大学受験にいくらかかる?国公立・私立別の費用比較と7つの節約テクニック

「受験費用って実際のところいくらかかるんだろう…」

願書代や受験料はわかるけれど、交通費、宿泊費、さらには合格後の入学金まで含めると、いったいどれくらいの金額を準備すべきなのか。

家計への影響を心配しながらも、子どもには夢を諦めさせたくない―そんな親心と財布の間で揺れている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、最新調査データをもとに、大学受験にかかる実際の費用総額とその内訳を明らかにします。さらに、受験の「賢い節約術」として少しでも負担を軽減するための具体的な節約術を7つ紹介します。

大学受験に必要な費用
目次

大学受験の総費用は約30~40万円

2024年最新情報として、ベネッセが公開している専門家監修記事によると、大学受験にかかる総費用は約40万円とされています。

また、日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査」によると、1人あたりの大学受験費用(受験料、交通費、宿泊費などを含む)は約30~40万円で、進学先によって以下のような差があります。

  • 国公立大学進学者: 約27.7万円
  • 私立大学文系進学者: 約31.3万円
  • 私立大学理系進学者: 約32.2万円

2024年の全国大学生活協同組合連合会の「保護者に聞く新入生調査」では、受験から入学までの総費用は137万円~324万円と報告されていて、自宅外通学になるケースではさらに費用がかさむことがわかっています。

受験費用は受験校数や受験地域、宿泊の有無などによって大きく変動します。また、2025年度入試からは大学入学共通テストが新課程対応になるなど、制度変更も費用に影響する可能性があります。

大学受験費用の内訳

大学受験にかかる費用は、大きく4つに分類できます。それぞれの内訳を見ていきましょう。

受験料(入学検定料)

2024-2025年度入試の主な受験料は以下の通りです。

【大学入学共通テスト】

3教科以上受験18,000円
2教科以下受験12,000円
成績通知希望の場合+800円

【国公立大学2次試験】

  • 約17,000円(ほとんどの大学で共通)

【私立大学】

一般選抜30,000~35,000円/校
共通テスト利用入試15,000~18,000円/校
総合型・学校推薦型選抜30,000~35,000円/校
医歯学部40,000~60,000円/校

例えば、共通テストを受験し、国公立大学1校と私立大学3校を受験した場合

18,000円(共通テスト) + 17,000円(国公立2次) + 35,000円×3(私立) = 140,000円

受験料だけで14万円の出費となります。

願書・出願関連費用

近年はインターネット出願(Web出願)が主流となっていますが、それでもいくつかの費用が発生します。

  • 願書代
    国公立大学は無料、私立大学でも多くは無料ですが、一部で300~1,500円程度必要な場合も
  • 出願書類の郵送費
    書留や速達を使用すると1,000円前後/校
  • 調査書発行手数料
    高校によって数百円程度
  • 証明写真代
    2,000~3,000円

全国大学生活協同組合連合会の2024年度調査によると、出願にかかった費用の平均は国公立大学で約12.3万円、私立大学で約14.5万円と報告されています。

交通費・宿泊費

地方から都市部の大学を受験する場合、交通費と宿泊費が大きな負担になります。

関西から東京の大学を受験する場合の例
  • 新幹線往復(大阪⇔東京): 約25,000円
  • ホテル1泊: 約10,000円
  • 食事・移動費: 約5,000円

1校あたり約4万円の出費となり、複数校受験すると大きな負担になります。また、冬の受験シーズンは交通機関の遅延リスクを考慮して前泊が必要になることも多く、その場合は2泊分の宿泊費がかかります。

併願校の入学手続き費用

受験生にとって意外と盲点なのが、併願校の入学手続き費用です。

第一志望校の合格発表前に、併願校の入学手続き期限が来ることがあります。その場合、入学金や学費の一部を納める必要があります。

  • 私立大学の入学金: 20~30万円
  • 前期授業料: 約40~50万円

後に第一志望校に合格しても、既に支払った併願校の納付金は原則として返金されません。この「二重払い」が家計を圧迫するケースが少なくありません。

進学先による受験費用の差

国公立大学と私立大学では、受験にかかる費用に以下のような違いがあります。

項目国公立大学私立大学
受験料共通テスト(18,000円)
+2次試験(17,000円)
一般選抜:約35,000円/校
平均併願数前期・後期で最大2校3~5校
総受験科目安5~7万円10~18万円
特徴2段階選抜で準備期間が長い同一大学内での併願割引あり

