名古屋のインターナショナルスクール4校【2026】学費と卒業後の進路

名古屋でインターナショナルスクールを調べはじめると、サイトによって出てくる学校の数がぜんぜん違って、数校のところもあれば30校以上のところもあります。

名古屋には英語で過ごすプリスクールがたくさんありますが、その多くは幼稚園で終わり、小学校・中学・高校まであるインターとなるとごく一部です。

学費も、年額だけ見ていると実際より安く見えます。年200万円ほどの学校でも、入学金や施設費が乗るので、初年度は280万円を超えます(スクールバスを使えば310万円台です)。

そして、インターに入れたあとの話があります。何年生まで通わせるのか、幼稚園のあいだだけのつもりが小学校はどうするのか、合わなかったときに日本の小学校へ移せるのか。日本の小中学校に通わせないことになりますが、それは法律的に大丈夫なのか。

この記事では、名古屋のインターについて、何歳から入れて何年生で終わるのか、初年度と2年目以降にいくら要るのか、公的な補助金が出るのはどの学校のどの学年か、そして卒業後に日本の大学を受けられるのかを整理しました。読み終わるころには、お子さんの年齢に当てはめて、いつ次の学校を探すことになるのかが見えるはずです。

この記事の結論
  • 名古屋で小学校から通えるインターは4校(名古屋国際学園・江西・愛知インター・UPBEAT)。うち2校は高校まであり、2校は小学6年で終わります
  • 小学部1年で入る場合、費目をそろえた3校では初年度212万〜400万円、2年目以降165万〜295万円です(UPBEATは学費を公表していません。スクールバス代も別)
  • 4校とも日本の学校ではないので、日本国籍の子は「日本の小中学校に通わせていない」扱いになります
  • 小学6年で終わる2校は、中学から別の学校を探すことになります。日本の中学へ戻れるかどうかは、公立小に籍を残せるかが分かれ目です。その運用は自治体によって違います
  • 公的な学費の補助金は、4校のうち2校の高校の年にしか出ません
目次

名古屋・愛知のインター一覧=どこに、何歳から、授業料はいくら

先に、この記事が何を「インターナショナルスクール」として数えているかを書いておきます。数え方がそろっていないと、学費も進路も比べられないからです。

この記事が数えている「インター」
  • 数える=全日制で、英語を主な教育言語とし、小学部(1年生)以上を持つ学校
  • 別枠にする=未就学だけで完結するインターナショナル・プリスクール(名古屋には多数あります)
  • 別枠にする=日本の学校(一条校)で英語やIBに力を入れている学校。この記事の後半で紹介します
  • 数えない=ブラジル人学校・韓国学校・朝鮮学校など、英語以外の言語で学ぶ外国人学校/週末校・オンライン校

この基準で数えると、愛知県内は4校です。「おすすめ8校」「30校」といった記事は、プリスクールや週末校、隣県の学校まで含めています。どちらが正しいという話ではなく、比べる対象がそろっていないと学費も進路も比較にならないので、ここでは4校に絞ります。

スクロールできます
学校所在地通える
年齢
法律上の区分IB認定年間授業料
名古屋国際学園
(NIS)
名古屋市
守山区
幼児〜
12年生
各種学校
(外国人学校)
PYP・MYP・DP219万〜318万円
江西
(Enishi)
名古屋市
西区
幼児〜
12年生
各種学校
(外国人学校)
PYP・MYP・DP157.5万〜240万円
(幼児部は週5日)
愛知インター
(AIS)
名古屋市
名東区
3歳〜
小6
無認可
(株式会社立)
なし
(WASC認定)
108.9万〜133.1万円
UPBEAT名古屋市
天白区ほか
生後57日〜
小6
無認可PYP要問合せ
法律上の区分=愛知県「私立学校名簿(各種学校)」令和7年4月1日現在[8]。IB認定=文部科学省IB教育推進コンソーシアム(令和8年6月30日時点)[10]。通える年齢と授業料は各校公式サイト(名古屋国際学園は通える年齢が[11]、授業料が[22]/江西[13]/愛知インター[14]/UPBEAT[17])。授業料は年額・2026年度。

表のPYP・MYP・DPは、IBの3つの課程です。対象年齢はPYPが3〜12歳、MYPが11〜16歳、DPが16〜19歳で、卒業時に大学入学資格になるのはDPです[32]

IB認定と「法律上の学校か」は別の話

この表で進路を左右するのが「法律上の区分」の列です。IBやWASCといった国際的な認定は教育の中身の認証であって、日本の法律で学校として扱われるかどうかとは別の話です。

