知識は入っているのに、答案が返ってくると思ったより点が低い。IBの試験でいちばん多いつまずきは、ここです。
原因の多くは「何を答えるか」ではなく、「どう答えるかの指定を読み落としている」ことにあります。その指定を担っているのが、問題文の頭に置かれた指示用語(Command Terms)です。
ただし、ネットでよく見かける「IB指示用語 一覧」には落とし穴があります。全教科に共通する公式の一覧表は、そもそも存在しません。この記事では、教科ごとに何語が載っていて、どの語がどのAOに置かれているかを、ガイドの原文の言い方のまま並べます。
- 全教科共通のマスターリストは無い。IBは「指示用語はその教科のガイドに載っている」と明記している
- 教科ごとに載っている語の数がまるで違う。歴史は6語だけ、数学は36語。定義文は共通でも、収録されている語と分類が違う
- 「レベルの高い指示用語ほど配点が高い」は成り立たない。公式が言っているのは「指示用語は答えの深さを示す」「配点は問題用紙に示される」の2つ
- 試験の解答に語数の規定は無い。語数の上限があるのはIA・EE・TOKなどの課題で、IA・EEは超えた分が読まれない
指示用語(Command Terms)とは何か
指示用語とは、問題文で「どう答えるか」を指定する動詞のことです。「Describe(詳しく述べなさい)」「Evaluate(評価しなさい)」のように、問いの先頭付近に置かれます。
日本の定期テストは「次の問いに答えなさい」で済むことが多く、答え方は自明とされます。IBは違います。同じ内容を知っていても、指示用語に合わない形で書くと点が来ません。採点者は「求めた作業をしたか」を見ているからです。
ここで1つ、先に押さえておきたい注意があります。今回開いた6教科(歴史・心理学・生物・ビジネスマネジメント・経済・数学)のガイドは、いずれも指示用語の一覧の前に同じ断りを置いています。これらの用語は試験問題で頻繁に使われるが、特定の方法で論を示すよう促すために他の用語が使われることもある、という一文です[2]。
※ 原文=「Although these terms will be used frequently in examination questions, other terms may be used to direct students to present an argument in a specific way」
つまり「IBの問題には必ず指示用語がある」とまでは言えません。一覧を暗記すれば全部の問題が解けるわけではない、という前提で読み進めてください。
共通の「IB指示用語 一覧」は存在しない
ネット上には「IBの指示用語一覧」と題した表がいくつもあります。ただ、IB自身は全教科共通のリストを出していません。
国際バカロレア機構が発行する『Diploma Programme Assessment procedures 2025』には、こう書かれています。
ある教科の試験問題および評価で使われる指示用語は、当該教科のガイドに掲載されている[1]。
※ 原文=「Command terms used in a subject’s examination questions and assessments are listed in the relevant subject guide, available on the Programme Resource Centre」
本籍は各教科のガイドの巻末にある、というのが公式の立場です。そして実際に開いてみると、教科ごとに中身がかなり違います。
教科によって、載っている語の数が6語から36語まで違う
今回開いた6教科のガイドについて、指示用語の一覧(巻末のグロッサリ、または本文のAO別分類表)を最初から最後まで読んで数えました。
| 教科(ガイドの版) | 語数 | 表のAO区分 | 載っていない主な語 |
|---|---|---|---|
| 歴史(2020年第1回試験)[3] | 6 | AO2・AO3のみ | Describe/Explain/Define/State/Outline |
| 心理学(2027年第1回試験)[4] | 15 | AO1〜AO3 | Define/Outline/Identify/Justify |
| 生物(2025年第1回試験)[5] | 28 | AO1〜AO3 | Contrast(単独)/Examine/To what extent |
| ビジネスマネジメント(2024年第1回試験)[6] | 31 | AO1〜AO4 | Derive/Measure/Show that |
| 経済(2022年第1回試験)[7] | 33 | AO1〜AO4 | Annotate/Complete/Prepare |
| 数学:応用と解釈(2021年第1回試験)[8] | 36 | AO区分の列が無い | Analyse/Evaluate/Discuss/Define |
