MARCHや早慶はお金持ちの家庭の子供しか進学できない大学なのか?

「MARCHや早慶に行きたいけど、うちの家計では無理かな…」

「お金持ちの家庭じゃないとMARCHや早慶には進学できないの?」

結論:
経済的ハードルは確かに存在しますが、2025年からの新制度や様々な支援策を活用すれば、必ずしもお金持ちの家庭の子どもだけがMARCHや早慶に進学できるわけではありません。

この記事では、MARCHや早慶の実際の学費、家庭年収と進学率の関係、利用できる経済支援制度について、最新データに基づいて徹底解説します。

この記事でわかること
  • MARCHや早慶に進学するための実際の費用
  • 家庭年収と大学進学率の本当の関係
  • 2025年から始まる経済支援の新制度
  • お金に余裕がなくても難関私大に進学する方法
目次

家庭年収と大学進学率の関係

「お金があれば大学に行ける、なければ行けない」
この単純な図式は、実際のデータで検証するとどうなるのでしょうか?

日本の大学進学率の現状

2024年度の大学進学率は59.1%と過去最高を更新しました。60年前は10%程度だった大学進学率が、今や高校卒業生の約6割が大学に進学する時代になっています。

家庭年収別の大学進学率

しかし、家庭の経済状況によって進学率には大きな差があります。
文部科学省のデータによると以下のようになっています。

世帯年収大学進学率
400万円未満約28%
400〜600万円約40%
600〜800万円約52%
800〜1,000万円約62%
1,000万円以上約73%

このデータを見ると、確かに家庭年収が高いほど大学進学率も高くなる傾向があります。特に、年収400万円未満の家庭と1,000万円以上の家庭では、進学率に45%もの差があります

MARCHや早慶の学生の家庭年収は?

では、MARCHや早慶に通う学生の家庭年収はどうでしょうか?

残念ながらMARCHや早慶の全学生を対象にした公式データは少ないですが、参考として東京大学の例を見てみます。東京大学の学生生活実態調査(2018年)によれば、東大生の約62%が世帯年収950万円以上の家庭出身です。

一般的に、難関大学ほど家庭の経済状況が良好な学生の割合が高い傾向にあるようですが、これには以下のような要因が考えられます。

  • 塾や予備校などの教育投資ができる
  • 受験に集中できる環境がある
  • 学費の負担を考えずに大学選択ができる

しかし、これは「お金がないとMARCHや早慶に行けない」ということを意味するわけではありません。実際、MARCHや早慶にも様々な経済背景を持つ学生が通っています。

MARCHと早慶の学費はいくらかかる?

まずは、MARCHと早慶の実際の学費を見てみましょう。

MARCHの学費(4年間合計)

MARCHとは、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の頭文字を取った略称です。

文系学部の場合

  • 約450万円〜520万円(4年間合計)
  • 年間平均:約115万円

理系学部の場合

  • 約600万円〜670万円(4年間合計)
  • 年間平均:約160万円

各大学による差もありますが、青山学院大学がやや高め、法政大学がやや低めの傾向があります。

早慶の学費(4年間合計)

早慶(早稲田大学、慶應義塾大学)の学費はMARCHよりも高く設定されています。

文系学部の場合

  • 約500万円〜550万円(4年間合計)
  • 年間平均:約130万円

理系学部の場合

  • 約650万円〜700万円(4年間合計)
  • 年間平均:約170万円

初年度に必要な費用の内訳

大学進学時には、学費以外にも様々な費用がかかります。MARCHを例に、初年度に必要な費用の内訳を見てみましょう。

項目金額(概算)
入学金約20万円〜30万円
授業料約70万円〜90万円
施設設備費約10万円〜20万円
教材費約2万円〜5万円
その他(学友会費など)約1万円〜3万円
合計約103万円〜148万円

これに加えて、一人暮らしをする場合は以下が必要になります。

  • 家賃:
    月約5万円〜8万円(地域により異なる)
  • 生活費:
    月約5万円〜8万円
  • 引っ越し初期費用:
    約20万円〜30万円

確かに、これらの費用を家計だけでまかなうのは容易ではありません。では、どのような支援制度が利用できるのでしょうか?

経済的に可能にする3つの支援制度

大学進学のための経済的な支援制度は、近年大幅に拡充されています。特に注目すべきは2025年からの新制度です。

1. 高等教育の修学支援新制度(給付型奨学金+授業料減免)

2020年4月からスタートしたこの制度は、低〜中所得世帯の学生を対象に授業料・入学金の減免と返済不要の給付型奨学金を組み合わせた支援を行います。

2025年度からの大きな変更点

  • 多子世帯(子ども3人以上の家庭)については、世帯年収に関係なく授業料・入学金が無償に!
  • この改正により、従来対象外だった中間所得層も支援対象に

支援内容(住民税非課税世帯の場合)

  • 私立大学の授業料減免:最大約70万円/年
  • 入学金減免:最大約26万円
  • 給付型奨学金:最大約91万円/年(自宅外通学の場合)

2. 日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金

返済が必要な貸与型奨学金も、重要な支援制度の一つです。

第一種奨学金(無利子)

  • 月額:自宅通学で2〜5.4万円、自宅外通学で2〜6.4万円
  • 学力・家計基準あり

第二種奨学金(有利子)

