大学受験にかかる本当の費用と負担軽減5つの方法【2025年最新】進学パターン別に比較

大学受験にかかる費用についてどのくらい把握されていますか?

実は「受験料」や「交通費」といった直接的な費用だけでなく、合格後の「入学金」「初年度学費」、さらには「新生活準備費」まで含めると、その総額は想像以上になることをご存知でしょうか。

全国大学生活協同組合連合会の調査1によると、大学受験から入学までの総費用は137万円~324万円にも上ります。この金額の大きな幅は、進学先(国公立・私立)や通学形態(自宅・自宅外)によって大きく変わります。

この記事では、公的機関や教育関連団体の最新調査データに基づいて、実際の費用内訳と家計への負担を軽減するための具体的方法をご紹介します。

目次

受験から入学までの総費用の全体像

全国大学生活協同組合連合会が実施した「保護者に聞く新入生調査」2によると、大学受験から入学、新生活スタートまでにかかった総費用は以下の通りです

進学先・通学形態総費用(平均額)
国公立大学・自宅通学約137万円
国公立大学・自宅外通学約213万円
私立大学・自宅通学約176万円
私立大学・自宅外通学約324万円

「え、こんなにかかるの!?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

特に注目すべきは、最も費用がかかる「私立大学・自宅外通学」と最も費用が抑えられる「国公立大学・自宅通学」の間には、約187万円もの差があるという点です。これは家計にとって決して小さくない金額です。

国や各種教育関連団体の調査によれば、多くの保護者は「受験」という言葉から、受験料や交通費だけを想定しがちですが、実際には合格後の入学金や学費、新生活準備費用まで含めた総合的な計画が必要だとされています。

では、この高額な総費用は、具体的にどのような内訳で構成されているのでしょうか。

受験から入学までの総費用の全体像

費用の6つの内訳と平均金額

受験から入学までの費用は、大きく6つのカテゴリーに分類できます。全国大学生活協同組合連合会の調査と文部科学省の「学生納付金調査」3に基づく平均金額を見ていきましょう

CAT
受験関連費用
  • 出願費用
    国公立大学 約12.3万円
    私立大学 約14.5万円
  • 受験のための交通費・宿泊費
    地方からの受験者 約15~20万円
    地元受験者 約3~5万円
CAT
入学しなかった大学への納付金

平均金額:約10~15万円

これは意外と見落とされがちな費用です。第一志望校の合格発表前に、併願校の入学手続き(入学金の納入)が必要になるケースが多く、後に第一志望校に合格しても、多くの大学では一度納入した入学金は返金されません。

CAT
入学した大学への学費(初年度分)
国公立大学約82万円
(入学金約28万円+授業料約54万円)
私立大学・文系約116万円
(入学金約24万円+授業料・施設費約92万円)
私立大学・理系約154万円
(入学金約24万円+授業料・施設費約130万円)
私立大学・医歯系約482万円
(入学金約100万円+授業料・施設費約382万円)

※出典:文部科学省「令和5年度学生納付金調査」および「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」

CAT
教科書・教材購入費用

平均金額:約20~25万円
(パソコン、参考書、ソフトウェア等を含む)

CAT
住まい探しの費用(自宅外通学の場合)
敷金・礼金・仲介手数料等約20~30万円
家具・家電等の購入費約15~20万円
CAT
入学時の諸経費
入学式出席費用約2~5万円
(服装、交通費等)
サークル加入費約2~3万円
その他初期費用約5~10万円
(学生保険、健康診断料等)

これらの費用が合計して、先ほどの総額137万円~324万円になるのです。特に自宅外通学の場合は、住居費関連で50万円以上の初期費用がかかることを考慮する必要があります。

進学パターン別の総費用比較

受験から入学までの総費用は、進学先と通学形態の組み合わせによって大きく変わります。
以下に4つの典型的なパターンの費用内訳を詳しく見てみましょう。

パターン1
国公立大学・自宅通学
費用:約137万円

  • 受験関連費用:約25万円
  • 入学しなかった大学への納付金:約5万円
  • 入学した大学への学費:約82万円
  • 教科書・教材購入費用:約20万円
  • 入学時の諸経費:約5万円

費用のポイント
国公立大学は私立大学に比べて学費が抑えられ、自宅通学なら住居費が不要なため、総費用を大幅に抑えられます。

パターン2
国公立大学・自宅外通学
費用:約213万円

  • 受験関連費用:約25万円
  • 入学しなかった大学への納付金:約5万円
  • 入学した大学への学費:約82万円
  • 教科書・教材購入費用:約20万円
  • 住まい探しの費用:約50万円
  • 入学時の諸経費:約30万円(引っ越し費用含む)

