アメリカ🇺🇸の大学授業料は非常に高額で、奨学金を得ることが出来なければ、合格しているのにも関わらず学校に進学することが出来ないといったケースもあります。
また、奨学金があるのかないのか。適用されるのかされないのか。によって、選択する大学が変わってくることもあります。
そこで今回は、アメリカの大学へ進学の際にも、とても重要になってくる「奨学金(スカラシップ)」についてみていきます。
アメリカ大学にかかる費用
アメリカの大学の平均費用
| 2025-26年度 (学寮利用の平均)[1] | 州立大学 (州外出身者) | 私立大学 (非営利) |
|---|---|---|
| 学費・諸費 | 31,880ドル | 45,000ドル |
| 寮・食費 | 13,900ドル | 15,920ドル |
| 学生予算の総額 | 50,920ドル | 65,470ドル |
アメリカの州立大学(州外出身者)でキャンパス内に住む学部生の場合、学費・諸費の平均は年間31,880ドル、書籍・交通費・その他の支出まで含めた「学生予算」の平均は年間50,920ドルです(2025-26年度)。私立(非営利)の4年制になると、学生予算の平均は年間65,470ドルまで上がります[1]。
名門校ではさらに高くなります。ハーバード大学が公表する2026-2027年度の費用は、学費62,226ドル・諸費6,216ドル・寮費14,250ドル・食費8,942ドルで、大学から請求される費用の小計は91,634ドルです。個人的支出・書籍・交通費の見積もりを加えた総額は95,134〜100,134ドルとされています[2]。

このような金額はアメリカでは珍しいものではなくなってきていて、名門と呼ばれている私立大学などでは、同じような価格帯の学費となっている大学はたくさんあります。
しかし、費用の高い大学ほど沢山の奨学金を出しているということもあります。
実際ハーバード大学は、公式サイトで「学生の24%は在学に一切費用を払っておらず、半数以上がニード・ベースの返済不要奨学金を受けている」と説明しています[3]。
4年間ではいくらになるか
上に挙げた学生予算はいずれも1年あたりの平均です。4年間の目安はその4倍で、私立(非営利)4年制なら年65,470ドル[1]の4倍=約26万ドルという計算になります。
ただしアメリカの学費は毎年上がっており、円換算では為替の影響も受けます。志望校が決まっているなら、大学の公式サイトが公表している「Cost of Attendance」の最新年度の数字を見るのが確実です。
アメリカの大学生が得ている奨学金
アメリカでは、4年制大学に初めてフルタイムで在籍する学部生の87%が、何らかのファイナンシャル・エイド(Financial Aid=学資援助)を受けています(2020-21年度)[10]。
「ファイナンシャル・エイド」とは、学費負担を軽減するための金銭的支援プログラムの総称です。このうち返済不要の給付型にあたるのはグラントとスカラシップで、ローンは返済が必要になります。給付型を獲得できれば、学生が負担する学費を下げることが出来ます。
ファイナンシャル・エイドは、大きく4つに分ける事ができます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| グラント | 連邦政府や州政府から支給される奨学金。 経済的なニーズに対して提供される奨学金。 ニーズ・ベース |
| スカラシップ | 各大学が支給する奨学金。 メリット・ベースは家庭の経済条件を問わず、ニード・ベースは家庭の所得に応じて決まる。返済義務はなし。 ニーズ・ベース メリット・ベース |
| ローン | 連邦政府や州政府、各大学が支給しているほか、民間の銀行が提供する「貸与型」 |
| ワークスタディ | 学生が働いて賃金を得る就労制度。賃金の一部を連邦政府が負担し、得た収入は在学にかかる費用に充てる[11] |
連邦政府が支給するファイナンシャルエイドは、主として米国市民および永住者が対象です。
ハーバード大学も「外国人学生は連邦の資金を受ける資格がない」と明記しており、その代わりに大学独自の奨学金と学内ジョブを外国人学生に用意していると説明しています[3]。非移民ビザの学生や外国人留学生が連邦のグラントを受け取れるケースは、ほとんどありません。
通常「ファイナンシャルエイド」と言った場合は、こちらのグラントの事を指す場合が多いようです。
そのため、留学生が取得を目指す奨学金は、各大学が支給する返済不要の”スカラシップ”という事になります。
留学生が取得を目指すスカラシップ
スカラシップには大きく分けて、学生の能力に基づいて支給される「メリット・ベース」と、学生の経済的な必要性に応じて支給される「ニード・ベース(ニーズベース)」があります。
- メリット・ベース
- ニード・ベース(ニーズベース)
アメリカには多数の奨学金制度がありますが、一般的には返済不要の給付型のものを「スカラシップ(奨学金)」と呼びます。

