年間100万円の学費を払って青山学院の附属校に入れる価値はあるのか?
「附属校に入れれば青山学院大学は安泰」そう思って高額な学費を覚悟している保護者の方へ。知っておくべき厳しい現実があります。
- 内部進学率85%の裏で、15%の生徒は「希望学部に入れず」外部受験
- 人気の国際政治経済学部は希望者の40%が別学部に回される
- 横浜英和からの進学率は実質68%(推薦がもらえない生徒が32%)
「附属校の学費 = 青山学院大学への確実な投資」ではないのです。
この記事では、2025年最新データに基づいて、青山学院系列校の本当の進学状況と、それでも価値ある選択肢となる条件を詳しく解説します。大きな教育投資を決断する前に、必ず知っておくべき情報です。
まず知っておきたい「附属校」と「系属校」の違い
青山学院大学に進学できる学校には「附属校」と「系属校」があり、運営形態や進学制度が異なります。
附属校とは
- 大学と同じ学校法人が直接運営する学校
- より確実な内部進学制度
- 青山学院の場合:青山学院中等部・高等部
系属校とは

青山学院大学の内部進学率は本当に85%?実際のデータを公開
進学率85%の内訳|知っておくべき事実
青山学院高等部から青山学院大学への内部進学率は約85%ですが、この数字には重要な事実が隠されています。
2025年度(2024年度卒業生)の実績
- 卒業生:約410名
- 青山学院大学進学者:約350名(85%)
- 他大学進学者:約60名(15%)
しかし、この15%の中には以下が含まれています
- 志望学部に進学できず、外部受験を選択した学生
- 医学部・薬学部など青学にない学部を志望する学生
- 早慶上智など上位大学を目指す学生
つまり、実際には希望学部に進学できない学生が一定数存在するのが現実です。
人気学部の競争は熾烈
青山学院大学の中でも人気が集中する学部があり、内部進学でも競争が発生します。
人気学部ランキング(内部進学希望者数順)
- 国際政治経済学部(偏差値69-76)
- 国際コミュニケーション学科が最難関
- 英語力重視(英検準1級以上推奨)
- 定員に対する希望者倍率:約1.5倍
- 経営学部(偏差値67-74)
- 就職実績の良さで人気
- マーケティング学科が特に人気
- 定員に対する希望者倍率:約1.3倍
- 総合文化政策学部(偏差値72-74)
- 青山キャンパスで学べる新設学部
- 創作・表現系志望者に人気
- 定員に対する希望者倍率:約1.4倍
- 文学部(偏差値65-77)
- 英米文学科は英語力必須
- 比較芸術学科は芸術系志望者に人気
附属校・系属校別の進学実績比較|どの学校が一番入りやすい?
青山学院中等部・高等部:最も確実だが競争も激しい

附属校
所在地:東京都渋谷区
他大学受験: (推薦権は放棄)
✅ メリット
- 附属校のため最も確実性が高い
- 推薦基準を満たせば原則進学可能
- 人気学部への推薦も成績次第で十分可能
🔍 進学の条件
- 高等部3年間の成績(評定平均3.5以上推奨)
- 3年次学力テスト2回の結果
- 素行・課外活動の評価
⚠️ 注意点
- 他大学受験時は推薦権を放棄する必要あり
- 渋谷という立地のため誘惑も多い
- 授業料:年間約90万円
青山学院横浜英和:コストパフォーマンス重視なら

系属校
所在地:神奈川県横浜市
他大学受験: (推薦権は放棄)
2025年度実績
- 卒業生174名中139名(79.9%)が推薦資格取得
- そのうち119名(68.4%)が青山学院大学へ進学
✅ メリット
- 系属校の中では進学率が安定
- 英語教育に特に力を入れている
- 共学化により多様性のある環境
🔍 進学戦略
- 英検2級以上の取得は必須
- 評定平均4.0以上を維持
- 英語の成績は特に重要(全教科の中で最重視される)
⚠️ リスク
- 推薦資格を得ても必ず進学できるわけではない
- 希望学部に配属されない可能性
- 他大学受験時は推薦権放棄
浦和ルーテル学院:穴場校として注目