費用のポイント
国公立大学でも自宅外通学になると、住居費関連で約80万円もの追加費用が発生します。

パターン3
私立大学・自宅通学
費用:約176万円

  • 受験関連費用:約30万円
  • 入学しなかった大学への納付金:約10万円
  • 入学した大学への学費:約116万円(文系の場合)
  • 教科書・教材購入費用:約20万円
  • 入学時の諸経費:約5万円

費用のポイント
私立大学は国公立大学に比べて学費が高額になりますが、自宅通学であれば住居費を抑えられます。

パターン4
私立大学・自宅外通学
費用:約324万円

  • 受験関連費用:約30万円
  • 入学しなかった大学への納付金:約10万円
  • 入学した大学への学費:約154万円(理系の場合)
  • 教科書・教材購入費用:約25万円
  • 住まい探しの費用:約50万円
  • 入学時の諸経費:約30万円(引っ越し費用含む)

費用のポイント
最も費用がかかるパターンで、特に理系学部や医歯系学部の場合は、学費だけでも文系より数十万円から数百万円高くなります。

教育関連の調査研究では、進学先の選択は、学問への興味や将来の進路が最優先ですが、家計への影響も無視できない要素であることが指摘されています。

特に自宅外通学を検討している場合は、初年度に200万円以上の準備が必要になることを念頭に、早めの計画を立てることが重要です。

保護者の声から見る受験・入学費用の実態

全国大学生活協同組合連合会の「保護者に聞く新入生調査」には、大学受験から入学までの費用に関する保護者の声が多数寄せられています。実際の声を一部ご紹介します。

「推薦の場合入学金、授業料の納入日がとても早く、合格発表からすぐとは知らず、学資保険の満期日が間に合わなかったが、大学入学までに大学費用以外にもパソコンや自動車免許、車、下宿費または定期代など大きなお金が動く時期ですので、前もって学資保険に入っておくのは入院等の対応もありますしオススメです。」(私立・文科系・男子・自宅・推薦等)

「学費に関しては子供が幼いころから複数の学資保険をかけていましたが、保険が下りてくるのが受験時、入学時の物入りの時期ではなくて、満期日が基準になっているので注意が必要です。学資保険は掛けておいて本当によかったと思います。」(国立・文科系・女子・自宅外・一般選抜)

「アパート探しはオンライン内見で行い、入居の手続きもすべてオンラインでした。便利な反面、今は18才で契約者になれてしまうため、子供のスマホに契約関係の案内がくるため、子供だけでは多数の複雑な契約の判断が難しく、保護者が間に入って確認するのが大変でした。」(公立・文科系・女子・自宅外・一般選抜)

これらの声から見えてくるのは、特に予想外の費用や支払い時期に関する課題です。

入学金や授業料の納入日が思ったより早かったり、教科書・教材費が想定以上にかかったりと、「こんなにかかるとは思わなかった」という声が目立ちます。

入学して半年程度までの費用をまとめて考える「入学時総費用」という視点で準備することが重要だと言えるでしょう。

費用負担を軽減する5つの方法

これだけの高額な費用負担を少しでも軽減するための方法をご紹介します。

費用負担を軽減する方法
奨学金・授業料減免制度の活用

「高等教育の修学支援新制度」4をはじめとする各種支援制度を積極的に活用しましょう。

  • 給付型奨学金
    返済不要の支援金で、世帯年収に応じて年間約35~91万円が支給されます。
  • 授業料・入学金減免
    国公立・私立問わず、条件を満たせば最大で入学金と授業料の全額が免除されます。

申請時期:高校3年生の6~7月頃から「予約採用」の申請が可能です。希望者は高校の奨学金担当教員に早めに相談しましょう。

費用負担を軽減する方法
教育ローンの賢い利用
  • 国の教育ローン(日本政策金融公庫)5
    年利3.15%(2025年5月現在、変動あり)で、受験費用から入学金、授業料まで幅広く対応。
  • 各銀行の教育ローン
    金利は2~3%台が多く、最大500~1,000万円程度まで借り入れ可能。

重要ポイント:ローンは「入学金+授業料」だけでなく、「受験費用+住居費」も含めた総合的な資金計画で活用すると効果的です。返済計画をしっかり立ててから利用しましょう。

費用負担を軽減する方法
大学独自の支援制度を調査する
  • 入学料免除・減額制度
    経済状況や学力に応じて入学金を全額または半額免除する制度があります。
  • 特待生制度
    成績優秀者に対して学費を減免する制度で、全額免除のケースもあります。
  • 大学独自の奨学金
    返済不要の給付型が増えており、申請はほとんどが入学前または入学直後です。

