スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)偏差値・入学条件・学費【2026】

「世界トップ大学が、学費は年およそ30万円?」。長くそう言われてきたEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)ですが、2025年秋から留学生(日本人)の学費は約3倍になりました。それでもQS世界ランキング22位(2026)の理工系最高峰で、学ぶ価値は健在です。

EPFL(現地表記 École Polytechnique Fédérale de Lausanne)は、スイス・ローザンヌにある連邦立の理工系名門大学です。国際バカロレア(IB)で条件を満たせば無試験での直接入学が可能で、日本の高校生もEPFL独自の入学試験を通じて挑戦できます。ただし学士課程はフランス語で開講され、英語だけでは入学できません。ここを外すと、他の条件が揃っても土俵に乗れません。

EPFLを目指すとき、最後まで残る条件は学費ではなくフランス語B2です。日本人枠のIB38点も、直前の追い込みでは届きません。ここでは EPFL公式(epfl.ch)で確認した入学条件・学費・総費用を、いつ何から手を付けるかの順番とあわせて整理します。同じスイス連邦工科大学のチューリッヒ校(ETH)の入学条件・学費とは語学の要件が違うので、併願を考えるなら見比べてください。IBからオックスフォード大学へIBからシンガポール国立大学(NUS)へもあります。

目次

EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)とは?

EPFLの結論(先に4行)
  • スイス・ローザンヌの連邦立の理工系大学QS世界22位(2026)で日本の最難関と同格〜上位(※順位は機関・年度で変動)
  • 兄弟校のETH(チューリッヒ校)と並ぶスイス連邦立の工科大学2校の一つ。学士はフランス語・修士は主に英語
  • IBで日本からの留学生は38点+数学・物理HL 6/7で無試験の直接入学が可能(詳細は後述)
  • 学費は2025年秋から留学生は年約88万円(3倍化)。生活費込みの総額は年約680万円が目安
正式名称École Polytechnique Fédérale de Lausanne(EPFL/スイス連邦工科大学ローザンヌ校)
所在地スイス・ローザンヌ(レマン湖畔・フランス語圏)
設立1853年創立/1969年に連邦立EPFLへ(ローザンヌ大学から分離・連邦立化)[1]
区分連邦立(ETHドメインを構成する工科大学2校の一つ)[2]
学生数14,000人(2024)/125超の国籍・外国籍が約48%[3]
学部(学士)13プログラム(情報・電気電子・機械・建築・生命科学工学・数学・物理 ほか)[4]
授業言語学士=主にフランス語/修士=多くが英語[5]
出典:EPFL公式(2024〜2025)[1][3]

ETH・ローザンヌ大学(UNIL)との違い

EPFLは、名前の似た2つの大学と混同されがちです。ETH(チューリッヒ校)は別都市の兄弟校ローザンヌ大学(UNIL)は同じ街にある別の大学です。違いを整理します。

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大学区分・都市言語・特徴
EPFL
(ローザンヌ校)
連邦立・ローザンヌフランス語圏の理工系専門。情報・生命科学・建築に強い
ETH
(チューリッヒ校)
連邦立・チューリッヒドイツ語圏の理工系。EPFLとは連邦立の兄弟校
ローザンヌ大学
(UNIL)
カントン(州)立・ローザンヌ医・法・人文の総合大学。EPFLとは隣接キャンパスの別法人
EPFLは1969年にローザンヌ大学(UNIL)から分離して連邦立になりました[1]。理工系を目指すならEPFL、総合大学ならUNILです。

EPFLの偏差値・難易度は?日本の大学に例えると

「スイス連邦工科大学ローザンヌ校の偏差値は?」という検索は多いのですが、数字は存在しません。偏差値は日本の模試が出す指標で、入試の仕組みが違う海外大学には付かないからです。代わりに世界大学ランキングで日本の大学と並べると、難易度の目安はこう見えます。

大学世界ランキングの位置(目安)
EPFL(ローザンヌ校)QS 22位/THE 35位前後(2026)[6]
東京大学QS 30位前後/THE 28位前後
京都大学QS・THEとも50〜60位台
世界ランキングは年度・調査機関で変動します。あくまで難易度の”目安”で、偏差値ではありません[6]

