「IBのスコアは出そうだけれど、いつ、どこに、何を出せばいいのか分からない」。IB生と保護者がいちばん詰まるのは、行ける大学の名前ではなく出願そのものの段取りです。
しかもIB生は、IBの予定(最終試験・予測スコア・結果発表)と、大学側の予定(出願・合否)を同時に走らせる必要があります。日本の一般的な受験カレンダーはそのまま使えません。
この記事は「どう出願するか」に絞って、必要書類・締切・お金・スコアが届かなかったときの選択肢まで、公式情報をもとに整理します。
この記事は出願の手順の記事です。大学の一覧をお探しなら、先にこちらが早く答えにたどり着けます。
- 日本の大学のIB入試(実施している大学の一覧)
- IBスコア別に見る進学先(何点でどこを狙えるか・国内と海外)
まず決める。国内だけ・海外だけ・併願の3パターン
手順の前に、どの型で行くかを決めます。ここが曖昧なまま書類集めを始めると、途中で時間切れになります。
| パターン | 向いているのは | いちばんの注意点 |
|---|---|---|
| 国内だけ | 日本の資格職(医師・教員等)を目指す/学費を抑えたい/国内の研究室に行きたい | 大学ごとに入試の呼び名も要件も違う。募集要項の個別確認が必須 |
| 海外だけ | 英語で学位を取りたい/IBの学び方を続けたい/海外就職を視野に | 英語試験・推薦状・エッセイの準備が重い。着手が遅いと間に合わない |
| 併願 | 選択肢を残したい(最も多い) | 時期がズレる。国内の入学手続きの後に海外の合否が届くこともある |
併願がいちばん難しい。理由は「時期のズレ」
併願で必ず問題になるのが、国と国で暦が合わないことです。日本の高校を3月に卒業する時点で、海外の合否がまだ出ていない、ということが起こります。
結果として、日本の大学に入学金を納めた後に海外の結果が届くという順番になり得ます。併願するなら、この費用の重複をあらかじめ織り込んでおくのが安全です。
筆者の体験
我が家がドイツをメインの進路に据えられなかったのも、結局はこの暦でした。学費の安さに惹かれて本気で調べましたが、主流の入学時期に合わせると、高校を卒業したあとも進路が決まらないままの期間ができる。その不安の大きさが、最後の判断を分けました。行き先の良し悪しより先に、暦が進路の主従を決めてしまうことがあります。
ドイツをはじめ欧州の進学を具体的に考えるなら、ドイツ留学の費用と条件で暦と手続きを先に確認しておくと、この不安はかなり減らせます。
最重要。5月試験組と11月試験組で、出願スケジュールは別物
IBの最終試験には5月セッションと11月セッションがあります。どちらで受けるかによって、結果が出る時期が半年ずれます。出願設計はここから始まります。
結果が出るのは、5月試験なら7月5日ごろ、11月試験なら12月16日ごろです[4]。日本の一条校(学校教育法第1条の学校)のIBコースは11月試験、インターナショナルスクールは5月試験が中心です。
| 11月試験組 | 5月試験組 | |
|---|---|---|
| 最終試験 | 高3の11月 | 最終学年の5月 |
| 結果発表 | 12月16日ごろ | 7月5日ごろ |
| 海外大の出願 | 予測スコアで出願し、結果は在学中に判明 | 予測スコアで出願し、結果は卒業後に判明 |
| 国内のIB入試 | 最終スコアが間に合う大学もある | 7月の結果を待つ大学もある |
IBの予定と大学の予定を並べて見る(英国出願の例)
IB生の難所は、この2つのレーンが同時に走ることです。英国(UCAS)に出す場合を例に、2026年入学のサイクルで並べます[5]。
| 時期 | IB側でやること | 大学側(UCAS)の予定 |
|---|---|---|
| 前年 5〜9月 | 予測スコアの材料づくり(IA・模試) | 出願受付の開始。推薦文がないと提出できない |
| 10月15日 | 予測スコアを学校に確定してもらう | オックスフォード・ケンブリッジ/医・歯・獣医の締切 |
| 1月14日 | 大半の学部の締切(この日までなら必ず審査される) | |
| 2月26日〜 | 最終試験対策 | Extra(持ち球がなくなった人の追加出願) |
| 5月 | 最終試験(5月試験組) | 条件付き合格の条件を確認 |
| 7月2日 | Clearing開始(空席とのマッチング) | |
| 7月5日ごろ | IB結果発表 | 条件を満たせば合格確定 |
※ UCASは「締切」ではなく equal consideration date(この日までに出せば必ず審査される日)と呼びます。過ぎても出願自体は可能ですが、審査が保証されません[5]。