調査方法:志望大学のウェブサイトで「奨学金」「学費減免」「特待生」などのキーワードで検索するか、入試説明会で直接質問しましょう。

費用負担を軽減する方法
受験費用・入学費用の節約方法
  • Web出願の活用
    願書代や郵送費を削減できます。
  • 共通テスト利用入試の活用
    私立大学の共通テスト利用入試は、一般入試より受験料が安く設定されているケースが多いです。
  • 併願割引の利用
    同一大学内で複数学部を受験する場合、2出願目以降の受験料が割引されるケースがあります。

入学金二重払いのリスクを減らすポイント:合格発表から入学手続きまでの日程を事前に確認し、できるだけ第一志望校の合格発表を待ってから併願校の入学手続きができるよう、受験校選びの段階から検討しましょう。

費用負担を軽減する方法
自宅外通学の費用を抑える工夫
  • 大学の寮や学生会館の利用
    民間アパートに比べて敷金・礼金が不要または低額で、家賃も安いケースが多いです。
  • 大学周辺の不動産市場調査
    入学直前の2~3月は物件が少なく高額になりがちなので、合格発表後すぐに動くか、むしろ入学後に少し落ち着いてから探すのも一案です。
  • 家具・家電のリサイクル活用
    新品をすべて揃えるのではなく、リサイクルショップや先輩からの譲り受けなどを活用しましょう。

特に地方から都市部の大学に進学する場合、住居費の初期費用は50万円前後が相場です。大学の学生課や生協に相談すると、良い情報が得られることも多いようです。

教育資金準備のための3つのステップ

受験から入学までの総費用に備えるための資金準備について、3つのステップをご紹介します。

STEP
必要資金の見積もり

志望動向に合わせて、前述の「パターン別総費用」を参考に必要資金を見積もります。
特に重要なのは以下の点

  • 進学先の種類(国公立か私立か)
  • 学部の種類(文系か理系か、特に医歯系は高額)
  • 通学形態(自宅か自宅外か)
  • 受験校数(多いほど費用増)

「最大でいくら必要になるか」という視点で試算しておくと安心。

STEP
資金準備の方法選択

必要資金の準備方法として、以下の組み合わせを検討

  • 教育資金の貯蓄: 学資保険、定期預金、NISA(教育資金用)など
  • 奨学金: 給付型と貸与型の組み合わせ
  • 教育ローン: 受験前から計画的に検討
  • 親族からの支援: 祖父母からの教育資金援助など

教育資金に関する専門家の多くは、貯蓄だけでなく、各種支援制度も含めた「総合的な資金計画」が重要だと指摘しています。

特に奨学金は「成績優秀者向け」というイメージがありますが、経済状況に応じた支援制度も充実しています。

STEP
時期別の準備計画

時期に応じた準備計画を立てましょう。

  • 高校1~2年生: 教育資金の貯蓄、学費体系の基礎知識収集
  • 高校3年生夏頃: 奨学金の予約採用申請、教育ローンの検討開始
  • 出願前: 受験校選定と併せた費用試算、資金準備
  • 合格発表~入学前: 入学手続き費用の準備、自宅外通学の場合は住居探し
  • 入学後: 継続的な学費・生活費の準備

日本学生支援機構(JASSO)6では、高校3年生の夏以降は受験勉強で忙しくなるため、支援制度の申請などの手続きは計画的に進めることが大切だと案内しています。特に奨学金の申請は締切が厳格なので注意が必要です。

大学進学費用のための準備ロードマップ

まとめ
計画的な準備が重要

学受験から入学までの総費用は、進学先や通学形態によって137万円~324万円と大きな幅があります。この費用は家計にとって大きな負担となりますが、早めの情報収集と計画的な準備で対応することが可能です。

受験から入学までの費用は確かに高額ですが、適切な計画と準備があれば、お子さんの夢を支える大きな一歩となるはずです。ぜひ本記事の情報を参考に、計画的な準備を進めてください。

参考資料

免責事項
当サイトに掲載する情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容の完全性、正確性、有用性、安全性等については、いかなる保証を行うものでもありません。また、当サイトの内容や情報は、あくまでも掲載時点における情報であり、予告なく変更・改訂される場合や、時間の経過により掲載情報が実際と一致しなくなる場合等があります。
情報が不正確であったこと及び誤植があったことにより生じたいかなる損害に関しても、また、掲載情報に基づいて利用者が下した判断および起こした行動によりいかなる結果が発生した場合においても、その責を負いませんので予めご了承ください。
当サイトの一部のコンテンツ作成にはAI技術を活用しています。最新の技術を活用して、皆様により価値のある情報を提供することを目指しています。

この記事をシェアする
目次