JASSO奨学金(海外)
海外留学をする学生のために、JASSO(日本学生支援機構)が提供している奨学金には、以下の2つがあります。
- 海外留学支援制度(学部学位取得型)
- 海外留学のための貸与奨学金(返済必要)
海外留学支援制度(学部学位取得型)
この制度は、主に海外の大学で学位を取得したいと考えている学部学生を対象としています。具体的な内容は以下の通りです。
| 対象者 | 日本国籍を持つ学生で、海外の大学で学士号を取得することを目指している人。 |
|---|---|
| 支援内容 | 授業料、生活費などの支援 |
| 選考基準 | 学業成績、計画の具体性、志望動機などが評価されます。 |
| 返済 | なし。給付型 |
2. 海外留学のための貸与奨学金(返済必要)
この制度は、海外留学を希望する学生に対して貸与型の奨学金を提供するものです。具体的な内容は以下の通りです。
| 対象者 | 日本国籍を持つ学生で、海外の大学の正規課程に入学又は編入学が見込まれる人。 |
|---|---|
| 支援内容 | 2万円〜12万円の中から1万円単位で選択 |
| 選考基準 | 学業基準、家計基準などにより決定 |
| 返済 | あり。無利子または低利で、留学後に一定の期間で返済を行う。 |
過去の選考結果
アメリカ・カナダ

| 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|---|
| アメリカ | 38/106 | 23/104 | 24/91 |
| カナダ | 11/27 | 3/21 | 7/35 |
アメリカは世界中で最も多くの大学とカレッジを持っている国で、あらゆる分野での専門教育を受ける事が可能です。
また学校数だけでなく、ハーバード大学やスタンフォード大学、MITなどの世界的にも凄く有名な大学が多数存在するため、世界中の学生が留学を希望する国となっています。
ただ、アメリカの大学の学費はとても高額なので、アメリカへ留学するためには奨学金が必須という学生が多いのも事実。
それを表すように、JASSOの応募者数もダントツの最多で、奨学金の採択数も比例して多くなっていることが分かります。

一方、カナダは教育の質で国際的に評価されていて、アメリカの文化とも近く英語ネイティブの国であり、こちらも世界中からの学生に魅力的な選択肢となっています。
カナダの都市は安全でクリーンで、多文化主義の社会ということも人気の理由。また他国に比べると授業料は高額ではあるものの、アメリカの一部の大学に比べると安価に済みます。
政府が留学生のアルバイトも一定範囲で許可していて、学費の一部を補うことができるのも魅力の1つです。
ヨーロッパ

| 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|---|
| アゼルバイジャン | – | 0/1 | – |
| イギリス | 18/42 | 11/40 | 8/40 |
| イタリア | 1/1 | 0/3 | – |
| エストニア | – | 0/1 | – |
| オーストリア | 0/1 | – | – |
| オランダ | 4/11 | 4/10 | 2/12 |
| スウェーデン | 1/1 | ||
| スペイン | 0/1 | 0/1 | 0/1 |
| チェコ | 0/3 | 0/1 | 1/1 |
| ドイツ | 0/1 | 1/3 | 0/1 |
| トルコ | 0/1 | – | – |
| ノルウェー | – | – | 0/1 |
| ハンガリー | 0/1 | 0/1 | – |
| フィンランド | 1/2 | – | 0/2 |
| フランス | – | – | 0/1 |
| ブルガリア | – | – | 0/1 |
| ベルギー | – | 0/2 | – |
| マルタ | 0/1 | – | – |
| 英国 | – | – | – |
イギリスは世界大学ランキングでも上位に位置している大学がとても多く、また英語ネイティブの国ということもあり、その人気の高さはアメリカやカナダ同様となっています。
イギリス以外の国でも
非英語圏のヨーロッパの国々でも、英語で開講されるプログラムが増加していて、これにより、その国の言語を習得していない学生でも、留学することが可能になっていることが人気の理由の1つと言えます。
特に大学院レベルでは、英語でのプログラムが一般的で、世界中からの学生が参加しています。
英語能力指数ランキング