国公立大学は受験料自体は比較的安いものの、共通テスト対策と2次試験対策の両方が必要で、準備にかける時間やコストが増える傾向があります。

一方、私立大学は1校あたりの受験料は高いですが、同一大学内での学部併願割引や共通テスト利用入試の活用で、コストパフォーマンスを高めることができます。

受験費用を抑える7つの節約術

受験費用を賢く抑えるための7つの節約術

受験費用を賢く抑えるための具体的な方法を紹介します。

受験費用を抑える節約術
受験校を戦略的に選ぶ

闇雲に受験校数を増やすのではなく、自分の学力と志望に合った大学を厳選することが重要です。

「チャレンジ校」「本命校」「安全校」をバランスよく選び、5~6校程度に絞るのが費用対効果の高い選択です。

受験費用を抑える節約術
インターネット出願(Web出願)を活用する

2024年現在、ほとんどの大学がWeb出願を導入しています。Web出願には以下のメリットがあります。

  • 願書取り寄せの手間と費用が不要
  • 24時間いつでも出願可能
  • 一部の大学ではWeb出願割引(数千円)を実施
  • 入力ミスを修正しやすい

セゾンカードなど、一部のクレジットカード会社では2024-2025年度入試の受験料支払いにカードを利用すると、ポイント還元や支払日の調整ができるサービスを提供しています。

受験費用を抑える節約術
共通テスト利用入試を最大限活用する

私立大学の共通テスト利用入試は、一般入試より受験料が安く設定されていることが多いです(約15,000~18,000円)。

また、別途個別試験のための交通費・宿泊費も不要なため、大幅な費用削減になります。

受験費用を抑える節約術
同一大学内での学部併願割引を利用する

2024-2025年度入試では、多くの私立大学が同一大学内で複数の学部・学科を受験する場合、2出願目以降の受験料を割引するサービスを提供しています。

同志社大学では2出願目以降は10,000円引き、神奈川大学では2出願目が20,000円(通常35,000円)になるなど、大学によって割引額は異なります。

受験費用を抑える節約術
地方入試会場を活用する

多くの私立大学では、遠方からの受験生向けに全国各地に地方入試会場を設けています。地元や近県で受験できれば、交通費や宿泊費を大幅に節約できます。

志望大学の入試要項で地方入試会場の有無を必ず確認しましょう。

受験費用を抑える節約術
受験日程を効率的に計画する

入試日程が重ならない大学を選んで出願すれば、1回の遠征で複数の大学を受験することができます。また、宿泊が必要な場合は連泊割引を利用すると宿泊費を抑えられます。

受験費用を抑える節約術
受験生向けの割引サービスを利用する

受験シーズンには、交通機関やホテルなどで受験生向けの特別割引サービスが提供されることがあります。早めに予約することで「早割」などの割引も利用できます。

【具体例】

JR各社では受験生応援きっぷ(学割乗車券)を提供していて、通常より2割引で新幹線や特急列車を利用できます。また、受験生プランを用意しているホテルも多く、通常料金より2,000~5,000円安く宿泊できることもあります。

受験費用に関するよくある質問

大学受験の費用は税金控除の対象になるか?

残念ながら、受験料や受験のための交通費・宿泊費は税金控除の対象にはなりません。ただし、入学後の学費や教材費は教育費控除の対象となる場合があります。

経済的に厳しい場合、受験費用を支援する制度はあるか?

はい、いくつかの支援制度があります。2024年現在、日本学生支援機構(JASSO)の「高等教育の修学支援新制度」では、一定の条件を満たす低所得世帯の学生に対して、入学金・授業料の減免と返済不要の給付型奨学金を提供しています。

また、一部の大学では、経済的に困難な家庭の受験生向けに受験料免除制度を設けています。詳細は各大学の公式サイトや高校の進路指導部で確認してください。

浪人した場合、追加でいくらくらい費用がかかるか?

浪人すると、予備校費用(約50~100万円/年)、再度の受験費用(約30~40万円)、生活費などがかかります。

予備校によっては特待生制度を利用できる場合もあるので、早めに情報収集することをお勧めします。トータルで100万円以上の追加費用が必要になるケースが多いです。

まとめ

大学受験にかかる費用は、平均で約30~40万円と決して少なくありません。特に複数の大学を受験する場合や、遠方の大学を受験する場合は、費用が高額になる傾向があります。

しかし、この記事で紹介した7つの節約術を実践することで、無駄な出費を抑えることができます。

  1. 受験校を戦略的に選ぶ
  2. インターネット出願を活用する
  3. 共通テスト利用入試を最大限活用する
  4. 同一大学内での学部併願割引を利用する
  5. 地方入試会場を活用する
  6. 受験日程を効率的に計画する
  7. 受験生向けの割引サービスを利用する

費用面での不安を解消し、受験生が学習に集中できる環境を整えることが、合格への近道となるでしょう。


参考資料: (最新の調査結果に基づいて2025年5月に作成)

  • ベネッセ教育情報「大学受験にかかる費用総額は約40万円!?」(2024年6月23日)
  • 日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査」
  • 全国大学生活協同組合連合会「2024年度保護者に聞く新入生調査」
  • 河合塾マナビス「大学受験費用はズバリいくらかかる?」(2024年)
  • セゾンカード「大学の受験料はいつ払う?費用や支払い方法」(2024年9月10日)

※本記事の情報は2025年5月時点のものです。大学の受験料や割引制度は年度により変更される可能性がありますので、最新情報は各大学の公式ウェブサイトで必ず確認してください。

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