歴史がいちばん極端です。たった6語しかなく、しかもうち5語がAO3(統合と評価)に置かれています。Analyse/Compare and contrast/Discuss/Evaluate/Examine/To what extent。これで全部です[3]。
歴史の指示用語の一覧には「Describe」も「Explain」も入っていません。ただし前に見たとおり、一覧に無い語が問題文で使われることはあります[2]。
逆に数学は、Analyse も Evaluate も Discuss も収録されていません。代わりに Hence(前問の結果を用いて)、Write down、Differentiate、Integrate といった、上の表の他の5教科には無い語が並びます[8]。
※ 定義文そのものは教科をまたいでもほぼ同じです。違うのは「どの語が載っているか」と「どのAOに分類されているか」で、同じ語の意味が教科ごとに変わるわけではありません。
ここで挙げたのは6教科ですが、DPの科目はこれだけではありません。たとえばESS(環境システムと社会)のように、科目ごとにそれぞれのガイドがあります[1]。
ここから導かれる実務的な結論は1つです。ネットの一覧を覚えるより先に、自分が履修している教科のガイドの巻末を開くほうが速いということ。シラバスの使い方と同じ話で、正解は手元の公式文書のほうにあります。
同じ語なのに、教科によって置かれる場所が違う
「載っている語が違う」だけではありません。同じ語が、教科によって別のAO(評価目標)に分類されています。
いちばん分かりやすいのが Identify です。3つの教科で、3つとも違う場所に置かれています。
| 教科 | Identify の分類 |
|---|---|
| ビジネスマネジメント[6] | AO1(知識と理解) |
| 生物[5] | AO2(応用と分析) |
| 経済[7] | AO4(技能の選択と活用) |
同じグループの教科でも分類が揃っていません。Draw も同じで、生物ではAO1[5]、経済ではAO4[7]に置かれています。
AO4は「AO3より上」ではない
ここで誤解しやすいのが、AO4の位置づけです。「経済ではIdentifyがAO4だから、経済のIdentifyは難しい」と読んでしまいそうになりますが、そうではありません。
経済とビジネスマネジメントのガイドは、同じ一文でこう説明しています。
指示用語はAOのレベルに従って分類されるが、認知的な要求に関わる指示用語がAO1からAO3へと段階を上げるのに対し、AO4の指示用語は特定の技能に固有のものである、と書かれています[9]。
※ 原文=「Command terms related to cognitive demand progress from AO1 to AO3, while AO4 command terms are specific to particular skills」
つまりAO1〜AO3が「思考の深さの階段」で、AO4はその階段の外にある別の軸(技能)です。経済のAO4には Calculate、Draw、Plot、Sketch、Solve などが並びます[7]。難しさの順位ではなく、作業の種類で分けられている、と読むのが正しい理解です。
指示用語で配点は決まらない
「レベルの高い指示用語ほど配点が高い」という説明を見かけますが、これは公式の資料と合いません。
経済ガイドのPaper 3(HL)の説明を見ると、はっきり逆の例が載っています。Paper 3 の設問は (a) と (b) に分かれていて、AO3(統合と評価)を含むのは (b) だけです。ところが配点は次のようになっています[10]。
| 経済 Paper 3 (HL) | Part (a) | Part (b) |
|---|---|---|
| AO3(統合と評価)を含むか | 含まない | 含む |
| 配点(最大) | 20点 | 10点 |
最上位のAO3を含まないほうが、配点は2倍です。同じ試験の同じ大問の中で、この関係が成り立っています。
では公式は何と言っているのか。同じページに、2つの文が別々の箇条書きとして並んでいます[10]。
- 「使われる指示用語は、求められる解答の深さを示す」
- 「配点は、分析型のマークスキームとマークバンドの組み合わせで割り当てられる」
指示用語が決めるのは深さであって、点数ではありません。ビジネスマネジメントのガイドは、これに加えて、各設問(part)ごとの配点は問題用紙に示されると別項目で述べています[22]。
実務的には、指示用語で「どこまで踏み込むか」を決め、配点で「どれだけ書くか」を決めるという二段構えになります。IBの評価と配点の仕組みを先に押さえておくと、この使い分けが速くなります。
よく取り違えられる語をどう書き分けるか
ここからは公式の定義文をそのまま置きます。日本語で流通している説明には、公式定義に無い語が足されていることがあるためです。
Describe と Explain
公式定義はこの2つです[12]。
- Describe:詳細に述べる(Give a detailed account.)
