IBのIA・EE・TOKの実例はどこで見られる?Clastifyの使い方と、提出に使えない理由

国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)の履修において、レポート課題やエッセイは最大の難敵です。

特に社会、理科、数学科目で課される内部評価(IA:Internal Assessment)や、課題論文(EE:Extended Essay)・TOK(Theory of Knowledge)などで課されるエッセイなど、どういう風にやればいいのか参考を見てみたいと思うことは多いはずです。

そこで、世界中の国際バカロレア(IB)生徒が自分の提出物を投稿して共有しているIA・EE・TOKの実例を見ることができて、また、それに対する採点も確認することが出来る、IB生徒にとって嬉しいサイト「Clastify(クラスティファイ)」について詳しく紹介します。

目次

どんなレポートが見れるのか

今回紹介するサイト「Clastify」では、世界中のIB生徒が、自分がIBOに提出したレポートやエッセイを投稿して共有しています。

ここで先に押さえておきたいのは、ClastifyはIBOの公式サイトではないという点です。Clastify自身が、独立したプラットフォームであり、国際バカロレアやその他の試験機関と提携も承認も受けていないと明記しています[2]。

共有されているレポートやエッセイを、様々な絞り込みを使って、自分が「見たい!」と思っているレポート課題やエッセイを見つけることが出来ます。

  • キーワードで検索
  • IA, EE, TOKなどで絞り込み
  • 科目ごとに絞り込み
  • SL/HLで絞り込み
  • 評価点数で絞り込み
  • 試験を受けた年月で絞り込み

これらの絞り込みができて、目的のレポートを見つけやすく、IBの強い味方となっています。

掲載数はClastifyの公表値で、2026年9月6日に公式サイトを確認した時点ではIA・EE・TOKの実例が10,000件以上、月間のIB利用者は40万人以上とされています[1]。

ただし、これらはClastifyが自社サイトで掲げている数字で、第三者が検証したものではありません。「IB生徒の90%が利用」といった利用率も同じく自社公表値です[1]。

使い方には注意点もあります。Clastifyは自社の学術インテグリティ方針で、掲載されている実例を全部または一部でも自分の作品として提出すること、言い換えて提出することを禁止しており、こうした不正は失格や資格の取り消しにつながりうると案内しています[2]。あくまで「構成や書き方を学ぶために読む」ための資料です。

実際にレポートを確認する

Clastifyで物理IAを開いた画面。左側に「Criterion A: Personal Engagement」から「Criterion E: Communication」までの評価基準が並び、Criterion Aは2/2で各項目にチェックが付いている。右側に本文が表示され、基準に対応する箇所が色でハイライトされている
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

実際にレポートを見てみると、マークスキームが付いているレポートもあります。画面の左側に評価基準(Criterion A〜E)が並び、基準ごとに何点付いたかと、本文のどこがその根拠になったのかがハイライトで示されます。

マークスキーム=採点基準。採点基準をクリアしているかどうかが表示される。

マークスキームを確認する

マークスキームが見られるレポートの場合、下画像のようなボタン「View Mark Scheme」が表示されています。この緑色のボタンを押すことで、マークスキームを確認することが出来ます。

緑色の「View Mark Scheme」ボタンの下に、そのレポートの属性が並ぶ画面。上から「IA」「History - SL」「November 2021」「7(Breakdown)」
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

レポートの詳細を確認する

また上画像のようにレポートがいつの試験のものか、科目は何か、レベルは何か、評価はどうだったか、なども確認することが出来ます。

試験日
科目
評価点

Clastifyのマークスキーム画面。「Criterion A: Personal Engagement」の見出しの下に「Marks Received: 2 /2」と表示され、2つの評価項目それぞれに緑のチェックが付いている
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

Clastifyは、この採点を実際のIB試験官(examiner)が行っていると説明しています[1]。基準ごとの内訳を見ることで、点が入った部分と入らなかった部分を見ることが出来ます。