メリット・ベース(メリット型奨学金)
メリット・ベースのスカラシップとは、家庭の収入に関わらず優秀な学生に与えられる奨学金のことで、国籍やビザの種類などを問われません。
学業、芸術、スポーツ、リーダーシップ等の能力に対する評価で与えられる奨学金。
大学側が対象の学生をどのくらい欲しいかで支給額は変わるようで、少額のものから卒業までの学費全額免除(フルスカラシップ)まで幅があります。金額は大学ごとに異なるので、志望校の奨学金ページで個別に確認してください。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| アカデミック | 学業成績に秀でている。 |
| アスレチック | スポーツで優れた業績がある。 |
| アート | 芸術や音楽で高い評価を得ている。 |
| リーダーシップ | リーダーシップを発揮したり、ボランティア活動などの社会への貢献度が優れている。 |
| インターナショナル | 留学生を対象としている。 |
ニード・ベース(ニーズ型奨学金)
ニード・ベースのスカラシップは、家庭の所得が学費を全額負担するのに十分ではないと判断された場合、不足分(ファイナンシャルニード)の一部、または全部を大学側が負担してくれる制度(奨学金)です。
こちらのスカラシップを得るためには、証明書類などの提出が必要になるので少し煩雑なようで、必ず支給されるというわけではありませんが、審査を受けてみる価値は十分にあるので申請はしてみるべき。
また各大学のホームページなどで、「自分がニード・ベースの奨学金の対象かどうか」、「どの程度大学が負担してくれるか」、などの大まかな計算が出来るサービスを提供していたりしますので、そちらで確認をしてみるのもおすすめです。
支払い能力で変わる合格・不合格
通常、大学側は学力やエッセイなどの要因で学生の合否を判断しますが、ニードブラインドを掲げていない大学では、その生徒の家庭がどのくらい学費を支払う能力があるのかも含めて判断していることがあります。
合否決定のプロセスにおいて、支払い能力があるかどうかが合否に考慮されることを「Need aware」と言います。
大学も経営をしていかないといけないので、極端ではありますがファイナンシャルニード(不足分)の多い学生ばかりが集まれば、授業料などの収入を得ることができず経営が成り立たなくなってしまいます。
そういうこともあり、仮にもし支払い能力のある学生と、支払い能力の低い学生が同様の成績であった場合、支払い能力が判断材料に含まれることがあります。
これは、いくら優秀で合格基準を満たしていたとしても、その生徒の家庭経済状況によっては授業料を支払うことが不可の場合、例え合格通知を出したとしても辞退されてしまうことも影響しています。
- 大学経営のため収入が必要。
- 支払い能力が判断材料に含まれることがある。
- 支払い能力低い学生も能力により合格可能。
- 別で奨学金を得ると必要額を抑えられる。
親の収入が合否に影響しないニードブラインド
そんな中、ニードブラインド(Need blind)を掲げる大学”Need Blind College”は、学生の家庭の経済状況を一切考慮せずに合否判定を行います。
このNeed Blind Collegeでは、合格者にファイナンシャルニード(不足分)があれば経済的に支援をしてくれます。
「ニードブラインド」であれば、必要条件となる成績をおさめた学生は、家庭の経済状況にかかわらず合否を判定してもらえます。

