日本のインターナショナルスクールには、卒業すると日本の高校を出た資格が手に入る学校と、手に入らない学校があります。校名や知名度では区別がつきません。それを卒業間際になって知った家庭の話が残っています。
ただし、資格が出なくても日本の大学を受ける道はあります。お金の前提は2026年4月に変わり、各種学校のインターは就学支援金の対象校から外れました。さらに小学生・中学生のあいだは、公立小学校の籍を残せるかが市区町村ごとに違います。どれも入る前に確かめられることです。
気になっている学校がどちらの側にあるか、その学校を出た子がどの受験資格に乗れるか、学費と支援は結局いくらになるか、日本語をどう守るか、市の窓口で何を聞けばいいか。この記事で1つずつ確かめられます。
- 卒業して日本の高校卒業の資格が出る学校と、出ない学校がある。校名では分からないが、入る前に見分けられる。
- 資格が出ない学校でも、日本の大学は受験できる。ただし条件があり、入る前に確かめられる。
- 2026年4月から、各種学校のインターは就学支援金の対象校ではない。代わりの支援はあるが、額は入学年度と世帯収入で変わる。
- 小中学生のうちは、公立小学校に籍を残せるかが市区町村で分かれる。願書の前に、住む市の教育委員会へ。
日本の高校卒業の資格が出る学校と、出ない学校がある
意外に思われますが、「インターナショナルスクール」という法律上の区分はありません。文部科学省によると、日本のインターは大きく次の3つに分かれ、多くは各種学校か、無認可です[1]。この違いが、日本での卒業資格を左右します。
| 学校の種類 | どんな学校か | 日本の卒業資格 |
|---|---|---|
| 一条校 | 学校教育法第1条の学校(中等教育学校・中学校・高校など)。国際教育やIBを行う一条校もある。 | 出る(小・中・高の卒業資格) |
| 各種学校 | 学校教育法第134条。多くの英米系インターがここ。都道府県の認可を受けている。 | 出ない(別ルートで大学受験) |
| 無認可 | 認可を受けていない教育施設。少なからず存在するとされる。 | 出ない |
日本国籍の子は「就学義務」に注意
ここが最初の落とし穴です。日本国籍の子の親には、子どもを小学校・中学校に通わせる「就学義務」があります。文部科学省は、日本国籍の子を一条校でないインターに通わせても、法律上の就学義務を履行したことにはならないと明記しています[1]。義務教育の段階(小・中)で特に関わる論点です。
さらに、一条校でないインターの小学部を終えた子が、中学から一条校(日本の公立・私立中学)へ入学することは認められません。途中でインターの中学部から日本の中学へ編入する場合も同様です[1]。「いつでも日本の学校に戻れる」とは限らない、ということです。
ここで「法令」と「運用」を分けて考えてください。一条校でないインターに通わせても就学義務を履行したことにはならない、という法令上の扱い自体は全国共通です[1]。変わるのはその先で、その状態を市区町村の教育委員会がどう扱うかは自治体によって違います。
住む市区町村によって、扱いは正反対に分かれる
どのくらい違うかというと、正反対です。厳しい側では、横浜市が「学年末で除籍します」と明記しています[10]。新宿区は、インターに通いながら区立学校へ一時的に就学することはできないとしたうえで、区立学校を希望する場合はインターを退学した証明書類を求めることがあるとしています[11]。
ゆるやかな側では、2021年の報道で、愛知県の豊田市・大府市が個々の状況を確認したうえで就学の義務を果たしていると認めていると伝えられています。条件は市で違い、豊田市は月に一度の学習状況の報告など、大府市は在籍校と保護者の定期的な連絡などとされています[12]。
5年前の報道なので、いまの運用は各市の教育委員会で確かめてください。この報道自体が「『就学の義務』の解釈と対応は自治体によって異なる」と書いています。
分かれ目は、公立小学校に籍を残せるかどうか
