- 三田国際科学学園(旧・三田国際学園)は、共学化からわずか10年で偏差値が大きく上がった人気校。IB校ではなく、探究×英語×理系サイエンスで国内・海外の難関大に実績を伸ばしています。
- クラスはISC・IC・MSTCの3つ。どのクラスも英語ゼロから入学できます(公式FAQ)。
- 話題の「海外大合格503」は4年間の累計・のべ合格数。2026年3月卒の単年ではのべ170です(本文で読み分けます)。
- 向くのは自分で問いを立てて動ける子。手厚い管理を求める家庭は、課題の多さや自由さを説明会で確かめてから。
三田国際科学学園(旧・三田国際学園)は、中学受験でここ数年もっとも注目を集めた学校の一つです。「急に難関になった」「実力は本物?」「うちの子に合う?」という疑問を持って調べている方が多いはずです。
偏差値や倍率の数字は、模試や検索でもう手元にあると思います。この記事では、その数字の「中身」まで踏み込みます。たとえば話題の海外大合格は、実は4年間の累計です。華やかな説明会の印象だけでは分からない、実力と向き不向きまで見ていきます。
三田国際科学学園は、10年でなぜ難関になった?
もとは1902年創立の戸板裁縫学校を源流とする女子校でした。1993年に中高が世田谷区用賀へ移転し、2015年に「三田国際学園」として共学化してスタート。そして2025年に現在の「三田国際科学学園」へ改称しています[1]。学園長は大橋清貫氏です。
偏差値も上がりました。四谷大塚の2027年入試用の目安では、ISC・ICが60〜63、MSTが64となっています[9]。元SAPIX講師による分析では、かつて30未満だった難易度が47前後まで上がり、攻玉社などと並ぶ水準に来た、と指摘されています[10]。
「入試の回数を増やして偏差値を上げているのでは」という見方も、受験界では聞かれます。三田国際科学学園の一般入試は2月に4回とMST入試があり、後半の回ほど募集人数が少なく倍率も高くなります。ただ、それだけで進学実績まで説明はできません。難化が本物かどうかは、次に見る出口の数字で確かめるのが確実です。
進学実績を「のべ」と「実数」で分解すると?
ここが、この学校をいちばん正確に理解できるところです。まず国内から見ましょう。2026年3月の卒業生197名から、東京大学5名、早稲田41名、慶應37名、上智25名、東京理科28名、医学部医学科28名などの合格が出ています[4]。共学化1期生以降で、国内難関大の実績も着実に伸びています。
そして注目の海外大学です。公式の進路実績には「海外大学 合計503」という数字が並びます。ただしこの503は、2025年度から2022年度までの4年間を合計した「のべ合格数」です[4]。1人が複数の大学に合格した数も含まれます。
2026年3月卒(公式表の2025年度)の単年だけを取り出すと、海外大の合格はのべ170です[4]。塾のまとめや記事では「503」を単年のように紹介していることがありますが、そこは正しく読み分けたいところです。
合格校の顔ぶれは、トロント大28、シドニー大21、メルボルン大20などオセアニア・北米が中心で、ミネルバ大学の合格も出ています[4]。
「海外に行くのは帰国生や英語のできる一部だけでは」と思うかもしれません。ですが公式のお知らせでは、英語で学ぶICだけでなく、探究中心のISCの生徒が海外の国立大学医学部へ進んだ例も紹介されています[5]。海外進学は特定のクラスだけの話ではない、というのが実際のようです。
※ 上記の合格数はいずれも「のべ合格数」で、実際の進学者数とは異なります。海外503は4年間の累計、170は2026年3月卒の単年です。
ISC・IC・MSTC、3つのクラスはどう違う?
中学は、ISC・IC・MSTCの3クラスに分かれます。どのクラスを選ぶかで、日々の学び方も雰囲気も変わります。まず全体像を1枚で見てください。
ISCは幅広い探究が中心で、国際教員が副担任として関わります。ICは英語・数学・理科・社会をオールイングリッシュで学ぶクラスで、国際教員が担任を務めます。MSTCは中1をISCで過ごし、中2からスタートして4年間研究に没頭する最難関クラスです[2]。
ひとつ誤解されやすいのが、IBとの関係です。名前に「国際」が付き海外進学も強いため混同されがちですが、三田国際科学学園はIB(国際バカロレア)認定校ではありません[8]。
海外への接続は、高校ICの豪州デュアルディプロマ(西オーストラリア州のカリキュラムを履修しATAR試験を受ける)と、大学レベルのAPプログラムという2本立てです[2]。IB校やインターナショナルスクールも含めて比べたいなら、インターナショナルスクールの選び方と大学入学資格のルートも参考になります。
英語ができなくても入れる?困らない?
