で行います。
また、アナウンサー志望の方にも人気がある大学で、アナウンサー出身大学ランキングでは、早稲田、慶應に続いて3位にランクインしています。
法政大学の附属校・系属校
法政大学の附属校や系属校などは以下の4校があります。
- 法政大学中学校・高等学校
- 法政大学第二中学校・高等学校
- 法政大学国際高等学校
附属校・系属校の内部進学率
学校名 | 種別 | 場所 | 高校入試 |
法政大学中学校・高等学校 | 共学校 | 三鷹市 | 有 |
法政大学第二中学校・高等学校 | 共学校 | 神奈川県 川崎市 | 有 |
法政大学国際高等学校 | 共学校 | 神奈川県 横浜市 | なし |
法政大学中学校・高等学校
法政大学中学校・高等学校は東京都三鷹市にある共学校で、学校法人法政大学が運営する直系の附属校です。
生徒数は中学校が1学年約140名で、高校入試は約92名の募集となっていますので、中学受験組が高校受験組よりも多くなっています。
以下は2023年4月1日現在の生徒数です
中学校 | 高等学校 | |
1年生 | 140 | 224 |
2年生 | 140 | 237 |
3年生 | 139 | 239 |
法政大学高等学校からは、例年85%とほとんどの生徒が法政大学に進学しているため、高校生の間に部活動や他の活動に全力で打ち込むことができるようです。
法政大学が定める基準を満たすこと
- 高校3年間の総合成績(概ね6割以上)
- 英語資格試験
- 基礎的思考力
このうち、英語資格試験の基準は英検2級で、そのほかTOEIC Bridge、GTEC、TOEFLについても同様な基準が設けられています。
希望学部・学科への進学、他大学への受験
法政大学高等学校からは多くの生徒が第1希望の学部・学科に進学しているとのことですが、法政大学から与えられる人数枠を超えて希望者が集中する学部・学科の場合は、必ずしも希望通りにはいかない。
とのことですので、希望する学部・学科に確実に進学を果たすためには、入学後も努力が必要になります。
また、法政大学の推薦権を保持したまま、他の国公私立大学を受験することも可能。
法政大学第二中学校・高等学校
法政大学第二中学校・高等学校は、神奈川県川崎市にある共学校で、学校法人法政大学が運営する直系の附属校です。
生徒数は中学入試では男子140名、女子70名に帰国生を加えた約230名ほどとなっていて、高校入試は約400名が入学し、1学年が600名を超えるマンモス校となっています。
以下は2023年4月1日現在の生徒数です
中学校 | 高等学校 | |
1年生 | 231 | 642 |
2年生 | 234 | 633 |
3年生 | 223 | 615 |
法政大学第二高等学校からも、例年約90%の生徒が法政大学へ内部進学をしているようで、有資格者全入制度として、法政大学への進学を希望する生徒で、以下の基準を満たしている学生は全員法政大学のいずれかの学部・学科に推薦されるという制度があります。
- 日常の成績が一定基準に達している
- 法政大学の指定する英語の外部試験で一定の成績を修めている
- 基礎的思考力確認テストで一定の成績を修めている
英語試験は、一度でも課せられた点数をクリアすればよい。
他大学への受験
法政大学第二から法政大学への進学は何名までという規定はなく、上記条件さえ満たせば全員法政大学への進学は可能です。また、法政大学の推薦権を保持したまま、他の国公私立大学を受験することも可能。
ただし、法政大学の学部学科希望に関しては法政大学を専願とする生徒から優先となることがあるようです。
法政大学国際高等学校
法政大学国際高等学校は、神奈川県横浜市にある共学校で、学校法人法政大学が運営する直系の附属校です。
2018年4月に、法政大学女子高等学校から法政大学国際高等学校になり、また同時に国際バカロレアDPの認定校となった学校で、生徒数は1学年約300名となっています。
学力が一定の基準に達していれば原則として全員が法政大学へ推薦される附属校推薦制度があり、多くの生徒が法政大学へ内部進学をしています。
- 学力が一定の基準に達していれば
また、法政大学の推薦権を保持したまま、他の国公私立大学を受験することも可能で、毎年50人前後の生徒が他大学に挑戦していて、国際バカロレア(IB)から海外大学への進学なども目指すことができます。