「就職活動でTOEICって本当に必要?」
「履歴書に書ける点数は何点から?」
「志望企業が求めるレベルがわからない…」
これらの疑問は、就職活動を控える大学生の皆さんや、その保護者の方々から最も多く寄せられる相談です。
2025年現在、企業の求める英語力はより具体的で戦略的になっていて、単純に「600点あればよい」という時代は終わりました。採用担当者は、TOEICスコアをただの英語力指標ではなく、学習継続力や目標達成能力の証明として評価しています。
この記事では、2025年最新のデータに基づいた企業別スコア要件と、あなたのキャリア戦略に最適なTOEIC活用法を解説します。
なぜTOEICスコアが就活で重要なのか
現代のビジネス環境において、TOEICスコアは単なる英語力の指標を超えた意味を持っています。
企業がTOEICを重視する3つの理由
客観的な評価基準として機能
面接での短い会話では測れない英語力を、標準化されたスコアで公平に比較できます。
効率的な選考ツール
多数の応募者を効率的にスクリーニングする手段として活用されています。
学習継続力の証明
高スコア取得には相応の努力が必要なため、目標達成能力や継続力の指標として評価されます。
2025年最新データ|平均スコアと企業の採用動向
全体平均スコアの推移
まず、現在の状況を正確に把握しましょう。2023年度のTOEIC L&R平均スコアは、公開テストでは612点、IPテストでは492点となっています(IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024」)。
属性別平均スコア(2025年最新)
全体平均 | 612点(公開テスト) |
社会人平均 | 638点(2022年度データ) |
大学生平均 | 567点(2019年度データ) |
企業の採用動向
TOEIC Programを活用している企業・団体を対象にした調査では、採用時にTOEIC Programスコアを要件・参考にしている、もしくは新たに要件・参考とする可能性がある企業は55.4%と、過半数の企業がTOEICを重視しています。(IIBC「英語活用実態調査 【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」)
部門別期待スコア
企業が社員に期待するTOEIC L&Rスコアは技術部門では平均560点、営業部門では平均575点、海外部門では平均690点となっていており、配属希望部門によって求められるレベルが明確に異なります。
- 技術部門:平均560点
- 営業部門:平均575点
- 海外部門:平均690点
(IIBC「英語活用実態調査 【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」)。
履歴書に書ける点数は?スコア別企業評価を徹底解説
600点未満:基礎力不足のシグナル
この帯域では、多くの企業で「英語学習への意欲」そのものを疑問視される可能性があります。特に、グローバル展開を進める企業では、エントリーシートの段階で不利になることが予想されます。
対象企業例
- 地域密着型の中小企業
- 英語使用頻度の低い職種
600点台:最低限の土俵に立つ
企業調査では、まずは600点を目標にすることが推奨されています(IIBC「データでみるTOEIC Tests」)。この帯域は「英語に対する基礎的な理解がある」という評価を得られる最低ラインです。
対象企業例
- 大手メーカー(非グローバル部門)
- 金融機関(国内業務中心)
- IT企業(開発職)
700点台:差別化の始まり
この帯域から「英語ができる人材」として認識され始めます。多くの企業で「積極的に評価される」レベルに到達します。
対象企業例
- 総合商社(一般職)
- 外資系企業(アシスタント職)
- グローバル展開企業(国内営業)
800点以上:グローバル人材としての証明