「英語重視の学校だから、英語ができないと入れないのでは」と心配になるかもしれません。結論から言うと、公式のよくある質問に「どのクラスも英語ゼロベースから入学できます」と明記されています[3]。入口で英語力が必須なわけではありません。
ただし、クラスによって英語の環境の濃さは違います。ICは授業がオールイングリッシュのため、入学後の負荷は大きめです。すでに英語が得意な子には合いますが、まったくの初心者がいきなりICに入ると大変さもあります。英語を伸ばしたいけれど今はゼロに近い、という場合はISCから始める道が現実的です。
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2026年度入試:日程・科目・倍率・英語優遇
2026年度の募集人員は160名(帰国生入試30名を含む)です[7]。一般入試は2月1日午前(第1回)・2月1日午後(第2回)・2月2日午後(第3回)・2月3日午後(MST入試)・2月4日午後(第4回)の日程で行われます。
| クラス | 受けられる方式 | 主な科目 |
|---|---|---|
| ISC | 4教科/英・国・算・面 | 国算(各100点)+理社(各50点)。英語型は英語(60分100点)+国算+面接 |
| IC | 4教科/英・面 | 英語型は英語リスニング含む(60分100点)+面接(英語と日本語・本人のみ) |
| MSTC | MST入試のみ | 算数・理科(各60分100点) |
英語の外部資格による優遇は、ISCのみが対象です。英検準1級以上、TOEFL iBT72点以上、IELTS5.5以上のいずれかを持っていれば、英語筆記試験が免除されます[7](2023年11月以降に受験したもので、出願後に証明書の提出が必要)。ICや英語型で受ける場合は、免除ではなく英語そのもので勝負する形になります。
倍率は後半の回ほど高くなります。四谷大塚の集計では、2026年度の実倍率はICの第1回が約6.7倍、ISCの第4回が約6.3倍、MST入試が約4.7倍などとなっています[12]。定員の少ない後半の回ほど狭き門になりやすい、と読んでおくとよいでしょう。
※ 倍率は四谷大塚の入試結果集計(2026年度)による参考値です。年度・回・帰国生の有無で変わります。
学費は「高い」のか?6年間の目安と中身
費用は気になるところです。口コミにも「全体的に値段が高い」という在校生の声があります[11]。実際の金額を公式で見てみましょう。
| 初年度の主な費用 | 中学 | 高校 |
|---|---|---|
| 入学金(初年度のみ) | 350,000円 | 300,000円 |
| 授業料(年額) | 552,000円 | 480,000円 |
| 設備費・維持管理ほか(年額) | 378,000円 | 218,000円 |
| 預かり金(PTA・生徒会) | 46,900円 | 46,900円 |
| 初年度納入金 合計 | 約1,326,900円 | 約1,044,900円 |
これに加えて、教育充実費(中学1年で25万円程度・iPad費を含む、中2・中3は各12万円程度)や宿泊研修費、制服代などがかかります[6]。高校では、豪州デュアルディプロマを取る場合のプログラム費や海外研修費も別途必要です。私立の国際系としては高めの部類に入ります。
「高い」と感じるかは、何を得るかとの対比で決まります。1人1台の端末を使うICT環境、オールイングリッシュや探究の授業、海外大への接続まで含めた費用、と考えると評価は変わってきます。額面だけでなく、お子さんがその中身をどれだけ使い切れそうかで見るのがよいでしょう。
評判は?向いている家庭・慎重に考えたい家庭
説明会やパンフレットは、どの学校も魅力的に見えるものです。だからこそ、在校生や保護者の声が参考になります。公開されている口コミから、良い面と気になる面の両方を整理します。
- プレゼンや話し合いなど、生徒の参加度が高いアクティブラーニングの授業
- 理系大学レベルの本格的な設備があるラボ/1人1台の端末環境
- 生徒がいきいきしている・スクールカーストがないという雰囲気
- 「課題がものすごく多い。特に英語」という声。自由なイメージと逆の負荷を感じる家庭もある
- 「帰国生も多く、はっきり物を言う子もいる」という人間関係の指摘
- グラウンドが狭い・男女比の偏り(男子が少ない)など、設備・環境面での指摘