注目してほしいのは7月2日にClearingが始まり、その直後の7月5日ごろにIBの結果が出ることです。スコアが条件に届かなかったと分かる時点で、空席の争奪戦はもう動いています。だから「届かなかったときの動き方」を先に知っておく価値があります(後述)。
海外大学の出願で必要になる書類
国によって出し方は違いますが、揃えるものはおおむね共通です。自分では用意できない書類(推薦状・成績証明)が含まれるのが要注意で、ここが遅れの原因になります。
| 書類 | 誰が用意するか | いつ動くか |
|---|---|---|
| 予測スコア | 学校(教科担当) | 出願の前。学校の締切に合わせる |
| 推薦状・推薦文 | 学校の先生 | 最優先で依頼。英国は推薦文がないと出願を提出できない[5] |
| エッセイ(志望動機書) | 本人 | 推敲に数か月。英国はPersonal Statement |
| 英語試験のスコア | 本人(IELTS・TOEFL等) | 受験→スコア送付に時間がかかる。逆算必須 |
| IB成績証明書 | IBOから大学へ直接送付 | 結果発表前に手配(下記) |
IB成績の送付は「結果発表前なら6件まで無料」
意外と知られていない実務です。IBのスコアは、IBO(国際バカロレア機構)から大学へ直接送ります。この送付リクエストは、結果発表前に出したものなら最初の6件まで無料です[4]。
5月試験なら7月5日、11月試験なら12月16日を過ぎてからの依頼は、生徒本人がIBOの請求システム経由で手続きすることになり、費用もかかります[4]。出願先が決まった時点で、学校のIBコーディネーターに送付を頼んでおくのが正解です。
シンガポールのように、IBOへの成績開示を許可しないと出願そのものが無効になる大学もあります。南洋理工大学(NTU)は、期日までにIBO経由の成績アクセスを許可しない場合「出願は不完全とみなし、それ以上処理しない」と明記しています[12]。
予測スコア(Predicted Grades)は「甘めに出る」前提で使う
予測スコアとは、UCASの定義では「順調にいけば取れるだろうと学校が考える成績」です[9]。海外大学はこれを見て合否を出すため、IB生にとっては事実上の本番です。
そして重要なのが、予測は実績より高く出る傾向があるということ。UCASは英国のAレベルについて、2025年に18歳の約半数がAAA以上と予測されたのに対し、実際にAAA以上を取った合格者は26%だったと公表しています[9]。
※ この数字は英国Aレベルのデータで、IBの予測スコアの精度を直接示すものではありません。ただし「予測と実績には差が開きやすい」という傾向は、条件付き合格を持つIB生にもそのまま効いてきます。
予測スコアの仕組みと精度、その数字での出願の組み方は、IBの予測スコアはどこまで信じていいかで詳しく扱っています。
英語要件(IELTS・TOEFL)は早く始めないと間に合わない
「英語で授業を受けるIBだから、英語試験はいらない」と考えるのは危険です。海外大学の多くはIELTSやTOEFLのスコアを入学要件にしています。
IBの英語科目で免除される場合もありますが、条件は大学ごとに違います。たとえばシンガポール国立大学(NUS)は「英語がIBの受験科目に含まれていること」を要件とし、3科目以上を英語以外で履修した場合は英語試験のスコア提出を求めています[17]。志望校の要件を個別に確認する以外にありません。
筆者の体験
我が家は高校1年からIELTSの勉強を始めました。始めてみて分かったのは、良いところを狙うなら7.5が要る大学もあること、そして大学によっては奨学金の可否までスコアで決まることです。スコアは出願の時点で揃っていなければ意味がありません。逆算すると、動き出しは思っているより早い。後から詰め込むのでは間に合いません。
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日本の大学に出す。IB入試・学校推薦・一般選抜の3ルート
まず制度の話をひとつ。「IB入試」という独立した入試区分は、制度上は存在しません。文部科学省の実施要項が定める入試は「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の3類型で[2]、IBを使う入試は各大学がこのいずれか(または帰国生などの特別選抜)の枠で実施しています。
だから呼び名も大学ごとにばらばらです。「国際バカロレア特別入試」(筑波大学)、「国際バカロレア選抜」(岡山大学)、「学校推薦型選抜」(東京大学)、「AO入試」(早稲田大学)のように、探す名前が違います[1]。「IB入試」で募集要項を探すと見つからないことがあるのは、このためです。
