「偏差値40の国立大学なのに、有名企業への就職率が旧帝大と互角?」
実は、理系大学の世界には知る人ぞ知る”隠れた名門”が存在します。
東京工業大学や京都大学工学部のような超難関校を目指せなくても、特定の専門分野では企業から高く評価され、抜群の就職実績を誇る国立大学が全国各地に点在しているのです。
実験設備が最先端、教授陣の研究が世界的に注目されている、地元の基幹産業との太いパイプがある。そんな大学なら、偏差値が多少低くても卒業後のキャリアは明るい未来が待っています。
この記事では、入試難易度は比較的手が届きやすいのに、就職実績では一流企業へのドアが開かれている「理系のコスパ最強国立大学」を紹介します。
1. 室蘭工業大学
北海道室蘭市に位置する工学系単科大学で、1887年設立の札幌農学校工学科を源流とする伝統校です。
「創造的な科学技術で夢をかたちに」を教育目標に掲げ、北海道の重工業を支える技術者を数多く輩出してきました。
産業都市室蘭の立地を活かした産学連携が盛んで、研究力の高さには定評があります。
- ロボット・コンピュータ科学分野が有名
- 航空宇宙の研究も強み
- 充実した研究設備
- 産業都市室蘭の特性を活かした教育研究
入試難易度
- 偏差値:37.5~40程度
(国立大学としては低め) - 共通テスト得点率:50~55%程度
- 有名企業400社就職率16.6%(52位)
- 日本製鉄など地元企業とのパイプが強い
- 機械・電子系メーカーへの就職が多い
なぜ就職に強いのか?
- 1887年設立の札幌農学校工学科を起源とする伝統
- 産学連携が盛んで、共同研究や受託研究の制度が充実
- 北海道の重工業を支える人材育成に特化

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2. 長岡技術科学大学・豊橋技術科学大学
この2つの技術科学大学は、1976年に高等専門学校(高専)卒業生のための上級教育機関として設立されました。
「技学」という実践的な工学教育を掲げ、産業界との密接な連携による応用研究が特徴です。高専からの編入生が多いことで知られていますが、一般入試でも狙う価値のある大学です。
- 3年次編入が多く、一般入試の枠は比較的少ない
- 日本トップクラスの研究機関としての評価
- 国際性も豊か
- 産業界との連携が強い
入試難易度
- 偏差値:45~50程度
- 共通テスト得点率:60~65%程度
- 有名企業400社就職率は
長岡が24.9%
豊橋が29.7% と非常に高い - 大手製造業への就職に強み
- エンジニアとしての実践的スキルが評価されている
教育の特徴
- 実践的な工学教育
- 企業との共同研究が多い
- 高度な研究設備の充実

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3. 信州大学(繊維学部)
長野県上田市に位置する日本唯一の繊維学部で、1920年代に設立された繊維高等学校を前身とします。
「繊維」という名前から古めかしい印象を持たれがちですが、実際は先端材料科学から機械・ロボット工学、バイオテクノロジーまで幅広い最先端分野を網羅した理工系学部です。
- 日本唯一の繊維学部
- 繊維という名前ながら、応用範囲は広い(ロボット工学、航空材料、バイオ技術など)
- 企業と連携した共同研究が多い
- 4つの学科
(先進繊維・感性工学科、機械・ロボット学科、化学・材料学科、応用生物科学科)
入試難易度
- 偏差値:47.5~52.5
- 共通テスト得点率:61~74%
- 大学全体で有名企業400社就職率17.7%(49位)
- 繊維学部単体ではさらに高い就職率
- 花王、東芝、東レなどの大手メーカーへの就職実績あり
専門分野の広がり
- 繊維工学の基礎から最先端技術まで
- バイオテクノロジー、ロボット工学、材料科学など幅広い応用分野
- 産業界との連携研究が盛ん

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4. 電気通信大学
東京都調布市に位置する情報通信技術(ICT)分野に特化した国立大学です。
1918年に無線通信士を養成する「無線電信講習所」として創設され、その後日本の情報通信革命を支える技術者を輩出してきました。
首都圏にある理工系大学として、大手企業との産学連携や就職に有利な立地条件を備えています。
- 情報・通信・電子・メカトロニクス分野に特化
- 「UECパスポート」という独自の修学支援制度
- 首都圏に位置するため就職活動に有利
- コンピュータサイエンス分野の研究力が高い
入試難易度
- 偏差値:52.5~55
- 共通テスト得点率:65~70%程度
- IT・通信関連企業への就職に強み
- 大手電機メーカーへの就職実績も多い
- 研究開発職への就職率が高い
専門分野の広がり
- 「会話」「体験」「コミュニケーション」の3つの要素を重視した実践的英語教育
- 学科の壁を越えた分野横断的な教育プログラム
- 企業との共同研究やインターンシップが充実

