子どもの将来を考えるとき、どんな教育環境を選ぶべきか。それは多くの保護者にとって最も重要な決断の一つではないでしょうか。特にグローバル化が進む現代、世界で活躍できる視野と考える力を育む教育への関心は年々高まっています。
国際バカロレア(IB)ディプロマプログラムは、世界150カ国以上で認められている教育資格であり、東京大学からハーバード大学まで、国内外のトップ大学への進学において大きなアドバンテージとなります。
しかし、日本国内のどの学校がどれほどの教育成果を上げているのか、その実態はなかなか見えてきません。
この記事では、「IB-Schools.com」2024年の最新データに基づき、日本国内のIBDPハイスコア校を徹底分析しました。世界ランキング4位、平均41.5点という驚異的な成績を誇るK.インターナショナルスクール東京を筆頭に、国内トップ6校の詳細な比較を行っています。
日本国内IBDPハイスコア校ランキングTOP6
国際バカロレアのディプロマプログラム(IBDP)は45点満点で評価され、世界平均は約32.65点です。日本国内の学校の中で特に高いスコアを誇るトップ6校を見ていきましょう。
最新のIBDP最終試験の結果と分析はこちらの記事で詳しくまとめています。

1位
K.インターナショナルスクール東京(KIST)

平均スコア | 41.5点(2024年実績) |
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世界ランキング | 第4位 |
合格率 | 100%(IBディプロマ資格受験者) |
卒業生進路 | [海外大学] ケンブリッジ大学2名 スタンフォード大学1名 インペリアルカレッジ ジョンホプキンス大学医学部1名など [国内大学] 東京大学6名 九州大学1名 早稲田大学6名 慶應義塾大学4名 ICU・上智大学多数、 |
特徴 | 3歳から18歳までの一貫教育、IBの3つのプログラム(PYP、MYP、DP)をすべて提供 |
東京都江東区白河にあるKISTは、2024年のIBDPスコア平均が41.5点という驚異的な成績を収め、世界ランキング4位という日本のスクールとしては前例のない高い評価を得ています。2018年から2024年まで毎年スコアが向上し、過去数年間は国内トップの座を維持しています。
2位
サンモール・インターナショナルスクール(Saint Maur)

平均スコア | 35.3点(2024年実績) |
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設立 | 1872年(日本最古のインターナショナルスクール) |
特徴 | 約450名の生徒が通う歴史ある学校、アジア最古のインターナショナルスクールとしての伝統と実績 |
1872年に設立されたサンモール・インターナショナルスクールは、日本の国際教育のパイオニア(先駆者)として認知されています。長い歴史と伝統に裏打ちされた教育で、安定して高いスコアを維持しています。
3位
聖心インターナショナルスクール(International School of the Sacred HeartInternational School of the Sacred Heart)

平均スコア | 34.0点(2024年実績) |
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特徴 | 東京・世田谷区に位置し、カトリックの教育理念に基づいた女子校 |
カトリックの伝統とIBのカリキュラムを組み合わせた独自の教育を持ち、国際的な視野を持つ女性の育成に力を入れています。
3位タイ
横浜インターナショナルスクール(Yokohama International School)

平均スコア | 34.0点(2024年実績) |
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設立 | 1924年 |
特徴 | 100年近い歴史を持つ名門校、多様な国際的背景を持つ生徒が集う |
1924年に設立された歴史ある学校で、様々な国籍の生徒に質の高い国際教育を提供しています。すべての生徒を受け入れる教育環境が特徴です。
3位タイ
ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクール(Horizon Japan International School)

平均スコア | 34.0点(2024年実績) |
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特徴 | 横浜に位置し、創造的思考と国際的視野の育成に重点 |
グローバルリーダーシップ(世界で活躍するリーダー)の育成に力を入れていて、自分で調べて考える学習と深く考える力の育成を重視したカリキュラムを提供しています。
6位
カナディアン・インターナショナルスクール東京(Canadian International School Tokyo)