争点をひとことで言えば、公立小学校に籍を置いたままインターに通えるか。ここが自治体で割れています。籍が残っていれば、卒業を認めるかどうかを在籍校の校長が児童の平素の成績を評価して判断する余地が残ります[13]。籍が切れれば、その判断の対象からも外れます。この一点が、後述する「中学から日本の学校に戻れるか」をそのまま決めてしまいます。全国共通の答えは無いので、住んでいる市区町村の教育委員会に聞くほかありません。
※ 外国籍の子には学校教育法第17条(就学義務)が適用されないため、民族学校やインターへの就学も可能です[2]。
就学義務を果たしていないと、実際に何が起きるのか
ここで罰金を心配する人がいますが、家庭にとっての本当の問題はお金ではなく、中学から日本の学校に入れなくなることです。
理由は、「小学校の課程を修了していない」状態がずっと続くからです。学校教育法第17条第1項のただし書は、小学校の課程を修了しないままなら就学義務は満15歳に達した日の属する学年の終わりまで続くと定めています[9]。制度上はその間ずっと「学齢児童」=小学生の扱いということです。
文部科学省が「中学校から一条校への入学を希望してきても認められない」としているのは、この帰結です[1]。つまり、中学受験で日本の学校に戻るという道が、制度の側でふさがっているということです。
罰金と督促は、実際にどうなっているか
罰則が無いわけではありません。学校教育法第144条に「十万円以下の罰金」の定めがあります[9]。ただし条文が科刑の条件に置いているのは「義務の履行の督促を受け、なお履行しない」ことで、通わせた瞬間に罰金という建て付けではありません。当方が調べた範囲では、この罰金が実際に適用された事例は公表資料で確認できませんでした。
では督促のほうはどうか。こちらは教育委員会に課された義務で、学校教育法施行令第21条が、就学義務を怠っていると認めるときは出席を「督促しなければならない」と定めています[14]。絵に描いた条文でもなく、2021年には名古屋市の複数の区役所が実際に督促文書を送っていたことが報じられています[12]。ただし同じ記事は、督促に拘束力や強制力はないとも書いています。督促状が届く可能性は、住む場所によってあると考えておくのが実際的です。
教育委員会に聞くべき5つ
ここまでが制度の話で、ここからが実務です。日本国籍のお子さんなら、検討先が全国どこのインターであっても突き当たる論点は同じ。願書を出す前に、お住まいの市区町村教育委員会へ次の5つを確認してください。
- 一条校でないインターに通わせる場合、指定された公立小学校に籍を残したままにできますか。できる場合、出席の扱いと進級・卒業の認定はどうなりますか
- 籍を残せない場合、就学義務の猶予・免除の申請は受け付けてもらえますか。受け付けてもらえる事由は何ですか
- 猶予・免除を受けた場合、中学校に上がる年に何の手続きが必要ですか
- インターをやめて公立中学校に入りたくなった場合、何年生に入れますか。手続きと必要書類は何ですか
- 督促状が届くことはありますか。届いた場合、こちらは何をすればよいですか
このうち本丸は1と4です。「就学義務を果たしたことになりますか」とだけ尋ねると、返ってくるのは条文の確認で終わりがちです。前述のとおり実際の扱いは市区町村で分かれますし、お子さんの進路を動かすのは1と4への回答のほうだからです。
校名が似ていても、資格が出る学校と出ない学校がある
混同しやすいのが、名前が似た「一条校で国際教育をやる学校」と「各種学校のインター」です。たとえば名古屋国際中学校・高等学校は一条校(日本の卒業資格が出る)ですが、名前のよく似た名古屋国際学校(NIS)は各種学校のインターです[6]。大宮国際・東京学芸大学附属国際・リンデンホールのような「中等教育学校」は、定義上すべて一条校にあたります。
つまり「英語やIBの学校=日本の卒業資格が出ない」と決めつけるのは誤り。看板の言葉ではなく、その学校が一条校か各種学校かを必ず確認するのが第一歩です。
このインターを出て日本の大学は受けられる?