2025年度実績
- 推薦枠40名(前年度から増加)
- 40名全員が青山学院大学へ進学
今後の展望
- 2031年から完全実施(現在は経過措置)
- 推薦枠は段階的に拡大予定
- 競争率は他校より低め
進学条件
- 浦和ルーテル学院での成績上位者
- 2030年度までは限定的な枠組み
【学部別】確実に希望学部に進学する方法
国際政治経済学部への道
- 通知表の平均(評定平均):4.5以上(特に英語は5.0を目指す)
- 英検:準1級以上(TOEFL iBT 80点以上でも可)
- 学力テスト:学年上位10%以内
国際政治経済学部のような最難関学部で求められるのは、単なる知識としての英語ではありません。ハイスコアの鍵は、【Cambly(キャンブリー)】
などでネイティブとの実践的な会話量をいかに確保するかにかかっています。その上で、以下の3つに取り組みましょう。
- 英語力の強化
- 高2までに英検準1級取得
- 英語での論文執筆能力を身につける
- 国際時事問題への関心を深める
- 課外活動での差別化
- 模擬国連やディベート大会への参加
- 海外研修・留学経験
- 社会問題への取り組み実績
- 成績管理
- 定期テストで常に85点以上維持
- 特に英語・社会系科目で満点近い成績
- 小論文・プレゼンテーション能力の向上
経営学部への道
必要な学力レベル
- 評定平均:4.3以上
- 数学・英語を重視
- 学力テスト:学年上位15%以内
- 実践的スキルの習得
- 簿記検定2級以上の取得
- 情報処理関連資格
- 統計学の基礎知識
- ビジネス感覚の養成
- 企業インターンシップへの参加
- 起業体験プログラム
- 経済・ビジネス系読書の習慣
文学部への道
学科別対策
英米文学科
- TOEFL iBT 90点以上推奨
- 英語圏文学作品の深い理解
- 創作活動の実績
比較芸術学科
- 芸術系コンクールでの受賞歴
- 美術・音楽・演劇などの実技能力
- 芸術史・美学の知識
史学科
- 歴史検定など関連資格
- 史料読解能力
- フィールドワーク経験
【成績別戦略】今の実力から逆算する対策法
成績上位層(評定平均4.5以上)の戦略
取るべき行動
- 英検1級・TOEFL高スコア取得
- 国際系学部への切符
- 他の受験生との差別化
- リーダーシップ経験の蓄積
- 生徒会活動
- 部活動でのキャプテン経験
- ボランティア活動のリーダー
- 専門分野での深い学習
- 大学レベルの専門書読破
- 研究プロジェクトへの参加
- 学会発表などの経験
成績中間層(評定平均3.5-4.4)の戦略
取るべき行動
- 定期テスト対策の強化
- 各科目85点以上を目標
- 苦手科目の克服
- 効率的な学習方法の確立
- 英語力の底上げ
- 英検2級の確実な取得
- 準1級への挑戦
- 4技能バランスの良い学習
- 進学可能学部の戦略的選択
- 理工学部・社会情報学部などの検討
- 相模原キャンパス学部への志望変更
- 第二・第三志望の明確化
成績下位層(評定平均3.5未満)の戦略
緊急対策
- 基礎学力の徹底強化
- 中学内容からの復習
- 個別指導塾の活用
- 学習時間の大幅増加
- 進路の多角化
- 指定校推薦枠の調査
- 併設校以外の選択肢検討
- 外部受験への切り替え準備
- 最終手段の準備
- 浪人覚悟での外部受験
- 他大学附属校への転校
- 通信制・定時制への転校
もし学習習慣そのものが身についていないと感じるなら、中高一貫校専門 個別指導塾WAYS
のような中高一貫校生の成績を上げるプロの指導法を試してみるのも一つの確実な方法です。
【他大学比較】青学内部進学 vs 他の選択肢

