国際バカロレア(IB)は、世界中の生徒が受講可能な高度な学術プログラムです。このプログラムの中心でもあるIBDPでは、世界的な大学入学資格と同等の評価を受け、大きなアドバンテージをもたらすことが知られています。
同時に、英語力は現代社会において必要不可欠なスキルであり、世界中で使われる共通語でもあります。
そんな英語力の向上にも繋がることが分かっているIBのプログラム。IBの学習には英語での読解力や論文作成力が必要とされるため、英語力向上にも効果が期待できます。
そこで本記事では、国際バカロレア(IB)と英語力の関係性について詳しく解説します。
国際バカロレアとは?
「国際バカロレア」(International Baccalaureate, IB)は、1968年に設立された教育機関で、年齢に応じた国際的な教育カリキュラムを提供しています。
多くの学生が受講している
国際バカロレア協会によると、2020年度には、世界中で55万人以上の生徒が国際バカロレアのプログラムに参加しているようです。
また、日本でも多くの生徒が国際バカロレアを受講していて、英語力を含めたグローバルな教育が注目されています。
外国語の習得にも力を入れている
国際バカロレアは、国際的な教育機関として、英語をはじめとした外国語の習得にも力を入れています。
実施カリキュラムは、英語をはじめとした外国語力や、グローバルな視野を持つための教育プログラムが含まれています。
IB教育において英語力は必要?
国際バカロレアの中でも、メインとなるディプロマ・プログラム(DP)のカリキュラムでは特に、英語をはじめとした外国語の習得に力を入れていて、英語力を向上させることが求められます。
特に日本国内で行われているIBDPの多くは、英語DP又は日本語DPで実施されているので、英語はIB教育において重要な役割を果たしているのは間違いありません。
IBプログラム自体は英語以外の言語での授業も提供していて、必ずしも英語力が必須というわけではありません。
IBDPの授業や試験は、原則として英語、フランス語、スペイン語で行う必要がありますが、現在では日本語でも実施可能とする日本語DPも実施されています。
英語力向上のための授業内容やカリキュラム
IBの科目や科目構成
IBの中心的なカリキュラムである「IBディプロマ・プログラム」には、英語A、英語Bなどの英語科目があります。
これらの科目では、英語のリスニング、スピーキング、リーディング、ライティングにフォーカスした授業が行われ、生徒たちは英語のスキルを幅広く身に付けることができます。
また、英語DPでは英語を使用した授業が中心となるため、英語力を向上させるのに非常に効果的です。
日本語DPの場合でも、英語を使う頻度は、通常の高校生のカリキュラムと比べてもとても多くなっています。
授業スタイルや教育方法
IB教育において英語力を向上させるための授業スタイルや教育方法には、対話的な授業やグループワークなど、積極的にコミュニケーションを取ることを重視したものがあります。
これは単語や文法を覚えるだけでなく、生徒たちが自ら考え、自ら発言することを促されるような方法となっています。
また、教科書に加えて様々な資料や文献を活用し、幅広い知識や文化に触れることも重要です。
IBの「言語B」コースでは、英語を母語としない生徒たちが対象で、英語を用いたグループワークやプレゼンテーションを通じて、英語力を向上させる取り組みが行われています。
自宅でできる英語学習方法
インターネット上には、無料の英語学習サイトやアプリケーションが多数存在し、自宅でも英語学習ができる環境が整っています。
また、2020年に行われたEF Education Firstの「EF English Proficiency Index」調査によると、日本は世界60カ国中31位と、英語力が低いとされています。
このような背景からも、自宅での英語学習がますます重要視されるようになっています。
自宅で英語学習をするための方法や取り組みとしては、以下のようなものがあります。
オンライン英会話レッスン
インターネット環境があれば、時間や場所に縛られることなく、自宅からでも英会話レッスンを受けることができます。