留学生にもニードブラインドを適用する大学
ただし、日本から出願する留学生にとって重要なのは「留学生にもニードブラインドを適用しているか」です。国籍を問わず経済状況を合否から切り離す大学は、ごく限られます。
2026年9月時点で、各大学の公式ページで、留学生の合否に家庭の経済状況を持ち込まないと読み取れたのは、以下の6校です。
| 大学 | 公式ページの記述 |
|---|---|
| Harvard University | 財政援助を申請しているかどうかに関わりなく合否を決定する(外国籍の出願者であっても)。合格者の必要額は全額満たす[4] |
| Yale University | 「支払い能力は合否の要素にならない。世界のどこの学生であっても」。市民権・在留資格に関わらず必要額の100%をローンなしで満たす[5] |
| Princeton University | 合否はニードブラインド。留学生にも国内学生と同じ財政援助の方針を適用する数少ない大学のひとつ[6] |
| MIT | 「国内・留学生を問わず全ての学部生に対して need blind かつ full need である、米国でも非常に数少ない大学のひとつ」[7] |
| Dartmouth College | 「留学生を含む全ての出願者に対してニードブラインドを実施している」[8] |
| Bowdoin College | 「Bowdoin は留学生に対してニードブラインドである」。留学生を含む合格者全員の必要額を満たす[9] |
※ この6校は「公式ページで確認できた範囲」です。他にも該当する大学はあり得ますし、方針は年度ごとに変わります。志望校については、その大学の International Applicants / Financial Aid のページを必ず自分で開いて確認してください。
合格者の必要額を100%カバーする大学であっても、留学生の合否判定までニードブラインドとは限りません。MITは公式サイトで、国内・留学生を問わず need blind かつ full need である米国でも数少ない大学のひとつだと自校を説明しています[7]。
ニードブラインドを掲げていない大学では、さきほど見た「Need aware」のとおり、支払える額が合否に影響し得ます。
しかしながら、ファイナンシャルエイドを支給したとしても欲しいと思われるような学生であれば、学生の家庭経済状況が支払い能力が低いとしても合格することは十分に可能です。
また、以下の奨学金などを得ることでファイナンシャルエイドが必要でなくなったり、ファイナンシャルニード額を低く抑えることが出来たりもします。
日本から応募できる留学奨学金
日本で海外留学生に対して、授業料などの学費や生活費、保険料まで支給してくれる奨学金があります。
これらの多くはアメリカの奨学金同様、返済が不要の給付型で、そのまま頂けるものもあります。
日本で得られる奨学金には大きく分けて下記の3つに分類されます。
奨学金の種類
- 給付型
給付型は返済の義務がなく、学費や生活費などを「もらえる」もので、海外進学の奨学金の中でも一番人気の種類です。 - 貸与型(利子あり)
日本で奨学金というと、こちらの貸与型が一般的なもので「借りる」タイプの奨学金です。こちらの場合、借りた金額に利子がつくので返済が大変になると言われています。 - 貸与型(利子なし)
同じく「借りる」タイプの奨学金ですが、借りた金額と同額の返済となるため、利子ありと比較すると返済が楽と言われています。
返済不要の給付型奨学金
貸与型奨学金は大学卒業後に返済をする必要があるのに対して、給付型奨学金は返済する必要がない「そのままもらえる奨学金」のことを指します。
返済が不要なので、経済的な負担が重くのしかかってこないので、結果として時間的な負担も非常に軽くなりますし、何より精神的にも安定して勉強に励むことができます。

給付型奨学金の中には、1つで授業料から生活費、保険料などまでカバーしてくれるものもあり、いただけると非常にメリットが大きいです。
下記で詳しく紹介していますので、ぜひ確認してみてください。

また、給付型奨学金の中には、1つではそれほど大きいものではなくても、複数を組み合わせることで大きなものになるものも沢山ありますので、対象になるようなものがないか探してみると良いかと思います。
奨学金検索サイト
おすすめの奨学金
アメリカの大学だけでなく、海外大学を狙う国際バカロレア生は多いと思います。国によってはどうしても経済的な負担が大きくなり、最悪の場合は諦めてしまわなければいけなくなるということも。
そうなる前に、一度自分が頂けるような奨学金がないかを探してみることをオススメします。例え学費を準備出来ていたとしても給付型の奨学金は頂けるに越したことはないと思いますので、ぜひトライしてみてください。

参考情報・出典
- College Board「Trends in College Pricing and Student Aid 2025」FIGURE CP-1 Average Estimated Full-Time Undergraduate Budgets, 2025-26 当サイトが2026年9月6日に確認 https://research.collegeboard.org/media/pdf/Trends-in-College-Pricing-and-Student-Aid-2025-final_1.pdf
- Harvard College「Cost of Attendance」(2026-2027年度) 当サイトが2026年9月6日に確認 https://college.harvard.edu/financial-aid/how-aid-works/cost-attendance
- Harvard College「Financial Aid」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://college.harvard.edu/financial-aid
- Harvard College「International Applicants」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://college.harvard.edu/admissions/apply/international-applicants
- Yale University「Affordability」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://admissions.yale.edu/affordability
- Princeton University「Cost & Aid」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://admission.princeton.edu/cost-aid
- MIT Student Financial Services「The cost of attendance/Making MIT affordable」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://sfs.mit.edu/undergraduate-students/the-cost-of-attendance/
- Dartmouth Admissions「International Students」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://admissions.dartmouth.edu/glossary-term/international-students
- Bowdoin College「International Students」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://www.bowdoin.edu/admissions/apply/international-students/index.html
- NCES(米国教育省 全米教育統計センター)Fast Facts: Financial aid (31) 当サイトが2026年9月6日に確認 https://nces.ed.gov/fastfacts/display.asp?id=31
- 電子版連邦規則集(eCFR)34 CFR Part 675 Subpart A「Federal Work-Study Program」 当サイトが2026年9月6日に確認 https://www.ecfr.gov/current/title-34/subtitle-B/chapter-VI/part-675/subpart-A
