「日本のインターナショナルスクールやIB校を、学力で比べるとどこが強いのだろう」。お子さんの学校選びで、そう思って検索された方は多いはずです。
ところが、いざ調べると「世界4位」「平均41点」といった数字が出典もばらばらに飛び交い、どれを信じてよいか分かりません。そこでこの記事では、IB専門メディアとして日本のIBディプロマ(DP)認定校79校すべての公式サイトを実際に確認し、各校が自ら公表している最新の平均スコアだけを、年度と出典つきで並べ直しました。
- 日本で最もIB平均点が高いのはK.インターナショナルスクール東京(KIST)=42.0点(2025年卒・世界4位)[1]。
- ただし自校の平均点を公式に公表している日本の学校は、79校中わずか17校だけ。残りは非公表か卒業生がまだいない学校です。
- 点数は年度で世界平均が動く(コロナ特例の年は高め)ため、生の点数ではなく「世界平均との差」で見るのが正確です。
- 大半の学校が非公表なので、「日本のIB校 完全ランキング」は本来存在しません。この記事は”公表している校”を正直に、出典つきで並べたものです。
日本のIBスコアランキング(公式公表校・2026年最新)
まず、各校が自校の公式サイト・公式School Profileで公表している最新の平均スコアを、高い順に並べます。年度が学校ごとに異なるため、その年の世界平均との差(=相対的な強さ)も併記しました。
| 学校(所在) | 最新の平均点 | 年度 | 世界平均との差 |
|---|---|---|---|
| KIST(東京)[1] | 42.0 | 2025 | +11.4 |
| 大阪インター関学(箕面)[4] | 36 | 2024 | +5.7 |
| GIIS東京[5] | 35.4 | 2025 | +4.8 |
| UWC ISAK(軽井沢)[6] | 35 | 2024 | +4.7 |
| リンデンホール(福岡)[7] | 34.45 | 2023 | +5.4※ |
| 開智日本橋学園(東京)[8] | 34.4 | 2025頃 | +5.1※ |
| サンモール(横浜)[10] | 34.2 | 2025 | +3.6 |
| 清泉(東京・女子)[11] | 34 | 2024 | +3.7 |
| セント・メリーズ(東京・男子)[9] | 34 | 2025 | +3.4 |
| 立命館宇治(京都)[12] | 33.7 | 2024 | +3.4 |
| カナディアン・アカデミー(神戸)[13] | 33.3 | 2025 | +2.7 |
| 大阪YMCA(大阪)[14] | 33.1 | 2024 | +2.8 |
| 横浜インター(横浜)[15] | 32 | 2025 | +1.4 |
| 名古屋インター(名古屋)[16] | 31.5 | 2024 | +1.2 |
| 広島インター(広島)[17] | 30 | 2024 | −0.3 |
※ この表は「自校が公式に平均点を公表している学校」のみを掲載しています。聖心・ホライゾンなど平均点を公表していない学校は含みません(理由は後述)。同志社国際京都は「合格者平均34点」を公表していますが、学校全体の平均とは基準が異なるため表からは外しています[21]。
IBは45点満点で、24点以上でディプロマ(修了資格)が得られます。上の表の学校はいずれも世界平均を上回るか同水準で、日本の中では上位のグループです。ただし「生の点数」だけを鵜呑みにすると、順位を読み違えます。次にその見方を説明します。
ランキングの「2つのモノサシ」|平均点だけで選ばない
なぜ生の点数を単純に比べられないのか
IBの平均点は、その年の試験の難しさや世界全体の状況で上下します。特に2021〜2022年は新型コロナの特例措置で世界平均が高く、2023年以降は通常水準に戻りました。
| 試験年 | IB世界平均 |
|---|---|
| 2021 | 約33.0 |
| 2022 | 約32.0 |
| 2023 | 30.24 |
| 2024 | 30.32 |
| 2025 | 30.58 |
たとえば、世界平均が高かった年(2021〜22年)の点数と、通常水準に戻った年(2023年以降)の点数は、そのまま並べては比べられません。そこで各校の点数を「その年の世界平均との差」に直すと、年度をまたいでも公平に比べられます。
もう一つのモノサシ=進学実績(出口)
平均点を公表しない学校でも、卒業生の進学先は公表していることが多く、そこから学力の水準を推し量れます。平均点(入学後の到達度)と進学実績(出口)は別のモノサシです。点数が同じでも、海外難関大に強い学校もあれば、国内大学中心の学校もあります。学校選びでは「平均点」と「進学実績」の両方を見るのが確実です。
世界4位「KIST」|日本のIBを象徴する学校
K.インターナショナルスクール東京(KIST・江東区)は、2025年卒業生の平均が42.0点。IB専門の集計サイトIB-Schools.comのグローバル・リーグ表で世界4位にランクインしました[3]。卒業生の25%が満点の45点、89%が40点以上という、日本では突出した水準です[1]。
※「世界4位」はIB機構(IBO)の公式ランキングではありません。IB機構は学校の序列を公表しておらず、この順位は第三者集計サイトIB-Schools.comによるものです。
KISTは3歳から18歳までの一貫教育で、IBの3プログラム(PYP・MYP・DP)をすべて提供し、Grade 10で英国の国際資格IGCSEも受験します[1]。進学実績については、公式サイトはケンブリッジ・スタンフォードなどの名門大学名を挙げつつ、卒業生の約9割が国外の大学へ進学すると説明しています[1]。IBの高得点が世界の大学への扉を開くことを示す好例です。
