国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)
国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)は、16歳〜19歳の高校2年間に履修する国際バカロレア教育の中核となるプログラムです。
履修後に行われる世界共通の最終試験を経て、所定の成績を収めることで国際バカロレアの資格を得ることが出来ます。
この国際バカロレアの資格を得ることで、日本の高校卒業資格では通常受験資格すらないような海外の大学への入学資格も得られます。
また最近では、日本国内の大学でも国際バカロレア資格(IBDP)を使った入試も広がってきています。
2022年度には約77大学が国際バカロレア資格を活用した大学入試を行なっていて、うち40大学では、国際バカロレアの生徒のみを対象とした大学入試を実施していました。
国際バカロレアの推進
一部日本語による国際バカロレアの教育プログラムの開発・導入等を通じ、国際バカロレア認定校等の大幅な増加を目指す(2018 年までに200 校)
国際バカロレアに関し、日本語DPの導入促進、国内大学入試における国際バカロレアの活用促進、導入に向けた教育課程の特例措置、教員の養成・確保等等を推進
国際バカロレア認定校等を2020年度までに200校以上( 2019年3月:138校(候補校含む)
国際バカロレア認定校等を2022年度までに200校以上
国際バカロレアに関し、日本語DPの導入促進、大学入試における国際バカロレアの活用促進、国際バカロレア導入に向けた教育課程の特例措置、教員の養成・確保等等を推進
グローバルな視点を持って地域の課題解決等に取り組む人材を育成するため、デジタルツールを活用し、幅広い知識の探求スキル等の育成を目的とした国際バカロレアの普及を促進する。
(文部科学省大臣官房国際課)
エコシステム拠点を始めとする有能な外国人材が集まる地域において、その子弟に対する質の高い教育機会が十分に提供されるよう、国際バカロレアなど世界標準の教育カリキュラムの導入を推進する。
途中に停滞はあったものの、このように日本政府は国際バカロレアの推進をしています。
近年の認定校の増加は勢いもあり、これからも国内で国際バカロレアが広がっていくのだろうと考えられる。
国際バカロレアIBDPを受けるには
日本で国際バカロレア(IB)DP教育を受けることが出来る認定校は以下の3つに分類できます。
- 公立校
- 私立校
- インターナショナルスクール
この3つの中でも、今回は公立校でIBDPを受けることのメリットやデメリットについて詳しく紹介します。
公立校でIBDPを受けるメリット
圧倒的に安価な学費
公立校:約20〜30万円
私立校:約100〜200万円
インター:約200〜250万円
我が子にIBDPの教育を受けさせたいけれど、辞めておく理由の圧倒的1位は費用の問題です。そういう意味では、公立校で受講できるとなるとメリットは凄く大きいです。
都道府県によって多少の違いはありますが、公立校の年間学費は以下のようになります。
入学料:5,650円
授業料(年額):118,800円
諸会費(年額):71,642円
全国の約8割の高校生が就学支援金制度を利用しています。就学支援金制度を利用すると授業料が実質無償となります。(世帯年収により変動)
上記以外の費用として、国際バカロレアIBコースでは、パソコン購入費用、別途積立金、専用テキスト費用、試験費用などが必要になります。
公立校、私立校、インター校のIBDPの学費比較の詳細は下記記事で紹介しています。
日本の高校卒業の資格を取得
一般的に”学校”と言われる一条校の場合、IBDP(国際バカロレア ディプロマ プログラム)資格の取得を目指すのと同時に、日本の高校卒業資格も取得ができます。
2年間の履修後に最終試験を経てIBDPの資格を取得することが出来れば、国際バカロレアの資格と高校卒業資格の2つを得ることができるということになります。
つまり、一条校を卒業する生徒は、通常の一般入試を経ての日本国内の大学へ進学を狙うことも可能ということになります。実際に国内への進学が多いIB認定校もあるようです。
「一条校」とは、学校教育法第1条に定められた学校の種類のことである。小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園の10校を指し、いわゆる一般的に「学校」と称されるものが該当する。また、日本の法律による規制と保護を色濃く受け国公私立を問わず、社会的に公の立場にある教育機関のことでもある。学校教育法やその他の法律により、その年限・目的等が定められている。また、卒業時に授けられる学位なども法律で定められている。なお、専修学校、防衛大学校、自動車学校、予備校、外国人学校などは一条校に含まれない学校である。
小学校用語集
公立校でIBDPを受けるデメリット
開講科目数に限りがある
特に国際バカロレアの認定を受けたばかりの学校の場合、教師確保の問題やコスト面の問題などから、DPの開講科目が少ないことがあります。
目指す進路によっては、履修していなければいけない科目などもあるので、事前に大学や学部のホームページなどで入学条件などの確認をしておくことをおすすめします。
経験値が少ない教師もいる
国際バカロレアの認定校には、国際バカロレアプログラムを実施するための研修を受けている、国際バカロレアプログラムの専門家「IBコーディネーター」が在籍しています。
しかし、熟練のコーディネーターもいれば、新人コーディネーターもおられますし、実際に授業を行う教師も同様となっています。
彼らの経験値によって、各学校の国際バカロレア習得度や、成績、取得度、さらには進学に関する知識なども変わって来るでしょう。
メリット
- 学費(年間費用)が圧倒的に安い。
- 日本の高校卒業の資格が得られる。
デメリット
- 開講科目数が少ない
- 経験値が少ないかも
IBDPが実施されている国公立校の一覧
市立札幌開成中等教育学校 | 日本語DP |
宮城県仙台二華中学校・高等学校 | 日本語DP |
さいたま市立大宮国際中等教育学校 | 日本語DP |
筑波大学附属坂戸高等学校 | 日本語DP |
東京学芸大学附属国際中等教育学校 | 日本語DP |
東京都立国際高等学校 | |
神奈川県立横浜国際高等学校 | 日本語DP |
山梨県立甲府西高等学校 | 日本語DP |
滋賀県立虎姫高等学校 | 日本語DP |
大阪府立水都国際中学校・高等学校 | 日本語DP |
鳥取県立倉吉東高等学校 | 日本語DP |
広島県立広島叡智学園中学校・高等学校 | 日本語DP |
高知県立高知国際中学校・高等学校 | 日本語DP |
まだまだ国公立でIBDPの教育を受講できる学校は少ないのが現状です。
学費は国公立に比べてかかるものの、一条校に規定されている学校で国際バカロレアの認定校は45校あるので、お住まいの近くに認定校がないかなど調べてみてください。
また、多くの学校では、国際バカロレアDPのプログラムに参加できる人数はとても少なく、選考を実施しているところも多いです。
IBプログラムを受講するには、成績などで勝ち抜かなければいけないかもしれません。成績やテストに自信がない場合には、オンライン家庭教師がおすすめです。