- Explain:理由や原因を含めて詳細に述べる(Give a detailed account including reasons or causes.)
差は「reasons or causes」の有無だけです。Explain で「なぜ」を書いていなければ、内容が正しくても足りません。逆に Describe で理由を長々と書いても、加点にはつながりません。
なお「Describe は順番に説明する」という説明をよく見かけますが、公式定義に「順番に」という限定はありません。プロセスを問われたときに順序立てるのは自然ですが、それは定義ではなく答え方の工夫です。
Compare と Contrast と Compare and contrast
ここは日本語の解説がいちばん揺れているところです。公式定義は3つに分かれています[11]。
| Compare | 2つ(以上)の類似点を述べる。全体を通じて両方(すべて)に言及する |
|---|---|
| Contrast | 2つ(以上)の相違点を述べる。全体を通じて両方(すべて)に言及する |
| Compare and contrast | 2つ(以上)の類似点と相違点の両方を述べる |
つまりCompare は「似ているところ」だけです。「似ている点と違う点の両方を書く」のは Compare and contrast のほうで、これは上の表の6教科のガイドではいずれも別の語として収録されています。
さらに教科差もあります。生物のガイドには Contrast が単独で収録されていません。相違点だけを問う語としては、Compare and contrast ではなく Distinguish(AO2・2つ以上の概念や項目の違いを明らかにする、の意)が収録されています[5]。
Define と State と Outline
- Define:語・語句・概念・物理量の正確な意味を述べる
- State:説明も計算もせずに、名称・値・短い答えだけを述べる
- Outline:簡潔な説明や要約を述べる
いずれも生物ガイドの定義です[12]。「Define は簡潔に」と説明されることがありますが、公式定義に「簡潔に」は入っていません。求められているのは正確さで、短さではありません。
もう1つ注意点があります。Define は歴史・心理学・言語A・数学のガイドには収録されていません(歴史[3]・心理学[4]・言語A[23]・数学[8])。「全教科で使われる基本の語」ではない、ということです。
Discuss と Evaluate と To what extent
論述で配点が大きくなる3つです。歴史ガイドの定義を引きます[13]。
| Discuss | さまざまな議論・要因・仮説を含む、熟慮されバランスの取れた検討を示す。意見や結論は明確に示し、適切な証拠で裏づける |
|---|---|
| Evaluate | 長所と限界を秤にかけて評価を下す |
| To what extent | ある議論や概念の是非を検討する。意見と結論は明確に示し、適切な証拠と筋の通った論で裏づける |
Evaluate の核は「strengths and limitations(長所と限界)」を両方出すことです。「いろいろな角度から検討する」という説明を見かけますが、公式定義はもっと具体的に「長所と限界」を指定しています。片方しか書いていない答案は、この時点で条件を満たしていません。
Discuss は「バランスの取れた検討」が核で、Evaluate のように長所と限界を秤にかけた判定までは求められていません。ただし定義には、意見や結論を明確に示し、適切な証拠で裏づけることも含まれています[13]。To what extent は「是非(merits or otherwise)」を検討する形になります。
Analyse と Examine と Justify
- Analyse:本質的な要素や構造を取り出すために分解する[13]
- Examine:前提と相互関係を明らかにする形で、議論や概念を検討する[13]
- Justify:答えや結論を支える妥当な理由か証拠を示す[20]
※ 綴りは Analyse(英式)です。今回開いた6教科のガイドすべてで、見出し語としての「Analyze」は使われていませんでした[19]。答案でどちらを書いても意味は通りますが、公式表記は Analyse です。
どれだけ書けばいいのか
「書きすぎて減点された」「短すぎて点が来なかった」という話は、IB生のあいだで繰り返し出てきます。ここは公式がどう定めているかで、はっきり2つに分かれます。
試験(Paper)の解答には、語数の規定が無い
今回、IBの教科ガイドと制度文書を合わせて16本読み、「word count」「word limit」「exceed」などで全文を走査しました。その範囲では、試験の解答の長さを規定する記述は見当たりませんでした。
公式が言っているのは、前で触れたことだけです。指示用語が答えの深さを示し[10]、配点は問題用紙に示される[22]。「1点につき1文」といった換算式は、IBの資料には書かれていません。
ネット上には「Evaluate は5〜9点」「1マークにつき1ポイント」といった数字が出回っていますが、出典が示されているものをほとんど見かけません。当サイトでも、公式の裏が取れないものは引用しないことにしています。
課題(IA・EE)は上限を超えた分が読まれない
一方、提出する課題のほうは明確です。IAとEEについては、上限を超えた分は評価しないと明文で書かれています。
| 課題 | 上限 | 超えたときの扱い |
|---|---|---|
