QS世界ランキング8位・アジア1位。シンガポール国立大学(NUS)は、東京大学より上位に位置するアジア最高峰の大学です。しかも英語で学位を取得でき、IB(国際バカロレア)で出願できます。
「IB37点必要」「合格率5%」。NUSについてネットで見かけるこれらの数字は、NUSが公表したものではありません。出典をたどると、どこにも行き着きません。この記事で扱うのは、NUS公式(nus.edu.sg)で確認できた2026/2027年度の出願要件・英語基準・学費・日程だけです。公表されていない数字は「非公表」と書きます。
同じシンガポールの理工系名門はIBから南洋理工大学(NTU)へもどうぞ。ほかにIBから狙える海外トップ大学は、IBから香港大学(HKU)へやIBからオックスフォード大学へ、IBからチューリッヒ工科大学(ETH)へもあわせてどうぞ。
- 学費(最大の関心):助成金(TG)受給で年約270万円〜、TGなしで年約420〜560万円が目安(薬学・法学が上限側/医・歯は別格)。TGは卒業後3年の就労義務つき。
- 総費用は生活費込みで:TG受給時は年約400万〜470万円、TGなしで年約620万〜700万円で計画を。
- QS世界8位・アジア1位:東大より上位を英語で学べ、IB(国際バカロレア)で出願できます。
- IBは合格ライン非公表:「37点必要」は塾・エージェントの推計。高得点+科目要件+総合力で勝負します。
- 英語・出願:IELTS6.5/TOEFL92。出願は12〜2月、8月入学(予測スコアで出願可)。
シンガポール国立大学(NUS)とは|アジアNo.1の総合大学
シンガポール国立大学(National University of Singapore、NUS)は1905年創立のシンガポール最古の総合大学で、英語を教授言語とし、120カ国以上から学生が集まる国際的な大学です。
| 学部生数 | 約30,000人(教員2,700人超・出身国120以上) |
|---|---|
| 教授言語 | 英語(学位を英語で取得可能) |
| 世界ランキング | QS世界8位・アジア1位/THE世界17位(2026年版) |
| 入学時期 | 8月(年1回) |
※ 「NUSの合格率は5〜16%」「留学生比率25%」といった数字を見かけますが、どちらもNUSが出したものではなく、第三者サイトの推計です。ここでは公式で確認できた数字だけを載せています。
NUSは世界8位・東大より上位【2026年版ランキング】
| 大学 | QS 2026 | THE 2026 |
|---|---|---|
| シンガポール国立大学(NUS) | 世界8位(アジア1位) | 世界17位 |
| 東京大学 | 世界20〜30位台 | 世界20〜30位台 |
NUSはアジアで唯一QSトップ10入りし、卒業生の就職力(employability)でも世界トップ級と評価されています[9]。学問だけでなく卒業後のキャリアでも高く評価される大学です。
NUSの偏差値・難易度は?日本の大学に例えると
「シンガポール国立大学の偏差値は?」と探しても、数字は出てきません。海外大学は日本の模試の対象外=偏差値そのものが存在しないからです。位置づけを知りたいなら、世界ランキングで見るのが早い。NUSはQS8位で、東大より上位にいます。
ただしNUSの難易度は、偏差値だけでは測れません。英語力証明(IELTS6.5等)と学部ごとの科目指定という、日本の一般入試には無い条件が重なるためです。「偏差値◯◯相当」と単純化はせず、日本トップ校レベルの学力に英語力と科目要件が上乗せされる、と捉えておくと準備の方向を誤りません。
※ ランキングは年度・調査機関で変動します。あくまで難易度の”目安”で、偏差値ではありません。
NUSの入学ルート|日本の高校生の3パターン
日本の高校に通う学生は、主に次の3つの資格でNUSに出願できます[1]。
- 国際バカロレア(IBディプロマ):本記事の主対象(IB Certificateは不可)
- ケンブリッジA-レベル:3科目以上のAdvanced Levelで出願
- 日本の高校卒業資格:成績+SAT/ACT+英語力証明で出願
「NUSに日本人はどのくらいいる?」という疑問もよく聞きますが、NUSは日本人学生の在籍数・比率を公表していません。ただし出願資格としてIBディプロマが正式に認められており、日本のIB校からIBで出願するルート自体は明確です。英語で学位を取る大学のため、入学後に英語での学習・生活へ順応できるかも準備段階で意識しておきたい点です。
IBディプロマでの出願要件
NUSはIBディプロマ取得(見込み含む)者を対象とし、HL3科目+SL3科目+TOK+EE、英語を1科目に含むことが基本条件です。IB Certificate(ディプロマ未取得)では出願できません[1]。学部ごとに数学・理科などの科目指定があります(例:工学・コンピューティング系は数学HLが要件)。詳細は必ず公式PDFで確認してください。
「IBは何点必要?」|NUS公式は合格ラインを非公表
ネット上には「NUSはIB37点以上」「医学部42点」「ビジネス35点」といった数字が出回っていますが、これらはNUS公式が公表しているものではありません(塾・留学エージェントの推計値)。
NUSは公式のIndicative Grade Profileページで、「IB出願者はサンプル数が少なく指標を出せない。A-Level出願者と同じ基準で総合的(holistic)に審査する」と明記しています[2]。
安全圏の点数というものが存在しない、ということです。積めるのは、届く限りの高得点と、科目要件の充足と、課外活動・エッセイまで含めた総合力。実際、NUSはHL数学・理科での高い到達を重視する学部が多く、IBのスコアメイク(EE・TOK・IAを含む)を早期から戦略的に進めることが合否を分けます。
PRIB(国際バカロレア)対策|オンライン・海外からもOK
IBは独特。“経験者”に頼るのが立ち上がりの近道。
✓ IBの課題(EE・TOK・IA)や英語での授業に伴走してほしい
✓ DPスコアを上げたい/評価の仕組みが分からない
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日本の高校卒業資格での出願
IB・A-レベル以外に、日本の高校卒業資格でも出願できます。この場合は次の書類が必要です[1]。
- 高校3年間の成績(良好な学業成績)
- SAT または ACT のスコア
- 英語力証明(IELTS/TOEFL等・後述)