IBのスコア等を活用した入試を実施しているのは、令和7年1月時点の文部科学省コンソーシアムの一覧で82大学(国立27・公立9・私立46)です[1]。
※ 82という数字は一覧表を当編集部で集計したものです(同ページ本文に総数の記載はありません)。掲載の個別資料は2024年度更新分のため、最新の入試内容は各大学の募集要項で確認してください。
大学名の一覧は日本の大学のIB入試にまとめています。大学群ごとに探すなら、MARCHのIB入試、関関同立のIB入試、日東駒専のIB入試、四工大のIB入試、筑波大学のIB特別入試が使えます。医学部志望ならIB資格で進学する国内の医学部もどうぞ。
ルート1:IBスコアを使う入試(総合型選抜など)
- IBスコア(最終または予測)を主な評価材料にする
- 小論文・面接を組み合わせる大学が多い。筆記試験を課さない大学もある(岡山大学の国際バカロレア選抜など)[1]
- スコアの下限を明示する大学がある(岡山大学は医学科39点以上・薬学科32点以上)[1]
- 合格発表が早い(年内に決まる大学もある)
なお東京大学のように、IBを出願資格ではなく推薦要件への適合を示す資料の一つとして扱う大学もあります[1]。「IBがあれば出願できる」と決めてかからず、必ず要項で確認してください。
ルート2:学校推薦型選抜(多くは専願)
高校の推薦を受けて出願する方式です。専願(合格したら必ず入学)が条件のことが多く、併願設計と衝突します。海外大学と併願するつもりなら、専願の縛りがどこまで効くかを出願前に確認しておくべきです。
実務的に助かる制度もあります。IB資格を持つ人は、IBの成績証明書をもって調査書に代えることができます[2]。日本の高校の調査書が出ないインター校在籍者にとっては重要な逃げ道です。
ルート3:一般選抜(不利というより「二重の負担」)
IB資格保持者は日本の大学入学資格を持つため[15]、一般選抜にも出願できます。ただし現実的な難しさがあります。
共通テストは、実施大綱で「高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定する」ことを目的とすると定められた試験です[16]。IBのカリキュラムとは出題の土台が別建てなので、IBの勉強と並行して共通テスト対策を積む、という二重の負担が生じます。「IB生は一般選抜に不利」と言われるのは、能力の問題ではなく対策コストが二重にかかるという構造の問題です。
海外大学に出す。国別の出願システム
出願の窓口は国によって型が違います。イギリスはUCASという共通システムに一括で出し、アメリカはCommon Applicationなどを使い、シンガポール・香港は各大学に直接出すのが基本です。まず自分の志望国がどの型かを掴んでください。
イギリス|UCASで最大5校。予測スコアで条件付き合格をもらう
英国はUCASという共通システムから出願します。要点は次の通りです[6]。
| 出願できる数 | 最大5校(同じ大学の別コースも可) |
|---|---|
| 医・歯・獣医 | この分野は最大4コースまで。残り1枠は他分野に使える |
| オックスブリッジ | オックスフォードとケンブリッジの併願は原則不可(どちらか1コース) |
| 出願料 | 2026年入学は£28.95(5校まで) |
オックスブリッジの併願不可は、知らないと志望校選びを間違えます。5校の使い方は最初に設計してください。
Personal Statementは2026年入学から「3つの質問」に変わった
ここは古い情報が出回っているので注意してください。UCASのPersonal Statementは、1本の長い自由作文から、3つの質問に答える形式に変わりました[7]。
- なぜこのコース・科目を学びたいのか
- これまでの学業が、そのコースの準備としてどう役立ったか
- 学業の外で何をしてきたか。それがなぜ役に立つのか
各回答に最低350字、全体で4,000字(スペース込み)という上限は従来どおりです[7]。IB生は、IAや課題論文(EE)で取り組んだテーマを質問2・3の具体材料にできます。ここはIB生が構造的に強い部分です。
※ 350字・4,000字はいずれも英語の文字数(characters)です。日本語の字数ではありません。
合格通知の型と、その後の動き
- 条件付き合格(Conditional Offer):最終スコアが条件を満たせば入学。UCASは「IBディプロマで36点、うちHL英語で6」といった条件を例示しています[8]
- 無条件合格(Unconditional Offer):受諾すればその大学に行くことが決まる。受諾すると保険(insurance)の枠は持てません[8]