無料プランで見られるのは最初の2つの評価基準までで、残りを表示するには有料プランにアップグレードする必要があります(2023年2月時点の表示)。

検索方法

キーワード検索
カテゴリー絞込み
科目で絞込み
レベルで絞込み
評価点で絞込み
試験日で絞込み

キーワード検索

検索バーが用意されていて、自分が読みたい科目やキーワードを入力することで、世界中から提出されたレベルの高いIAなどを見ることが出来ます。

カテゴリーで絞込み

Clastifyのカテゴリー絞り込み。「IA」「EE」「TOK」「Notes」「Other」の5つのボタンが並び、IAが選択されている
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

カテゴリーは上画像のように「IA」「EE」「TOK」「Notes」「Other」の5つに分かれていました(2023年2月時点)。2026年9月6日に確認した現在のサイトでは、IA・EE・TOKはそれぞれ専用のページに分かれ、ノート類は「Study Notes」という別の機能に移っています[1]。

IA
EE
TOK
Notes
Other

科目で絞込み

科目での絞り込みは、IBの6つの教科グループそれぞれが細かく分かれています。
言語Aも日本語と英語だけでなく、以下のように幅広い言語が掲載されているのが分かります。

Clastifyの科目絞り込みのうち「Literature」の一覧。Arabic A(Lang & Lit / Lit)、Chinese A、Dutch A、English A、French A、German A などが言語ごとに並ぶ
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

「Other」には、ESS(Environmental systems and societies)と、どの教科グループにも振り分けられなかった科目がまとめられています。

ESSについてIBOは、科学と「個人と社会」の両方の方法論・技術・知識を組み合わせた学際的(interdisciplinary)な科目だと説明しています[3]。

2024年8月に始まった新課程はSLとHLの両方で開講され、初回試験は2026年5月です[3]。過去の実例を探すときは、その提出物が新課程のものか旧課程のものかを試験セッションで確かめてください。

Clastifyの科目絞り込みの下部。「Mathematics」にMaths・Math AA・Math AI、「The Arts」にDance・Film・Music・Theatre・Visual Arts、「Other」にESSとOtherが並ぶ
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

レベルで絞込み

科目ごとに標準レベル(SL)と上級レベル(HL)で絞り込むことが出来るので、自分が履修している科目レベルに応じた過去の実例を見ることが出来ます。

Clastifyのレベル絞り込み。「Level」の見出しの下にHLとSLのチェックボックスが並ぶ
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

評価点で絞込み

IA=グレード1〜7
EE・TOK=A〜E

上記のように評価点で絞り込むことが出来るので、どのようなものが良いグレードを獲得できているのかなどを確認することが出来ます。

Clastifyの評価点の絞り込み。上段の「Grade」に7・6・5・4・3・2・1、下段の「Grade」にA・B・C・D・Eのチェックボックスが並ぶ
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

試験日で絞込み

セッションのところでは、いつの試験のものかを絞ることが出来ます。

最新の試験も随時追加されていて、2026年9月6日に確認した時点では2022年5月から2027年5月までのセッションが選べました[1]。実際に絞り込み検索をしてみると、多数のレポートがあがっていることも確認できます。

Clastifyのセッション絞り込み。November 2022からMay 2019までの試験セッションと「Other」がチェックボックスで並ぶ
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。当時は2019年5月から2022年11月までが選択肢だった。

無料プランで見られる範囲(2023年2月時点)

有料プランの中身と料金は、記事の公開後に変わっています。2026年9月6日に公式サイトを確認した時点では、有料プランは月額13.99ドルの「Pro」1本で、実例のダウンロードは月25件までと案内されています[1]。

より詳しく見たい場合は有料プランに申し込むのも良いと思いますが、2023年2月時点では、無料プランでも十分活躍してくれました。

有料プランと無料プラン比較

有料プランと無料プランの違いは以下のとおりです。いずれも2023年2月時点の内容で、現在はプランの名前も内訳も変わっています(上記のとおりダウンロードは月25件)。申し込む前に必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。

