国内の大学進学で有利に!IBDPの資格が活用できるバカロレア入試を実施している大学一覧

国際バカロレア(IB)ディプロマ・プログラム(DP)での学習は、世界で活躍するための大きな力になります。しかし、その一方で「IBの資格は、日本の大学進学にどれくらい有利になるのだろう?」と不安に思う方も少なくありません。

  • IBのスコアだけで、本当に大学に入れるの?
  • 大学入学共通テストは受けなければいけない?
  • 一般入試の勉強をしていないけど、大丈夫?
  • どんな大学がIB生を求めているの?

この記事では、こうした疑問や不安を解消します。文部科学省の最新公式データ(令和6年5月時点)と各大学の情報を基に、IB資格を活かせる国内大学の入試制度を徹底解説。IB生がその能力を最大限に発揮して、後悔のない進路選択をするための情報を提供します。

目次

IB生の強みになる!3つの国内大学進学パターン

IB生が国内大学を目指す場合、大きく分けて3つの受験パターンがあります。それぞれに特徴があり、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

1. IB入試(総合型・学校推薦型選抜)

最も一般的な選択肢です。 IB資格取得者(または取得見込み者)を対象とした特別な選抜枠で、多くは「書類審査+面接・小論文」で評価されます。

メリット
  • 大学入学共通テストが不要な場合が多い
  • IBでの探究学習やスキル(思考力、表現力)が直接評価される
  • 一般選抜に比べ倍率が低い傾向にある
注意点
  • 大学・学部によって出願要件(IBスコア、履修科目など)が異なる
  • 出願時期が早い(高校3年の夏~秋)

2. 一般選抜

他の高校生と同様に、大学入学共通テストや大学独自の学力試験を受験する方法です。IB認定校の多くは日本の高校卒業資格も同時に取得できるため、この選択も可能です。

メリット
  • 募集枠が最も多く、選択肢が広い
注意点
  • IBのカリキュラムは日本の大学受験に特化していないため、一般選抜組との競争は相当な努力が必要

3. 帰国生入試

海外経験があるIB生が対象となる入試です。IB資格が出願要件の一つになっている場合も多くあります。

メリット
  • IBでの学習経験や語学力を高く評価されやすい
注意点
  • 出願資格(海外在住年数など)が大学ごとに定められている

多くのIB生は、自身の強みを最大限に活かせる「IB入試」を第一の選択肢としています。

最新データで見るIB入試の現状

文部科学省「IB教育推進コンソーシアム」の最新データによると、IBを活用した入試制度は年々拡大しています。

78大学がIB入試を導入!選択肢は年々拡大中

文部科学省が公開した最新の大学リスト(令和6年1月時点)によると、IBのスコアや学習経験を入試に活用できる大学は、全国で少なくとも78大学確認されています。

このリストには、「国際バカロレア入試」という名称の選抜だけでなく、「総合型選抜」や「自己推薦」といった多様な入試形態が含まれており、IB生の活躍の場が大きく広がっていることを示しています。IB入試を導入する大学は年々増加傾向にあり、今後も選択肢はさらに増えていくことが予想されます。

[国際バカロレアのスコアを活用]
国立大学:25校
公立大学:8校(※県立1校を含む)
私立大学:45校

これは、国内の多くの大学が、IB教育で培われる主体的な学習能力や探究力を高く評価していることの表れです。

どんな学部でIBは活用できる?

IB入試は特定の学部に偏っているわけではなく、文系・理系を問わず幅広い分野で導入されています。

理・工学系18.8%
経済・経営・商学系17.9%
文学・人文・人間・心理学系16.6%
社会・メディア系15.3%
医・歯・薬学系10.1%
その他(国際、教育、法、農学など)21.4%
出典:文部科学省IB教育推進コンソーシアム(令和4年3月調査データ)

必要なIBスコアの目安は? —多くは総合評価—

多くの大学では、IB入試において特定の最低スコアを設けず、スコア、EE(課題論文)やTOK(知の理論)の内容、面接などを通じて総合的に評価する傾向にあります。そのため、「スコアが少し足りないから」と諦める必要はありません。

一方で、一部の大学・学部、特に医学部などでは、出願要件として最低スコアを明記している場合があります。

参考として、文部科学省が公開している大学リスト(令和6年1月時点)に記載のあるスコア基準の例をいくつか紹介します。

横浜市立大学(医学部医学科)40点以上
東北大学(医学部医学科)38点以上
筑波大学36点以上が望ましい
長崎大学32点以上
岡山大学30点以上
関西学院大学24点以上