結論から言えば、一条校でないインターを卒業しても、日本の大学は受験できます。ただし条件つきです。文部科学省の「大学入学資格について」(2024年6月時点)は、次のどれか1つに該当すれば入学資格が認められるとしています[3]。複数の入口のうち、どれか1つに乗れば日本の大学を受験できる、という関係です。
(日本の卒業資格が出ない=各種学校・無認可の場合)
卒業資格が出ない学校でも、大学受験の道は4つある
一条校でないインターの子が乗れるのは、この4つです。たとえばIBディプロマの取得や、国が認めた国際的な評価団体(WASC・CISなど6団体)の認定校で12年課程を修了するルートがこれにあたります。逆に、どれにも乗らない無認可校の卒業だけは、大学ごとの「個別の入学資格審査」に頼ることになります[3]。だからこそ、志望校がどのルートに当たるのか(IBを取るのか、認定校なのか)を入学前に確かめておくことが大切です。
※ IBについて、日本国内のディプロマ課程(DP)認定校は80校(うち日本語で学べる日本語DPは39校・令和8年6月30日時点)です[8]。一条校でIBを行う学校もあれば、各種学校のインターでIBを行う学校もあります。
「文科大臣の指定校一覧(※3)」に自分の検討校が載っていなくても、あわてる必要はありません。この一覧(令和7年3月26日現在)に載る西欧型インターはごく少数で、中身の大半はブラジル人学校や民族系の学校です[4]。
アメリカン・スクール・イン・ジャパンや横浜インターナショナルスクールのような有名校は、この一覧ではなく、就学支援金の指定一覧に実名で載っています[6]。その指定は「国際的に実績のある学校評価団体の認証を受けていることが確認できるもの」を対象としています[5]。
大学入学資格については、(c)の評価団体認定ルート(WASC・CISなど6団体の認定校で12年課程を修了)に当たるかどうかを、志望校に直接確認してください。「指定一覧に載っていない=大学に行けない」ではありません。
目的から選ぶ=日本に戻るのか、海外へ出るのか
資格と出口の関係がわかると、選び方はぐっとシンプルになります。「卒業後にどこへ向かうか」という目的から逆算すると、見るべき学校が絞れます。大きく3タイプです。
いずれ日本の大学・高校に戻る可能性を残したいなら、一条校で国際教育やIBを行う学校、またはIBディプロマや評価団体認定が取れるインターを選ぶと出口が広がります。日本の卒業資格が自動で出る一条校は、この意味でいちばん安全です。一条校のうち高校から入学してDPを受けられる学校は全国に37校あり、その多くは英語で学ぶのが一部の科目だけの日本語DPです(高校から通える国際バカロレア認定校の一覧)。
海外大学を主に考えるなら、IBや評価団体認定の実績・進学サポートが厚いインターを重視します。この場合、日本の高卒資格が出ないことは大きな障害になりにくく、卒業生の海外進学実績を見る方が実用的です。
プリスクール・幼稚園・小学校の段階で英語環境を、という目的なら、学校の種類より言語ポリシーの厳格さと日本語の守り方が焦点になります。ただし、義務教育段階で一条校でないインターを選ぶと、前述の就学義務・編入の論点が絡む点は押さえておきます。
なお、帰国子女がインターやIBを選ぶ理由として、筆者は「学び方が変わらないこと」を重視する家庭の話を聞いています。海外で身につけた学びの用語ややり方を、帰国後も断ち切らずに続けられる。IBは国際的に同じ枠組みで学ぶため、この「連続性」を求める子には合いやすい選択肢になりえます。
学費・無償化・隠れ費用の全体像
インターの学費は、学校や学齢によって幅がありますが、授業料だけで年200万〜400万円台になることが多く、家計への影響は小さくありません。しかも、家計を圧迫するのは授業料以外の「隠れ費用」です。
- 入学金・施設費・寄付金(入学時にまとまった額が必要なことがある)
- スクールバス・通学費、給食費
- 長期休暇中のアクティビティ・サマースクール費、行事や保護者の付き合い費用
※ 具体的な金額は学校ごとに大きく異なります。授業料以外の費用を含めた総額は、必ず各校の公式サイト・募集要項で最新の数字を確認してください。
ここで「授業料の一部は無償化(就学支援金)で戻るのでは」と考える方も多いはずです。ここが今、いちばん動いているところです。
2026年の私立高校無償化で、インターの扱いはどうなる?