興味深いのは、説明会で受ける「自由でのびのび」という印象と、在校生の「課題がものすごく多い」という声[11]が、必ずしも一致しないことです。自由に見えて、実際は自分で進める課題の量が多い。つまり、指示を待つのではなく自分で動ける子ほど伸びやすく、手取り足取りの管理を求める家庭とは相性が分かれる、ということです。
- 向いている:自分で問いを立てて動ける子。探究・英語・理系の環境を使い切りたい家庭
- 慎重に:手厚い管理や指示を求める家庭。課題の多さや自由さが負担になりそうな場合
- 確かめ方:説明会だけでなく、授業見学や在校生の声で「日々の実態」を必ず見る
筆者の体験
我が家でも進学先を選ぶとき、パンフレットに良いことが書いてあるのは当然だと考えていました。だから実際に足を運んで自分の目で見て、口コミや卒業生の進路、WEBの情報もかなり調べます。ただ、ネット上の声だけが本物とは限らないと、一歩置いて見るようにもしています。国際系の学校も候補に探しましたが、距離や費用で我が家では選べなかったところもあります。だからこそ、説明会の印象だけで決めず、在校生や卒業生の声と実績まで確かめてほしいと思います。
三田国際科学学園の入試は、4教科型・英語型・算理型(MST)と幅が広く、どの型で受けるかで対策が変わります。今の学力で志望クラスに届くのか、あと何が足りないのかを早めに見てもらうなら、中学受験に対応した家庭教師という選択肢もあります。売り込みではなく、選択肢を早めに持っておくという意味です。
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入試タイプ別・対策の選び方
最後に、どの型で受けるかごとに、対策の考え方を整理します。我が子の得意と、入りたいクラスから逆算するのがコツです。
- 4教科型(ISC・IC):国算の配点が高く、標準的な中学受験の4科対策が土台。まずは4科の完成度を上げる。
- 英語型(ISC・IC):英語の筆記・面接が勝負。ISCは英検準1級以上などで筆記免除も可。英語の実戦力を早めに。
- MST入試(MSTC):算数・理科の2科に特化。最難関クラスなので、理系2科を深いところまで。
どの型でも共通するのは、今の実力で合格ラインにどれだけ届いているか、何を優先して埋めるかを早めにつかむことです。苦手の場所は、家庭だけでは見えにくいこともあります。中学受験に対応した家庭教師なら、志望クラスから逆算して、いま何を優先すべきかを一緒に整理してもらえます。無料の相談や体験から試してみるのもよいでしょう。
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まとめ:数字の中身と、我が子との相性で見る
- 共学化から10年で難関化。IB校ではなく、探究×英語×理系サイエンスで国内・海外難関大に実績。
- 海外503は4年累計・のべ。単年はのべ170。数字は「のべか実数か」を読み分ける。
- クラスはISC・IC・MSTC。どのクラスも英語ゼロから入学可。環境の濃さはクラスで違う。
- 向くのは自分で動ける子。課題は多め・自由度は高め。説明会だけで決めず実態を確かめる。
よくある質問
参考情報・出典
- 三田国際科学学園「沿革」(2026年7月閲覧)
- 三田国際科学学園「コース・クラス」(IC・MSTC各ページを含む)(2026年7月閲覧)
- 三田国際科学学園「よくあるご質問」(2026年7月閲覧)
- 三田国際科学学園「進路実績」(2026年3月卒・2026年7月2日現在)
- 三田国際科学学園「多様な未来への挑戦〜海外で学ぶという選択肢」(お知らせ)(2026年閲覧)
- 三田国際科学学園「学費」(2025年度入学生実績・2026年7月閲覧)
- 三田国際科学学園「入試情報(2026年度募集要項)」(2026年7月閲覧)
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「認定校・候補校一覧」(2026年7月閲覧・三田国際科学学園の掲載なし)
- 四谷大塚「入試情報・偏差値」(2027年入試用)(模試主体の目安・2026年7月閲覧)
- 元SAPIX講師による三田国際学園の分析(個人ブログ)(2024年5月)
- みんなの中学校情報「三田国際科学学園中学校 口コミ」(2026年7月閲覧)
- 四谷大塚「入試結果・実倍率」(2026年度)(2026年7月閲覧)
