近畿大学はいつ難しくなった?偏差値と倍率で見る難化の年表

近畿大学のレベルが「上がりすぎた」と言われるのには、ちゃんと理由があります。近大の一般入試でいちばん規模が大きい前期A日程の倍率は、2017年度入試から大きく上がり、2019年度には分かっている範囲でいちばん高い6.44倍になりました。河合塾の偏差値も、法学部で2020年度に57.5まで上がっています。2017年度に受験する人が1年で35%増えたのと同じ時期に、国の補助金の基準が厳しくなり、大学が合格者を絞ったためです。

ただ、倍率と偏差値のピークはもう過ぎています。倍率は2021年度に4.04倍まで下がり、2026年度は5.21倍まで戻ってきたところです。法学部の前期A日程の偏差値は、2027年度入試向けで52.5になり、2015年度と同じ数字です。いまの近大は、いちばん難しかった頃ほどではありません。それでも、数字の取れた中でいちばん入りやすかった2021年度よりは難しくなっています。

気をつけたいのは、学部ごとの倍率が年によって大きく変わることです。たとえば法学部の前期A日程は、2024年度の2.90倍から2026年度には5.77倍へ上がりました。大学が入学者の数を年ごとに調整しているためで、先輩が受けた年の感覚は、そのままでは今年の参考になりません。

親や先輩から聞く「近大なら受かる」「近大は難しくなりすぎた」という話は、どの年の入試のことなのか。この記事では2014年度からの倍率を並べているので、その話がどの年のものかを、この数字と照らし合わせて見極められます。

目次

「上がりすぎ」は本当に起きましたが、ピークはもう過ぎています

結論から書きます。近畿大学が難しくなったのは2017年度入試からで、分かっている範囲でいちばん難しかったのは2019年度入試です。そのあと急に緩んで2021年度が底になり、いまはそこから戻ってきている途中です。

この記事では2つの数字を分けて使います。ひとつは偏差値で、河合塾が出している合格の目安のことです。合格率が50%くらいになる学力の位置を示す数字で、模試のA判定・B判定もこれを基準にしています。もうひとつは倍率で、この記事では受験者数÷合格者数を指します。出願した人の数ではなく、当日会場に来て受けた人の数で割った値です。

この2つは、2017年から2021年にかけて、同じ時期に上がって、同じ時期に下がりました。

2026年9月時点の答え
  • 前期A日程の倍率は、分かっている範囲では2019年度入試の6.44倍がいちばん高く、2021年度の4.04倍が底です。2026年度は5.21倍で、ピークには届いていません。
  • 河合塾の偏差値も分かっている範囲では2020年度入試の57.5がいちばん高く、2027年度入試向けは52.5です。2015年度と同じ数字まで戻りました。
  • いまの近大は、いちばん難しかった頃より緩く、いちばん緩かった頃より難しい。しかも底から戻ってきている途中です。

河合塾の偏差値は、分かっている中では2020年度の57.5がいちばん高く、いまは52.5です

河合塾の偏差値を、法学部法律学科と経済学部経済学科の前期A日程について年ごとに並べました。いま高3の人が受けるのは2027年度入試で、表のいちばん下の行がその年です。

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入試年度法学部 法律経済学部 経済
2015年度52.552.5
2017年度50.052.5
2019年度55.055.0
2020年度57.557.5
2022年度55.055.0
2024年度55.052.5
2025年度50.052.5
2027年度(2026年9月現在)52.552.5

2016・2018・2021・2023・2026年度入試向けの方式ごとの表は資料が残っておらず、抜けています。

河合塾の偏差値の表には2種類あります。入試の方式ごとに数字を出した表と、学部・学科でまとめた表です。数字の出し方が違うので、2つを並べて比べることはできません。模試の志望校判定は入試の方式ごとに出るので、自分の判定と見比べるなら方式ごとの表のほうです。この表も前期A日程、つまり方式ごとの表で揃えました。

