大宮国際中等教育学校は本当にお得?1期生の進学実績と6年間の費用を検証

「大宮国際中等教育学校、気になるけど本当に大丈夫?」

2025年3月、ついに1期生が卒業した大宮国際中等教育学校。国公立大学53名、早慶上理ICU105名、GMARCH118名、海外大学18名という優秀な進学実績が明らかになりました。この結果を見て、「うちの子にとって最適な選択なのか」と検討している保護者の方も多いでしょう。

新設校だからこその不安、でも公立で学費が安い魅力国際バカロレア(IB)って聞こえはいいけれど、実際にうちの子の将来にどれだけ価値があるのか。6年間という貴重な時間と、決して安くない費用を投じるなら、後悔したくないですよね。

この記事では、公式パンフレットでは分からない在校生のリアルな声合格の本当の難易度、そして6年間でかかる総費用まで、同じ保護者の立場から正直にお伝えします。読み終わる頃には、「うちの子にとってベストな選択か」が明確に判断できるはずです。

目次

基本情報

大宮国際中等教育学校の校舎イメージ
サイト運営者によるイメージ図作成
項目内容
学校名さいたま市立大宮国際中等教育学校
設立2019年(令和元年)
募集定員160名(男女各80名)
偏差値56(日能研R4偏差値
受験倍率男子3.7倍、女子4.0倍(2025年度)

在校生と保護者の本音|想像していた学校生活との違い

実際の学校の雰囲気はどうなの?

みんなの中学校情報に寄せられた在校生からは、以下のような声が聞かれます。

生徒の自主性を重んじる学校なので、やる気次第で成績はどんどん伸びます。レポートやプレゼンなどPC を使う課題が多く、実践的なスキルが身につきます

一方で、「先生から放置され、学力が伸びない学校」と評価している卒業生もいるのが事実です。この違いは何を意味するのでしょうか。

積極的な生徒には

  • 自分のペースで深く学べる環境
  • プレゼンや発表の機会が豊富
  • 先生への質問に対する丁寧な対応

受け身な生徒には

  • 手厚い指導が期待しにくい
  • 自発的な行動が求められる
  • 定期テストがないため学習のペースを掴みにくい

つまり、この学校は主体性のある生徒が力を伸ばせる環境である一方、受け身な生徒には向かない可能性があります。

英語教育の実力はどの程度?

保護者からは「英検の合格実績は他校と比べて高く、留学や海外大学の説明会も開催されました」との評価があります。ただし、入試の適性検査Aで出題される英語は「英検5級程度の実力があれば対応可能」なレベルです。

つまり、入学時の英語力は決して高くなく、入学後の6年間で着実に力を伸ばしていく教育方針ということがわかります。

通学面で注意すべき点

「駅から遠く、バスが混雑するため不便です。子どもは入学後1年ほど通学で疲れていましたが、現在は慣れました」という保護者の声が複数見られます。

大宮駅から徒歩30分、バス10分という立地は、6年間の通学を考慮すると重要な検討要素です。

うちの子でも合格できる?入学難易度と対策

受験生のレベル感

2025年度入試実績(最新)

出願者数624名(男子298名、女子326名)
一次選抜受検者数614名(男子293名、女子321名)
一次選抜合格者数400名(男女各200名)
最終合格者数160名(男女各80名)
実質倍率男子3.7倍、女子4.0倍

出願者数624名に対して募集定員160名という状況で、どのような受験生が集まるのでしょうか。

受験生の特徴

  • 帰国生が一定数在籍
  • 小学校で上位の成績だった児童が中心
  • 国際的な教育に関心の高い家庭の子ども
  • 一次選抜通過率は約65%(400名/614名)

合格に必要な学力レベル

「難しいのは表やグラフを用いた数的処理と、適性検査Bで出題される見慣れないグラフや図形です。複雑な計算に加え、グラフや図が何を示しているかを読み取る力が必要です」

単純な暗記学習では対応できず、思考力と分析力が重視される内容となっています。

他校との併願パターン

実質倍率が男子3.7倍、女子4.0倍という数値から、以下の併願が考えられます。

チャレンジ校として受験する場合

  • 偏差値50-54の受験生にとって挑戦校
  • 公立のため私立上位校との併願がしやすい
  • 一次選抜の通過率65%を考慮した戦略が必要

安全校として受験する場合

  • 偏差値60以上の受験生にとって確実校
  • ただし適性検査形式への対策は必須
  • 二次選抜では284名から160名に絞られる(通過率56%)

6年間の費用と進学実績|コストパフォーマンスを検証

6年間でかかる費用の詳細

費用項目金額6年間総額
授業料(4-6年生)年118,800円約36万円
制服・教材費初年度約20万円
給食費(1-3年生)年約10万円約30万円
海外研修等約80万円
合計約170万円