令和8年3月末までの制度(以下「旧制度」)では、各種学校のインターも就学支援金の対象でした。文部科学省が、外国人学校のうち国際的な評価団体の認証を受けたインターなどを対象として指定しており[5]、その指定一覧(令和8年3月1日現在)には有名インターが多数、実名で載っています[6]。
2026年4月に何が変わったか
ところが、この仕組みはすでに切り替わりました。自民党・公明党・日本維新の会の三党合意にもとづく見直しを文部科学省が2026年1月にまとめ[7]、就学支援金の法改正が令和8年3月31日に成立、令和8年4月1日から施行されています[17]。所得制限は撤廃され、支給上限額は公立11万8800円・私立45万7200円になりました[15]。
インターは就学支援金の対象校ではなくなった
ここまでは報道のとおりです。インター家庭にとっての本題はその先にあります。新制度の対象校種に、外国人学校が入っていません。制度上、各種学校のインターはこの「外国人学校」にあたります。
対象は高等学校・中等教育学校の後期課程・特別支援学校の高等部・高等専門学校(1〜3年)・専修学校の高等課程、そして専修学校の一般課程と各種学校のうち国家資格者養成課程(中学校卒業者を入所資格とするもの)を置くもの・海上技術学校で、各種学校のインターはここに含まれていません[15]。
では、いくら受けられるのか
| いつ入学したか | 世帯年収 (目安) | 受けられる支援 | 年額の上限 |
|---|---|---|---|
| 2026年4月以降に入学 (在留資格「留学」を除く) | 910万円未満 | 高校生等・新修学支援金 | 39万6,000円(所得に応じて) |
| 2026年3月31日以前から在籍 (留学生を含む) | 910万円未満 | これまでの就学支援金が続く(経過措置) | 39万6,000円(所得に応じて) |
| 2026年3月31日以前から在籍 (留学生を含む) | 910万円以上 | 高校生等・新修学支援金 | 11万8,800円(所得にかかわらず) |
- 日本国籍の子でも、扱いは同じです。新制度には在留資格の要件(「留学」など日本への定着が見込まれない在留資格は対象外)もありますが[15]、インターの場合はその手前の対象校種で外れるため、国籍や在留資格にかかわらず同じ結論になります。
- 新たな制度は法施行後3年以内に検証し、必要な見直しを行うとされています[15]。いまの扱いが最終形とは限りません。
まとめると、各種学校のインターは就学支援金(新制度)の対象校ではなくなり、代わりに別枠の支援を所得に応じて受ける形に変わったということです。なお、どこの認可も受けていない無認可校は、旧制度の時点でこの支援の対象ではありません。金額も、いつ入学したかで変わります。学校が案内する内容と文部科学省の発表を、申請の前に必ず突き合わせてください。
地域ごとに、どの学校が指定を受けているかは実際に調べないと分かりません。名古屋・愛知のインターナショナルスクールでは、文部科学省の指定一覧と愛知県の公表資料を突き合わせて、4校それぞれの学校の種類と就学支援金の指定の有無を一覧にしています。
※ 前述の「大学入学資格の指定(※3一覧)」と、この「就学支援金の対象指定」は目的の異なる別制度です。片方に載っていても、もう片方の対象とは限りません。
失敗しないインターの選び方チェックリスト+見学で聞く質問
ここまでを踏まえ、パンフレットや偏差値では見えない「本当に確かめるべきこと」をチェックリストにしました。学校見学や説明会で、そのまま質問できる形にしています。
- 学校の種類:一条校か、各種学校か、無認可か。(見学で聞く:「こちらは一条校ですか、各種学校ですか」)