法学部で見ると、2017年度の50.0から2019年度に55.0、2020年度に57.5まで上がり、そこから下がって2027年度は52.5です。2020年度の57.5と比べると、いまの偏差値は5.0低く、2015年度と同じ数字に戻っています。 「近大のレベルが上がりすぎた」という言い方が指しているのは、この2017〜2020年度のことです。

倍率は2017〜2019年度が山、2021年度が谷で、いまは登り返しの途中です

近畿大学が公表している一般入試・前期A日程の結果を、13年分並べます。前期A日程は近大の一般入試でいちばん規模が大きい日程で、多くの受験生が最初に出す方式です。結果が出ているのは2026年度入試までで、いま高3の人にとっては、いちばん下の行が去年にあたります。

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入試年度志願者数(延べ)受験者数合格者数倍率(受験者数÷合格者数)
2014年度(平成26)40,62440,0906,9905.74倍
2015年度(平成27)45,06744,5638,2385.41倍
2016年度(平成28)44,91744,2568,9424.95倍
2017年度(平成29)60,79459,9749,9086.05倍
2018年度(平成30)資料が見つからず資料が見つからず資料が見つからず資料が見つからず
2019年度(平成31)62,59061,6679,5766.44倍(分かっている中でいちばん高い)
2020年度(令和2)57,10256,33811,7654.79倍
2021年度(令和3)54,16753,21713,1714.04倍(分かっている中でいちばん低い)
2022年度(令和4)64,16262,79414,2224.42倍
2023年度(令和5)61,87960,78913,2144.60倍
2024年度(令和6)61,11960,17814,8384.06倍
2025年度(令和7)64,13763,18613,3904.72倍
2026年度(令和8)69,57768,43113,1285.21倍

倍率と河合塾の偏差値は、同じ時期に上がって、同じ時期に下がりました

青い区間が2017〜2020年度=2本そろって上がり、山を作ったところです。そのあと2本とも下がり、いまは戻ってきている途中です。

●— 倍率(受験者数÷合格者数)=左のめもり ■— 河合塾の偏差値(法学部法律・前期A日程)=右のめもり
6.44倍
57.5
6.5 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 57.5 55.0 52.5 50.0
2014年度 2017 2020 2023 2026

点線は、資料が残っていない年をまたいだところです(倍率は2018年度、河合塾の偏差値は2016・2018・2021・2023・2026年度入試向け)。その年には点を打っていません。倍率は2026年度まで、河合塾の偏差値は2027年度入試向けまでを並べています。

倍率の列は、各年度の結果PDFの「総合計」行にある受験者数と合格者数から編集部が計算した値です(68,431÷13,128=5.21)。2018年度(平成30年度)の結果は、大学のサイトにもインターネット上の保存サイトにも残っておらず、見つかりませんでした(2026年9月に確認)。翌年のPDFの参考欄には、この年の合格者数が9,255人とあり、2019年度の9,576人より少ない数字でした。

志願者数の列は出願1件ごとに数えた延べの数なので、受験者数より多くなります。また、大学が公表している合格者数に、あとから繰り上がって受かった人(繰上合格)は入っていません。

この総合計に入る学部の数は年によって違います。国際学部が2016年度、情報学部が2022年度、看護学部が2026年度に加わりました。学部が増えれば受験者も合格者も増えるので、離れた年どうしの人数をそのまま比べることはできません。倍率は同じ年の中の割り算なので、年をまたいで比べられます。

山と谷で、何がどれだけ違ったのか

山の高さは6.44倍です。2019年度は受験61,667人に対して合格が9,576人しかいませんでした。そこから2年で急に緩み、2021年度は受験53,217人に対して合格13,171人で4.04倍、数字の取れた12年でいちばん低い数字です。2021年度に受けた人と2019年度に受けた人では、同じ近大の同じ日程でも受かりやすさが1.6倍ちがいました。