IBの点数の仕組みそのものについては、IBスコアは何点満点でどう決まるかや、IB最終試験結果の分析もあわせてご覧ください。
なぜ「日本のIB校ランキング」は完全版が存在しないのか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。私たちは今回、文部科学省IB教育推進コンソーシアムが示す日本のDP認定校79校[18]を1校ずつ確認しました。その結果は次のとおりです。
- 自校の平均点を公式に公表しているのは79校中17校だけ。
- 日本のカリキュラムでIBを行う「一条校」は50校あるが、平均点を公表しているのは4校のみ(立命館宇治・リンデンホール・開智日本橋学園・UWC ISAK)。
- 多くの学校は「ディプロマ取得率」「合格大学の一覧」は出すが、クラスの平均点は出さない。
- 新しくDPを始めた学校は、そもそも卒業生がまだいないため点数が存在しない。
加えて、IB機構自身が学校を格付けしていません。だからこそ、出典のはっきりしない「平均◯点」という数字が、いくつものサイトを渡り歩いてしまいます。
私たちはその状況を正直にお伝えするために、公表している学校だけを、出典つきで並べるという方針を取りました。「もっと点数の高い学校が抜けているのでは」と心配する必要はありません。79校すべてを確認したうえで、公表している学校がこれだけ、ということです。
主要なIB校を地域・タイプ別に見る
点数だけでは学校の性格は分かりません。上位校を中心に、どんな学校かを簡単に整理します。
- KIST(東京・江東区):3〜18歳の一貫校。日本最高水準の平均点で、卒業生の約9割が海外大へ。
- 大阪インターナショナルスクール関西学院(箕面):関西学院と連携。30年超の長期平均でも33.77点と安定[4]。
- UWC ISAK Japan(長野・軽井沢):全寮制。世界各国から生徒が集まる。文科省の区分では一条校です。
- セント・メリーズ(東京・男子)/清泉(東京・女子):いずれも歴史あるカトリック系インター。理数に強みを持つ校もあります。
- サンモール(横浜):1872年創立、日本最古のインターナショナルスクール。2025年も合格率100%[10]。
- カナディアン・アカデミー(神戸):カナダ系の伝統校。2021〜2025年の平均点推移を公式に公開しています[13]。
- 立命館宇治・リンデンホール・開智日本橋学園:日本のカリキュラムでIBを行う「一条校」で、平均点を公表している数少ない学校です。
なお、以前から名前の挙がる聖心インターナショナル(東京・渋谷区広尾)やホライゾン・ジャパン(横浜)は、公式サイトに学校平均点の記載がありません。聖心は米国式・APを主体とする学校で、IBは選択科目としての提供です。これらは「点数が非公表」という前提で、進学実績などから判断するのが正確です。
公立・私立の一条校でIBを目指す選択肢もあります。たとえば都立国際高校(都内唯一の国際学科・公立IB)、大宮国際中等教育学校(さいたま市立)、水都国際(大阪初の公立IB)、立命館宇治、AICJ高校(広島)、大阪女学院、茗溪学園(茨城)、岡山理科大学附属などです。学費を抑えつつIB教育を受けられる選択肢として、私立インターとあわせて検討する価値があります。認定校の全体像や世界のデータはIB認定校ランキング・一覧にまとめています。
日本人がIBで高得点を取る戦略
上位校の顔ぶれを見ると、高得点には共通の型があります。ここは学校選びの後、実際にIBに挑むお子さんへの実践的なヒントです。
日本人の強みを活かす科目選択
IBは6科目を選びます。日本語話者なら、母語である日本語Aで深い文学分析や議論に臨めるのが大きな強み。英語は、ネイティブレベルを求められる英語Aより、英語Bの方が現実的な選択肢になることが多いです。数学・理科は、日本の教育で培った基礎力を活かせます。実際、GIIS東京でも日本語初級・日本語B・経済・数学AAが特に良い成績だったと公表されています[5]。
英語力・IA・EE・専門指導
上位のインター校では日常的に英語が使われ、DPでは大学レベルの英語力が前提になります。早い段階からの英語の積み上げが欠かせません。
また、内部評価(IA)や課題論文(EE)は、独学では対策が難しい分野です。自分だけの独自性があり情報を集めやすいテーマを選び、評価基準を意識して、担当教員から定期的にフィードバックを受けながら進めるのが王道。過去問で出題パターンをつかみ、時間配分を体に入れる練習も効果的です。科目選択やIA・EEに不安があるなら、IB経験者による1対1の個別指導が有効です。
筆者の体験
我が家では、科目選択を本人任せにせず、先に志望する大学の受験要件を調べてから決めました。学校選びの段階でも、開講科目の一覧と大学の要件を照らし合わせて、「その学校で必要な科目の組み合わせが取れるか」まで確認したのを覚えています。
一方で正直なところ、IBDPは日本語で読める情報が少なく、IAやEEはあれこれ調べながらの手探りでした。一般的な科目の勉強なら親でも支えてやれましたが、IB特有の課題は本人に任せきりで、もっと手助けできたのでは、という心残りもあります。
PRIB(国際バカロレア)対策|オンライン・海外からもOK
IBは独特。“経験者”に頼るのが立ち上がりの近道。
✓ IBの課題(EE・TOK・IA)や英語での授業に伴走してほしい