- Extra:持ち球がなくなった人が追加で1校ずつ出願できる仕組み(2月下旬〜)[5]
- Clearing:空席と出願者のマッチング(7月2日開始)[5]
英国の具体的な出願先はオックスフォード大学のIB要件やロンドン大学(UCL)で確認できます。
アメリカ|合否はIBの最終スコアより「前」に出る
アメリカはCommon Applicationなどから出願し、GPA・エッセイ・課外活動を含めて総合的に評価します。英国のような条件付き合格が基本ではありません。
時系列が重要です。ハーバード大学を例にとると、早期出願(Restrictive Early Action)は11月1日締切で12月中旬に通知、通常出願(Regular Decision)は1月1日締切で3月末に通知されます[10]。
つまり合否が出るのは、IBの最終スコア発表(5月試験なら7月5日ごろ)よりずっと前です。米国出願では、最終スコアではなく予測スコアと学校の成績で勝負が決まると考えてください。
IBの単位認定については、誤解が広まっています。「HL科目だけが単位になる」と言われがちですが、IBO公式は米国の約800大学(IB生が成績を送る大学の8割超)の方針を収録したうえで、その半数超がSLとHLの両方に単位を出しているとしています[3]。方針は大学ごとに違うため、IBOの認定方針データベースで志望校を個別に調べるのが確実です。
オーストラリア|「合格しやすい」は誤解。スコアはATAR相当に換算される
「IB生は豪州なら受かりやすい」という話を見かけますが、出願機関のUAC公式は「入学は保証されない。選考は競争的である」と明記しています[11]。ここは正確に理解しておくべきところです。
実際の選考では、IBのスコアがCombined RankというATAR相当の数値に換算されます[11]。日本など豪州の外でIBを受けた生徒は、45点満点の整数スコアで換算されます[11]。
| IB スコア | Combined Rank | IB スコア | Combined Rank |
|---|---|---|---|
| 45 | 99.95 | 34 | 89.00 |
| 42 | 98.65 | 32 | 84.20 |
| 40 | 96.85 | 30 | 79.30 |
| 38 | 94.65 | 28 | 74.65 |
| 36 | 92.25 | 24 | 64.60 |
大学ごとの必要スコアはオーストラリアの人気大学8校のIB入学条件にまとめています。
カナダ|全国統一の入学試験がない
カナダには全国統一の入学試験がありません。IBディプロマを高校修了の資格として受け入れ、科目要件と総合点で判断する大学が多いとされます。ただし扱いは大学ごとに異なります。
ただし出願の窓口は州や大学で異なり、州単位の一括出願機関を使う州もあります。志望校がどの窓口から出願するのかは、必ず大学の公式ページで確認してください。詳しくはカナダの名門大学5校のIB出願要件で扱っています。
シンガポール・香港|各大学に直接出願。成績開示の許可を忘れずに
シンガポールは統一の出願機関がなく、各大学のポータルから直接出願します。前述のとおりNTUはIBO経由の成績アクセスを許可しないと出願が処理されません[12]。期日は試験セッションで分かれ、11月試験組は2026年3月15日まで、5月試験組は2026年7月までです[12]。ここでも5月組と11月組で締切が違います。手続き上の見落としが命取りになる典型です。
各校の要件はシンガポール国立大学(NUS)と南洋理工大学(NTU)に、香港は香港大学(HKU)と香港中文大学(CUHK)にまとめています。
筆者の体験
我が家が海外大学を調べ始めたとき、最初に見ていたのは英・米・豪でした。費用の桁を見て手が止まり、そこから範囲を広げて、世界的な評価も高かったシンガポールの大学にも行き着きます。英語で学位が取れて、費用は英米圏より抑えられる。英語に多少の訛りはあっても、これから伸びる東南アジアの中心だという将来性のほうが大きく見えました。出願先は「英語圏か、日本か」の二択で組むものではありません。候補地をどこまで広げるかで、出せる枚数も、通ったときの費用も変わります。
ヨーロッパ|国ごとに仕組みが違う。ドイツは科目選択の段階で決まる
欧州は国ごとに制度が異なります。オランダはStudielinkという共通システムから出願し、定員制(numerus fixus)の課程は1月15日、それ以外は5月1日が締切です[13]。
ドイツは特に注意が必要です。IBを持っていれば自動的に大学入学資格(HZB)が認められる、というわけではありません。ドイツの各州文部大臣会議(KMK)の協定は、IBがHZBと認められる条件として次を定めています[14]。