このように、求められるスコアは大学や学部によって大きく異なります。最も重要なのは、ご自身が志望する大学の最新の募集要項を直接確認し、求められる要件を正確に把握することです。

【2025年度入試】IB入試を実施している国内主要大学一覧

ここでは、文部科学省の最新リストを基に、IB生を対象とした選抜を実施している主要な大学を抜粋して紹介します。(全リストは文部科学省のサイトで確認できます)

重要

情報は変更される可能性があります。必ず各大学の公式ウェブサイトで最新の募集要項を直接確認してください。大学名から各大学の公式パンフレットを請求できるページにリンクしています。

国公立大学

大学名対象学部募集人数
北海道大学全学部若干名
東北大学文、法、理、工、医、薬、農学部など若干名
筑波大学全学群・学類若干名
東京大学全科類(外国学校卒業学生特別選考)若干名
横浜国立大学経済、経営、都市科学部若干名
名古屋大学全学部若干名
京都大学法、経済、理、工、農、医、薬、総合人間学部若干名
大阪大学文、法、経済、理、工、基礎工学部など若干名
岡山大学全学部合計42名
九州大学全学部(共創学部を除く)若干名

私立大学

早慶上理ICU

大学名対象学部募集人数
法学部、経済学部、理工学部など学部により異なる
政治経済、法、基幹理工、創造理工、先進理工学部若干名
文、法、経済、理工学部など若干名
教養学部(総合型選抜 IB認定校対象)総合型選抜全体で65名

MARCH

大学名対象学部募集人数
複数の学部(帰国生徒入学試験でIB資格を評価)若干名
農学部、国際日本学部若干名
経営、異文化コミュニケーション、GLAPなど若干名
文、経済、人間環境、キャリアデザイン学部若干名

関関同立

大学名対象学部募集人数
文、経済学部若干名
全学部若干名
神、文、社会、法、経済、商、グローバル・コミュニケーション学部など若干名
経済、スポーツ健康科学、食マネジメント、薬、生命科学、情報理工、総合心理学部など若干名

後悔しないために。IB入試の準備と心構え

  1. 最終スコアを最大限に高める
    当たり前ですが、最も重要なのはIBDPの学業成績です。特にハイヤーレベル(HL)科目の成績は、大学での専門分野との関連性から重視されます。
  2. EE、TOK、CASでの経験を言語化する
    IBの核であるコア科目は、面接や志望理由書で格好のアピール材料になります。自分が何を探究し(EE)、どのように物事を多角的に考え(TOK)、社会とどう関わったか(CAS)を、自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。
  3. 大学・学部とのマッチングを重視する
    「なぜこの大学の、この学部で学びたいのか」を深く掘り下げることが合格の鍵です。大学のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)を読み込み、自分のIBでの学びがどう貢献できるかを具体的に示しましょう。
  4. 早くから情報収集を始める
    IB入試は出願時期が早く、準備期間が限られます。高校2年生のうちから興味のある大学の情報を集め、親子で進路について話し合う時間を持つことが大切です。
  5. IB経験者のサポートで、さらに一歩先へ
    これまでの準備は、IBでの学びを振り返り、自分自身と向き合う重要なプロセスです。しかし、志望理由書を磨き上げたり、面接対策をしたりする中で、「IBを経験した先輩から具体的なアドバイスが欲しい」と感じる場面も少なくありません。

    そうした時に心強い味方となるのが、IBを乗り越えた現役の大学生たちが家庭教師としてサポートしてくれるサービスです。例えば、帰国子女・海外子女向けオンライン家庭教師のEDUBAL のようなサービスでは、IB経験者だからこそ分かるEEやTOKのまとめ方、面接で評価されるポイントなど、実践的な指導を受けることができます。

    一人ひとりに合った先輩チューターを探せるので、自分の目指す大学や学部に在籍する教師から直接話を聞くことも可能です。どのようなサポートが受けられるか、一度覗いてみるのも良いでしょう。

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この記事を書いた人

Masakiのアバター Masaki 国際バカロレア進路専門家

我が子のIB経験と海外留学準備で奮闘した保護者としての実体験が原点。「同じ保護者の目線」で膨大な情報を整理・分析し、後悔しない進路選択を共に考えるパートナーとして「国際バカロレアIB広場」を運営。大学選びから留学手続き、その先のキャリア形成までを見据えた情報を提供しています。

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