英語能力指数ランキング(EF EPI)を見てみると、非常に高い英語能力とされているランキング上位の国には、ヨーロッパの国々が位置しています。
日常的にも英語が通じやすい環境であることが、留学先として人気が高まってきている理由の1つと言えます。
また、そういった環境に加えて、北米やイギリスの大学と比較すると、ヨーロッパの多くの国では学費がリーズナブルであることが多く、それでいて高い教育水準を誇っているという魅力があります。
特にドイツやフィンランドなどの一部の国では、公立大学では学費が無料または非常に低いこともあり、留学生にとって大きな魅力となっています。
大学ランキングの上位順位数
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が毎年発表している、THE世界大学ランキングの2023年版を見てみると、100位以内、200位以内にランクインしている大学数は以下のようになっています。
| 国 | 100位以内 | 200位以内 | |
|---|---|---|---|
| 1 | アメリカ | 34 | 58 |
| 2 | イギリス | 10 | 29 |
| 3 | ドイツ | 9 | 22 |
| 4 | 中国 | 7 | 11 |
| 5 | オランダ | 7 | 10 |
| 6 | オーストラリア | 7 | 10 |
| 7 | 香港 | 5 | 5 |
| 8 | カナダ | 4 | 7 |
| 9 | スイス | 4 | 6 |
| 10 | フランス | 4 | 5 |
| 11 | 韓国 | 3 | 6 |
| 12 | オーストリア | 3 | 3 |
| 13 | シンガポール | 2 | 2 |
| 14 | 日本 | 2 | 2 |
| 15 | スウェーデン | 1 | 5 |
| 16 | ベルギー | 1 | 4 |
北米はもちろん、イギリスやオーストラリアなど、英語圏で教育水準の高いとして有名な国はもちろん、ヨーロッパの国々も国際的に評価が高い大学が多いということが分かります。
オセアニア

| 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|---|
| オーストラリア | 3/30 | 1/22 | 2/25 |
| ニュージーランド | 0/1 | – | 0/1 |
アメリカやカナダ、イギリスに次いで留学先として人気が高いのがオーストラリアですが、採択結果を見てみると、募集人数に対して採択された人数が少ないことが伺えます。
オーストラリアの大学は、教育水準も非常に高く世界的な評価も良いのですが、アメリカやイギリスなどに比べると比較的入学要件が低いことが要因としてあるのかも知れません。
しかし、英語を母国語とする国であること、そして異文化交流の豊富さなどから留学先の国として非常に魅力が高いことは間違いありません。
中東・アジア

| 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | |
|---|---|---|---|
| アラブ首長国連邦 | 0/1 | 0/1 | 0/1 |
| シンガポール | – | 1/4 | 0/3 |
| フィリピン | 0/1 | – | – |
| マレーシア | 0/6 | 0/2 | 1/4 |
| 韓国 | 0/3 | 1/4 | 0/1 |
| 台湾 | 1/2 | – | 0/3 |
中東とアジア地域を見てみると、他の地域と比べて奨学金の応募をしている留学者数は明らかに少ないことが分かります。
2023年度の結果では、台湾で1人の採択がありますが、その他の国々では採択されていません。その中でも、マレーシアへの留学生からの応募数が、他の中東・アジアの国と比較しても多く、また過去年度に比べても2023年度は増えている事が分かります。
JASSO奨学金のスケジュール
海外留学支援制度(学部学位取得型)
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 応募事前登録 | 9月5日〜10月6日 |
| 応募書類提出 | 9月5日〜10月12日 |
| 第一次審査(書面審査) | 結果は1月上旬を目処 |
| 第二次審査(面接審査) | 1月21日or22日 |
| 採用結果 | 2023年3月上旬を目処 |
| 採用決定後の手続き | 2023年3月23日まで |
| 事前オリエンテーション | 2023年3月 |