NUSの英語要件|IELTS・TOEFLの基準
NUSは英語が教授言語のため、英語力の証明が必要です。ただしIB生は、IB科目の3つ以上が非英語で行われた場合にのみ英語試験の提出が必須になります[7](多くの日本のIB校は英語で履修するため免除されるケースも)。主な基準は次のとおりです。
| 英語試験 | 合格最低点 |
|---|---|
| IELTS Academic | 総合6.5(Reading・Writing各6.5) |
| TOEFL iBT | 92〜93 |
| C1 Advanced(Cambridge) | 180 |
| PTE Academic | 総合62(Reading・Writing各62) |
IELTS6.5・TOEFL92は、Reading・Writingでも各6.5が必要など、求められているのは「読む・書く」に寄った英語力です。総合6.5に届いていても、ReadingとWritingがそれぞれ6.5に乗っていなければ要件を満たしません。Writingは日本人がいちばん時間のかかる技能なので、ここは早く着手しておくほど楽になります。
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NUSの学費【2026/2027年度】助成金(TG)の有無で2〜2.7倍
NUSの学費は、シンガポール教育省(MOE)の授業料助成金=Tuition Grant(TG)を受けるかどうかで2〜2.7倍変わります。留学生も申請できますが、受給すれば卒業後3年間はシンガポール企業で働く義務(bond)が付いてきます[6]。お金の話であると同時に、卒業後3年間をどこで過ごすかの話でもあります。
| 学部系統 | TG受給時(年額) | TGなし(年額) |
|---|---|---|
| 人文・社会科学 | S$21,400(約268万円) | S$36,650(約458万円) |
| コンピューティング・工学 | S$21,400(約268万円) | S$39,700(約496万円) |
| ビジネス | S$22,200(約278万円) | S$33,400(約418万円) |
| 薬学 | S$23,650(約296万円) | S$43,050(約538万円) |
| 法学 | S$30,450(約381万円) | S$44,450(約556万円) |
| 医学・歯学 | S$84,550〜(約1,057万円〜) | S$190,150(約2,377万円) |
※ bondを果たさなかったときの取り扱いは、受給額+年10%の複利で返済と、MOE公式に規定されています[6]。学費が安くなる分、抜けるときのコストは重い。TGは「割引」ではなく「契約」だと考えておくのが正確です。
NUS留学の総費用|学費+生活費でいくら?
学費に加え、シンガポールでの生活費がかかります。NUS公式が示す年間の生活費目安は次のとおりです[5]。
| 項目(年額) | 金額の目安 |
|---|---|
| 学内寮費(タイプにより幅) | S$4,000〜10,290(約50万〜129万円) |
| 食費・交通・教材・個人支出 | 約S$6,000(約75万円) |
| 生活費 合計目安 | 約S$10,000〜16,290(約125万〜204万円) |
学費と合わせた年間総費用の目安は、TG受給時で年約400万〜470万円、TGなしで年約620万〜700万円(学部により変動)。学部によって上下しますが、金額を決めているのはTGの有無です。受給すれば年400万円台、受けなければ600万円台。就労義務3年を受け入れられるかどうかが、実質の学費を決めているとも言えます。ここは家庭の方針が要る部分なので、無料の留学相談で条件を並べてから決めるのが安全です。
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NUSの出願スケジュール【2026/2027年度・IB生】
| 時期 | 手続き |
|---|---|
| 2025年12月17日〜2026年2月23日 | オンライン出願(予測スコアで出願可) |
| 2026年7月7日まで | 最終IBスコアの提出(IBOより) |
| 2026年5月〜7月 | 合否発表 |
| 2026年8月10日 | 授業開始(8月入学) |
まとめ|NUSへの道筋
シンガポール国立大学(NUS)は、QS世界8位・アジア1位の総合大学。学位は英語で取れて、IBスコアで出願できます。要点を整理します。
- IBは点数非公表:「37点必要」は推計。高得点+科目要件+総合力で勝負
- 英語要件:IELTS6.5/TOEFL92(R・Wも各基準)。弱点技能を早めに
- 学費はTG次第:受給で年約270万円〜・なしで年約420〜560万円(+就労義務3年)
- 総費用:生活費込みで年約400万〜700万円で計画
- 出願は12月〜2月・8月入学:予測スコアで出願可
NUSで最後まで残る判断は、結局TGの就労義務3年を受け入れるかです(年200万円超の差=本文の費用表のとおり)。ここは家庭の方針そのものなので、決める前に「TGあり/なし」両方の総額と、卒業後の進路がどう縛られるかを具体に並べる必要があります。相談を使うなら、この2択の材料集めに絞るのが一番効率的です。
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参考情報・出典
- NUS「IB Diploma Admission Requirements」
- NUS「Indicative Grade Profile(IB出願者は指標非公表と明記)」
- NUS「English Language Test Scores」(2025年11月更新)PDF
- NUS「Undergraduate Tuition Fees Per Annum」(2026年3月版)PDF
- NUS「Living Costs(生活費)」
- シンガポール教育省(MOE)「Tuition Grant Scheme: Bond Matters/Liquidated Damages」
- NUS「FAQ for IBDP Students」(AY2026/2027)PDF
- NUS公式ニュース「QS World University Rankings 2026=世界8位・アジア1位」
- NUS「Undergraduate Prospectus for International Students」(AY2026/2027)PDF
