国際バカロレアの課題論文(EE:Extended Essay)は、卒業論文に近い形式で独自に行う課題研究のことで、選択した科目にもよりますが、基本的には学術的な論文を書く必要があります。
そのため、適切な参考文献を探すことは課題論文(EE)にとって非常に重要なことで、研究の信頼性や充実度を向上させることはもちろんのこと、学術的なスキルの向上にもつながります。
参考文献を探すには
参考文献を探す方法として最も身近で簡単な方法としては、インターネットで検索をして調べることですが、調べた情報の信憑性が欠けるものも少なくありません。
そこで、課題論文(EE)を書くにあたって、適切な参考文献や資料を探す方法やルール、テーマ選びのポイントなどを紹介します。
課題論文(EE)のルール
適切な参考文献や資料を探す前に、まずは課題論文(EE)を書く際のルールや構成、について見ていきます。
ルール1:字数制限
課題論文の長さの上限は4000語(日本語の場合は8,000字)です。
この上限以上の論文は原点の対象となり、また、試験官はこの上限をこえた部分に関しては読むことが義務づけられていないので、結論までしっかりと上限以内に収めるようにする必要があります。
- 要旨
- 謝辞
- 目次
- 地図、グラフ、図表、注釈つきの図や絵、表
- 等式、公式、計算
- 文献対照注・参考文献(挿入法と引用順方式のどちらの場合もこれらは語数・字数 に含まれません)
- 脚注、または文末脚注
- 参考文献目録
- 付録
論文の構成
- 表紙
- 要旨
- 目次
- 序論
- 本論(研究の展開、研究手法、結果)
- 結論
- 参考文献(reference)および参考文献目録 (bibliography)
- 付録
要旨
要旨は、課題論文の概要をまとめたもの。
「研究課題」
「研究の範囲」
「課題論文の結論」
を、300語(日本語の場合は600字)以内で明確に述べる必要があります。
目次
全てのページに番号を振って、冒頭に目次を入れる必要があります。
参考文献目録・参考文献・文献対照注
参考文献目録と文中での出典の明示を通じて、引用元やアイデア、見解などの情報の出所を正確に伝える必要があります。
引用スタイルは正確に使用することが求められる。
課題論文のテーマ選び
課題論文(EE)のテーマ選びは、これは多くの学生が悩む問題で決して簡単ではありません。
重要なことは、自分自身が興味を持ち、深く掘り下げたいトピックを選ぶことです。そのためにも過去の論文を読んでみたり、ディスカッションをしたりすることでアイデアが出てくることもあります。
また、論文を書くことが苦手な場合でも、自分が興味を持っているトピックを選ぶことで研究することが楽しくなり、論文を書くことが少しは苦手が解消されることがあります。
ここではテーマ選びに関するポイントを5つ紹介します。
興味を持っている分野を選ぶ
課題論文(EE)では、独自の研究を行うことを目的としているので、自分が興味を持っている分野を選ぶことはとても重要です。興味を持っていることであれば情熱をもち、研究を行う上でのモチベーションも高くなります。
十分なリサーチが可能かを確認
課題論文(EE)では、十分な情報源が利用可能であることが重要になってくるので、スムーズに研究を進めるためにも選んだテーマに関して十分なリサーチが可能であるかどうかを事前に確認しておくのが良いです。
リソースの利用が可能かを確認
調査を行うためにアクセスできるリソースが利用可能かどうかを確認しておきます。特定のテーマに関する専門的な書籍やジャーナル記事にアクセスができないと、研究を進めることが難しくなってしまうので、事前に確認をしておくことが重要です。
研究の余地があるかを確認
課題論文(EE)では、既存の知識に加えて、独自のアプローチを取ることが求められので、研究を行うために十分な余地があるテーマを選ぶことが重要です。
十分に理解しているテーマを選択
課題論文(EE)では、複雑なテーマを扱うことが求められることがありますが、自分が理解できないテーマを選ぶと、研究が進められなくなる可能性があります。
参考文献
課題論文(EE)は、自分で調べたことを論文としてまとめる必要があり、その際には正確かつ信頼できる情報を引用することが必要となります。
参考文献は、自分のアイデアや主張を裏付けるための証拠となるので、信頼できる情報源を選ぶことは、自分の論文の信頼性を高め高得点を取るためにもとても重要です。
そのため、十分な時間をかけて信頼できる情報源から必要な情報を収集することをおすすめします。
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受講生の口コミ
教え方が上手くとても分かりやすいです。学校から急な課題を出された際も親身に対応をしてくれます。
指導のためのノートがとてもわかりやすく見やすいです。図式化して教えてくれるので理解しやすい。
日本語で授業させていただいてますが、説明が分かりやすく質問にも丁寧に答えてくれています。
どんな問題も、また進路の相談でも、なんでも即答していただけるので頼りになります。
保護者の口コミ
子供の考えを丁寧に聞いてくださるため、モチベーションが自然と上がっていきます。
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先生の指導のお陰で、IAを終了することが出来ました。娘が大変お世話になりました。
一緒に問題に取り組みながら、子供に寄り添った授業をしていただいています。
※上記はEDUBAL公式サイトより一部引用
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学術データベースを利用する
日本語の参考文献を探す場合
日本の大学や研究機関が提供する学術データベースには、日本語の学術文献が多数収録されています。代表的なものとしては以下のようなものがあります。
CiNii
CiNii(Citation Information by NII)は、国立情報学研究所(NII)が提供する、学術論文や研究報告書などの文献情報を検索することができるデータベースの一つです。
CiNiiには、日本国内で出版された学術論文や研究報告書、学位論文などの情報を中心に約5000万件以上のデータが登録されています。
J-STAGE
J-STAGE(Japan Science and Technology Information Aggregator, Electronic)は、日本の学術研究者が発行する学術雑誌のデータベースです。
日本の大学や研究機関、学協会などが発行する約4,000以上の学術雑誌が登録されていて、各雑誌の論文を検索・閲覧することができます。
英語の参考文献を探す場合
英語圏の大学や研究機関が提供する学術データベースには、英語の学術文献が多数収録されています。代表的なものとしては以下のようなものがあります。
Google Scholar
Google Scholarは、Googleが提供する無料の学術文献検索サービスであり、学術出版社、大学、学会などから収集された学術論文、論文集、著書、講演録、学位論文、技術報告書などを検索することができます。
JSTOR
JSTORは、非営利団体が提供する学術文献データベースで、学術論文や書籍、出版物などのデジタルアーカイブを提供するオンラインデータベースです。主に人文科学、社会科学、自然科学の分野において、高品質な学術資料を提供しています。
Scopus
Scopusはエルゼビア社によって運営されているデータベースで、科学・技術・医学・社会科学・人文科学など、多岐にわたる分野の文献が網羅されていて、世界7,000社以上の出版社、逐次刊行物(査読誌・業界誌・ブックシリーズ)約28,000タイトル、会議録147,000イベント以上、書籍278,000タイトル上からの8,900万件以上の文献が収録されています。
Web of Science
Web of Scienceは、クラリベイト社によって提供されているデータベースで、地域、専門分野、データ、特許の索引が結び付けられ、1億5,500万を超えるレコードから引用された約1.7億冊の文献から、分野や時間を超えたアイデアを追跡できます。
図書館を利用する
日本の大学図書館や公共図書館には、日本語の学術書や雑誌が多数収蔵されています。特に大学図書館は、研究者や学生が利用するための学術文献が豊富に揃っています。
図書館のオンラインカタログを利用して、自分の研究に関連する日本語の書籍や論文を探すことができますし、また図書館で直接資料を閲覧することも可能です。