「各種学校」は、日本の小学校・中学校・高校(法律ではこれを「一条校」といいます)ではないけれど、学校に類する教育を行うものとして法律に位置づけられた施設で、設置に認可が要ります[23]。無認可はその認可を受けていない施設です。ただしどちらも一条校ではない点は同じで、このあと見る就学義務の扱いは変わりません。

この4校のうち、愛知県が公表している各種学校の名簿に載っているのは、江西と名古屋国際学校(=名古屋国際学園)の2校でした[8]。愛知インター(AIS)とUPBEATは名簿にありません。AISは自校のサイトでも「愛知インターナショナルスクールは学校法人ではなく、株式会社による教育施設です」と明記しています[15]

※無認可であることは、教育の質が低いという意味ではありません。AISは米国のWASCの認定を受けています[15]。ここで確認しているのは、あくまで日本の法律上の扱いです。

初年度は、授業料のほかに入学金と施設費が要る

以下の金額は、小学1年生で入る場合です(学年が変わると授業料も入学金も変わります)。

江西=年額205万円に、入学時だけの63万円が乗る

学校が「年間授業料」として出している額と、最初の1年で実際に振り込む額は違います。入学金・施設費・維持費・バス代が乗るからです。江西インターナショナルスクールは費用の内訳を公開しているので、小学1年生で入学した場合を組み立ててみます。

スクロールできます
費目金額いつ
授業料(小学部1〜5年)2,050,000円毎年
入学申請料30,000円入学時のみ
入学金250,000円入学時のみ
施設設備費350,000円入学時のみ
年間維持費175,000円毎年
スクールバス(往復・ゾーン1)250,000円毎年・任意
初年度の合計
(編集部の合算・バス込み)
3,105,000円
初年度の合計
(編集部の合算・バス除く)
2,855,000円
出典:江西インターナショナルスクール「授業料と入学費用」2026-2027年度[13]。バスはゾーン1(名古屋駅・伏見・丸の内など)の往復利用。制服・給食・教材費は別。

年間授業料の205万円に対して、初年度は約285万円(スクールバスを使うと約310万円)。年額との差は80万円を超えます。2年目以降は入学時だけの63万円が落ちて約222万円(バスを使うと約247万円)です。

さらに、江西では英語のサポートが必要な場合にEALサポート料金として年間30万円、高等部でIBディプロマを選ぶ11・12年生は各学年で15万円が加算されます[13]。兄弟姉妹は第2子・第3子の授業料が5%引きです。

名古屋国際学園=初年度ちょうど400万円

名古屋国際学園(NIS)はさらに高くなります。年間授業料は幼児部219万円・小学部270万円・中学部312万円・高校部318万円ですが、合格時に一度だけ登録料100万円がかかり、申請料5万円と毎年の施設整備費25万円が乗ります。

小学1年生で入る場合の初年度は、ここまででちょうど400万円。年額との差は130万円です。スクールバスを使う場合は、これに年19万5,000円〜50万円が別に乗ります[22]

愛知インター=入学金は入る学年で変わる

愛知インターナショナルスクール(AIS)も同じ構造です。幼児部(3〜5歳児)の年間授業料は108万9,000円、初等部(1〜6年)は133万1,000円。これに施設利用料と諸経費が加わり、幼児部で年間29万4,800円、初等部で32万4,280円。

入学時の一時金は、幼児部が入学申込金2万2,000円+入学金、初等部が3万3,000円+入学金です[14]

この入学金は、幼児部・初等部それぞれの中では、入学する学年が上がるほど下がります。ただし幼児部から初等部に上がるところで一度上がります(5歳児11万円→初等部1年44万円)。同じ学校でも、いつ入るかで初期費用が20万円以上変わります

入学する学年入学金
3歳児33万円
4歳児22万円
5歳児11万円
初等部 第1〜3学年44万円
初等部 第4学年22万円
初等部 第5学年11万円
初等部 第6学年5万5,000円
愛知インターナショナルスクール「授業料・諸費」2026年度[14]。入学申込金は別途(幼児部2万2,000円・初等部3万3,000円で、区分内は学年を問わず同額)。

初等部1年で入る場合、授業料133万1,000円に施設利用料・諸経費32万4,280円、入学申込金3万3,000円、入学金44万円を足して、初年度は212万8,280円。2年目以降は入学時だけの47万3,000円が落ちて165万5,280円になります[14]

※正確な額は学校にご確認ください。

同じ条件で並べると

3校は費目の立て方が違うので、公表額をそのままでは比べられません。スクールバスを外し、「毎年かかる分」と「入学時だけの分」でそろえると、小学部1年で入る場合はこうなります。