そして2021年度を底に、2024年度に一度下がりましたが、5年で4.04倍から5.21倍まで戻っています。2026年度の5.21倍は、数字の取れた12年の中では上から5番目です。ただし6.44倍には届いていません。

2019年度と2026年度を比べると、受験した人は61,667人から68,431人へ増えていますが、合格者も9,576人から13,128人へ3,552人多く出ています。受ける人が増えても、大学が合格者を増やせば倍率は上がりません。

いつ・なぜ上がったのか=受ける人が増えた年と、合格者が絞られた年が重なりました

上がった時期を、2つの事実で説明します。

2017年度に、受けに来る人が1年で35%増えました

ひとつめは、実際に試験を受けに来た人の数です。前期A日程の受験者数は、2016年度の44,256人から2017年度は59,974人へ、1年で15,718人(35.5%)増えました。同じ年に合格者も8,942人から9,908人へ増えていますが、増え方が追いつかず、倍率は4.95倍から6.05倍に上がっています。

出願の件数でも同じ年に大きな段差が出ます。ただしこちらは延べなので、人数そのものではありません。

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入試年度一般入試の志願者数(延べ)
2016年度119,915
2017年度146,896
2018年度156,225
2019年度154,672
2020年度145,320
2021年度135,830
2022年度157,171
2023年度152,192
2024年度146,827
2025年度157,219
2026年度174,436

ここでいう志願者数は延べです。1人が複数の方式や日程に出すたびに1件と数えた数で、受験した人数ではありません。近大は1回の試験の結果を使って別の合否判定を追加でき、追加は1つにつき7,000円なので、同じ受験生の出願が何件も積み上がります。

2016年度から2017年度への+26,981件という増え方は、他のどの年の増え方より大きい段差です。人数で見ても件数で見ても、2017年度に近大へ向かう人が一気に増え、同じ合格枠を多くの人で分け合うことになりました。

国が補助金の条件を厳しくして、大学が合格者を減らしました

ふたつめは、大学が合格者を絞った理由です。文部科学省は、在学生の定員が8,000人以上の大きな大学について、入学者が定員をどれだけ超えたら補助金を出さないかの基準を、下の表のように段階的に下げてきました。

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いつから何を基準にするか補助金を出さない線
もともと入学定員(1学年で受け入れる人数の枠)1.20倍以上
2016年度入学定員1.17倍以上
2017年度入学定員1.14倍以上
2018年度入学定員1.10倍以上
2025年度から在学生の定員(収容定員)。入学定員での打ち切りは2023年度に廃止1.10倍以上(1.07倍以上で減額)

近大は学生数が3万人を超える大きな大学なので、この基準の中に入学者を収めるには合格者を減らすしかありません。

基準がいちばん厳しい1.10倍になったのが2018年度です。受ける人が増えた時期と、合格者を減らす圧力がいちばん強い時期がそろった翌2019年度に、前期A日程の倍率は分かっている中でいちばん高い6.44倍になりました。河合塾の偏差値も、その翌年の2020年度に57.5まで上がっています。「近大は上がりすぎた」という評判は、この2017〜2020年度にできたものです。

表のいちばん下の行がいまのきまりです。入学定員を基準にした打ち切りは廃止され、在学生の定員(収容定員)を基準にしたものに変わりました。基準の形は変わりましたが、大きな大学が合格者を出しすぎられない仕組みそのものは残っています。

親の世代の記憶は、何年前のものか

ウェブの質問サイトには、世代によって近大の評価が違って戸惑う、という相談がそのまま並んでいます。30年以上前は簡単に入れる学生数の多い大学だった、という書き込みも、偏差値が20近く上がった、これからは関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)と並ぶ、という書き込みも、同じ場所に同居しています。

どちらも間違いというより、見ている年が違います。数字で追えるのは、前期A日程の倍率が2014年度以降、河合塾の偏差値が2015年度以降です。その範囲で3つの年を並べます。

