「留学の準備で忙しいのに、年金の手続きなんて考えてなかった…」
「年金って留学中も払わないといけないの?」
「手続きを間違えると、将来年金がもらえなくなるって本当?」
留学準備のラストスパートで見落としがちな「国民年金の手続き」。出国前の選択ひとつで、将来受け取る年金額が変わったり、留学中の万が一の保障が受けられなくなったりします。
「知らなかった」では済まされない手続きを、同じく子供の留学準備で悩んだ保護者として整理しました。
出発前の今だからこそ間に合う、後悔しない選択をしませんか?
留学中の国民年金:結論と選択肢
留学準備で忙しいあなたへ。まずは結論から!
海外に住所を移す(海外転出届を出す)方
- 国民年金の強制加入被保険者ではなくなります[3]
- 選択肢1:支払いストップ(留学費用を優先)
- 選択肢2:任意加入で支払い継続(将来の年金額を重視)
迷った時は
「留学中も年金を払う必要があるの?」
「将来、ちゃんと年金をもらえるか心配…」
そんな疑問をお持ちの方、安心してください。この記事を読めば、あなたに最適な選択が見つかります。
国民年金の基本知識と海外転出届の影響
国民年金とは:20歳からの社会保障制度
日本国内に住む方は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられています[4]。保険料は1カ月あたり17,920円(令和8年度)で[1]、納めることで将来こんな保障を受けられます。

海外転出届と国民年金への影響
海外に住所を移すときは、あらかじめ市区町村に転出届(いわゆる海外転出届)を出します[7]。
※「1年以上の滞在なら海外転出届」と説明されることがありますが、この期間を定めた条文は住民基本台帳法[7]にも日本年金機構の案内[3]にもありません。どの時点で届け出るかは市区町村の窓口で確認してください。
海外転出届を出すと…
住民票を日本に残す場合
- 国民年金の被保険者のままなので、保険料の納付が続きます[4]
- 学生納付特例の対象は、前年所得が一定額以下で、日本国内の大学(大学院)・短大・高校・高専・特別支援学校・専修学校・各種学校(修業年限1年以上の課程)と、文部科学大臣が個別に指定した海外大学の日本分校に在学する学生です[4]。留学先の海外の大学や語学学校は対象校に含まれません
※日本の学校に在学したまま留学する場合にどう扱われるかは、日本年金機構の案内では明示されていません。市区町村の国民年金担当窓口か年金事務所で確認してください[8]。なお、任意加入している間は学生納付特例を申請できません[2]。
選択肢1:国民年金の支払いを停止する場合
メリット
- 家計の負担が軽くなる – 月17,920円[1]×留学期間分の節約
- 留学費用に集中できる – 限られた予算を有効活用
知っておきたい「カラ期間」
20歳以上60歳未満で海外に住んでいた期間は「合算対象期間」にあたり、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)には算入されますが、年金額には反映されません[5]。年金額には結びつかないものの、「受給資格期間が足りずに年金をもらえない」という事態は避けられます。
選択肢2:任意加入制度で支払いを継続する場合
海外転出届を出しても、日本国籍の方であれば希望してこれまで通り年金を払い続けられます。これを「任意加入制度」といいます[3]。
メリット
- 将来の年金額に反映される – 保険料納付済期間に応じた老齢基礎年金を受け取れます[3]
- 万が一の保障が続く – 海外在住期間に死亡した時や障害が残った時に、遺族基礎年金・障害基礎年金が支給されます[3]
デメリット
- 留学中も月17,920円の負担[1] – 家計への影響は続きます
任意加入できる条件
※任意加入は申し出をした日に資格を取得します。さかのぼって加入することはできません[9]。
選択パターン別の事例紹介
パターンA:将来重視型
- 住民票:海外転出届を出す(長期)
- 選択:任意加入で支払い継続
- 理由:将来の年金額確保、万が一への備え
- 向いている人:家族のサポートがある、将来の安定を重視
パターンB:費用優先型
- 住民票:海外転出届を出す(中短期)
- 選択:支払いストップ
- 理由:留学費用を優先、帰国後の就職で厚生年金予定
- 向いている人:留学費用が限られている、就職先の見通しがある
パターンC:安心重視型
- 住民票:海外転出届を出す
- 選択:任意加入で支払い継続
- 理由:障害・遺族年金の保障継続を重視
- 向いている人:リスクへの備えを重視、家族への責任感が強い
国民年金任意加入の手続き方法
任意加入の手続き窓口
海外に住む方の任意加入は、出発前か出発後かで窓口が変わります[3]。
| あなたの状況 | 手続き窓口 |
|---|---|
| これから海外に転出する | お住まいの市区町村窓口 |
| 海外に居住中/協力者あり | 日本における最後の住所地を管轄する市区町村窓口 |
| 海外に居住中/協力者なし・居住歴あり | 日本における最後の住所地を管轄する年金事務所 |
| 海外に居住中/協力者なし・居住歴なし | 千代田年金事務所 |
📋 提出する書類・持ちもの
- 国民年金被保険者関係届書(申出書)[3]
- 基礎年金番号通知書、または年金手帳など基礎年金番号を明らかにできる書類[2]
- マイナンバーで手続きする場合はマイナンバーカード(お持ちでなければ、マイナンバーが確認できる書類と身元確認書類)[2]
- 口座振替を希望する場合は、口座情報がわかるもの(通帳等)と金融機関への届出印[2]
💳 支払い方法
国内にいる親族等の協力者が本人に代わって納める方法と、日本国内に開設している預貯金口座から引き落とす方法があります[3]。
※手続きの詳細は状況によって変わります。窓口で確認してください[8]。
自分に合った選択をするための判断基準
経済面
□ 留学費用に余裕はある?