早慶上智を目指すべきケース
外部受験を推奨する条件
- 評定平均4.7以上で学年上位5%以内
- 英検1級・TOEFL iBT 100点以上
- 明確な将来目標(国際機関・外資系等)
リスク分析
ただし、推薦権を放棄しての外部受験は、相応のリスクを覚悟する必要があります。周りが内部進学で決まっていく中で孤独な戦いになるため、Z会の通信教育
などで質の高い教材で効率的に学習を進めることが合格の鍵となります。具体的には、以下のようなリスクが挙げられます。
- 浪人率:約30%(推薦権放棄者)
- 合格率:早慶15%、上智25%(青学内部生)
- 精神的プレッシャーによる成績悪化リスク
第一志望合格への最短ルート
ライバルと差がつく「志望校別対策」
Z会の通信教育で、第一志望校合格へ。
プロの添削で記述力を強化
スマホ一つでスキマ時間を有効活用
※資料請求は無料です ※入会金0円キャンペーン実施中
他MARCH附属校との比較
明治大学附属校
- 内部進学率:約90%
- 指定校推薦:青学より充実
- 就職実績:青学と同等
立教大学附属校
- 内部進学率:約85%
- 英語教育:青学と同レベル
- 立地:池袋で利便性高い
中央大学附属校
- 法学部の評価:青学より高い
- 多摩移転により人気やや低下
- 内部進学率:約95%
国公立大学という選択肢
青学レベルで狙える国公立大学
- 首都大学東京(都立大):偏差値55-60
- 横浜国立大学:偏差値55-62
- 埼玉大学:偏差値50-57
メリット
- 学費:年間約55万円(青学の約60%)
- 社会的評価:一般的に私立より高い
- 研究環境:充実した設備
デメリット
- 入試難易度:センター試験80%以上必要
- 浪人リスク:約40%
- 就職サポート:私立大学より手薄
【2025年最新データ】入試結果と今後の展望
2025年度入試の振り返り
各校の進学実績変化
青山学院中等部・高等部
- 内部進学率:85.2%(前年度から微増)
- 人気学部への競争激化
- 国際政経学部:希望者倍率1.6倍
青山学院横浜英和
- 進学率:68.4%(前年度から約4%上昇)
- 推薦資格取得率向上
- 英語重視の効果が顕著
浦和ルーテル学院
- 推薦枠:40名(前年度30名から増加)
- 希望者全員が推薦資格取得
- 2026年度は50名に拡大予定
2026-2030年の予測
少子化の影響
- 18歳人口:2030年まで毎年約2%減少
- 大学全体の競争緩和予想
- 内部進学枠の維持・拡大可能性
青山学院大学の戦略
- 国際化路線の強化継続
- 理工系学部の拡充
- 社会人向けプログラム拡大
附属校・系属校への影響
- 中学受験競争の緩和
- 内部進学基準の安定化
- 新たな附属校・系属校・提携校の可能性
【失敗から学ぶ】内部進学で後悔する人の特徴

よくある失敗パターン
人気学部への過度な集中
- 国際政経にこだわりすぎて他学部を検討せず
- 結果として希望学部に進学できず外部受験
- 外部受験で失敗し浪人
成績管理の甘さ
- 高1・高2で気を抜いて成績低下
- 高3での巻き返しが間に合わず
- 内部進学最低ラインに届かない
情報収集不足
- 学部・学科の詳細な内容を理解せず選択
- 入学後にミスマッチを感じる
- 就職活動で希望業界への就職が困難
回避できるリスクと回避できないリスク
回避できるリスク
- 成績不振による進学失敗
- 情報不足による進路選択ミス
- 英語力不足による人気学部への進学失敗
回避できないリスク
- 大学側の方針変更
- 経済情勢による就職状況変化
- 18歳人口減少による大学再編
【FAQ】内部進学でよくある質問
成績・評価に関する質問
評定平均はどう計算される?
高校3年間の全科目の成績を平均して算出。主要5教科(国数英理社)の重み付けが高く、体育・芸術系科目も含まれます。
学力テストと成績、どっちが重要?
日常の成績(約70%)の方が重要。学力テストは同程度の成績の学生間での判定に使用されます。
部活動や課外活動の影響は?
人気学部では差別化要因として重視されます。特にリーダーシップ経験や全国レベルの実績は有利に働きます。
制度・手続きに関する質問
推薦権を保持したまま外部受験は可能?
青山学院中等部・高等部では不可。推薦権を放棄して外部受験する必要があります。
希望学部に落ちた場合の救済措置は?
第二志望学部への振り分けがありますが、定員の関係で希望に添わない場合もあります。
転校・編入学の可能性は?
他の青山学院系列校間での転校は可能ですが、成績・面接等の条件があります。
【まとめ】確実な内部進学のための行動計画
高校1年生がすべきこと
- 基礎固めと習慣化
- 全科目で80点以上を目標
- 毎日3時間の学習習慣確立
- 英検2級取得への準備開始
- 情報収集
- 各学部の説明会参加
- OB・OG訪問の実施
- 将来の職業研究
高校2年生がすべきこと
- 専門性の構築
- 志望学部に関連する検定・資格取得
- 英検準1級への挑戦
- 課外活動でのリーダーシップ経験
- 成績の最適化
- 苦手科目の克服
- 得意科目での満点近い成績維持
- 評定平均4.3以上の達成
高校3年生がすべきこと
- 最終調整
- 学力テスト対策の徹底
- 志望学部の最終決定
- 面接・小論文対策
- リスク管理
- 併願校の検討
- 外部受験の準備(必要に応じて)
- 精神的サポートの確保
青山学院大学への内部進学は「楽な道」ではありません。しかし、適切な戦略と継続的な努力により、確実に希望する進路を実現できます。
最も重要なのは、早期からの計画的な取り組みと現実的な目標設定です。この記事で紹介した方法を参考に、あなたの青山学院大学合格を実現してください。