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2017年度入試2020年度入試2026年度入試
前期A日程の倍率6.05倍4.79倍5.21倍
一般入試の志願者数(延べ)146,896人145,320人174,436人
河合塾の偏差値(法学部法律・前期A)50.057.552.5※
河合塾の偏差値(経済学部経済・前期A)52.557.552.5※

※2026年度入試向けの方式ごとの表は資料が残っておらず、いちばん新しい2027年度入試向け(2026年9月現在)の値を入れています。

30年前・20年前の近大について、河合塾の偏差値は、公表されている資料で編集部が確認できませんでした。ですからこの記事は、その頃は誰でも入れたという話を数字で否定も肯定もしません。ただ、河合塾の偏差値は、資料の残っている2015年度以降のどの年も50.0を下回っておらず、法学部も経済学部も同じです。 河合塾の偏差値で50.0は、真ん中より上の位置です。「誰でも入れる大学」という前提でいまの近大を見ると、話が合いません。

逆に、偏差値が20も上がったという言い方も、2015年度以降の数字では起きていません。いちばん上がった法学部でも、2017年度の50.0から分かっている中でいちばん高い2020年度の57.5までで7.5です。しかもその後は下がり、2027年度は52.5に戻っています。親の記憶も、数年前にできた「上がりすぎ」の評判も、どちらも別の年の話だというのが編集部の見方です。

上がっているのはどの学部か=学部と年で倍率が大きく違います

全体の倍率が5.21倍でも、学部ごとに見ると数字はまったく揃っていません。前期A日程の学部別の倍率を5年分並べます。

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学部2022年度2023年度2024年度2025年度2026年度
法4.39倍6.81倍2.90倍5.17倍5.77倍
経済4.47倍5.62倍4.92倍6.33倍6.69倍
経営5.99倍7.15倍4.17倍6.49倍8.29倍
総合社会7.72倍6.19倍6.75倍7.04倍7.04倍
情報13.65倍12.46倍13.19倍9.33倍13.39倍

学部別の倍率=前期A日程の5年分

青い線が法学部です。縦軸は倍率(受験者数÷合格者数)。

10 5 0
情報 経営 総合社会 経済 法
 
2022 2023 2024 2025 2026
 

法学部は2023年度6.81倍、2024年度2.90倍、2026年度5.77倍です。同じ学部の同じ日程でも、年によって倍率はこれだけ上下します。

倍率は、各年度の結果PDFの「学部計」行にある受験者数と合格者数から編集部が計算した値です。合格者数に繰上合格は入っていません。

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学部2024年度の合格最低点(300点満点・2日ぶん)2026年度の合格最低点(300点満点・2日ぶん)
法166・168189・195
経済175・178186・193
経営171・173192・198
総合社会——
情報——

合格最低点は、合格した人の中でいちばん低かった点として大学が公表している数字そのままで、法律・経済・経営の各学科について、ふつうの3科目(1科目100点の3科目=300点満点)で受けた場合の値を前期A日程の2日分並べています。総合社会学部は専攻ごと、情報学部は科目の組み方の違う方式なので、学部でひとつの数字にならず空欄にしました。

法学部を見てください。2024年度は2,233人が受けて合格769人で2.90倍でした。2026年度は4,144人が受けて合格718人で5.77倍です。同じ学部の同じ日程が、2年で倍率2倍になっています。合格最低点も同じ2年で166点・168点から189点・195点へ上がっているので、2024年度に近大の法学部を受けた先輩の話は、そのままでは今年の参考になりません。

情報学部は2022年度にできた学部で、前期A日程は毎年9〜13倍台です。2026年度は3,548人が受けて合格265人の13.39倍で、新しくできた看護学部を除けば全学でいちばん高い倍率でした。

2026年度にできた看護学部も同じで、前期A日程は620人が受けて合格35人の17.71倍でした。できたばかりの学部は枠が小さいので、最初の年の倍率は例外的な数字になります。