平均スコア | 33.8点(2024年実績) |
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特徴 | カナダの教育システムと国際バカロレアを組み合わせた独自のアプローチ |
カナダの教育理念に基づいた学びの環境を提供し、カナダ特有の多様な文化を大切にする価値観を取り入れた教育を行っています。
日本トップ校の圧倒的実績とその理由
K.インターナショナルスクールの圧倒的成功
K.インターナショナルスクール東京(KIST)は、特に注目すべき実績を持っています。2022年度には平均42.1点を達成し、2023年度は41.1点、2024年度も41.5点という高水準を維持しています。世界的に見ても、香港やシンガポール、イギリスの名門校と肩を並べる存在となっています。
KISTの進学実績
KISTの卒業生38名中、海外大学で顕著な合格獲得はケンブリッジ大学2名、スタンフォード大学1名、ブラウン大学1名、インペリアルカレッジ、ジョンホプキンス大学医学部1名、リバプール大学医学部1名など。
国内では東京大学6名、九州大学1名、早稲田大6名、慶應大学4名、ICU、上智に数十名合格しています。
この進学実績は、IBDPの高得点が世界各国の名門大学への入学において大きなアドバンテージになっていることを明確に示しています。特に東京大学やケンブリッジ大学などの超難関大学への合格者数は、K.インターナショナルスクールの教育の質の高さを反映しています。
KISTの学術的アプローチ
KISTでは、PYP(初等教育プログラム)からMYP(中等教育プログラム)、DP(ディプロマプログラム)まで一貫した教育体制を整えています。
特に注目すべきは、Grade 9と10にIGCSEプログラムが導入されていて、国内外の大学進学における選択肢が広がる工夫がなされていることです。
また、KISTは学力強化に特に力を入れていて、少人数制のクラス(最大26名)と個別指導の充実により、生徒一人ひとりの学力向上をサポートしています。
日本のトップ校に共通する特徴
- 一貫した教育プログラム
PYP→MYP→DPの連続した学び - 少人数制指導
25名前後のクラスサイズ - 国際的な教員陣
IB指導経験豊富な多国籍スタッフ - 英語環境の徹底
日常的な英語使用 - 探究重視の学習
暗記ではなく思考力育成
国内IBDP高得点校の成功の秘密
選抜システムと教育環境の最適化
KISTが実践する革新的な教育アプローチ
K.インターナショナルスクールの圧倒的な成果の背景には、独自の教育革新があります
- 教科統合カリキュラム:数学とアートを結びつけるなど、科目の枠を超えた学習を実践
- IGCSE導入:Grade 9-10でイギリスの国際資格を追加し、進路選択肢を拡大
- 継続的改善:教員の定期研修と最新教育手法の積極的導入
日本人のためのIBDP高得点獲得戦略
日本人の強みを活かした科目選択
科目選択では日本人としての強みを最大限活用しましょう。
- 日本語 A
母語の強みを活かし、深い文学分析や自信を持った議論が可能 - 英語 B
実践的な英語スキルが身につき、ネイティブレベルを求められる英語Aより現実的な選択肢 - 数学・理科
日本の教育で培った基礎力を活かし、数学AAかAIを選択
科目組合せは進路に合わせて検討し、6科目間の相乗効果も考慮しましょう。
IBに必要な英語力の強化
KISTのような最高峰校では日常的な英語使用が前提です。特にDPでは大学レベルの英語力が求められるため、早期からの準備が不可欠です。
効果的な英語力向上方法
- ネイティブとの実践会話:【Cambly(キャンブリー)】
– IBに必要な学術英語力を効率的に習得
- 英語での思考力強化:ディスカッションやディベート練習
- アカデミックライティング:エッセイ形式での表現力向上
IA・EE攻略と効率的試験対策
内部評価(IA)では、自分だけの独自性があり情報収集が容易なテーマを選び、評価基準を意識した取り組みが重要です。課題論文(EE)は6ヶ月以上の計画的準備と担当教員からの定期的フィードバックが成功の鍵となります。
試験対策では、過去5年分の問題分析で出題パターンを把握し、時間管理を徹底した解答練習を繰り返すことが効果的です。
K.インターナショナルスクールなどトップ校の定期的なモック試験実施と同様に、弱点を早期特定して重点対策するサイクルが高得点への近道になります。
専門指導の活用
科目選択や試験対策で不安がある場合は、IB経験者からの個別指導が効果的です。特にIA・EEは独学では難しい分野のため、適切なサポートが重要になります。
- IB経験者による個別指導:IB対策に特化した家庭教師サービスEDUBAL
– 1対1でIA・EE対策から科目別戦略まで完全サポート
- 学校での補習授業:担当教員との定期面談
- オンライン学習コミュニティ:同じ目標を持つ仲間との情報交換
IBDP高得点が開く進路の可能性
スコア別の進学可能性マップ
IBDPのスコアによって、進学可能な大学のレベルが変わってきます。一般的な目安は以下の通りです。
進学先の目安 | 世界大学ランキング | |
42点以上 | 超難関大学 | 10位以内 |
36点以上 | 50位以内 | |
30点以上 | 難関大学 | 100位以内 |
24点以上 | フルディプロマ取得 |
特に注目すべきは、KIST卒業生のデータから見える成果です。41.5点という平均点を背景に、東京大学をはじめとする国内トップ大学と、ケンブリッジ大学やスタンフォード大学などの世界トップ大学への進学実績があります。
これは、40点以上のハイスコアが実際に世界最難関大学への扉を開くことを示しています。

