「MARCHや早慶に行きたいけど、うちの家計では厳しいかな…」
「私立の難関大学って、やっぱりお金持ちの子どもしか行けない?」
そんな不安を抱えている方に朗報です。実は、2025年から新しく始まる支援制度により、これまで「経済的に無理」と思われていた家庭でも、MARCHや早慶への進学が現実的になっています。
この記事では、年収400万円台の家庭でも活用できる具体的な方法を、実際の数字を使って分かりやすく説明します。
本当にお金持ちしか行けないの?データで見る大学進学の現実
年収と大学進学率の関係
2024年度の大学進学率は59.1%と過去最高を更新しました。ただし、家庭の年収によって進学率には差があるのも事実です。
年収別の大学進学率
家庭年収 | 大学進学率 |
---|---|
400万円未満 | 28% |
400〜600万円 | 40% |
600〜800万円 | 52% |
800〜1,000万円 | 62% |
1,000万円以上 | 73% |
確かに年収が高いほど進学率も高くなっていますが、これは「お金がない家庭は絶対に無理」という意味ではありません。

実際のMARCHや早慶の学生はどんな家庭出身?
東京大学の調査では、学生の約62%が世帯年収950万円以上の家庭出身となっています。MARCHや早慶も似た傾向がありますが、残りの約4割は年収950万円未満の家庭出身です。つまり、決して「お金持ちだけ」というわけではないのです。
MARCHと早慶の学費は実際いくらかかる?
まずは現実を知ることから始めましょう。MARCHと早慶の学費を詳しく見てみます。
MARCH(明治・青学・立教・中央・法政)の学費
文系学部の場合(4年間の合計)
- 明治大学:450万円~480万円
- 青山学院大学:500万円~520万円
- 立教大学:480万円~500万円
- 中央大学:450万円~470万円
- 法政大学:430万円~460万円
理系学部の場合(4年間の合計)
- どの大学も:600万円~670万円
早慶(早稲田・慶應)の学費
文系学部の場合(4年間の合計)
- 早稲田大学:500万円~530万円
- 慶應義塾大学:520万円~550万円
理系学部の場合(4年間の合計)
- 早稲田大学:650万円~680万円
- 慶應義塾大学:670万円~700万円
初年度にかかる費用の内訳
大学1年目は特にお金がかかります。MARCHを例に見てみましょう。
項目 | 金額 |
---|---|
入学金 | 20万円~30万円 |
授業料 | 70万円~90万円 |
施設設備費 | 10万円~20万円 |
教材費など | 2万円~5万円 |
合計 | 102万円~145万円 |
一人暮らしをする場合は、これに加えて家賃や生活費が月10万円~15万円程度必要になります。
経済的負担を軽くする4つの方法
実は、学費を大幅に安くできる制度がいくつもあります。特に2025年から新しく始まる制度は要チェックです。

1. 国の給付型奨学金(返済不要)+授業料減免
2025年から変わる重要なポイント 子どもが3人以上いる家庭では、親の年収に関係なく、大学の授業料と入学金が大幅に安くなります。
- 対象:扶養している子どもが3人以上いる家庭
- 減免額:授業料が年間最大70万円安く、入学金も最大26万円安く
- 年収制限:なし(ただし資産の条件あり)
詳しくは文部科学省の高等教育の修学支援新制度のページで確認できます。
年収による支援(子どもが3人未満の家庭)
年収の目安 | 授業料減免 | 給付奨学金(一人暮らし) |
---|---|---|
270万円以下 | 70万円 | 91万円 |
300万円以下 | 47万円 | 61万円 |
380万円以下 | 23万円 | 30万円 |
2. 日本学生支援機構の奨学金(要返済)
日本学生支援機構(JASSO)では、2つのタイプの奨学金を提供しています。
第一種奨学金(利息なし)
- 月額:2万円~6.4万円から選択
- 返済:卒業後、無利息で返済
- 条件:成績と家計の基準あり
第二種奨学金(利息あり)
- 月額:2万円~12万円から選択
- 利息:現在約1.2%(年々変動)
- 条件:第一種より緩め
返済が心配な人のための制度
- 年収に応じた返済:年収が低いときは月々の返済額も少なくできる
- 返済の一時停止:失業や病気のときは返済を待ってもらえる
- 返済額の減額:毎月の返済額を半分以下にできる