同じ学部でも年で変わるのは、合格者の数を大学が年ごとに変えるからです

学部別の表で、法学部が6.81倍→2.90倍→5.17倍→5.77倍と上下しているのはなぜか。受験生の学力が1年でそこまで変わるわけではありません。動いているのは大学側です。

近畿大学に入学した人数が、入学定員の何%にあたるかを並べると、次のように上下しています。

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年度入学した人数÷入学定員(大学全体)
2022年度108.1%
2023年度99.9%
2024年度105.5%
2025年度110.4%
2026年度109.4%

2023年度に99.9%まで絞り込み、その年の法学部の倍率は6.81倍まで上がりました。翌2024年度は入学者が定員を5.5%上回るところまで戻し、法学部の倍率は2.90倍に下がっています。大学は年ごとに入学者の数を調整していて、絞った年の翌年は合格者を多めに出します。

つまり倍率は、自分の学力とは関係のないところで毎年動きます。前の年の倍率が低かった学部を「入りやすい学部」として選ぶのは、いちばん外しやすい選び方です。 合格者を多く出した翌年は絞られることが多く、この5年の5学部で見ると、前の年と逆に動いたのが15回中11回でした。ただし2026年度は、法・経済・経営が2年続けて倍率が上がっています。

数年前の評判のまま滑り止めに置くと、どこで外すのか

ここまでの数字をまとめると、近大で外す理由は「学力が目安に届いていないから」ではありません。出願の仕方が数年前のままだからです。

ウェブの質問サイトには、滑り止めのつもりで受けた近大に落ちたという相談が残っています。塾のサイトも、産近甲龍(京都産業・近畿・甲南・龍谷)なら受かるだろうと構えている受験生は危ない、関関同立を第一志望にしている受験生が併願で受けるぶん点の高い人が集まる、と書いています。

公募推薦についても、関関同立志望でも落ちることがある、近大の公募推薦は高い点の取り合いだ、という指摘が出てきます。近大を第一志望にしている受験生が公募推薦で受かるのは稀だ、と書いている塾もありました。

これらは学力不足の話ではなく、自分より点を取る力の高い人たちと同じ試験を受けているという話です。倍率が上がっている中身がそれです。

では、出し方のどこを変えればいいのか

そのうえで、近大の出願の仕組みには、知っていれば使える点がいくつかあります。数年前の評判のまま1つの方式だけ出す、という置き方をやめるという意味で3つ挙げます。

  • 1. 前期A日程は2日とも受けられます。 全学部が同じ日程で試験をするので(看護学部・医学部を除く)、同じ学部を2日連続で受けて良いほうの結果で判定を取れます。1日だけ受けて調子が悪ければ、それで終わりです。
  • 2. 合否判定の追加は1つ7,000円です。 1回受けた試験の結果を、科目の配点が違う判定(高得点科目重視方式)や、別の学部・学科の判定に回すのは、1つにつき7,000円の追加です。同じ試験で合否を判定される回数を増やせます。ただし数を増やせばそのぶん家計から出ていくので、どこまで足すかは先に決めておいたほうがよい部分でもあります。
  • 3. B日程は、条件を満たせば受験料が返ります。 A日程の合格発表より先にB日程の出願が締め切られる仕組みなので、次の3つをすべて満たした場合に限り、B日程の受験料(入学検定料)が返ってきます。
    • A日程で合格した学部・学科と同じ学部・学科をB日程で第一志望として出していた
    • B日程を欠席した
    • 期限内に出願サイトのUCAROから返還申請をした

共通テスト併用方式(A日程)での合格と、A日程の繰上合格は対象外です。申請を忘れると返りません。

共通テスト利用を使う場合の目安も書いておきます。共通テスト利用で法学部を狙うなら、3科目で7割超が目安です。 共通テスト利用なら楽に受かる、ということはありません。

