まず結論:ドイツ留学って実際どうなの?
気になる疑問に先にお答えします
ドイツの大学は本当に無料?
はい。国公立大学の一般的な学部課程は原則無料です(例外:バーデン=ヴュルテンベルク州のみ年40万円、私立大学や特殊な修士課程は別途費用あり)
英語だけで大丈夫?
はい。2,200以上の英語コースがあります
レベルは高い?
はい。世界ランキング100位以内に3校、200位以内に20校
就職できる?
はい。特にヨーロッパ企業への就職で評価されます

他の国と比べてどれくらい安い?(4年間)
国 | 総費用 | ドイツとの差額 |
---|---|---|
ドイツ | 約880万円 | 基準 |
オーストラリア | 約1,600万円 | 720万円高い |
イギリス | 約2,000万円 | 1,120万円高い |
アメリカ私立 | 約3,000万円 | 2,120万円高い |

うちの子でも行けるかチェック
□ 高校卒業(予定)
□ 英語がそこそこできる(IELTS 6.0目標)
□ 共通テストで優秀な成績を収めている
□ 年200万円程度の準備ができる
→ 3つ以上なら可能性ありです!
なぜドイツ留学が注目されているの?
「海外の大学に行かせたいけど、学費が…」
そんな悩みを持つご家庭が増えています。実際、アメリカの私立大学なら4年で3,000万円、イギリスでも2,000万円かかることが珍しくありません。
でも、ドイツなら4年で880万円程度。この差は大きいですよね。
我が家でも子どもの留学を考えたとき、この費用の差に驚きました。そこでドイツ留学について徹底的に調べた結果をまとめたのが、この記事です。
みんなが心配していること、お答えします
「英語だけで本当に卒業できるの?」
できます。ただし準備は必要です
実際に調べてみると
- 2,200以上の英語コースが存在
- 45万人以上の留学生が学んでいる
- ただし医学部はドイツ語が必要
成功するポイント
- IELTS 6.5-7.0の英語力を準備
- 生活用の基本ドイツ語も覚える
- 大学の語学サポートを活用
「卒業後ちゃんと就職できるの?」
特にヨーロッパでの就職に強いです
実際の数字を見ると
- ドイツの失業率:約5-6%(日本より低い)
- 卒業後18ヶ月の就職活動ビザあり
- EU圏内での就職で高評価
「途中で嫌になったらどうする?」
リスクを減らす方法があります
事前にできること
- まず1年間の語学留学で試す
- 日本の大学と併願(休学も可能)
- 短期プログラムから始める
もし帰国することになっても
- 日本の大学への編入も可能
- 単位が認定される場合も多い
- 海外経験は就活でプラスになる
「親をどう説得すればいい?」
数字で説明するのが一番です
節約できる金額(4年間)
- アメリカ私立との差:2,120万円
- イギリスとの差:1,120万円
- オーストラリアとの差:720万円
教育の質も証明済み
- 世界大学ランキングで上位多数
- ノーベル賞受賞者も多い
- 産業界との連携が強い
ドイツ留学 vs 他国留学【徹底比較分析】
総合比較表
項目 | ドイツ | アメリカ | イギリス | オーストラリア |
---|---|---|---|---|
年間学費 | 7万円 国公立大学の場合 | 400-800万円 | 300-600万円 | 300-500万円 |
年間生活費 | 187万円 | 300-400万円 | 250-350万円 | 200-300万円 |
英語プログラム | 2200+ | 豊富 | 豊富 | 豊富 |
世界ランク上位校 | 20校(TOP200) | 多数 | 多数 | 8校(TOP200) |
卒業後就労 | 18ヶ月 | 困難 | 2年 | 2-4年 |
治安レベル | 高い | 地域差大 | 高い | 高い |
費用対効果分析
ドイツ留学の圧倒的なコストパフォーマンス
■ 4年間の総費用比較
ドイツ: ████ 800万円
豪州: ████████ 1600万円
英国: ██████████ 2000万円
米国: ███████████████ 3000万円
投資回収期間の試算
- ドイツ:卒業後5-7年で投資回収
- 他国:卒業後10-15年で投資回収
どんな人にドイツ留学が向いている?
✅ ドイツ留学がおすすめの人
- 費用を抑えて質の高い教育を受けたい
- ヨーロッパでの就職・キャリアを考えている
- 工学・理系分野を専攻したい
- 多文化環境での学習を重視する
- 実践的なスキルを身につけたい
❌ 他国留学を検討すべき人
- アメリカ文化・アメリカ企業への憧れが強い
- 英語圏での完全な英語環境を求める
- エンターテイメント・メディア系を専攻したい
- 豊富な奨学金制度を活用したい(アメリカ)
ドイツ大学留学の魅力【詳細解説】
世界最高水準の教育
ドイツには国から認可された約430の大学があり、全体で21,000以上の学士や修士などの課程が提供されています。
主要大学ランキング比較(2025年最新版)
参考:日本の大学
- 東京大学:QS 36位、THE 39位
- 京都大学:QS 57位、THE 68位
(2025年6月現在、最新の詳細ランキングは各公式サイトでご確認ください)
ドイツの大学の特徴は、大学間の質の差が比較的小さいことです。教育の質はどのタイプの大学でも同じようにハイレベルで、どの学科も一貫して高い水準にあります。
授業料がほぼ無料
基本的な授業料制度
- 国公立大学:原則無料
- 例外:バーデン=ヴュルテンベルク州のみ
- 非EU圏学生は学期あたり1,500ユーロ(約22万円)
- それでも年間約40万円程度という安さ
必要な費用:学期共済費
授業料は無料ですが、すべての学生は学期ごとに100~350ユーロの学期共済費(Semesterbeitrag)を支払います。
学期共済費に含まれるもの
- 公共交通機関乗り放題パス(Semester ticket)
- 学生サービス利用料
- 学生自治会費