これらの制度について詳しくはJASSOの奨学金返還についてのページで確認できます。
3. 各大学の独自奨学金
成績優秀者向け
これらの成績優秀者向け奨学金は、入学後の学費負担を大きく減らせる非常に魅力的な制度です。 このような奨学金を獲得するためにも、まずは志望校に合格し、好成績を修めるための学力が不可欠です。経済的な負担を抑えながら合格を目指すなら、Z会の通信教育
などを活用して効率的に学習を進めるのも一つの戦略です。
経済的に困っている学生向け
4. 地域や企業の奨学金
都道府県や市町村、企業の財団なども奨学金を提供しています。給付型(返済不要)のものも多く、他の制度と組み合わせて使えます。
例えば、お住まいの地域の奨学金制度については、各自治体のホームページで確認できます。また、日本学生支援機構の地方公共団体等奨学金のページでも情報を得られます。

年収別!実際にいくら負担になるかシミュレーション
制度を組み合わせると、実際の負担がどれくらいになるかを具体的に計算してみました。
年収350万円の家庭:MARCH文系に進学する場合
使える制度
- 国の給付型奨学金:授業料70万円減額+生活費46万円支給
- 大学の奨学金:20万円支給
- 無利子奨学金:月3万円(年36万円)
年間の収支
学費:115万円(MARCH文系の平均)
支援合計:132万円(70万円+46万円+20万円)
実質負担:0円(むしろ17万円のプラス)
年収500万円の家庭:早慶理系に進学する場合
使える制度
- 国の支援:対象外
- 大学の奨学金:30万円支給
- 無利子奨学金:月6万円(年72万円)
- 有利子奨学金:月5万円(年60万円)
年間の収支
学費:170万円(早慶理系の平均)
支援合計:162万円(30万円+72万円+60万円)
実質負担:年8万円(4年間で32万円)
子ども3人以上の家庭:早慶文系に進学する場合
使える制度(2025年新制度)
- 多子世帯支援:授業料70万円減額+入学金26万円減額
- 無利子奨学金:月6万円(年72万円)
年間の収支
学費:130万円(早慶文系の平均)
支援合計:142万円(70万円+72万円)
実質負担:0円(初年度は入学金減額でプラス26万円)
より具体的に、ご家庭に合った資金計画を立てるには
ここでは3つのモデルケースを紹介しましたが、実際にはご家庭の状況によって最適な資金計画は異なります。 「うちの場合はどうなんだろう?」「奨学金の返済も踏まえて、将来の家計は大丈夫?」といった不安を解消するために、お金のプロに相談してみるのも有効な手段です。
※ IDが指定されていません。のようなサービスを使えば、教育資金だけでなく、家計全体のバランスを見ながら専門的なアドバイスを受けられます。漠然とした不安を具体的な計画に変える第一歩として、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

学費を抑えるための6つのコツ
複数の制度を同時に申し込む
給付型奨学金と貸与型奨学金は一緒に受けられます。大学独自の奨学金も併用できることが多いので、使えるものは全部申し込みましょう。
申し込みのタイミングを逃さない
- 高校3年生の春:予約採用の申し込み開始
- 大学入学後:在学採用の申し込み
- 家計が急変したとき:緊急採用の申し込み
学部選びで費用を抑える
- 文系学部は理系より約200万円安い
- 夜間部があるところはさらに安い
- 国際系学部は留学費用が別途かかることが多い
住む場所を工夫する
- 実家から通えれば年間約120万円の節約
- 学生寮なら家賃月3~5万円程度
- 奨学金も実家通学と一人暮らしで金額が違う
大学選びは費用対効果を考える
- MARCHと早慶の学費差は年間約20万円
- 就職実績と学費のバランスを比較
- 奨学金制度の充実度もチェック
塾・予備校の費用も賢く抑える
大学の学費だけでなく、受験勉強にかかる費用も大きな負担です。しかし、合格しなければ元も子もありません。 そこでおすすめなのが、通塾よりも費用を抑えられるオンライン塾の活用です。
例えばZ会の通信教育
のような実績のあるサービスなら、場所に縛られず、質の高い指導を受けることができます。学費の支援制度と合わせて検討することで、トータルの教育費を大きく削減できる可能性があります。
よくある心配事に回答
奨学金を借りると将来の返済が大変では?