✓ DPスコアを上げたい/評価の仕組みが分からない
✓ 海外大出願まで見据えて相談したい
IBは学習法も評価(EE/TOK/IA)も独特で、入学後に負荷を感じる生徒は少なくありません。EDUBALの教師はIBを実際に経験した帰国子女×現役大学生が中心。まずは無料の体験授業で、オンライン指導が合うかを1回確かめてみるのが近道です。
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IBスコアでどんな進路が開けるか
IBの点数は、国内外の大学入試で活用できます。おおよその目安は次のとおりですが、上位帯はあくまで一般的なイメージで、大学ごとに評価は異なります。
| IBスコア | 進路の目安 |
|---|---|
| 42点以上 | 世界トップクラスの難関大も視野(あくまで目安) |
| 36点以上 | 国内外の難関大の多くで出願の目安に |
| 30点以上 | 国内外の幅広い大学が選択肢に |
| 24点以上 | ディプロマ(修了資格)取得の最低ライン |
国内大学のIB活用入試は年々広がっていますが、制度は大学ごとにかなり違います。主なものを正確に整理します。
| 東京大学 | 「外国学校卒業学生特別選考」で受入。出願書類(IB・TOEFL/IELTS等)+小論文+面接で選抜し、大学入学共通テストは課しません[19]。 |
|---|---|
| 早稲田大学 | 英語学位プログラムなどのAO入試でIB修了(見込)者を受入。書類・面接中心で、公表された固定のスコア閾値はありません。 |
| 慶應義塾大学 | IB入試は法学部のみ(募集20名)。国内のIB校で取得したディプロマが対象です[20]。 |
| 国際教養大学(AIU)・ICU | いずれもIB修了者向けの選考あり。ICUは日本語A履修などの要件があります。 |
IB全体の仕組みや、日本の大学へのつながりは国際バカロレア(IB)とはで基礎から解説しています。
よくある質問(FAQ)
まとめ
- 日本の最高峰はKIST(42.0点・2025年卒・世界4位)。25%が満点45点という突出した水準。
- 公式に平均点を公表しているのは79校中17校。生の点数でなく「世界平均との差」で見ると実力が正しく比較できる。
- 大半の学校は平均点を非公表=完全な全国ランキングは存在しない。点数と進学実績の両方で見るのが確実。
- 学費や通いやすさも含め、お子さんに合うかどうかを総合的に。公立IBという選択肢も広がっている。
参考情報・出典
- K. International School Tokyo「Academic Performance」(2025年卒業生・平均42.0点)
- IB「DP/CP Statistical Bulletin May 2025」(世界平均30.58点)ほかIB公式統計速報
- IB-Schools.com「Global Top IB Schools」(KIST 世界4位・第三者集計)
- Osaka International School of Kwansei Gakuin「School Profile 2024-2025」(平均36点・2024年卒)
- GIIS Tokyo 公式ニュース(2025年卒・平均35.4点・50%が35点以上)
- UWC ISAK Japan「Academic Overview」(2024年卒・平均35点)
- リンデンホールスクール中高学部 公式ニュース(2023年度・平均34.45点・11月試験)
- 開智日本橋学園高等学校「DP実績」(平均34.4点)
- St. Mary’s International School「School Profile 2025-2026」(2025年卒・平均34点/2024年卒35点・公式IB Diploma Programmeページ掲載)
- Saint Maur International School 公式ニュース(2025年卒・平均34.2点・合格率100%)
- Seisen International School「School Profile 2024-2025」(2024年卒・平均34点)
- 立命館宇治高等学校 公式ニュース(2024年卒・平均33.7点)
- Canadian Academy「School Profile 2025-26」(2025年卒・平均33.3点・5年推移公開)
- Osaka YMCA International School「MYP-DP School Profile 2024-25」(2024年卒・平均33.1点)
- Yokohama International School「School Profile」(2025年卒・平均32点/5年平均約35点)
- Nagoya International School「Secondary Profile 2024-25」(2024年卒・平均31.5点)
- Hiroshima International School「School Profile 2025-26」(2024年卒・平均30点/累計32.5点)
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「認定校一覧」(DP認定校79校・令和8年3月31日時点)
- 東京大学「外国学校卒業学生特別選考」
- 慶應義塾大学「IB入試(法学部)」
- Doshisha International School, Kyoto「Life after DISK」(IB Diploma Passing Average 34)