多くのオンライン英会話スクールがあり、専任の講師とのマンツーマンレッスンや、グループレッスンなど、様々なプランが用意されているので、自分に合ったスクールを選ぶことができます。
また、自分の目的やレベルに合わせたプランを選ぶことができ、自分のペースで復習することもできるので、効果的に英会話力を向上させることができます。
英語学習アプリケーション
無料で利用できる英語学習アプリが多数存在します。例えば、世界的にも有名なDuolingoや、最新のAIを搭載した英会話アプリなどが挙げられます。
これらのアプリを活用することで、自分自身のペースで英語学習を進めることができ、使い方も簡単で取り組みやすいので継続して続けることができます。
アプリの中には、リスニングやスピーキング、読み書きなど、幅広い英語スキルに対応したコンテンツが豊富に用意されているものもあります。
映画やドラマの鑑賞
英語の映画やドラマを観ることは、リスニング力の向上や英語表現の学習に役立ちます。さらに、英語の字幕を使うことで、リーディング力も向上することができます。
映画やドラマは、日常会話で使われるフレーズや表現を学ぶのにも最適で、楽しみながら英語を学ぶことができます。
英語字幕の活用
また、字幕を英語にすることで、英語の正確な発音やスペル、文法なども同時に学ぶことができます。
さらに、映画やドラマには、様々なアクセントや方言が登場するため、リスニング力の幅も広がります。
書籍やニュース記事の読書
英語の書籍やニュース記事を読むことは、リーディング力の向上や英語表現の学習に役立つ方法の一つです。
書籍には様々なジャンルの本があり、自分の興味に合わせた本を読むことができます。ニュース記事は日々のトピックスを学ぶことができるため、英語学習にも役立ちます。
また、難しい単語が出てくる場合は、辞書を引いて調べることで単語力もつけることができ、自分のペースで進めることができ、継続的に取り組めるので、英語学習においても効果的な方法です。
リスニングの向上
英語を聞く習慣や技術を身につけることは、リスニング力の向上や英語の音声の特徴を理解することにつながります。また、英語のリズムやイントネーションを学ぶことで、自然な英語の発音を身につけることもできます。
実際に、英語を聞くことができる人は、英語を理解しやすく、コミュニケーション能力が高いことが調査結果から示されています。
英語には、母音や子音の発音のルールがあり、それを理解することで、より正確に英語を聞き取ることができるようになります。英語を聞く習慣や技術を身につけるには、以下のような方法があります。
- 英語の映画やドラマを観る
- 英語のYoutubeを見る
- 英語のポッドキャストを聞く
- 英語のラジオ番組を聞く
- 英語の歌を聞く
英語を聞く習慣や技術の種類や方法は多岐にわたりますが、その中でも特に有効とされる方法は、英語の音声教材を活用することです。
英語の音声教材を活用することで、自分のペースで何度も聞き返し、リスニング力を向上させることができます。
英語の音声教材
- 英語の音声教材
BBC Learning English、TED Talksなど
- 英語学習アプリ
Duolingo、Lingodeer、Rosetta Stoneなど
- 英語の映画やテレビ番組
Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなどで英語の映画やドラマを視聴する
これらを行う際には、ただ単に英語を聞くだけでなく、アクティブリスニングを心がけ、意識的に英語の音声に耳を傾けることが重要です。
スピーキングの向上
英語表現が身につきやすい
英語を話すことで、語彙力や文法の理解が深まり、より自然な英語表現を身につけることができます。また、発音練習をすることで聞き取りやすい英語を話すことができ、相手に伝わりやすくなります。
英語を話す習慣や技術を身につけることは、コミュニケーション能力の向上や自信の向上、異文化理解が深まるなど様々なメリットがあります。
コミュニケーション力
英語を話すことができる人は、コミュニケーション能力が高いことが知られています。実際、日本の企業でも英語ができる人材を求める動きが強まっており、英語力がキャリアアップにつながることも明らかになってきています。