□ 家族のサポートは受けられる?
□ 帰国後の就職予定は?
将来への考え方
□ 将来の年金額を重視する?
□ 万が一のリスクへの備えは重要?
□ 留学期間はどのくらい?
家族との相談
□ 両親と話し合った?
□ 支払い代行は可能?
□ 家計への影響は大丈夫?
支払い継続vs停止:詳細比較表
| 項目 | 支払いストップ | 任意加入継続 |
|---|---|---|
| 留学中の負担 | なし | 月17,920円 |
| 将来の年金額 | 反映されない | 納めた分が反映 |
| 障害・遺族基礎年金 | 対象外 | 対象 |
| 受給資格期間 | カラ期間として算入 | 納付済期間として算入 |
| 向いている人 | 費用を抑えたい | 将来重視・リスク回避 |
専門家への相談窓口
「記事を読んだけど、結局自分の場合はどうすべき?」
「将来もらえる年金額や、留学中のリスクも踏まえて総合的に判断したい」
そんな時は、年金や家計の専門家に相談するのが確実です。
年金事務所・市区町村役場
年金制度の窓口です。任意加入の可否や手続き、あなたの加入記録にもとづく話は、ここでしか確認できません[8]。
ファイナンシャルプランナー(FP)
家計やライフプラン全体から、留学費用と年金のバランスをどう取るかを相談できます。
留学前の国民年金手続きチェックリスト

住民票を日本に残す場合
□ 保険料の納付を続ける準備
□ 支払い方法の確認(口座振替等)
□ 学生納付特例が使えるか窓口で確認
海外転出届を出す場合
□ 海外転出届の準備
□ 任意加入するかどうか決める
□ 任意加入する場合:出発前に市区町村窓口で手続き
□ しない場合:カラ期間の扱いを理解
共通
□ 年金事務所で相談(不明点がある場合)
□ 家族と相談・情報共有
□ 必要書類の準備
まとめ:留学中の国民年金で後悔しない選択方法
留学中の年金について、大切なのは「正しい情報を知って、自分に合った選択をすること」です。
- 住民票をどうするか – 日本に残すか、海外転出届を出すか
- 経済状況 – 支払い続けられるか
- 将来への考え方 – 年金額重視かリスク回避か
- 家族のサポート – 代理納付は可能か
避けたいのは、何も知らないまま手続きを忘れてしまうことです。
留学という素晴らしい経験を安心して積むために、出発前にしっかりと準備しておきましょう!
参考情報・出典
- 日本年金機構「国民年金保険料」(令和8年度の月額17,920円。ページ更新日2026年4月1日)
- 日本年金機構「任意加入制度」(任意加入できる方の条件・持ちもの)
- 日本年金機構「国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)」(海外居住者の窓口・納付方法・将来の年金)
- 日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」(対象となる学校の範囲・所得基準)
- 日本年金機構 年金用語集「合算対象期間」(いわゆるカラ期間)
- 日本年金機構「老齢年金」(受給資格期間10年・65歳から)
- 住民基本台帳法 第24条(e-Gov法令検索)(転出届)
- 日本年金機構「全国の相談・手続き窓口」
- 国民年金法 附則第5条(e-Gov法令検索)(海外居住者の任意加入・資格取得の時期)