募集人員(その方式で何人を募集するか)も見ておいてください。法学部法律学科の2027年度の募集人員は、合計500人です。いちばん大きい枠は推薦入試の240人です(指定校推薦やスポーツ推薦を含みます)。公募推薦を受けるかどうかで、一般入試までに残っている席の見え方が変わります。

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法学部法律学科の募集人員(2027年度)人数
推薦240
一般・前期A日程90
一般・前期B日程80
一般・後期25
共通テスト利用・併用65
合計500

なお2027年度入試からは、法学部に英語外部試験利用方式が入ります。英検などのスコアを点数に直したものと、ふつうの3科目の結果を合わせて判定する方式です。

出願にかかるお金と、共通テスト利用の目安をまとめます。

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項目数字
基本の受験料(入学検定料)32,000円(医学部57,000円・産業理工学部29,000円)
合否判定の追加1つにつき7,000円
共通テスト利用の受験料(医学部を含まない)2志願まで20,000円/5志願まで30,000円
共通テスト利用(前期3科目型)の目安・法学部法律72%
同・経済学部経済71%
同・経営学部経営71%

受験料は2026年度入試の金額、目安は河合塾の2027年度入試向け(2026年9月現在)の、共通テストで何%取れば合格ラインに届くかの数字です。

募集人員まで出したのは法学部法律学科の500人ぶんだけで、学部・学科は他にもあります。学部別の倍率も2022年度からの5学部です。自分が受ける学部・学科の枠と科目は、近畿大学の入試情報サイト(この記事の出典欄にあります)を学部ごとに開いていくか、郵送で届く入試ガイド(2027年度版)を取り寄せるかのどちらかになります。

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「近大が関関同立に並んだ」は、いつの話か

検索の中でよく出てくる比較なので、最後に触れます。結論から言うと、近大が関大と同じ数字に並んでいたのは2020年度入試の頃で、いまは再び差が開いています。

2020年度入試向けの河合塾の方式ごとの表では、法学系の同じ区分がこう並んでいました。

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大学(法学系・2020年度入試向け)河合塾の偏差値
同志社(法-法律 個別)62.5
立命館(法-法 全学文系)60.0
関西(法-法学政治 個別3科目)57.5
関西学院(法-法律 学部個別)57.5
近畿(法-法律 前期A)57.5
京都産業(法-法律 3科目)55.0
龍谷(法-法律 Aスタンダード)52.5
甲南(法-法 前期3科目)52.5

2027年度入試向け(2026年9月現在)の、学部・学科でまとめた表ではこうなっています。

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大学(法学系・2027年度入試向け)河合塾の偏差値
同志社(法法律)60.0
関西(法法学政治)55.0
立命館(法法)55.0
関西学院(法法律)52.5
近畿(法法律)50.0
甲南(法法)47.5
龍谷(法法律)45.0
京都産業(法法律)42.5

この2つの表は、上が方式ごとの表、下が学部・学科でまとめた表で、数字の出し方が違います。上の表の数字と下の表の数字を引き算しないでください。近大の2027年度は、学部・学科でまとめた表では50.0、前の表で使った方式ごとの表では52.5です。同じ年でも表が違えば数字が違います。それぞれの表の中で、近大が他大学とどの位置にいるかだけを見てください。

その前提で読むと、2020年度は関大・関学と同じ57.5に並んでいましたが、2027年度は関大より5.0、関学より2.5低い位置にいます。 産近甲龍の中では、甲南より2.5、龍谷より5.0、京都産業より7.5高い位置です。

ウェブでは、近大が関関同立に並んだという言い方と、関学が下がっただけだという言い方の両方が見つかります。編集部の見方は、2019〜2020年度は近大が上がった話、2020年代半ば以降はまわりの大学の数字が動いた話で、2つを分けて読むべきだ、というものです。少なくとも2027年度入試に向けて志望校を組む場面では、近大と関大・関学を同じくらいの難しさと考える前提は使えません。