| ビジネスマネジメントIA | 1,800語 | 最初の1,800語に基づいて評価される |
| 経済のコメンタリー(3本) | 各800語 | モデレーターは800語を超えて読まない |
| 課題論文(EE) | 4,000語 | 4,000語を超えた部分は評価されない |
| TOKエッセイ | 日本語3,200字 | 超えた分の扱いは同資料に明記なし |
TOKエッセイだけは、超えた分をどう扱うかがこの資料に書かれていません。日本語の字数の数え方についても、同じ2025年版の中で記述が割れています。規定の条文は「中国語と日本語は句読点も字数に含む」[16]、エッセイの項は「句読点を字数に含めない」[24]です。
同じ資料の改訂履歴を見ると、後者は「古い記述・誤った記述の削除」として今回追記されたものです[24]。新しい説明は「含めない」側ですが、条文の文はそのまま残っています。提出前に自分の学校のコーディネーターに確認してください。
提出物の書き方については、内部評価(IA)の進め方のほうで詳しく整理しています。
配点と語数の関係を示した公式の例は、歴史IAの配分表だけ
「何点に対して何語書くか」を公式が数字で示している例は、今回調べた範囲では1つだけでした。歴史のIA(歴史研究)の配分表です[17]。
| セクション | 目安の語数 | 配点 |
|---|---|---|
| 1. 資料の特定と評価 | 500語 | 6点 |
| 2. 調査 | 1,300語 | 15点 |
| 3. 振り返り | 400語 | 4点 |
| 参考文献一覧 | 該当なし | 該当なし |
| 合計(語数の上限) | 2,200語 | 25点 |
ただしIB自身が、この表についてこれらの語数配分はあくまで目安であるとわざわざ注記しています(原文=「Please note that these word allocations are suggestions only」)[17]。歴史IAの中の目安であって、試験の解答に当てはめる根拠にはなりません。
まとめると、分量については「配点を見て、指示用語が求める深さまで書く」以上のことを公式は言っていない、というのが正直なところです。
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日本語ではどう訳されているか
日本語訳を確かめたいときの公的な参照先が1つあります。文部科学省IB教育推進コンソーシアムの「IB用語集」です[14]。
ここに指示用語62語の日英対照表が載っています。表の末尾には「(2021年12月更新)(*出典:IB機構の公式用語集より)」と明記されています[14]。訳語の例を挙げると次のとおりです。
| English | 日本語 | English | 日本語 |
|---|---|---|---|
| Analyse | 分析しなさい | Evaluate | 評価しなさい |
| Describe | 詳しく述べなさい | Explain | 説明しなさい |
| Outline | 簡単に述べなさい | Discuss | 論じなさい |
| Compare | 比較しなさい | Contrast | 対比しなさい |
| Compare and contrast | 比較・対比しなさい | To what extent | どの程度 |
| State | 述べなさい | Justify | 正当化しなさい |
| Examine | 考察しなさい | Identify | 特定しなさい |
| Hence | 前問の結果を用いて | Show that | 〜であることを示しなさい |
Describe が「詳しく述べなさい」、Outline が「簡単に述べなさい」と訳し分けられているのは分かりやすいところです。
ただし、この表を使うときに知っておいたほうがいい制約が2つあります。
- この表は「MYP用語日英対照表」のセクションの中に置かれています[14]。DP専用の対照表ではありません
- Define が収録されていません。DPの生物[5]・ビジネスマネジメント[6]・経済[7]ではAO1に置かれている語なのに、この62語の中に無い
訳語の参照には十分使えますが、DPの指示用語の全リストとして扱うと足りない部分が出ます。本籍はあくまで各教科のガイドです[1]。
日本語DPで受ける人が知っておくこと
日本語DPの正式名称は「Dual Language Diploma Program(DLDP)」です。文部科学省とIB機構が協力して、DPの一部科目を日本語でも実施可能とするプログラムの開発が進められています[15]。
日本語で実施可能、または実施可能予定とされているのは、言語A(文学/言語と文学)、地理、歴史、経済、生物、化学、物理、数学(解析とアプローチ/応用と解釈)、音楽、美術と、コアの3要件です[15]。どの科目がすでに実施可能で、どれが予定なのかは、この資料では区別されていません。
ここで見落とされやすいのが、次の制約です。
「日本語DPでも、6科目中2科目(通常、グループ2(外国語)に加えて更に1科目)は、英語等で履修することが必要」[15]
つまり日本語DPを選んでも、英語で答案を書く科目が必ず残ります。指示用語を英語のまま理解しておく必要は消えません。IBで求められる英語レベルは、この前提で見積もっておくのが安全です。
筆者の体験
我が子が進んだのは公立高校の日本語DPです。日本語で受ける科目でも、教科書は英語でした。英語で履修する科目に限った話ではありません。
そのことは分かったうえで選んでいます。日本語で受ける科目であっても、読む言葉は英語のまま、というのが実際でした。