TOEICのProficiency Scaleによると、860点以上はレベルAに該当し、「Non-Nativeとして十分な英語でのコミュニケーションができる」と定義されています(IIBC公式レベル別評価)。
対象企業例
- 外資系コンサルティングファーム
- 投資銀行
- 総合商社(海外部門)
- グローバルIT企業

業界別TOEICスコア要件一覧【2025年版】
以下は一般的な傾向であり、実際の採用基準は企業により大きく異なります。必ず各企業の最新の募集要項をご確認ください。
金融・コンサルティング業界
- 一般的な目安:700点以上
- 特徴:英語での資料作成、プレゼンテーション機会が多い
- 注意点:面接で英語力を直接確認される場合あり
商社・貿易関連
- 一般的な目安:730点以上
- 特徴:海外取引先との英語コミュニケーションが日常的
- 注意点:入社後の海外研修で高い英語力が要求される
外資系企業
- 一般的な目安:700点以上
- 特徴:職種により大きく異なる(事務職vs営業職vs技術職)
- 注意点:TOEICスコア以上に実践的コミュニケーション能力重視
IT・テクノロジー業界
- 一般的な目安: 600点以上
- 特徴: 技術力重視のため英語要件は比較的緩和される傾向
- 注意点: 技術文書の英語読解力は重要
製造業
- 技術系:560点程度(IIBC調査による部門平均)
- 営業系:575点程度(IIBC調査による部門平均)
- 海外事業部:690点程度(IIBC調査による部門平均)

履歴書・ESでTOEICスコアを最大活用する書き方
基本的な記載方法
正式記載例
【取得年月】2024年12月
【資格名称】TOEIC® Listening & Reading Test 785点 取得
スコア別アピール戦略
600点台の場合
「TOEIC600点取得に向けて、毎日1時間の学習を6ヶ月継続し、目標を達成しました。現在は730点を目指して継続学習中です」
700点台の場合
「TOEIC730点取得により、英語での基本的なビジネスコミュニケーションが可能です。大学のゼミでは英語論文を定期的に読み、内容を日本語でプレゼンテーションしています」
800点以上の場合
「TOEIC850点の英語力を活かし、海外インターンシップでマーケティング業務を英語で遂行しました。現地スタッフとの会議運営も担当し、プロジェクトを成功に導きました」
スコアアップストーリーの活用
単なるスコア報告ではなく、「学習プロセス」「困難克服」「継続力」を織り交ぜたストーリーとして伝えることで、より強いインパクトを与えられます。
IB生・海外大生向け|TOEICを受けるべき理由
「TOEFL 100点以上」「IELTS 7.0以上」を持つIB生や海外大学進学者から、「TOEICの必要性」について質問されることがよくありますが、日本企業への就職を考えるのであれば答えは明確にYESです。
理由1:企業の評価基準の違い
日本企業の人事担当者の多くは、TOEFL/IELTSの評価基準に慣れていません。一方、TOEICは日本で圧倒的な認知度を誇り、社内での評価基準も確立されています。
理由2:コミュニケーションツールとしての価値
就職活動は「異文化コミュニケーション」の一環です。企業が求める「共通言語」を理解し、それに合わせてアピールする能力も、グローバル人材に求められるスキルです。
理由3:アドバンテージの最大化
IB教育で培った英語力があれば、比較的短期間で高スコアを獲得できます。これを活用しない手はありません。
目標スコア別学習戦略|効率的な点数アップ法
効率的な学習アプローチ
基礎固め期(600点目標)
- 単語:基本4,000語の完全習得
- 文法:中学〜高校レベルの徹底復習
- リスニング:毎日30分の継続学習
スコア向上期(730点目標)
- 公式問題集を用いた実践演習
- 時間配分の最適化
- 苦手分野の集中対策
高得点期(860点以上目標)
- ビジネス英語の専門的学習
- 高難度問題への挑戦
- 実践的な英語使用機会の創出
実践的な英語力をどう身につけるか?