近大の位置が動いたぶん、併願先の組み方も変わります。関関同立と産近甲龍の外側から選び直すなら関関同立・産近甲龍以外の関西の大学を、英語の資格を持っていて使える方式を探すなら関西で英語だけで受験できる大学を見てください。

よくある質問

マグロの養殖と広告がうまいから難しくなったのですか。

知名度は志願者数を増やす方向に働いたはずですが、河合塾の偏差値が上がった時期の説明にはなりません。近大が養殖マグロや広報で全国的に知られるようになったのは、河合塾の偏差値が動いた2017〜2020年度より前からです。この2〜3年に起きていたのは、受けに来る人が1年で35%増えたことと、国が私立大学に合格者を出しすぎないよう求めて合格者が絞られたことの2つでした。

志願者数日本一なら入りにくいということですか。

別の話です。近大が発表している一般入試の志願者数は延べで、1人が複数の方式や日程に出すたびに1件と数えます。近大は1回の試験の結果を別の判定に回せて、追加は1つにつき7,000円ですから、同じ受験生の出願が積み上がる仕組みがあります。入りにくさを見るなら、志願者数ではなく受験者数÷合格者数を見てください。2026年度の前期A日程は5.21倍です。

偏差値操作ではないのですか。

河合塾の偏差値は、模試を受けた人の実際の合否を追跡して出している数字で、大学が決めるものではありません。大学側が動かせるのは合格者の数で、それは倍率に出ます。実際、2017〜2019年度は偏差値も倍率もどちらも上がりましたが、2022年度以降は偏差値が下がって倍率だけが上がりました。大学の広報で偏差値まで動かせるなら、こういう逆向きの動きにはなりません。

「近大のレベル上昇は錯覚だ」と言う人がいるのはなぜですか。

入試の難しさと、卒業後の実績を同じものとして見ているからです。反論としてよく出てくるのは有名企業400社に就職した人の割合(実就職率)で、この数字では近大と関関同立の各大学に差が残っています。ただ、これは4年後の話であって、いま出願する人が「受かるかどうか」を見積もる材料ではありません。入試が難しくなったかどうかと、大学の評価が上がったかどうかは、別々に確かめる必要があります。 この記事は前者だけを扱っています。

「近大は誰でも入れる」「近大は恥ずかしい」は、いま当たっていますか。

入試の数字で見るかぎり当たっていません。河合塾の偏差値は、資料の残っている2015年度以降のどの年も50.0を下回っておらず、法学部も経済学部も同じです。2026年度の前期A日程は68,431人が受けて13,128人が合格しています。ウェブの掲示板には、昔は評価が良くなかったという書き込みと、急によくなったという書き込みが同じ場所に並んでいますが、どちらも入試の数字ではなく評判の話です。

2027年度入試はさらに難しくなりますか。

編集部は、倍率はもう一段上がりうるが、2019年度の6.44倍まで戻ることは考えにくい、と見ています。根拠は2つです。

ひとつは、いま合格者を絞る基準が入学定員から在学生の定員(収容定員)に変わり、近大の在学生は減額の基準(定員の1.07倍)を超えているので、緩める方向には動きにくいこと。もうひとつは、2025年度に入学者が定員の110.4%まで増えた反動が残っていることです。

ただし学部ごとの倍率は、前の年に絞ったか多めに出したかで逆に動きます。全体の話を自分の学部に当てはめないでください。


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この記事を書いた人

Masakiのアバター Masaki IBDP修了生の父/教育・進路メディア運営

我が子のIB経験と海外留学準備で奮闘した保護者としての実体験が原点。「同じ保護者の目線」で膨大な情報を整理・分析し、後悔しない進路選択を共に考えるパートナーとして「国際バカロレアIB広場」を運営。大学選びから留学手続き、その先のキャリア形成までを見据えた情報を提供しています。→ 運営者プロフィール・お問い合わせ

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