スクロールできます
学校初年度
(バス除く)
2年目以降
(バス除く)
スクールバス
(別)
名古屋国際学園400万円295万円年19万5,000円〜50万円
江西285万5,000円222万5,000円年25万円(ゾーン1)
愛知インター212万8,280円165万5,280円公表を確認できず
UPBEAT非公表非公表非公表
各校の公表額から編集部が算出(費目=授業料+毎年の諸費+入学時のみの一時金。バス代・制服・給食・教材費・EALサポート等は含みません)。名古屋国際学園[22]/江西[13]/愛知インター[14]。UPBEATは授業料を公表しておらず、問い合わせが必要です[17]

江西の初年度が上の表で285万5,000円になっているのは、バス代25万円を外したからです。江西は公式ページの費目にスクールバスが並んでいるので、そのまま足すとバス代が入ります。名古屋国際学園は別立てで案内しているため、そろえずに並べると江西だけ高く見えます。比べるときは、自分が使う費目をそろえてから比べてください

筆者の体験
上の子が中学に上がるとき、英語を重視する学校やインターも、我が家の選択肢のうちにありました。言い出したのは私で、本人が望んだわけではありません。最後は家からの距離と、かかるお金で断念しました。たとえ通える距離にあったとしても、費用の面で我が家には選べなかったはずです。下の子のときには、海外へ移り住んで通わせる形も何度か探しました。

どこまで通えるかで、学校は2つに分かれる

名古屋のインター選びで最初に子どもの進路を左右するのは、学費よりも「その学校が何歳まで持っているか」です。愛知の4校はここで、はっきり2つに割れます。

日本の
学年
インターでの
呼び方
通える学校
幼児
(3〜5歳)
幼児部4校すべて
小1〜小61〜6年生4校すべて
中1〜中37〜9年生名古屋国際学園
江西
高1〜高310〜12年生名古屋国際学園
江西
通える年齢は各校公式サイト(名古屋国際学園[11]/江西[13]/愛知インター[14]/UPBEAT[17])。学年の対応はこの記事での読み替え。
  • 高校まである(12年生まで)=名古屋国際学園(NIS)/江西。IBのディプロマまで進める
  • 小学6年で終わる=愛知インター(AIS)/UPBEAT。中学からは必ずどこかへ移る

後者を選ぶということは、「小学校を出たあとどうするか」を入学時点で決めておくということです。ここを詰めずに入れると、6年生の秋に選択肢が急に狭くなります。理由は、この後で見る法律の話に直結します。

「幼稚園のあいだだけ英語漬けにして、小学校は公立に」という選び方も検討されていて、Yahoo!知恵袋には同じ相談が繰り返し立っています。

名古屋市内のインターを尋ねた相談は「インターに行かせて小学校公立、私立ですと浮いてしまわないでしょうか」と結ばれていて、約4万9,000回読まれています。

回答は2件。1件は、小学校のうちは浮かないが中学から日本の学校へ移ると本人が苦労する、という見方。もう1件は、幼稚園だけでは意味が薄いという見方でした(理由=インターに通わせる家庭はそもそも別の教育や留学を見ている、費用が日本の幼稚園とは比べものにならない)(2011年の投稿)[20]

この選び方自体は法律上まったく問題ありません(就学義務がかかるのは小学校からです)。判断材料になるのは、英語が定着するかどうかと、日本語をどう積むかです。

日本の小中学校に行かせなくていいの?=就学義務はどうなる

日本国籍の子どもの保護者には、小学校と中学校に通わせる「就学義務」があります。文部科学省はこう説明しています。

保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません。[6]

「一条校」は学校教育法第1条に定められた学校=日本の小学校・中学校・高校のことでした。愛知のインター4校はいずれも一条校ではありません(2校が各種学校、2校が無認可)[8]

そしてもう一段、進学先の選択肢を直接せばめる記述が続きます。

例えば一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります。インターナショナルスクールの中学部の途中で我が国の中学校へ編入学を希望する場合も同様です。[6]

つまり「インターの小学部を出て、中学から地元の公立中学へ」という戻り方は、制度上は想定されていません

では、なぜAISの卒業生は公立中学へ進めているのか

ところが、AISは初等部修了後の進学先として、東海中学校・南山中学校女子部・名古屋中学校などの私立中学や、東京のインターナショナルスクール・海外への留学とあわせて、地域の公立中学校を挙げています[19]。制度の建前と食い違って見えますが、答えはAIS自身が書いています。

多くの小学生のご家庭は、AIS卒業後に地元の公立学校に通い続けています。AISに入学する前に、これらのご家庭はお子様がAISに通っている間も、地域の学校システムに残るよう調整を行っています[25]

公立小学校に籍が残っていれば、卒業を認めるかどうかは在籍する小学校の校長が平素の成績を評価して判断します[26]。AISの説明は、この形を指していると読めます(同校は「籍を残す」「二重在籍」といった言葉は使っていません)。文部科学省の見解が想定しているのは籍が無いケースなので、この形であれば両者は矛盾しません。