- 6科目に2つの言語、理科1科目、数学、社会科学1科目を含むこと
- 6科目すべてでIB評点4以上(一部に救済規定あり)
- 要件を満たさない場合は、進学できる分野が限定される(あるいは進学準備課程が必要になる)
つまりドイツ進学の可否は、DP1年目の科目選択の時点でほぼ決まってしまうということです。後から取り返しがききません。ドイツを候補に入れるなら、科目を決める前に要件を読んでください。
費用や生活も含めた全体像はドイツ留学の費用と条件、スイスの工科大学はチューリッヒ工科大学(ETH)とミュンヘン工科大学(TUM)で扱っています。
ここまで見てきたとおり、海外大学の出願は国ごとに窓口も締切も書類も違い、しかも一度きりの手続きです。情報を集めきる前に締切が来てしまうのが、いちばんよくある失敗です。全体像を早く掴むために、無料の相談窓口を一度使っておくのは合理的な選択だと思います。
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出願にいくらかかるのか
意外と見落とされがちですが、出願そのものにお金がかかります。英国はUCASの出願料が2026年入学で£28.95(5校まで一括)[6]。アメリカは大学ごとに出願料がかかり、志望校を増やすほど積み上がります。
加えて英語試験の受験料(IELTS・TOEFLとも1回あたり数万円)は、目標スコアに届くまで複数回受けるのが普通なので、実際には受験料の累計で考える必要があります。
IBの成績送付は、前述のとおり結果発表前なら6件まで無料、それを過ぎると有料です[4]。ここは段取りだけで費用が変わります。
※ 各大学の出願料・英語試験の受験料は改定されます。金額は必ず出願時点の公式ページで確認してください。
IBスコアが条件に届かなかったら
いちばん不安なのがここだと思います。結論から言うと、届かなくても道は残っています。ただし動きが速いので、選択肢を先に知っておくことが大事です。
- 再採点(Remark)を依頼する:採点結果に納得できない科目の再確認を求める。期限があるので学校のコーディネーターにすぐ相談を
- 次のセッションで再試験を受ける:5月試験なら11月、11月試験なら5月に受け直す
- Clearingを使う(英国):空席のある大学・コースに出願し直す。7月2日開始で、IBの結果発表(7月5日ごろ)の直後がまさに動く時期[5]
- Foundation・進学準備コースを経由する:1年準備してから学部に進む。英国・豪州で一般的なルート
- Gap yearを取って出し直す:スコアを上げ、次のサイクルで再出願する
条件にわずかに届かなかった場合、大学が柔軟に判断してくれるケースもあります。条件付き合格が自動的に取り消されると決めつけず、まず大学に問い合わせることです。
そもそもこの局面を作らないためには、予測スコアの段階で積み上げておくしかありません。IBは科目も評価方法も日本の受験勉強とは別物なので、一般的な塾や教材が噛み合わないことがあります。
筆者の体験
我が子のIBのときも、IAや課題論文(EE)は親が手助けできる範囲を完全に超えていました。最終試験の前になってIB専用の問題サイトRevision Villageを使い始め、ようやく噛み合ったというのが正直なところです。もっと早く知っておきたかったと思いました。IBに対応できる指導者は限られます。困ってから探すと間に合いません。
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IBは独特。“経験者”に頼るのが立ち上がりの近道。
✓ IBの課題(EE・TOK・IA)や英語での授業に伴走してほしい
✓ DPスコアを上げたい/評価の仕組みが分からない
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IBは学習法も評価(EE/TOK/IA)も独特で、入学後に負荷を感じる生徒は少なくありません。EDUBALの教師はIBを実際に経験した帰国子女×現役大学生が中心。まずは無料の体験授業で、オンライン指導が合うかを1回確かめてみるのが近道です。
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出願を成功させる準備。いちばん効くのは科目選択
準備で最大のレバーは、実は科目選択です。しかも効かせられる時期が限られています。
志望する学部が科目を指定していることは珍しくありません。理系ならHLで数学や理科を求められますし、前述のとおりドイツのように国レベルで科目構成の要件が決まっていることもあります[14]。DP2年目に気づいても、もう組み替えられません。
