今回は、ケンブリッジ大学のHSPSでファーストクラスとして卒業し、入学前にIBDPで45点のフルスコアを獲得したRachelさんが、IBDPでフルスコアを達成する為のヒントを海外サイトで提供してくれていましたので、それについてこちらでまとめさせていきます。
イギリスの大学では、卒業時の成績に基づいて学位の格付けが行われます。100点満点で換算した場合の目安と一緒に見てみると、以下のようになります。
- 1st(First class):70点以上
- 2:1(Upper second class):60〜69点
- 2:2(Lower second class):50〜59点
- 3rd(Third class):40〜49点
RachelさんがIBDPで選択していた科目は、以下のとおりです。
- グループ1:英語 HL
- グループ2:スペイン語 SL
- グループ3:歴史、哲学 HL
- グループ4:生物 SL
- グループ5:数学 HL
45点を達成する方法
それでは、ここからはRacelさんが実際に実行していた方法について紹介していきます。
- シラバスガイドを整理する
- 各科目に合わせた準備をする
- スケジュールを作成する
- 休憩時間を決める(特に試験期間中)
- CASとEEをおろそかにしない
シラバスガイドを整理する
全ての科目のシラバスに目を通し、何が問われる可能性があるかを確認することが重要です。復習を始める前にシラバスのポイントごとにノートを分ける必要があります。
例えば、数学のSLのシラバスのガイドには「平面と3次元の変位としてのベクトル」を知る必要があると書いてあるので、そのトピックのメモをその見出しの下に書き、これをそれぞれの見出しで繰り返し、シラバス内のすべてをカバーしていることを確認するのです。
シラバス(Curriculum Guide)は、各科目に関して2年間で履修すべきことや、最終試験の概要などが全て掲載されている、国際バカロレア機構(IBO)から公式に出版されているもの。
シラバスは、数年に1度科目ごとに改定されていたりもするので、確認する際には必ず最新版を確認する。
また、科目によって(特にグループ3)は、ある要素の重要性を比較するエッセイを書かされることがあります。
その場合は、挙げられた要素について、なぜその要素が他の要素よりも重要だったのか、あるいは重要でなかったのか、それぞれをメモしておくことをお勧めします。
例えば、歴史HLで権威主義国家をやっている場合、権威主義国家の出現における経済的要因、社会的分裂、戦争、政治システムの重要性を比較するように言われるかもしれないので、これらの要因のうちどれかが最も重要だったという一つの論点を用意するだけでなく、すべての要因を比較対照してノートに書くとよい。
各科目に合わせた準備をする
国際バカロレアでは扱う科目が多岐にわたるため、各試験のために同じように勉強することは不可能で、また同じようにしようとするべきではありません。各科目で自分に合った勉強法を見つけ、その方法をもとにして復習するようにします。
Rachelさんの場合、各科目の勉強で最も役に立った方法は以下とのことでした。(人によって勉強の仕方が違うので、これは決して権威あるものではありません)
グループ1:英語
試験で問われる文章の引用を暗記し、未受験の論文を練習し、それを先生に送って採点してもらった。
グループ2:スペイン語
Duolingoのレッスンを毎日数回行い、Quizletを使って単語やフレーズを覚えた。U2には、ネイティブスピーカーやオックスブリッジの卒業生によるプライベートセッションもあり、スピーキング力を高めるのにおすすめ。
Duolingo
Quizlet
グループ3:歴史、哲学
エッセイの計画を書いてそれを暗記した。エッセイが説明的になりすぎないようしたかったので、エッセイプランに盛り込まれていないことは書かないようにした。
グループ4:生物
シラバスガイドをもとにノートをたくさん書いて暗記した。また、試験が近づいてきたら過去問を解いた。
知っていることよりも、どう表現するかが問われることが多いので、練習問題を解いた後に答案用紙を見て、予想される単語やフレーズのパターンを拾っておきます。
グループ5:数学
ノートを取ることよりも練習問題をたくさんやった方が役に立った。
スケジュールを作成する
6科目の勉強に時間を割かなければならないIBDPでは、特にスケジュールを立て時間管理をすることは役に立ちます。
Rachelさんは、Excelを使ってスケジュール管理を行なっていたようで、各セルを1時間単位として、1時間ごとにどの科目を勉強するかを記入して勉強時間を整理されていたそうです。
各科目ごとに色分けをすることで、1日にどれだけの時間をそれぞれの科目に割いているかが一目瞭然に。
スケジュール表には、科目名と用紙名だけを書いて、ウィークリープランナーには具体的に勉強する内容も書き込んでいた。
また、次の時間が食事や休憩時間でない限り、最後の5分や10分(疲れ具合による)は「休憩」とするようにしていた。
スケジュールを立てる時に大切なこと
スケジュールを立てる時は、自分の体内時計や好みに合わせたスケジュールを組むことも大切です。
例えばRachelさんの場合は、数学を勉強するのが楽しかったとのことなので、夕食後などのあまりやる気が起きない時にスケジューリングをして、息抜きとしても勉強を楽しめるようにしたり、反対に嫌いだった生物は必ず朝にやるよう計画を立てていた。
また、歴史や生物などの内容の濃い科目は、過去1週間で調べたトピックを全てカバーするような復習セッションを時々予定に入れるのも有効だった。
これらのセッションには「all in past week(過去1週間のすべて)」や「all until now(今まですべて)」というラベルをつけて、スケジュールに組み込んでいた。
休憩時間を決める(特に試験期間中)
休憩を取るのは本当に難しいということは分かっています。特に、大学から非常に高いオファーがあった場合などは尚更です。しかし、休憩を取ることは気が狂いそうになるのを防ぐためにも、また長い目で見れば生産性を高めるためにも重要なことなのです。
特に試験が終わった後などには、自分の好きなこと(友達に会う、散歩をする等)に時間を割くことを意識してスケジュールに入れました。
試験後すぐに勉強をしたくなるかもしれませんが、この時期は最も生産性が低く、次の試験までに疲れを取ってぐっすり眠る方がずっと効果的だと思いました。
CASとEE(Extended Essay)をおろそかにしない
CASとEEの両方を常にチェックし、できるだけ頻繁にManagebacやCASマネージャーを更新するようにしてください。
Managebacは学習管理プラットフォームで、IB科目の計画や締切などを管理することができるものです。
Extended Essayについては学校の締め切りによりますが、最終的に提出するものは、少なくとも5、6回の下書きをしないと、ベストな作品にはならないと思いますので、比較的頻繁に取り組むようにする。
まとめ
今回は、IBDPでフルスコア45点を達成し、ケンブリッジ大学のHSPSでファーストクラス卒業生でもあるRachelさんが、IBDPでフルスコアを達成する為のヒントとして、実際に実践されていた方法をまとめました。
振り返ると、以下のことをされていたということです。
- シラバスガイドを整理する
- 各科目に合わせた準備をする
- スケジュールを作成する
- 休憩時間を決める(特に試験期間中)
- CASとEEをおろそかにしない
スコアによって大学の選択肢が広がりますし、奨学金の獲得などにも影響があるので、良いスコアを獲得しておくことに損はありません。
すごく大変な2年間だとは思いますが、しっかりと計画を立て、科目に合わせた勉強方法を実施し、良いスコアを狙ってみてください。