籍を残せるかどうかは、自治体で分かれます

ただし、この形が使えるかどうかは自治体によって違います。横浜市は「指定された学校での欠席状態が学年末まで継続した場合、原則として進級は認めず、学年末で除籍します」と公表しています[27]

新宿区も「区立学校への就学は、区立学校に継続して通い続けることを原則としています」として、インターナショナルスクールを退学したことが確認できる書類を求めることがあるとしています[28]

名古屋市と、県内のほかの市はどう扱っているか

名古屋市は、この点について説明を公表していません(市公式サイトを探した範囲では見当たりませんでした)。公表がない以上、名古屋市にお住まいなら、あとの「教育委員会に聞くべき5つ」を持って直接確認するしかありません。

一方、愛知県内では豊田市と大府市が、入学時から民間の教育機関に通っていても、個々の状況を確認したうえで就学義務を果たしていると認めていると報じられています(中日新聞2021年7月1日)[29]

同じ報道によれば、豊田市は月に一度の学習状況の報告などの条件を満たせば通知表上も出席扱いになり、教科書も受け取れて卒業も認められる。大府市も在籍校と保護者の定期的な連絡などの条件を満たせば出席扱いになるとされています[29]

同じ報道では、名古屋市教育委員会は、教育機会確保法が適用されるのは「学校に通う意思があるが何らかの理由で通えなくなった不登校の児童生徒」だと限定的に解釈しており、入学時から在籍校に通わずに選ぶオルタナティブスクール等は認めていない、とされています[29]

5年前の報道です。豊田市・大府市の現在の運用は当方では確認していません。

公立小の
小学部を出たあと
どうなるか
あり在籍する小学校の校長が、卒業を認めるかを判断する。認められれば、地元の中学へ進める
なし「小学校の課程を修了していない」扱いになる。中学から一条校(日本の小中高)への入学は認められず、中学生の年齢になっても小学校に通わせる義務が続く
籍を残せるかどうかは自治体で分かれます(横浜市=学年末で除籍/新宿区=インターを退学したことが確認できる書類を求めることがある/豊田市・大府市=条件を満たせば出席扱い/名古屋市=公表なし)。出典は本文の各注を参照。

就学義務を果たしていないと、実際に何が起きるのか

いちばん現実的な影響は、罰則ではありません。「小学校の課程を修了していない」状態が続くことです。

学校教育法第17条第1項ただし書により、小学校の課程を修了しないままだと満15歳に達した年度の終わりまで、小学校に就学させる義務が続きます[23]。中学生の年齢になっても、制度の上では中学ではなく小学校に通わせる義務が残る、ということです。

そのうえで文部科学省は、中学校は小学校教育の基礎の上に行われるものだとして(学校教育法第45条)、中学から一条校への入学は認められないとしています[6]中学で公立・私立の中学校に移るという選択肢が、制度上ふさがるということです

罰金と督促は、実際にどうなっているか

罰則の条文もありますが、いきなり科されるものではなく、督促が前提です。学校教育法第144条は「第十七条第一項又は第二項の義務の履行の督促を受け、なお履行しない者は、十万円以下の罰金に処する」と定めています[23]。なお文部科学省のサイトと法令データベース(e-Gov)では、適用された事例を確認できませんでした。

一方、督促のほうは教育委員会の義務です。学校教育法施行令第21条は、保護者が就学義務を怠っていると認められるときは「出席を督促しなければならない」と定めています[24]

2021年には、名古屋市の複数の区役所が、オルタナティブスクールやインターナショナルスクールに子どもを通わせる保護者へ、学区の公立小学校に通わせるよう督促する文書を送っていたと報じられました(同記事は「督促に拘束力や強制力はない」とも書いています)[29]。5年前の報道で、名古屋市の現在の運用は公表されていません。

教育委員会に聞くべき5つ

4校とも一条校ではないので、日本国籍のお子さんならどの学校を選んでも同じ論点にあたります。入学を決める前に、居住地の市町村教育委員会へ次を確認してください。

  1. 一条校でないインターに通わせる場合、指定された市立小学校に籍を残したままにできますか。できる場合、出席の扱いと進級・卒業の認定はどうなりますか
  2. 籍を残せない場合、就学義務の猶予・免除の申請は受け付けてもらえますか。受け付けてもらえる事由は何ですか
  3. 猶予・免除を受けた場合、中学校に上がる年に何の手続きが必要ですか
  4. インターをやめて市立中学校に入りたくなった場合、何年生に入れますか。手続きと必要書類は何ですか
  5. 督促状が届くことはありますか。届いた場合、こちらは何をすればよいですか