筆者の体験
我が家では、志望学部の科目要件を高校受験より前から調べていました。その科目が学校で開講されていない可能性があったからです。IBは学校ごとに開講科目が違い、理系で必要なHL科目が揃わない学校もあります。必要な科目があると分かったことが、その学校を選んだ理由の一つになりました。何点取れるかは誰にも分かりません。それでも要件と科目の突き合わせは、入学前からできます。
科目の選び方はIBの科目選択で、数学のAAとAIの違いはIB数学AAとAIの選び方で詳しく扱っています。スコアの内訳や評価の仕組みはIBの評価配分と内部評価(IA)をどうぞ。
準備の優先順位
- 科目選択(DP開始前):志望学部・志望国の要件から逆算する。やり直しがきかない
- 英語試験(高1から):目標スコアは高い。複数回の受験を前提に逆算する
- IA・EE(DP1〜2年目):最終スコアに直結し、Personal Statementの材料にもなる
- 予測スコア(出願前):海外出願では事実上の本番。ここまでの積み上げが出る
- 推薦状の依頼(出願の数か月前):先生の時間を確保する。最も忘れられがち
まとめ
IBの大学出願は、行き先を選ぶ前に段取りで差がつきます。最後に要点を置いておきます。
- まず5月試験組か11月試験組かを確認する。結果が出る時期が半年ずれ、出願設計が変わる
- 海外出願は予測スコアが本番。予測は実績より高く出やすい[9]という前提で条件を見る
- 自分で用意できない書類(推薦状・成績送付)から先に動く。IB成績は結果発表前なら6件まで無料[4]
- 国内は「IB入試」という区分が制度上なく、呼び名が大学ごとに違う[2]。大学名から要項を探す
- 科目選択はやり直しがきかない。志望国・志望学部の要件から逆算する
そして、スコアが届かなかったときにも道は残っています。慌てないために、選択肢だけは先に知っておいてください。
とはいえ、ここまで読んで「結局どこから手をつければいいのか」と感じた方も多いと思います。国ごとに窓口も締切も違い、しかもやり直しがきかない手続きです。全体像を早めに掴んでおくことが、この記事で一貫してお伝えしたかったことでした。無料の相談窓口で一度整理してみるのも、遠回りに見えて近道です。
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参考情報・出典
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「IBを活用した入試」(令和7年1月時点の一覧。大学数82は当編集部集計)
- 文部科学省「令和9年度 大学入学者選抜実施要項」(2026年5月公表・PDF)
- IBO「Find countries and universities that recognize the IB」(2026年7月閲覧)
- IBO「Requesting and sending transcripts」(2026年7月閲覧)
- UCAS「Dates and deadlines for uni applications」(2026年7月閲覧)
- UCAS「Filling in your UCAS application」(2026年入学の出願料£28.95・2026年7月閲覧)
- UCAS「How to write your personal statement for 2026 entry onwards」(2026年7月閲覧)
- UCAS「Types of offers」(2026年7月閲覧)
- UCAS「Predicted grades: what you need to know」(2026年7月閲覧。予測と実績の差は英国Aレベルのデータ)
- Harvard College「First-Year Applicants」(2026年7月閲覧)
- UAC(豪・大学入学センター)「IB applicants」(2026年7月閲覧。換算表は2026年8月以降のオファー用)
- NTU(南洋理工大学)「International Baccalaureate Diploma」(2026年7月閲覧)
- Studielink(オランダ)「Make sure you are on time」(2026年7月閲覧)
- KMK(ドイツ各州文部大臣会議)「IBディプロマの承認に関する協定」(2023年6月15日改正・PDF)
- 文部科学省「大学入学資格について」(2026年7月閲覧)
- 文部科学省「令和9年度 大学入学共通テスト実施大綱」(PDF)
- NUS(シンガポール国立大学)「IB Diploma: Admission Requirements」(2026年7月閲覧)