つまりEPFLは、QSでは東大を上回り、日本の最難関(東大・京大)と同格かそれ以上のレベル感です。ただし調査機関によって東大と前後します。加えてフランス語B2+(IBが届かなければ)入学試験という、日本の受験には無いハードルが重なります。「偏差値◯◯相当」と単純化はできませんが、日本トップ校レベルの学力に、語学の関門が上乗せされると考えるのが実態に近いです。

正直な話|EPFLは「入口より1年目が本番」

EPFLは書類選考の通過自体は比較的広い一方で、1年目(プロペドゥティック課程)の試験が難関で、相当数の学生が進級できないことで知られます(EPFL公式の脱落率は非公表)。「入りやすいが、続けるのが難しい」大学です。入学後に必要なフランス語力・基礎学力を、高校のうちから固めておくことが重要になります。

EPFLの入学ルート|日本の高校生の2パターン

日本の高校生がEPFLの学士課程に入るには、大きく2つのルートがあります。持っている資格(IBの有無)で、どちらになるかが決まります[7]

  1. IBによる直接入学:国際バカロレア(DP)で規定の点数・HL科目を満たす場合(最も理想的)
  2. EPFL入学試験(examen d’admission):IBを持たない・要件に届かない場合(日本の一般的な高校卒業はこちら)

ルート1:IBによる直接入学

EPFLはIB(ディプロマ)を直接入学資格として認めています。ただし要件は「スイス在住者」と「海外から来る外国人」で2段階に分かれ、日本在住の日本人は厳しいほうの基準が適用されます。ここは他サイトが混同しやすい重要ポイントです[7]

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区分総合スコア必須HL科目定員
日本から来る留学生
(日本在住の日本人)
38/42点数学・物理とも6/7以上
化学・生物・情報のいずれかもHL
空き定員の範囲内
スイス在住者
(参考)
36/42点数学・物理をHL(5/7以上)制限なし
出典:EPFL「学士入学要件」(2025/26)[7]。ボーナス点を除く42点満点。日本人は上段(38点枠)が適用されます。

よくある誤解:他サイトでは「EPFLはIB36点で入れる」と紹介されることがありますが、それはスイス在住者の基準です。日本から出願する日本人は38点・数学と物理6/7・HL3科目が必要で、しかも空き定員の範囲内という条件が付きます[7]

筆者の体験
我が子の科目選択では、志望する学部の要件から逆算して、理系で求められる科目をHLで固めました。IBで何点取れるか分からない段階から、将来の方向性で複数の学校の要件を見比べて決めたのを覚えています。そのうえで、38点+HLの高得点を安定して取るのは、毎年公表される結果を見ても簡単ではないと感じます。早くからの計画的な積み上げが要になります。

日本人枠の38点+HL数学・物理の6/7は、最後の追い込みで届く数字ではありません。IBはEE・TOK・IAの積み上げまで込みでスコアが決まる設計なので、後半での挽回が効きにくいのです。早い段階でIB経験者に見てもらうと、どこで点を落としているかが分かります。

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ルート2:EPFL入学試験(CMS)

IBを持たない日本の一般的な高校卒業生は、EPFL独自の入学試験(examen d’admission)に合格する必要があります。この試験対策を兼ねたCMS(Cours de Mathématiques Spéciales=数学特別課程)という1年間の準備課程もあり、修了すれば入学試験合格と同等に扱われます[8]

  • 試験は原則フランス語で実施(数学・物理を中心に理数科目)
  • 試験料の目安:CHF550(一部科目)〜800(全科目)+登録料CHF150[8]
  • 理数試験の日程例:毎年1月中旬(登録は前年秋)

IBが38点に届きそうにない場合も、このルートで挑戦できます。ただし試験もフランス語のため、いずれのルートでもフランス語の早期習得が前提になります。

EPFLの語学要件(フランス語B2)

EPFLの学士課程は主にフランス語で開講されます(英語の授業は1学期に1科目まで/2年次以降は最大で半分程度が英語)。そのため出願時にフランス語B2レベル以上(C1推奨)の証明が求められます[5][7]