1と4が本丸です。「就学義務を果たしたことになりますか」を聞いても、答えは全国どこでも同じ(=なりません)。家庭の進路が実際に変わるのは、1と4の答えのほうです。

「うちは外国籍だから関係ない」と思われるかもしれませんが、名古屋国際学園が公表している在籍者の内訳では、日本のパスポートのみを持つ子が22%、日本と他国の二重国籍が30%[11]合わせて半数以上が日本のパスポートを持っています。他人事の条文ではありません。

AISは初等部修了後の進学先として、東海中学校・南山中学校女子部・名古屋中学校などの私立中学のほか、地域の公立中学、東京のインターナショナルスクールや海外への留学を挙げています。日本語や日本の教科をどこまで学校が見るかは学校によって違い、その中身は後ろの節で見ていきます。

高校無償化はインターに使える?=2026年度から変わりました

ここは情報が古いまま出回っている領域です。2026年度から制度が変わり、インターナショナルスクールは高校無償化の「新制度」の対象外になりました

新制度では私立高校の支給上限が45万7,200円になり、所得制限も廃止されました[2]。ただし対象となる学校の種類に外国人学校は入っておらず、文部科学省は対象外になる例として「外国人学校に在籍する者(日本国籍含む)」を明記しています[3]。各種学校のうち外国人学校を指定する制度そのものが廃止されました[5]

代わりの補助が新設されました(年収で3段階)

ただし、支援がなくなったわけではありません。代わりに「高校生等・新修学支援」という別枠の補助が新設され(令和8年度予算13億円)、都道府県が授業料を支援する場合に国が4分の3を補助します[5]。2026年4月以降に入学する生徒の場合、金額はこうなります。

世帯年収の目安年額の上限
約590万円未満39万6,000円
約590万〜910万円11万8,800円
約910万円以上支給なし
2026年4月以降の新入生の場合(留学生を除く)。支給額と対象校種は文部科学省[5]、年収区分は同[4]。2026年3月31日以前から在籍している在校生は経過措置で、年収約910万円未満は旧制度の就学支援金(上限39万6,000円)、約910万円以上は新修学支援金(所得にかかわらず上限11万8,800円)が続きます[3]

対象は2校の、高校の年だけ

そして、この支援を受けられるのは国の指定を受けていた外国人学校に限られます。愛知県で指定を受けていたインターは2校です。

スクロールできます
学校名(告示の表記)対象になる課程(告示の原文)
江西インターナショナルスクール第十学年から第十二学年までの課程に限る。
名古屋国際学校ハイスクール科の第二学年から第四学年までの課程に限る。
出典:文部科学省「文部科学大臣が指定する各種学校及び団体」令和8年3月1日現在[1]。愛知県の対象校一覧にも同じ2校が載っています[7]

ポイントは「課程に限る」という但し書きです。江西は10〜12年生、名古屋国際学園はハイスクール科の第2〜4学年。どちらも日本の高1〜高3にあたります。両校とも、学校の区分と告示の範囲がずれています

江西の区分では10年生はMiddle School(6〜10年生)の最終学年で、名古屋国際学園のハイスクール科はGrade 9(日本の中3にあたる学年)から始まりますが、そのGrade 9は対象に入りません。小学部と中学部も対象外です。ここを見ずに「うちのインターは無償化対象」と丸ごと考えると、資金計画がずれます

※一覧にAISとUPBEATが載っていないのは、学校として劣っているからではありません。両校とも小学6年までで高校の課程を持たないため、そもそも高校の制度の対象になりようがない、というだけです。

※愛知県は私立高校(全日制)について、2026年度から授業料45万7,200円・入学納付金20万円を所得制限なしで補助しています[9]。ただしこれは一条校の私立高校の枠で、外国人学校に県からいくら出るのかは公表資料に金額の記載が見つかりませんでした。学校または愛知県学事振興課へご確認ください。

卒業後、日本の大学は受けられる?

学校側の説明は、たとえば愛知インターが「日本の中高大学へ進学する障害がありません」と書いているように、進学できる方向で語られます[18]。間違ってはいませんが、自校の不利になることを書ける立場ではないので、確かめる側で押さえておくべき点があります。

愛知の4校は、どのルートに乗るか

日本の大学の受験資格を得るルートは複数あり、どれに乗るかは学校ごとに違います。愛知の4校の場合はこうなります。

  • 名古屋国際学園・江西=IBディプロマを取得すれば、それが大学入学資格になります。両校ともDPの認定校です[10]
  • 愛知インター・UPBEAT=小学部までなので、この段階では関係しません。中学以降にどこへ進むかで決まります