※ 日本語で実施する科目については、日本語に翻訳された科目ガイド等が公開されています。文部科学省IB教育推進コンソーシアムが、IB機構の日本語資料ページ「Resources for School in Japan」へのリンクを掲載しています[15](翻訳中の科目もあり、全文書が載っているわけではありません)。
※ 当サイトでは2026年8月時点で当該ページを取得できず、問題文での日本語表記や収録語までは確認していません。訳語については上の文科省の対照表[14]を参照してください。
ガイドが変われば、指示用語も変わる
もう1つ、一覧を暗記するアプローチが崩れる理由があります。カリキュラム改訂で指示用語の表そのものが書き換わるからです。
心理学が分かりやすい例です。2019年第1回試験のガイドと、2027年第1回試験の新ガイドを比べると、こう変わっています[4]。
| 心理学 | 2019年版 | 2027年版 |
|---|---|---|
| 表のAO区分 | AO1〜AO4 | AO1〜AO3 |
| Design | AO4 | AO2へ移動 |
| Predict | AO4 | AO2へ移動 |
| Investigate | AO4 | 表から消えた |
2019年版で覚えた分類のまま2027年版の試験に臨むと、ずれます。確認すべきは「自分が受ける年の版のガイド」です。先輩から譲り受けた資料や、数年前の解説記事は、この点で当てにならないことがあります。
IBスコアを使える日本の大学
IBのスコアを使った入試は広がっています。文部科学省の資料によると、2025年1月時点で82大学がIBのスコア等を活用した入試を実施しています[21]。東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学も掲載されています[18]。
※ この調査は各大学へのアンケートに基づくもので、資料にも「必ずしも全ての情報を網羅しているわけではない」と注記されています[21]。志望校の扱いは各大学の募集要項で確認してください。
IBのスコアがどう使われるかは、IBで日本の大学へ進む方法でまとめています。
指示用語を覚えても点が伸びないとき
最後に、正直なところを書いておきます。指示用語の理解で解決するのは「答え方」の問題だけです。
- 内容は書けているのに点が伸びない/「question に答えていない」とコメントされる=指示用語で改善する余地が大きい
- そもそも書く内容が出てこない/用語や理論の中身があいまい=答え方を直しても点は動かない。先に内容の理解へ戻る
そして、指示用語の一覧を眺めているだけでは、自分の答案がその条件を満たしているかは分かりません。ここは自分では判定しにくいところで、過去問のマークスキームと自分の答案を突き合わせるか、IBの採点基準を知っている人に読んでもらうのが近道になります。
まとめ
- 全教科共通の指示用語リストは無い。本籍は自分が履修する教科のガイドの巻末
- 収録語数は歴史6語から数学36語まで。同じ語でも教科によって置かれるAOが違う
- AO4は「AO3より上」ではなく、技能に固有の別の軸
- 指示用語が決めるのは答えの深さ。配点は問題用紙に示される
- Compare は類似点のみ。両方書くのは Compare and contrast
- Evaluate は「長所と限界」を両方出す
- 試験の解答に語数の規定は無い。課題(IA・EE・TOK)には上限があり、IA・EEは超えた分が読まれない
- カリキュラム改訂で表そのものが変わる。自分が受ける年の版を見る
まずやることは1つです。自分の教科のガイドを開いて、巻末の「Glossary of command terms」を見る。あなたの試験で使われる指示用語は、そこに載っています。
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参考情報・出典
- International Baccalaureate Organization「Diploma Programme Assessment procedures 2025」(p.7・指示用語の掲載先)
- International Baccalaureate Organization「History guide(First examinations 2020)」(p.95・指示用語一覧の前置き。同一文を Biology 2025 p.124/Psychology 2027 p.61/Math AI p.90/Economics 2022 p.74/Business management 2024 p.67 でも確認=本文の「6教科いずれも」の内訳)
- International Baccalaureate Organization「History guide(First examinations 2020)」(p.95・Glossary of command terms=全6語)
- International Baccalaureate Organization「Psychology guide(First assessment 2027)」(pp.61-62)/同「Psychology guide(First assessment 2019)」(pp.77-78)
- International Baccalaureate Organization「Biology guide(First assessment 2025)」(pp.124-125)
- International Baccalaureate Organization「Business management guide(First assessment 2024)」(pp.19-20・AO別の指示用語表)