国内大学のIB入試評価と対策
国内の多くの大学がIBスコアを活用した入試制度を設けています。
- 東京大学
IB資格の取得およびIB最終試験の成績、TOEFL iBTまたはIELTSの成績、大学入学共通テスト(旧センター試験)の成績等により選抜 - 早稲田大学
一部の学部ではIBスコア36以上で出願資格が得られる - 慶應義塾大学
IBディプロマを含む外国の教育課程を修了した者を対象とした入試制度あり - 国際教養大学(AIU)
IBDPスコアを重視した選考を実施 - 国際基督教大学(ICU)
IB入試において、IBスコアに基づいた選考
特に東京大学は、2022年度よりIBを含むグローバル入試の募集人員を増加させていて、IBディプロマの評価が高まっていることがうかがえます。

海外大学進学におけるアドバンテージ
IBDPのスコアは世界中の大学で認められていて、特に以下のような点でアドバンテージがあります。
- 入学選考での評価
多くの海外大学はIBスコアを重視し、特に世界トップ大学では高スコアが求められる - 単位認定
高得点の場合、大学の単位として認定されることがある - 奨学金獲得の可能性
高スコアは奨学金獲得につながりやすい
日本国内IBDP高得点校ランキングの総評
この記事では、日本国内のIBDP高得点校について詳しく見てきました。K.インターナショナルスクール東京を筆頭に、世界水準の教育を提供する学校が日本にも存在することが明らかになりました。
ランキングから見える日本の国際教育の現状
日本国内のトップ6校は、いずれも世界平均(32.7点)を大きく上回るスコアを誇っています。
特にK.インターナショナルスクール東京の41.5点という平均点は、世界4位という驚異的な成績であり、香港やシンガポール、イギリスの名門校と肩を並べるレベルに達しています。
それぞれの学校には特色があり、KISTの学術的な厳格さ、サンモールの歴史と伝統、聖心の価値観に基づく教育など、多様な選択肢が存在しています。
世界的に見ても競争力のある教育が日本国内で受けられることは、グローバル人材を目指す学生や保護者にとって大きな朗報と言えるでしょう。
学校選びのポイント
ランキングだけでなく、各校の教育方針や環境が、お子様の性格や学習スタイル、将来の目標と合致しているかを慎重に検討することが重要です。英語力のレベル、学費、立地条件、教育の特色など、総合的な視点から最適な学校を選ぶことをお勧めします。
K.インターナショナルスクールのような最高峰の学校を目指すなら、早い段階からの準備と英語力の強化が不可欠ですが、サンモールやヨコハマインターナショナルスクールのように、英語サポートが充実した学校も選択肢として考慮する価値があります。
ランキング外にも素晴らしいIB校が多数存在
この記事ではスコアをベースにトップ6校を紹介しましたが、日本国内には他にも素晴らしいIB教育を提供している学校が多数あります。
また、近年は公立のIB認定校も増加傾向にあり、より経済的にアクセスしやすいIB教育の選択肢も広がっています。
参考情報・引用情報
- IB-SCHOOLS.COM「Global Top IB Schools」
- K.International School Tokyo「Academic performance」
- SAINT MAUR INTERNATIONAL SCHOOL「IGCSE and IB Academic Achievements and Results 2024」
- YOKOHAMA INTERNATIONAL SCHOOL「External Assessments IBDP Results」
- HORIZON JAPAN INTERNATIONAL SCHOOL「IB Pass rate」
- 東京大学「2025年度外国学校卒業学生特別選考募集要項」
- IB-Schools.com 日本のIBスクールランキング2024年