そもそも、インターに関係するルートは4つある

そもそも、一条校でないインターを出ても日本の大学は受験できます。「行けない」の一択ではありません。文部科学省は大学入学資格が認められる場合を列挙しており、インターに関係するのは主に次の4つです[30]

  • IBディプロマなど外国の大学入学資格を取得する
  • 国際的な評価団体の認定を受けた教育施設で12年の課程を修了する(対象の団体=WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBIS)
  • 文部科学大臣が指定した在日外国人学校を修了する
  • 高等学校卒業程度認定試験(旧・大検)に合格する

ここが名古屋国際学園を見るうえで大きい点です。同校はWASCとCISの両方の認定を受けていると公表しています[31]。どちらも上の2つ目に挙がっている団体です。

つまりIBディプロマを取得できなかった場合でも、12年の課程を修了していれば大学入学資格の道が残ります。同校では卒業32人のうちディプロマ取得は22人ですが[12]、取れなかった場合に受験資格そのものを失うわけではない、ということです。

江西については、評価団体の認定を公表しているかを公式サイトで確認できませんでした。IBのDP認定校である点は確認できていますが[10]ディプロマを取れなかった場合にどのルートに乗るのかは、見学の際に直接聞くべき項目です

認可区分と卒業資格の関係、および上記以外のルートを含めた全体像は、インターナショナルスクールの選び方で整理しています。

進学実績は、学校によって公表の度合いが違う

進学実績については、公表の度合いに差があります。名古屋国際学園はClass of 2026について、卒業32人・IBディプロマ受験25人・取得22人・校内平均33点(世界平均30.88点)と数字を出しています[12]。2025年のデータでは、学年のうちIBDPを受験した割合が71%、合格率88%、平均31点でした[11]

※学校が公表している大学名の一覧は「合格(acceptances)」であり、実際に進学した人数ではありません。1人が複数校に合格した分も含まれます[11]

一方、江西については公式サイトとパンフレットを通して確認しましたが、進学実績とIBディプロマのスコアは公表されていません。見学の際に直接聞くべき項目です。

日本語はどうする?

インターを検討する家庭がよく口にする不安のひとつが、日本語です。Yahoo!知恵袋には、日本語をまだしっかり話せない2歳の子をインターナショナルプリスクールに入れたらセミリンガル(ダブルリミテッド)にならないか、と尋ねる相談があり、約6,900回閲覧されています(2020年の投稿)[21]

言語の発達がどうなるかは、家庭の言語環境や入学の時期によって変わるため、ここで一般論として断定はしません。ただ、学校選びの段階で確かめられることははっきりしています。その学校が日本語をどれだけ、どういう位置づけで教えているかです

愛知インターだけ設計が違う=初等部は日本語30%で学習指導要領に準拠

愛知インター(AIS)はこの点で他の3校と設計が違います。初等部で英語70%・日本語30%のバイリンガル教育を行い、日本語の授業は文部科学省の学習指導要領に準拠していると明記しています[16]

学校自身が「英語オンリーのインターナショナルスクールとは異なり、子どもたちの日本語習得に関する保護者の不安や労力を著しく軽減させる」と説明しています。

つまり名古屋では、日本語の不安が小さい学校ほど、法律上の位置づけは弱いという関係になっています(AISは無認可)。どちらを重く見るかが、この地域でのインター選びの分かれ道です。

英語中心の学校を選ぶなら、日本語は家庭で設計することになる

英語中心の学校を選んだ場合、日本語と日本の教科をどこで積むかは家庭の側で設計することになります。学校の外で補う場合、インターやIBのカリキュラムを理解している指導者でないと、日々の授業と噛み合いません。そこを確認してから頼むのが現実的です。

見学で「日本語の授業は週何コマで、どういう教材ですか」まで聞けば、学校がどこまで見るかは分かります。残るのは、学校が見ない分を家庭でどこまで回すか、どこから外に頼むかです。愛知インターのように学校の設計で吸収できる家庭もあれば、英語中心の3校を選んで家庭で積む家庭もあります。経歴や指導経験は、頼む前に聞けば分かります。分かりにくいのは、その相手が実際に日々の課題と噛み合うかどうかで、これは始めてみないと見えにくい部分です。

英語も日本語も、中途半端になるのが怖い。

インター・現地校|国内からでもオンラインで受けられる
教師は全員、帰国子女・IB生・インター生の大学生

✓ 漢字が抜けたまま、学年だけ上がっていく
✓ 国語の読解も、算数の文章題も、日本語でつまずく
✓ 家で見てあげられるのは、毎朝のドリルが限界

学校の予習復習はインター・現地校コース(60分7,400円/教師はインターまたは現地校の出身者)、日本語の維持や日本のカリキュラムに合わせた学習はスタンダードコース(同6,900円)。いずれも税込で、初回の体験授業は無料(1家庭1回)。ほかに入会金22,000円と、指導のあった月に学習サポート料3,300円がかかります。