- International Baccalaureate Organization「Economics guide(First assessment 2022)」(pp.18-19・AO別の指示用語表)
- International Baccalaureate Organization「Mathematics: applications and interpretation guide(First assessment 2021)」(pp.90-91)
- International Baccalaureate Organization「Economics guide(First assessment 2022)」(p.18・AO分類の説明文。同一文が Business management guide p.19 にも掲載)
- International Baccalaureate Organization「Economics guide(First assessment 2022)」(p.62・Paper 3のAOと配点)
- International Baccalaureate Organization「Biology guide(First assessment 2025)」(pp.124-125・Compare/Compare and contrast)/同「Mathematics: applications and interpretation guide(First assessment 2021)」(p.90・Contrast)
- International Baccalaureate Organization「Biology guide(First assessment 2025)」(pp.124-125・Define/Describe/Explain/Outline/State)
- International Baccalaureate Organization「History guide(First examinations 2020)」(p.95・Analyse/Discuss/Evaluate/Examine/To what extent)
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IB用語集」(2021年12月更新・指示用語62語の日英対照表。MYP用語日英対照表のセクション内)
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBのプログラム(DP/CP)」(日本語DP=Dual Language Diploma Program の対象科目と要件)
- Business management guide(First assessment 2024)(IAの語数)/Economics guide(First assessment 2022)(コメンタリーの語数)/Diploma Programme Assessment procedures 2025(EE §D7・TOK §D8.5.1)
- International Baccalaureate Organization「History guide(First examinations 2020)」(歴史研究の語数配分表・「suggestions only」の注記)
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「IBを活用した入試」(令和7年1月時点・82大学)
- Biology guide 2025/History guide 2020/Economics guide 2022/Business management guide 2024/Psychology guide 2027/Mathematics: applications and interpretation guide 2021 の各Glossary of command terms(綴りの確認)
- International Baccalaureate Organization「Biology guide(First assessment 2025)」(p.125・Justify)
- 文部科学省「国際バカロレアの大学入試における活用について」(2025年1月時点・82大学。調査の限界に関する注記を含む)
- International Baccalaureate Organization「Business management guide(First assessment 2024)」(p.43・Paper 1の各セクションの項目「配点は問題用紙に示される」)
- International Baccalaureate Organization「Language A: literature guide(First assessment 2021)」(pp.69-70)/同「Language A: language and literature guide(First assessment 2021)」(pp.67-68・いずれも指示用語の一覧に Define が無い)
- International Baccalaureate Organization「Diploma Programme Assessment procedures 2025」(§D8.4.1・中国語/日本語/韓国語のエッセイの字数に句読点を含めない旨。同資料の改訂履歴にこの追記の経緯あり)