英語で学べる環境
ドイツには全ての授業が英語で行われる専攻が、2200以上もあります。分野も幅広く、一般的な学部学科はほぼすべてカバーされています(医学部はドイツ語のみが一般的)。
さらに、人口の60%近くが英語を話せると言われているドイツでは、日常生活でも英語でのコミュニケーションが可能な場面が多くあります。
治安と生活環境
世界平和指数での順位
- 日本:17位
- ドイツ:20位 (2024年版、両国とも治安は良好)
ドイツは政治・経済が安定しており、基本的な危機管理を徹底すれば安心して生活できる環境です。
留学費用の詳細
生活費の目安
1か月あたりの必要な資金額は992.00ユーロ以上(2024年9月1日以降)とされています。
月額生活費の内訳例
項目 | 金額(ユーロ) | 日本円換算 |
---|---|---|
家賃 | 290-560 | 約4.8-9.2万円 |
食費 | 168 | 約2.8万円 |
健康保険 | 約100 | 約1.7万円 |
交通費 | 94 | 約1.6万円 |
その他 | 154 | 約2.5万円 |
合計 | 約850-950 | 約14.0-15.7万円 |
ビザ申請に必要な資金証明
閉鎖口座(Sperrkonto)について
滞在予定の全期間分に相当する資金、あるいは最大一年分(11,904.00ユーロ以上 (2024年9月1日以降))が必要な証明額となります。
重要なポイント
- 月額992ユーロ × 滞在月数分が必要
- 1年間なら約180万円(11,904ユーロ)
- 毎月決まった額しか引き出せない特別な口座
出願要件と条件

基本的な学力条件
日本の学生がドイツの大学に出願するための条件は、最終学歴によって異なります。
高校卒業の場合
- DAADが示す一つの目安として、共通テストで一定以上の成績(例:総得点率6割以上など)が求められます
- ただし、最終的な出願資格の有無は、志望大学の指定する審査機関(uni-assistなど)による個別の評価で決まります
- 詳細は必ず志望大学の公式サイトで確認してください
ドイツ大学への道を開くためには、まず共通テストで目標点を確保することが重要です。実績のあるZ会の通信教育
などのオンライン塾などを活用し、効率的に対策を進めるのも良いでしょう。
国際バカロレア(IB)取得者の場合
- IBDP(国際バカロレア・ディプロマ)を取得
- 数学をHLで受講、または理科(生物・化学・物理のいずれか)をHLで受講
- 数学AA、AIでIBDPを取得すると、すべての学部で直接大学入学が可能
大学進学においてIBの科目選択はとても重要になります。科目選択については以下の記事で詳しくまとめてあります。