  • 月額:2〜12万円(選択制)
  • 第一種より緩やかな基準
  • 年利上限3%

返済の負担軽減策

  • 所得連動返還方式:収入に応じて毎月の返済額が変動
  • 返還猶予・減額制度:失業や収入減少時に利用可能

3. 大学独自の奨学金・減免制度

MARCHや早慶をはじめとする私立大学では、独自の奨学金制度も充実しています。

成績優秀者向け特待生制度

  • 明治大学「特別給費奨学金」:年間授業料相当額
  • 早稲田大学「めざせ!都の西北奨学金」:年間授業料の半額〜全額
  • 慶應義塾大学「慶應義塾大学給費奨学金」:年間60万円

経済支援型奨学金

  • 立教大学「コミュニティ福祉学部奨学金」:年間30万円
  • 中央大学「経済援助給付奨学金」:年間授業料の半額
  • 法政大学「後援会奨学金」:年間20〜30万円

これらを組み合わせることで、経済的な負担を大幅に軽減できる可能性があります。

学費シミュレーション:様々な家庭状況での実例

具体的な家庭状況での学費負担がどうなるか、シミュレーションしてみましょう。

ケース
年収400万円の4人家族(両親、子ども2人)
  • MARCHの文系学部
  • 自宅通学
項目金額(年間)
授業料・その他学費約115万円
高等教育修学支援新制度による減免-約70万円
給付型奨学金-約46万円
実質負担額0円

この場合、高等教育修学支援新制度により、ほぼ全額が支援されます。

ケース
年収650万円の5人家族(両親、子ども3人)
  • 早稲田大学の理系学部
  • 自宅外通学
項目金額(年間)
授業料・その他学費約170万円
入学金(初年度のみ)約20万円
2025年度からの多子世帯支援-約170万円
生活費(家賃含む)約120万円
第一種奨学金-約76万円
実質負担額約44万円

2025年度からの多子世帯支援により、授業料・入学金が無償化され、奨学金で生活費の一部をカバーできます。

ケース
年収800万円の4人家族(両親、子ども2人)
  • MARCHの理系学部
  • 自宅通学
項目金額(年間)
授業料・その他学費約160万円
大学独自の奨学金-約30万円
第二種奨学金-約60万円
実質負担額約70万円

この場合、大学独自の奨学金と貸与型奨学金を組み合わせることで、学費負担を軽減できます。

よくある疑問

MARCHや早慶に行くには塾や予備校が必須?

必ずしも塾や予備校は必須ではないようです。実際に塾や予備校に通わずに自学自習でMARCHや早慶に合格している学生も少なくありません。

学校の授業を大切にし、図書館や無料の学習サポートを活用する方法もあります。ただし、効率的に学習するためのサポートとして、塾や予備校の利用を検討するのも一つの選択肢でしょう。

奨学金の返済は将来的に負担にならない?

貸与型奨学金の返済については、確かに将来の負担になる可能性がありますが、近年は返済負担を軽減する制度も充実しています。

所得連動返還方式を選択すれば、収入に応じた返済額になるため、状況に合わせた返済が可能になります。また、失業や収入減少時には返還猶予制度も利用できるようです。給付型奨学金と組み合わせることで、借入額を最小限に抑える工夫も重要でしょう。

2025年からの多子世帯支援はどう変わる?

2025年度からの多子世帯支援(扶養する子どもが3人以上の世帯)では、世帯年収に関わらず授業料・入学金が無償化されるという大きな変更点があります。

従来は年収600万円程度までの多子世帯が対象でしたが、所得制限が撤廃されることで支援対象が大幅に拡大します。

まとめ
チャンスは誰にでもある

「MARCHや早慶はお金持ちの家庭の子供しか進学できない大学なのか?」という問いに対する答えは、「必ずしもそうではない」です。

確かに、データから見ると家庭年収と大学進学には相関関係があり、難関大学ほど経済的に余裕のある家庭の子どもが多い傾向があります。

しかし、これは「経済的に厳しい家庭の子どもには絶対に無理」ということを意味するものではありません。

特に、以下の点から、経済的なハードルは年々低くなっています

  1. 高等教育の修学支援新制度の充実
    低〜中所得世帯向けの給付型奨学金と授業料減免
  2. 2025年度からの多子世帯支援の拡充
    子ども3人以上の世帯は所得に関わらず授業料・入学金無償化
  3. 大学独自の奨学金制度の拡大
    成績優秀者向け特待生制度や経済支援型奨学金の充実
  4. 返済負担の軽い奨学金制度
    所得連動返還方式の導入や返還猶予制度の整備

大切なのは、「お金がないから諦める」という選択をする前に、利用できる支援制度を調べ尽くすことです。そして、自分に合った進学計画を立てることです。

MARCHや早慶への道は、必ずしも経済力だけで決まるものではありません。むしろ、情報収集力と計画力、そして何より学ぶ意欲と努力が重要です。

【参考文献・データ出典】

  • 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」(2024年)
  • 日本学生支援機構「奨学金制度の概要」(2024年)
  • 文部科学省「学校基本調査」(2024年)
  • 東京大学「学生生活実態調査」(2018年)
  • ダイヤモンド教育ラボ「少子化と大学進学率の上昇で『ブランド大学』の位置づけはどう変化するのか」(2024年)

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