ClastifyのPremiumとFreeの比較。Premium側は「IAのマークスキームを全解除」「IAの正確な得点」「実例への無制限アクセス」「月15件のダウンロード」「テキストのコピー」「広告なし」、Free側は「最初の2基準のみ」「総合成績のみ」「アクセス制限あり」「ダウンロード不可」「コピー不可」「広告あり」
出典:Clastify(2023年2月時点のプラン内容)。
スクロールできます
プレミアム無料
IAマークスキームの全解除
IAの正確なスコアを見る
すべての模範解答への無制限アクセス
毎月15件の模範解答をダウンロード
模範解答からテキストをコピーする
広告なし
最初の2つの評価基準のみアンロック
総合成績のみ
模範解答へのアクセスが制限されている
ダウンロード不可
テキストのコピー不可
広告あり
出典:Clastify(2023年2月時点のプラン内容)。

IB生徒の為のサイト

Clastifyのマークスキーム機能のイメージ図。「MARKS RECEIVED 2/2」の採点表、「Why is it correct?」という解説の吹き出し、赤い「INCORRECT」の指摘、緑にハイライトされた本文とグラフが並ぶ
出典:Clastify(2023年2月時点の掲載画像)。

海外のサイトなので表示は英語ですが、絞り込みの項目はどれも単語で選ぶ形なので、英語で科目を履修していれば操作に迷う場面は多くありません。

IAレビューサービス

このサイトのもう1つ便利なサービスに、IAのレビューサービスがあります。

自分のレポートが完成したら送信することで、下画像のようなレビューを受けることが出来ます。Clastifyは、レビューするのは実際のIB試験官で、納期は3日だと案内しています[4]。

Clastifyのレビュー結果の例。「Criterion B: Exploration(3 - /6)」の表で、下位基準ごとに達成・未達成が示され、右列に講評が書かれている
出典:Clastify(2023年2月時点の画面)。

料金は2026年9月6日時点でTOK 44.99ドル・IA 49.99ドル・EE 59.99ドルと安くはありません[4]。学校の先生に確認やレビューをもらうことが難しい場合や、提出前に不安が残っている場合の選択肢として考えるとよさそうです。

実例は他人の完成品です。型は読み取れても、自分のテーマのどこまでを参考にしてよくて、どこからが上で触れた「言い換えての提出」になるのかは、読んだだけでは線が引きにくいところです。学校の先生に見てもらえるならそこが最初の相談先ですが、IAもEEもTOKも並行する時期に、日本語で聞ける相手が校内にいないこともあります。提出物1本ごとに払うレビューとは別に、IBを通った人に課題の進め方から相談するやり方もあります。

「やっているのに、点が上がらない。」
まず1回、IBを通った人に見てもらう。

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✓ 課題に時間を取られて、点に結びついていない
✓ いまの位置から、あと何点上げられるのか
✓ 学校の外に、IBが分かる人がいない

EDUBALの教師はIBやインターを実際に通った現役大学生が中心です。初回の体験授業は無料(1家庭1回)。IB(国際バカロレア)対策コースの授業料は60分7,900円、ほかに入会金22,000円と学習サポート料3,300円/月がかかります。

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課題の進め方をもう少し具体的にしたい方は、こちらもどうぞ。


参考情報・出典

  1. Clastify 公式サイト(2026年9月6日確認)
  2. Clastify「Academic Integrity Policy」(2026年9月6日確認)
  3. International Baccalaureate「Environmental systems and societies」および同「Environmental systems and societies updates」(2026年9月6日確認)
  4. Clastify「Coursework Review」(2026年9月6日確認)

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この記事を書いた人

Masakiのアバター Masaki IBDP修了生の父/教育・進路メディア運営

我が子のIB経験と海外留学準備で奮闘した保護者としての実体験が原点。「同じ保護者の目線」で膨大な情報を整理・分析し、後悔しない進路選択を共に考えるパートナーとして「国際バカロレアIB広場」を運営。大学選びから留学手続き、その先のキャリア形成までを見据えた情報を提供しています。→ 運営者プロフィール・お問い合わせ

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