今は返済しやすい制度に変わっています
昔のイメージとは違い、現在は返済者の負担を軽くする制度が整っています。
- 年収に応じた返済:年収が低いときは月々の返済額も自動的に少なくなる
- 返済の一時停止:失業や病気のときは返済をストップできる
- 返済額の減額:月額を最大4分の1まで減らせる
返済例:有利子奨学金を月8万円×4年間借りた場合
- 借りた総額:384万円
- 通常の月額返済:約17,000円(20年返済)
- 年収300万円での返済:月額約8,800円(年収連動返済)
子ども3人以上の「多子世帯支援」って、どんな条件?
扶養している子どもが3人以上いることが条件です
- 2023年12月31日時点で扶養している子どもの数で判定
- 扶養から外れた子どもは数に入らない
- そのため、上の子が就職して扶養から外れると、下の子の進学時に条件から外れる可能性がある
成績が悪いと奨学金はもらえない?
2025年から基準が緩くなりました
- 給付型奨学金は「勉強する気持ち」を重視するように変更
- 高校の成績だけで判断しない方向に
- ただし、大学に入ってからはきちんと勉強する必要がある
いつ、何を申し込めばいい?スケジュールガイド
高校3年生がやること
4月~7月:予約採用の申し込み
- 高校を通じて申し込み
- 結果は10月~12月に分かる
- 大学に合格したら、4月~5月に「進学届」を提出
入学前:多子世帯支援の申し込み
- 子どもが3人以上いる家庭は忘れずに申請
- マイナンバーで自動判定されるが、申請しないともらえない
- 詳細な申請方法は文部科学省の多子世帯支援FAQで確認できます
大学生がやること
4月~5月:在学採用の申し込み
- 予約採用で落ちた人や、申し込んでいなかった人向け
- 結果は6月~7月に分かる
- 支給開始は7月~8月
随時:緊急採用
- 親の失業や病気など、家計が急に苦しくなったとき
- 年間を通じて申し込める
必要な書類
- マイナンバー(世帯全員分)
- 課税証明書(マイナンバーで取得できない場合)
- 資産を証明する書類(給付型奨学金の場合)
- 成績証明書
- 志望理由書(大学独自の奨学金)
まとめ:諦める前にまずは情報収集を
MARCHや早慶への進学は、適切な支援制度を活用すれば、多くの家庭で実現可能です。
大切なポイント
- 2025年の多子世帯支援で、年収制限がなくなった家庭が増加
- 複数の制度を組み合わせることで負担を大幅に軽減
- 年収に応じた返済制度で卒業後も安心
- 早めの情報収集と申請準備が成功の鍵
今すぐやるべきこと
- 家庭の状況を整理する(年収、子どもの人数、資産)
- ※自分たちだけでは難しい場合、家計見直し無料相談サービス「マネドア」
のような無料相談で専門家の視点から家計を可視化してもらうのもおすすめです。
- ※自分たちだけでは難しい場合、家計見直し無料相談サービス「マネドア」
- 使える制度をリストアップする
- 志望大学の独自支援制度を調べる
- 申し込みスケジュールを確認する
- 必要書類の準備を始める
経済的理由で進学を諦める前に、まずは利用できる支援制度を調べてみてください。適切な情報と準備があれば、MARCHや早慶への道は決して閉ざされていません。
奨学金の詳しいシミュレーションはJASSOの進学資金シミュレーターで、具体的な金額を計算してみることをおすすめします。
参考情報・引用サイト
- 文部科学省「学校基本調査」 – 大学進学率の統計データ
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」 – 給付型奨学金と授業料減免制度
- 文部科学省「多子世帯支援FAQ」 – 2025年からの新制度詳細
- 日本学生支援機構(JASSO) – 奨学金制度の総合情報
- JASSO「奨学金制度の種類と概要」 – 貸与型奨学金の詳細
- JASSO「奨学金の返還について」 – 返済制度と負担軽減策
- JASSO「地方公共団体等奨学金」 – 地域の奨学金制度
- JASSO「進学資金シミュレーター」 – 奨学金の試算ツール
- ニューズウィーク日本版「東大生の親の6割以上は年収950万円以上」 – 東京大学学生の家庭年収調査
本記事の情報は2025年6月時点のものです。制度の詳細は変更される可能性があるため、各機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。