初回無料の体験授業で、うちの子に合うか見るEDUBAL|インター・現地校コース

✓ 初回の体験は無料 ✓ 国内・海外どちらからでも

※料金は2026年9月時点。体験授業の無料は1家庭につき1回まで。

筆者の体験
下の子のときに、宿題が出て、分からないところをメッセージで質問できる塾を使っていました。仕組みは良かったのに、成績は動きませんでした。文章で説明されても結局分からず、次の指導は1週間後。止まったまま1週間が過ぎます。上の子が受験期に通った先生1人に生徒2人の個別では、その場で聞けたので前に進みました。形式の違いではなく、分からなくなった瞬間にやり取りできるかどうかが分かれ目だったと思います。

見学で必ず聞いておきたいこと

パンフレットや説明会の資料には書かれていない項目を、質問の形にしておきます。その場で聞かないと答えが出ないものばかりです。

  • 先生の在籍年数はどれくらいですか=継続年数を聞くと、学校の安定度が見えます
  • 卒業生はどこへ進みましたか=公表していない学校もあります。数字が出てこない場合、その理由も含めて聞いておきます
  • 初年度に必要な総額はいくらですか=授業料以外に、入学金・施設費・維持費・バス・制服・給食・教材費。1年目と2年目で違う点も
  • 日本語の授業は週何コマで、どういう教材ですか=「日本語の時間がある」だけでは分かりません
  • この学校を出たあと、日本の学校に移った子はいますか=実例があるかどうかで、学校の準備の厚みが分かります
  • 途中でやめた場合、授業料は返ってきますか=返金の条件は学校ごとに違います。契約前に必ず書面で

筆者の体験
我が家が学校を選んだとき、最後に決め手になったのは資料ではなく、足を運んで自分の目で見たことでした。パンフレットも説明会の資料も、どこも良く書いてあります。WEBの口コミは参考にはしましたが、書いた人の立場が分からないので一歩置いて読んでいました。疑問はその場で聞くしかなくて、質問を用意して行った日のほうが、帰り道に子どもと話すことがはっきりしていました。

インター以外の選択肢=日本の学校で英語・IBを取る

ここまで読んで「就学義務や大学受験資格が引っかかる。でも英語の環境は欲しい」と感じた方には、もうひとつの道があります。一条校でありながらIBや英語教育に力を入れている学校です。日本の卒業資格が普通に出るので、ここまでの心配のほとんどが消えます

費用の面でも差が出ます。一条校の私立高校であれば、2026年度は国の新制度で45万7,200円まで所得制限なしで支給され[2]、愛知県は入学納付金も20万円まで補助します[9]。先ほど見たインター側の支援(新入生は最大39万6,000円で、年収910万円以上には支給がない)とは、条件がかなり違います。

よくある質問

名古屋のインターナショナルスクールは結局何校ですか?

全日制で英語を主な教育言語とし、小学部以上を持つ学校という基準なら愛知県内で4校です。未就学だけのインターナショナル・プリスクールまで含めると、数はぐんと増えます。記事によって「8校」「30校」と数が違うのは、この基準の違いによるものです。

インターに通わせると就学義務違反になりますか?

日本国籍の子どもを一条校でないインターに通わせた場合、文部科学省の見解では就学義務を履行したことにはなりません。公立小中学校への戻り方にも制約が出ます。入学前に居住地の市町村教育委員会に確認しておくことをおすすめします。

インターの小学部を出て、公立中学に入れますか?

文部科学省は「一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められない」としています。小学6年までしかない学校を選ぶ場合は、その先をどうするかを入学時点で決めておく必要があります。

高校無償化の45万円はインターでも使えますか?

使えません。2026年度からの新制度は外国人学校を対象外としています。代わりに別枠の支援があり、国の指定を受けた学校(愛知では江西の10〜12年生と名古屋国際学園のハイスクール科第2〜4学年=どちらも日本の高1〜高3にあたる学年)に通う場合、2026年4月以降に入学する生徒は、世帯年収約590万円未満で年39万6,000円まで、約910万円以上は支給がありません。

2026年3月31日以前から在籍している在校生には経過措置があり、約910万円以上でも年11万8,800円が支給されます。

幼稚園だけインターに通わせるのはどうですか?