- 大学へのルート:IB・評価団体認定(WASC等)・文科大臣指定のどれで、日本の大学入学資格が得られるか。(聞く:「卒業生は日本の大学をどのルートで受験していますか」)
- 日本人比率と言語ポリシー:日本人の割合と、校内の「英語のみ」ルールがどこまで徹底されているか。(聞く:「休み時間や生徒同士の会話は何語が中心ですか」)
- 日本語サポート:日本語の授業・補習校との両立支援があるか。(聞く:「日本語の読み書きはどう維持しますか」)
- 出口の実績:卒業生の主な進学先(国内・海外の傾向)。(聞く:「直近の卒業生はどこへ進みましたか」)
- 費用の総額:授業料以外の入学金・施設費・行事費まで含めた年間総額と、就学支援金の対象か。
日本人が多いと英語は身につかない?
とくに「日本人が多いインターは英語が身につかないのでは」という不安は、比率そのものより言語ポリシーの徹底度で見るのが実際的です。日本人比率が同じでも、校内で英語のみを貫く学校と、そうでない学校では、英語に触れる量がまったく変わります。
英語を取って日本語を失わないために
あわせて意識したいのが、英語を得るかわりに日本語も英語も中途半端になる「ダブルリミテッド」のリスクです。これは学校差が大きいので、日本語をどう守るか(補習校・家庭での読書・学校の日本語プログラム)を選ぶ段階で決めておくと、あとで慌てずに済みます。
補習校に通わせる、家で読む本を決める、学校の日本語プログラムに任せる。どれを選ぶかは家庭で決められますが、学年が上がるほど、英語の課題と日本語の学習を同じ時間割に収めるのが難しくなります。日本語の側を見る相手を、英語での学校生活を分かっている人に頼むという選び方もあります。
英語も日本語も、中途半端になるのが怖い。
インター・現地校|国内からでもオンラインで受けられる
教師は全員、帰国子女・IB生・インター生の大学生
✓ 漢字が抜けたまま、学年だけ上がっていく
✓ 国語の読解も、算数の文章題も、日本語でつまずく
✓ 家で見てあげられるのは、毎朝のドリルが限界
学校の予習復習はインター・現地校コース(60分7,400円/教師はインターまたは現地校の出身者)、日本語の維持や日本のカリキュラムに合わせた学習はスタンダードコース(同6,900円)。いずれも税込で、初回の体験授業は無料(1家庭1回)。ほかに入会金22,000円と、指導のあった月に学習サポート料3,300円がかかります。
初回無料の体験授業で、うちの子に合うか見るEDUBAL|インター・現地校コース
✓ 初回の体験は無料 ✓ 国内・海外どちらからでも
※料金は2026年9月時点。体験授業の無料は1家庭につき1回まで。
筆者の体験
我が家は公立の日本語DP(IB)に子どもを通わせましたが、学校選びで「先に確かめておく方がいい」と思うことが2つあります。ひとつは在籍人数。実際にコースへ進んだ生徒は思ったより少なく、学びの形そのものが変わりました。もうひとつは先生がどれだけ親身か。力量は外から測れませんが、親身さは説明会や在校生の話でわかります。パンフレットの数字より、この2点を見学で直接たしかめておくのがおすすめです。
卒業後の進路は、どう調べればいいか
インターの卒業生の進路は学校によって大きく違います。文部科学省の学校基本調査にも、各種学校の卒業後の進路を集計した統計はありません。だからこそ、志望校が直近の卒業生をどこへ送り出しているかを、見学や説明会で必ず確かめてください。
国内へ進む場合も、前述のとおりIB・評価団体認定・高卒認定などのルートに乗れば受験は可能です。特に英語で学位が取れる日本の大学や、帰国生入試を実施する学部なら、インターでの学びを活かしやすくなります。数字の傾向は学校ごとに大きく違うので、志望校の直近の進学先は、見学時に必ず確認しておきましょう。
途中でインターに入る・公立へ戻るときの注意