重要|「英語だけ」では学士に入れません

  • 学士=フランス語B2必須(C1強く推奨)。兄弟校ETHの「ドイツ語」とは違います
  • 修士=多くが英語で開講。「学部はフランス語、大学院は英語」と使い分ける進路もあります[5]
  • フランス語B2到達には通常1〜2年かかるため、Grade 11までの開始が安全です

※ EPFLは「B2水準」を要件として示していますが、受験可能な具体的な語学試験名(DELF/DALF等)は要件ページに明記していません。どの試験・スコアで証明できるかは、出願前にEPFLへ直接確認してください。

EPFLの学費【2025年秋に留学生は3倍化】

EPFLの授業料は長く「年約30万円」と破格でしたが、2025年秋から、留学目的でスイスに移り住む外国人(日本人)は約3倍に改定されました[9]

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区分授業料(年額)円換算の目安
〜2025年夏(全学生)CHF 1,460約29万円
2025年秋〜:留学生(日本人)CHF 4,380約88万円
スイス人・在住者等(除外対象)CHF 1,460(据置)約29万円
出典:EPFL「Tuition fees」「Transitional allowance」[9]。円換算は編集部の目安(1CHF≒200円・2026年7月時点/為替は変動)。日本から留学する日本人は改定対象です。

対象と除外・経過措置

  • 対象=留学目的でスイスに移住する外国人(=日本から進学する日本人)
  • 除外=スイス人/就労・家族帯同・保護などで入学前からスイス在住を証明できる外国人
  • 在学中の学生は課程修了まで旧学費が据え置き。ただし学士→修士へ進むと新学費が適用されます[9]

EPFL留学の総費用【公式データ】学費より”生活費”が主役

学費が3倍になったとはいえ、EPFL留学でお金の中心になるのは生活費です。スイスは世界有数の物価高で、EPFLが公表する公式の生活費目安は年約CHF30,000(約600万円)。学費と合わせた年間総額の目安は次のとおりです[10]

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項目(留学生・年額)CHF円換算の目安
授業料4,380約88万円
生活費(住居・食費・保険 等)約30,000約600万円
年間総額約34,000約680万円
出典:EPFL「Manage your budget」(生活費目安)[10]。生活費は月約CHF2,300・家具付きスタジオ約CHF900/月が目安。円換算は編集部目安(1CHF≒200円)。

注意|「学費が安い」だけで判断しない

他サイトでは「EPFLは学費が激安」と紹介されることがありますが、2025年秋以降の留学生は年約88万円で、さらに生活費が年約600万円かかります。入学試験を受ける場合は受験料CHF550〜800+登録料CHF150(合計約14〜19万円)も必要です[8]。費用は「学費だけ」でなく「生活費込みの総額」で計画してください。

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EPFL出願スケジュール

時期手続き
前年11月上旬〜オンライン出願開始(IS-Academiaポータル)
4月30日まで出願締切(語学・成績書類の提出)
1月中旬入学試験(IBを持たない場合)
9月中旬秋学期の修学開始
出典:EPFL「Admission」[7]。締切は年度により変わるため必ず公式で最新を確認してください。

日本の高校生の準備ステップ

POINT

IB科目選択(Grade 11開始前)

  • 数学(AA または AI)と物理をともにHLで選択
  • 化学・生物・情報のいずれか1科目もHLで確保(日本人枠の要件)
POINT

フランス語(最重要・早期)

  • Grade 11までにフランス語学習を開始(B2到達に1〜2年)
  • 出願締切(4月30日)までにB2以上の証明を用意
POINT

成績(38点+HL高得点)

  • IB総合38点以上を目標に設定
  • 特にHL数学・物理での6/7以上が重要

よくある質問(FAQ)

EPFLは英語だけで入学・勉強できる?

いいえ。学士課程は主にフランス語で、英語だけでは入学できません(出願時にフランス語B2以上の証明が必要)。入学試験を受けるルートでも試験はフランス語です。ただし修士課程は英語プログラムが多数あります。

EPFLの偏差値はどのくらい?