就学義務がかかるのは小学校からなので、未就学のあいだだけ通わせることに法律上の問題はありません。判断材料になるのは、その後の環境で英語が定着するかどうかと、日本語の積み上げをどうするかです。

まとめ|名古屋のインター選びは「どこで降りるか」から逆算する

名古屋・愛知のインターは、基準をそろえれば4校です。学費も所在地も公開されていますが、進路を左右するのはそこではありませんでした。

  • 高校まである学校(NIS・江西)か、小学6年で終わる学校(AIS・UPBEAT)か。後者は出口を先に決めておく
  • 4校とも一条校ではないので、日本国籍の子は就学義務の扱いを教育委員会に確認しておく
  • 学費は初年度の総額で比べる。年額との差は100万円規模になる
  • 公的支援は2026年度から仕組みが変わった。対象は高校の学年だけで、新入生は年収910万円以上だと支給がない(在校生には経過措置がある)
  • 英語の環境と日本の卒業資格を両立させたいなら、一条校のIB校という選択肢がある

参考情報・出典

  1. 文部科学省「高等学校等就学支援金 文部科学大臣が指定する各種学校及び団体」令和8年3月1日現在
  2. 文部科学省「高校生等への修学支援(新制度の概要)」令和8年6月16日掲載
  3. 文部科学省「就学支援金 新制度対象外となる生徒等への支援」令和8年6月16日掲載
  4. 文部科学省「令和8年度における申請・認定手続きイメージ(外国人学校の生徒の例)」令和8年6月16日掲載
  5. 文部科学省「高校生等・新修学支援(令和8年度予算額13億円・新規)」令和8年4月8日掲載
  6. 文部科学省「就学事務Q&A 問11 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」
  7. 愛知県「対象校一覧(外国人学校)」2026年6月10日更新
  8. 愛知県「愛知県内の私立学校名簿(各種学校)」令和7年4月1日現在
  9. 愛知県「私立高等学校等の授業料・入学金補助の内容について(令和8年度予算)」
  10. 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「認定校・候補校」令和8年6月30日時点
  11. Nagoya International School「2025-2026 School Profile」(PDF)
  12. Nagoya International School「School Profile(Class of 2026)」
  13. 江西インターナショナルスクール「Tuition & Fees(授業料と入学費用)」2026-2027年度
  14. 愛知インターナショナルスクール「授業料・諸費」2026年度
  15. 愛知インターナショナルスクール「沿革」
  16. 愛知インターナショナルスクール「教育概要」
  17. UPBEAT International School 公式サイト
  18. 愛知インターナショナルスクール「初等部カリキュラム」
  19. 愛知インターナショナルスクール「初等部修了後の進路」
  20. Yahoo!知恵袋の相談「名古屋市内にあるインターナショナルスクールで評判のよいところを教えてください」(利用者の投稿・約4万9,000回閲覧)
  21. Yahoo!知恵袋の相談「2歳の子をインターナショナルプリスクールに入れたらセミリンガルになりますか」(利用者の投稿・2020年・約6,900回閲覧)
  22. Nagoya International School「Tuition & Fees」2026-27年度
  23. e-Gov法令検索「学校教育法」(第17条・第134条・第144条/2026年6月17日施行)
  24. e-Gov法令検索「学校教育法施行令」(第21条/2026年4月1日施行)
  25. 愛知インターナショナルスクール「よくあるご質問」(卒業後の進路について)
  26. e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」(第57条・第58条/2026年4月1日施行)
  27. 横浜市教育委員会「インターナショナルスクール等への就学について」(2024年12月25日更新)
  28. 新宿区教育委員会「インターナショナルスクール等への就学をお考えの方へ」
  29. 中日新聞「民間スクール通学で「就学義務の不履行」 行政指摘に保護者困惑」2021年7月1日(報道=二次情報)
  30. 文部科学省「大学入学資格について」(2024年6月時点)
  31. Nagoya International School「Accreditations, Memberships & Connections」
  32. 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「国際バカロレア(IB)とは」

免責事項
当サイトに掲載する情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容の完全性、正確性、有用性、安全性等については、いかなる保証を行うものでもありません。また、当サイトの内容や情報は、あくまでも掲載時点における情報であり、予告なく変更・改訂される場合や、時間の経過により掲載情報が実際と一致しなくなる場合等があります。
情報が不正確であったこと及び誤植があったことにより生じたいかなる損害に関しても、また、掲載情報に基づいて利用者が下した判断および起こした行動によりいかなる結果が発生した場合においても、その責を負いませんので予めご了承ください。

この記事をシェアする

この記事を書いた人

Masakiのアバター Masaki IBDP修了生の父/教育・進路メディア運営

我が子のIB経験と海外留学準備で奮闘した保護者としての実体験が原点。「同じ保護者の目線」で膨大な情報を整理・分析し、後悔しない進路選択を共に考えるパートナーとして「国際バカロレアIB広場」を運営。大学選びから留学手続き、その先のキャリア形成までを見据えた情報を提供しています。→ 運営者プロフィール・お問い合わせ

目次