「実践的な英語使用機会」と言っても、日本にいながら質の高い練習機会を作るのは簡単ではありません。
特に就職活動では、単なる日常会話ではなく、論理的な議論や自分の考えを的確に伝える能力が求められます。面接で「英語ができます」と言うだけでなく、実際にその場で証明できる力が必要です。
もしそうした実践的な練習の場を求めているなら、【Cambly(キャンブリー)】
のようなオンライン英会話サービスも検討価値があります。
24時間いつでも世界中のネイティブ講師と繋がり、ニュース記事やビジネストピックについて議論できるため、TOEICのスコアアップと並行して「本物のコミュニケーション能力」を鍛えることができます。
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の利用を検討される場合、以下のプロモーションコードが利用できます。
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- 割引内容:レッスン料金が6%〜38% OFF(長期割引と併用可)
最新の学習リソース活用
公式教材
- TOEIC® L&R 公式問題集シリーズ
- 公式TOEIC® L&R プラクティス(アプリ)
補完教材
- 金のフレーズ(単語)
- スタディサプリTOEIC(総合対策)
入社後のキャリアに活かすTOEIC継続活用術
入社後のキャリア設計
TOEICスコアは入社がゴールではありません。むしろ、入社後のキャリア形成において継続的に価値を発揮します。
- 昇進・昇格:多くの企業で管理職登用の要件として設定
- 海外赴任:グローバル展開企業では必須条件
- 転職市場:より良いポジションへの移動時の強力な武器
継続学習の重要性
- スコアの有効性:公式には期限がないものの、多くの企業は2年以内のスコアを求める傾向(各企業採用要項より)
- 英語力維持:使わなければ衰える言語スキルの特性を理解した継続学習
まとめ:TOEICを戦略的に活用してキャリアを切り拓く
この記事のポイントを整理すると
スコア目標の設定
- 最低目標:600点(基本的な英語力の証明)
- 推奨目標:700点以上(多くの企業で評価される)
- 高目標:800点以上(グローバル人材としての証明)
戦略的活用法
- 志望業界・企業の要求レベルを正確に把握
- スコアだけでなく学習プロセスもアピール材料に
- 入社後のキャリア設計も視野に入れた継続学習
本質的な英語力の重要性
TOEICスコアは「入口」に過ぎません。真の目標は、グローバルな環境で活躍できる実践的な英語コミュニケーション能力の習得です。
私自身が子供のIB教育を通じて学んだことは、「言語は思考のツール」であり、「多様な文化や価値観を理解するための架け橋」だということです。TOEICのスコアアップを通じて、皆さんがより豊かなキャリアと人生を築かれることを心から願っています。
TOEIC就活に関するよくある質問
TOEICスコアは履歴書に何点から書けますか?
一般的には600点以上から履歴書に記載することが推奨されています。ただし、これは絶対的な基準ではありません。600点未満でも、英語学習への取り組み姿勢として、現在のスコアと目標スコア、学習計画を併せてアピールする方法もあります。
TOEICスコアの有効期限はありますか?
公式には有効期限はありませんが、多くの企業は2年以内のスコアを求める傾向があります。特に就職活動では、できるだけ新しいスコアを提示することをおすすめします。
IPテストのスコアは就活で使えますか?
使用可能ですが、企業によっては公開テストのスコアを重視する場合があります。履歴書には「(IPテスト)」と注記し、可能であれば公開テストも受験することをおすすめします。
外資系企業では何点必要ですか?
企業や職種により大きく異なりますが、一般的な目安として700点以上とされることが多いです。ただし、TOEICスコアよりも実際の英語でのコミュニケーション能力が重視されるため、面接対策も重要です。
TOEFL/IELTSがあればTOEICは不要ですか?
日本企業への就職を考える場合、TOEICの方が理解されやすいため、併せて取得することをおすすめします。特にIB生や海外大学生は、TOEICで比較的高スコアを取りやすい傾向があります。
TOEICのスコアアップにはどのくらい期間が必要ですか?
現在のレベルと目標により異なりますが、一般的に100点アップには約3-6ヶ月の継続学習が必要とされています。効率的な学習法を採用することで、期間を短縮することも可能です。
大学生のうちに何点を目標にすべきですか?
最低目標600点、推奨目標700点以上です。4年生の就職活動開始前には700点以上を目指すことで、選択肢が広がります。ただし、志望業界により要求レベルは異なります。
TOEICの勉強は就職後も続けるべきですか?
はい。昇進・昇格、海外赴任、転職などで継続的に価値を発揮します。また、英語力は使わなければ衰えるため、定期的な受験でレベルを維持することが重要です。
参考資料・データ出典
- IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024」
- IIBC「英語活用実態調査 【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」
- IIBC「レベル別評価の一覧表」
- IIBC「2023年TOEIC Listening & Reading Test 世界の国・地域別平均スコア発表」
- 企業情報:各企業の具体的なTOEICスコア要件については、企業の公式採用サイトおよび募集要項をご確認ください。記載されている目安スコアは一般的な傾向であり、実際の選考基準とは異なる場合があります。
※本記事は2025年6月時点の最新情報に基づいて作成されています。企業の採用基準は変更される可能性があるため、志望企業の最新情報を必ずご確認ください。