海外経験がないまま中学・高校からインターに入るケースでは、周囲が英語に慣れた子ばかりで、当初は苦労する声も聞かれます。エッセイやレポート中心の授業は、数年たっても負荷が高いことがあります。
この負荷がどれくらいになるかは、学校選びの段階では見積もれません。入る学年も、それまでに英語で書いてきた量も家庭ごとに違うからです。
逆に、インターから日本の公立へ戻る場合は、前述のとおり一条校でないインターの小学部・中学部からは、一条校への入学・編入が認められない点に注意が必要です。高校受験では内申点が評価対象に入るため、戻るタイミングによって不利になることもあります。ただし、籍を残せるかどうかは自治体で扱いが割れます(前述)。戻る可能性が少しでもあるなら、入学前の段階で教育委員会に聞くべき5つの4番(やめて公立中に入る場合は何年生か)を確認しておくのが確実です。
なお、インター(多くは各種学校)ではなく、日本の一条校である私立中学に英語を活かして進む道もあります。首都圏では英語入試を実施する私立・国立中があり、選び方は英語入試のある中学の選び方で整理しています。
よくある質問
まとめ|インター選びは「資格・目的・お金」で決まる
日本のインターナショナルスクール選びは、偏差値や知名度ではなく、次の3つで整理すると迷いません。
- 学校の種類で卒業資格と大学へのルートが決まる。看板ではなく、一条校か各種学校かを確認する。
- 目的(日本に戻る/海外大/英語環境)から逆算して学校を絞る。
- 無償化は2026年4月に切り替わり、各種学校のインターは対象校種から外れた。代わりの支援額は入学年度と世帯収入で変わる。
不安の多くは、脅しではなく「設計」で防げます。学校の種類と出口を先に押さえ、見学で正しい質問をすれば、我が子に合う学校は見えてきます。
参考情報・出典
- 文部科学省「就学事務Q&A(問11 インターナショナルスクールと就学義務)」
- 文部科学省「就学事務Q&A(問13 外国人の子の就学)」
- 文部科学省「大学入学資格について」(2024年6月時点)
- 文部科学省「(※3)外国の高等学校相当として指定した教育施設一覧」(令和7年3月26日現在)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度における外国人学校の指定」
- 文部科学省「就学支援金 文部科学大臣が指定する各種学校及び団体(一覧)」(令和8年3月1日現在)
- 文部科学省「三党合意に基づく令和8年度以降の高校教育等の振興方策について」(令和8年1月26日・初等中等教育分科会 資料1)
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「認定校・候補校」(令和8年6月30日時点)
- e-Gov法令検索「学校教育法」(第17条第1項ただし書・第144条第1項/施行2026年6月17日版)
- 横浜市「インターナショナルスクール等への就学について」
- 新宿区「インターナショナルスクール等への就学をお考えの方へ」
- 中日新聞「民間スクール通学で就学義務の不履行 名古屋市教委が保護者に督促状」(2021年7月1日)
- e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」(第57条・第58条/施行2026年4月1日版)
- e-Gov法令検索「学校教育法施行令」(第21条/施行2026年4月1日版)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(令和8年6月16日掲載)
- 文部科学省「就学支援金 新制度の対象外となる生徒等への支援」(令和8年6月16日掲載)
- 文部科学省「高校生等への修学支援」(法改正の成立・施行日/2026年8月31日閲覧)