成績換算式

例:IBDPスコア37点の場合 → ドイツ成績1.8

ドイツ成績 = 1 + 3 × (42 – IBDPスコア) ÷ (42 – 24)
日本の大学在学中・卒業の場合
学歴 | 出願可能分野 |
---|---|
大学1年以上修了(35単位以上) | 専攻学科および関連学科 |
短期大学卒業 | 専攻学科 |
4年制大学卒業 | 任意の学科 |
語学要件
英語プログラムの場合
特にIELTSのスピーキングは、高得点を狙うための対策が不可欠です。いつでもネイティブ講師と実践練習ができる【Cambly(キャンブリー)】
オンライン英会話などを利用して、話す力に自信をつけておくことをお勧めします。
ドイツ語プログラムの場合
住まいの選択肢
学生寮
メリット
- 家賃が最も安い(月200-400ユーロ程度)
- キャンパスに近い
- 異文化交流の機会が豊富
注意点
- 部屋数に限りがある
- 早期申込が必須
フラットシェア(WG:Wohngemeinschaft)
賃貸アパート
メリット
- プライバシーを重視できる
- 自分のペースで生活可能
デメリット
- 家賃が高い(月500-800ユーロ程度)
ドイツ大学の種類と特徴
総合大学(Universität)
- 学術研究重視
- 幅広い学問分野
- 理論的なアプローチ
応用科学大学(Fachhochschule)
- 実践志向
- 産業界との密接な連携
- 即戦力となる人材育成
芸術系大学
- 創造性を重視
- 特別な適性試験あり
今すぐ始める!ドイツ留学準備ロードマップ

時期別やることリスト
高校2年生の今すぐやること
□ 英語力強化開始(目標:IELTS 6.5-7.0)
□ 志望分野の英語プログラム調査
□ 共通テスト対策(5科目420点以上目標)
□ 家族との相談・合意形成
高校3年生(受験年)
□ 共通テスト受験(2科目62%以上確保)
□ IELTS/TOEFL受験
□ 大学・プログラム選定
□ 出願書類準備開始
卒業後(ギャップイヤー推奨)
□ ドイツ語基礎学習(A1-A2レベル)
□ 閉鎖口座開設・資金準備
□ ビザ申請
□ 住居確保
資金計画テンプレート
必要資金の詳細計算
初期費用(出発前)
・閉鎖口座:180万円(11,904ユーロ)
・航空券:15-30万円
・ビザ申請:3-5万円
・保険:10-15万円
・初期準備:10-20万円
─────────────────
初年度合計:220-250万円
年間ランニングコスト(2年目以降)
・学期共済費:7万円
・生活費:170万円
・帰省費:10-20万円
─────────────────
年間合計:190-200万円
具体的な費用が見えてくると、留学資金の準備に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。そうした場合は、家計見直し無料相談サービス「マネドア」のようなお金の専門家に無料で相談し、ご家庭に合った資金計画を立ててみるのも一つの有効な手段です。
失敗しないための重要ポイント
準備段階での注意点
- 情報収集は必ず公式サイトから
- 制度変更が頻繁にあるため
- SNSの体験談は参考程度に
- 英語力は余裕を持って準備
- 最低要件+0.5点以上を目標
- アカデミック英語の特別対策
- 資金は1.2-1.5倍で計画
- 為替変動リスクを考慮
- 緊急時の予備資金確保
出願時の致命的ミス防止
- 出願締切の確認(大学により異なる)
- 書類の英語/ドイツ語翻訳認証
- 成績証明書の評価機関認証
困った時の相談窓口
公式相談機関
- DAAD東京事務所(日本語対応)
- 各大学の留学生課(英語対応)
- ドイツ総領事館(ビザ関連)
無料相談サービス
- 各種留学フェア(年1-2回開催)
- 大学説明会(オンライン参加可能)
注意すべきポイント
最新情報の確認
この記事の情報は2025年6月時点のものです。制度変更の可能性があるため、以下の点にご注意ください
- 授業料制度は州により異なる可能性があります
- 閉鎖口座の金額は定期的に見直されます
- 入学要件は大学・学部により異なります
準備期間の確保
ドイツ留学には十分な準備期間が必要です:
- 語学準備:6ヶ月-2年
- 書類準備:3-6ヶ月
- ビザ申請:1-3ヶ月
まとめ
ドイツ留学は、世界トップレベルの教育を経済的負担を抑えて受けられる、非常に魅力的な選択肢です。特に以下のような方にお勧めします:
- 質の高い教育を求めるが費用を抑えたい
- 将来的にヨーロッパで働きたい
- 多様な文化環境で学びたい
- 研究分野で実績を積みたい
ただし、成功するためには早期からの計画的な準備が不可欠です。まずは志望分野の英語プログラムがあるかを調べ、必要な語学力の習得から始めることをお勧めします。
参考情報源・公式リンク集
- DAAD日本(ドイツ学術交流会)
- ドイツ外務省・学生ビザ情報
- Study in Germany 公式ポータル
- 大学・プログラム検索(DAAD)
- CHE大学ランキング
- 在ドイツ日本国大使館
- 外務省海外安全ホームページ
免責事項: この記事の情報は2025年6月24日時点のものです。制度変更の可能性があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。個別の状況については、専門機関にご相談されることをお勧めします。