海外大学に偏差値はありません。難易度の目安ではQS世界22位(2026)で、東京大学と同格〜やや上(調査機関により前後)。日本の最難関+フランス語B2という多重のハードルと考えるのが実態に近いです。入学後も1年目(プロペドゥティック課程)の試験が難関で、進級できない学生が少なくない点にも注意が必要です。

IBは何点で入れる?

日本から出願する日本人は、42点満点中38点以上・数学と物理をともにHL 6/7以上・さらに化学/生物/情報のいずれかもHLが必要で、空き定員の範囲内で選考されます。「36点で入れる」という情報はスイス在住者向けの基準で、日本人には当てはまりません。

IBが38点に届かない場合は?

IBを持たない・要件に届かない場合は、EPFL独自の入学試験(examen d’admission)で挑戦できます。試験対策を兼ねた1年間の準備課程CMS(数学特別課程)を修了する道もあります。ただし試験・課程ともフランス語で行われます。

EPFLとETH(チューリッヒ校)はどちらが自分向き?

言語で選ぶのが分かりやすいです。EPFL=フランス語圏・ローザンヌETH=ドイツ語圏・チューリッヒ。どちらもスイス連邦立の理工系トップ校です。詳しくはETH(チューリッヒ校)の入学条件・学費もあわせてご確認ください。

フランス語が壁になるなら、ドイツ語圏の工科大学も選択肢です。ミュンヘン工科大学(TUM)の入学条件・学費を見ておくと、語学の要件がどう変わるかが分かります。

まとめ|EPFLへの道筋

EPFLは、QS世界22位の理工系教育を受けられる場所です。学費で諦める必要はありません。実際に越えることになるのは、フランス語B2・日本人枠のIB38点・ローザンヌの生活費の3つ。加えて2025年秋には学費の改定も入りました。この3つと改定を、早いうちに数字にしておけるかどうかが分かれ目になります。

  • 入学ルート:IB直接入学(日本人は38点・数物HL6/7)/EPFL入学試験(CMS)の2つ
  • フランス語B2:最重要。1〜2年かかるので最優先で早期スタート
  • 費用は総額で:学費約88万円より、生活費込み年約680万円で計画
  • 最新情報:学費・日程は毎年変わる=必ず公式で確認

筆者の体験
我が家でも、スイスの大学は進路の候補に挙がりました。ただ当時の我が子には、ドイツ語やフランス語が必要になることのハードルが高く、現実的な選択肢にはしきれませんでした。それでも修士課程は英語で学べるプログラムが多いと知り、大学院ならもう一度チャンスがあるかもしれないと今も感じています。

EPFLで最初に効いてくるのはフランス語です。B2まで1〜2年——つまりDPの2年間とまるごと重なります。IBの課題と語学をどう並走させるかは時間割の設計問題で、ここを曖昧なまま始めると語学が必ず後回しになります。相談で聞くならこの1点(B2到達の逆算スケジュール)を先に聞いてしまうのが早道です。

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参考情報・出典

  1. EPFL「Overview(沿革・組織)」
  2. ETH Board「Portrait of the ETH Domain(連邦立の設置区分)」
  3. EPFL「EPFL in figures 2024(学生数・国籍)」
  4. EPFL「Bachelor’s programs(学部一覧)」
  5. EPFL「Teaching languages(授業言語)」
  6. QS World University Rankings 2026(EPFL・比較用)
  7. EPFL「Bachelor admission criteria(入学要件・IB・語学・日程)」
  8. EPFL「Admission examination(入学試験・CMS・料金)」
  9. EPFL「Tuition fees / Transitional allowance(学費・3倍化)」
  10. EPFL「Manage your budget(生活費目安)」

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この記事を書いた人

Masakiのアバター Masaki IBDP修了生の父/教育・進路メディア運営

我が子のIB経験と海外留学準備で奮闘した保護者としての実体験が原点。「同じ保護者の目線」で膨大な情報を整理・分析し、後悔しない進路選択を共に考えるパートナーとして「国際バカロレアIB広場」を運営。大学選びから留学手続き、その先のキャリア形成までを見据えた情報を提供しています。→ 運営者プロフィール・お問い合わせ

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