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5. 九州工業大学
福岡県北九州市と飯塚市に2つのキャンパスを持つ工学系の国立大学です。
1909年に明治政府が「工業立国」を目指して設立した官立明治専門学校が前身で、九州地方の工業教育の中心として100年以上の歴史を誇ります。
「技術に堪能なる士君子」を教育理念に掲げ、実践的な工学教育に定評があります。
- 工学部(戸畑キャンパス)と情報工学部(飯塚キャンパス)の2学部構成
- 実践的な工学教育
- インターンシップや企業との連携が充実
- 九州地方の産業を支える技術者を多数輩出
入試難易度
- 偏差値:47.5~52.5
- 共通テスト得点率:60~65%程度
- 九州地方の製造業への就職に強み
- 全国的な大手メーカーへの就職実績もある
- 地元企業との連携による就職サポートが充実
- 特に自動車・半導体関連企業への就職が多い
教育の特徴
- 少人数教育によるきめ細かな指導
- 実験・実習を重視したカリキュラム
- PBL(課題解決型学習)の先進的導入
- 地域企業との共同研究プロジェクトが多数

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穴場!コスパ抜群の理系大学・学科
実績ある医療系学部
地域の医療を支える役割を担う以下の医学部・医療系学部は、難易度の割に研修先の選択肢が広く、地域医療に貢献したい学生に適しています。
旭川医科大学
北海道内の医師確保に重要な役割を果たし、地域医療に情熱を持つ学生には絶好の選択肢。
特に消化器外科や循環器内科の研究レベルは全国的にも高く評価されています。
道北・道東地域の基幹病院への就職パイプが強いのも魅力です。
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秋田大学(医学部)
高齢化最先端県である秋田で地域医療の最前線を学べる環境。
特に総合診療医育成プログラムが充実しており、全国的にも注目を集めています。
都市部の大学病院とは異なる多様な症例経験ができるのが強みです。
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山形大学(医学部)
地域医療と先端医療の両立を目指す特色あるカリキュラム。
特に小児医療と心臓血管外科の研究レベルが高く、東北地方の中核病院への高い就職率を誇ります。
偏差値の割に臨床研修環境が充実している点も魅力です。
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ニッチながら就職に強い専門学部
同じ大学内の他学部と比べて入試難易度が低めでも、専門性が高く就職に強い以下の学部は、独自の専門性を活かしたキャリアを考える学生におすすめです。
北海道大学水産学部
日本有数の水産資源を持つ北海道ならではの実践的教育環境。
大手水産会社はもちろん、食品メーカーや環境関連企業への幅広い就職実績があります。
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九州大学芸術工学部
工学と芸術の融合教育で、デザイン分野で高い評価を受けています。
特にUXデザインやプロダクトデザイン分野では、トヨタやソニーなど大手メーカーのデザイン部門への就職実績が豊富。
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山形大学工学部
(高分子・有機材料工学科)
日本有数の高分子材料研究拠点として知られ、研究力の高さから大学院は工学部から独立した組織となっています。
電子デバイスメーカーや化学メーカーへの就職に強く、有機ELディスプレイなど最先端分野の研究に携われる環境が整っています。
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理系学生の大学選びポイント
- 学科・研究室の特色を重視する
理系の場合、大学よりも学科や研究室の特色が重要です。将来の進路に直結する専門分野を持つ学科を選びましょう。 - 研究設備を確認する
特に実験系の学科では、大学の研究設備が充実しているかどうかが学びの質に大きく影響します。オープンキャンパスや大学案内でしっかりチェックしましょう。 - 産学連携の状況をチェックする
企業との共同研究が盛んな大学は、インターンシップの機会や就職にも有利なことが多いです。
大学のWebサイトで連携企業や共同研究プロジェクトの情報を調べることをお勧めします。 - 大学院進学も視野に入れる
理系では学部卒より大学院卒の方が就職で有利なケースが多いため、大学院の質や進学率も考慮して大学を選ぶことをお勧めします。 - 地方大学でも専門性の高い学部・学科は狙い目
都市部の有名大学にこだわらず、専門性の高い地方大学の学部・学科も検討しましょう。就職実績が良いケースが多いです。
理系の国立大学の中には、偏差値や知名度の割に就職実績が高い「コスパの良い大学」が多く存在します。
理系分野では、大学の知名度よりも専門分野の強みや研究設備の充実度が重要です。また、産業界との連携が強い大学は、実践的なスキルを身につけることができ、就職にも有利になります。