英語を話す習慣や技術を身につける方法
会話の練習をするためのグループに参加する
スピーチやプレゼンテーションの練習をする
ロールプレイなどの実践的な練習をする
フィードバックを受ける機会を作ることで、自分の課題や改善点を把握し、改善することができます。
音声を録音
自分で練習するためには、自分の音声を録音をして発音の確認を行ったり、日常生活で英語を使う機会を増やすことが重要です。
実際に英語を話すことは、語彙力やリスニング力の向上だけでなく、脳内での情報処理のスピードを向上させることが示されています。
英語を話す練習方法に関する研究も多く、英会話スクールやオンライン英会話が英語力向上に効果的であることが示されています。
英語を話す練習方法
オンライン英会話を利用する
英語を話せる友達との会話を増やす
自分で英語で話す練習をする(シャドーイング、フリートークなど)
正しい発音を学ぶ
英会話スクールに通う場合、ネイティブスピーカーの講師と会話をすることができるため、正しい発音や表現方法を学ぶことができます。
また、オンライン英会話は、自宅にいながらにして英語の練習ができるため、忙しい人でも続けやすいというメリットがあります。
英語を話せる友達との会話を増やすことも重要であり、留学やインターンシップなどで海外経験を積むことも有効です。
リーディングの向上
様々な効果がある
英語を読むことは、語彙力や文法理解力の向上につながり、英語力アップに効果的です。また、読書によるストレス緩和や、認知症の予防効果もあるとされています。
語彙力が向上することで、英語の読解力が上がり、また文法理解力が高まることで、英語の構造や表現方法が自然と身につき、英語でのコミュニケーション能力も向上します。
知識が広がる
さらに、英語を読むことは、知識や情報収集の手段としても役立ちます。英語で書かれた書籍やウェブサイトに触れることで、英語圏の文化やニュース、トレンドなどを知ることができます。
英語を読むための実践的な方法
英語の書籍を読む(自分が興味のある分野やレベルに合ったものを選ぶ)
英語で書かれたメールやSNSの投稿を読む
読み終わった英語の文章について、理解度を確認するために要約やメモを取る
また、英語を読む際には、以下のようなポイントにも注意することが重要です。
- 英単語の意味を調べる(辞書を使うなど)
- 文章の全体像をつかむために、前後の文脈やパラグラフのつながりを考える
- 理解できない部分があれば、複数回読み返すなどして徐々に理解を深める
ライティングの向上
読む力も向上
英語を書くことは、正確な表現力や論理的思考力を養うだけでなく、英語の文章を読む力も向上させることができます。
英語圏の大学
英語圏の大学での学業においては、論文を書くことが求められることが多くあります。また、TOEFLやIELTSなどの英語試験においても、ライティングスキルが重要視されています。
英語を書くことによって自己表現能力や論理的思考力が向上することが示されていて、
英語を書く習慣や技術を身につけることには、アカデミックな分野においては研究論文の執筆や論文審査の際に、ビジネスにおいてはレポートやメールの作成、日常生活においてはブログやSNSの投稿などにおいて多くのメリットがあります。
英語を書くための実践的な方法
エッセイや日記を英語で書く
ブログやSNSで英語で投稿する
読んだ英語の本や記事に感想を英語でまとめる
TOEFLやIELTSなどの英語試験の練習問題を解いて、ライティングスキルを鍛える
ライティングを習慣化するメリット
- 表現力が向上し、正確かつ適切な文章を書くことができるようになる。
- 文法や表現のルールを理解することで、読み書きがスムーズになる。
- 自分の考えや意見を明確に言葉にできるようになり、コミュニケーション能力が向上する。
このような効果は、多くの調査や研究によって裏付けられている。たとえば、英語のライティング練習が行われた大学生の語彙力や文法の理解力が向上したという研究結果もあります。(Shakirova & Abduazizova, 2021)