※海外研修は1年次British Hills(5万円)、3年次ニュージーランド(30万円)、5年次アメリカ(45万円)として計算

1期生の進学実績をどう評価するか

2025年3月卒業の1期生145名の主な進学実績

  • 国公立大学:53名(36.6%)
  • 早慶上理ICU:105名(72.4%)
  • GMARCH:118名(81.4%)
  • 海外大学:18名(12.4%)

この実績は、新設校の1期生としては極めて優秀な結果と言えるでしょう。特に注目すべきは、7割以上の生徒が早慶上理ICUレベル以上に合格していることと、海外大学進学者が18名いることです。

この優れた進学実績は、学校全体で取り組む国際バカロレアの探究的な学習アプローチが、生徒たちの力を引き出した結果と考えられます。

特に、希望者(1学年20名程度)が履修するディプロマ・プログラム(DP)のスコアは、海外だけでなく国内大学の入試でも活用する道が広がっています。

これらは校長先生が以前述べていた「一般的な進学校と遜色のない結果が出ると良い」という期待を大きく上回る成果となりました。

同予算での他の選択肢

同程度の教育投資で考えられる選択肢

  • 私立中堅校:6年間で約600万円だが指定校推薦枠あり
  • 県立浦和・一女:授業料は同程度で大学進学実績は上位
  • 私立国際系:学費は高額だが海外大学進学サポートが充実

在校生の進路状況|英検取得率とIBディプロマの実績

英語力の向上状況

在校生の英語力について、保護者からは「英検の合格実績は他校と比べて高く、留学や海外大学の説明会も開催されています」との評価があります。

英語教育の特徴

  • ネイティブ教員による週2時間のイマージョン教育
  • 毎朝の「All English」活動
  • 海外研修は計3回実施

国際バカロレアの取得状況

2022年5月にDP認定を受けたため、2025年が初のIBディプロマ受験年度となります。Global Courseを選択した生徒が対象で、特別学習費が別途必要です。

IBプログラムの詳細

  • MYP:1-4年生全員が履修
  • DP:5-6年生のGlobal Course生徒が対象
  • 取得可能科目:Language A、Language B、History、Chemistry、Math、Arts

IBDPの成績は最終試験だけでなく、各科目で課される内部評価も重要な要素となります。DPでは、生徒が将来の進路や興味に合わせて履修する科目を選択します。この科目選択は、大学受験の成否にも関わる重要なプロセスです。

IBのカリキュラムは専門性が高く、特にDP(ディプロマ・プログラム)の論文や内部評価(IA)は、家庭での対策に悩むことも少なくありません。

将来的に、学校のサポートだけでは不安な場合や、より高度な学習サポートが必要になった際には、などを頼るという選択肢があることも知っておくと安心です。

よくある質問|保護者が知りたいポイント

塾なしでも合格できる?

適性検査は思考力重視のため、塾での対策が有効です。ただし、基礎学力がしっかりしていれば、公立中高一貫校専門の短期講座でも対応可能な場合があります。

また、通塾が難しい場合やご家庭での学習を強化したい場合には、のように公立中高一貫校の適性検査に特化したコースがある通信教育を活用するのも有効な手段です。

高校からの入学はできる?

中等教育学校のため、高校からの募集は行っていません。6年間一貫教育が前提です。

大学受験のサポートは十分?

1期生が初の大学受験のため、蓄積されたノウハウは限定的です。ただし、進路指導体制は整備されていて、個別の相談にも対応しています。

帰国生でない場合、英語についていける?

入試レベルは英検5級程度で、入学後に段階的に力を伸ばす方針です。むしろ、英語への意欲と興味があることが重要です。

部活動は充実してる?

新設校のため部活動の種類は限定的ですが、今後充実していく予定です。勉強との両立を重視した活動が中心となっています。

アクセスと周辺環境

通学方法の詳細

電車+バス

  • JR大宮駅からバス「大宮国際中等教育学校」下車徒歩3分
  • バス「三橋二丁目」「三橋四丁目」下車徒歩3分

電車+徒歩

  • JR大宮駅から徒歩約30分
注意点
  • 朝のバスは混雑する
  • 雨天時は特に混雑が激しい
  • 自転車通学は基本的に不可

周辺の教育環境

大宮駅周辺には多くの学習塾があり、通学途中での塾通いも可能です。また、図書館や文化施設も充実していて、学習環境としては良好です。

詳しい学校生活|在校生に聞いた1日のスケジュールと部活動

実際の時間割と授業スタイル

海外子女向けオンライン家庭教師のEDUBALによる学校インタビューで、沼尾教頭先生は「1年生から4年生までは4クラスを6グループに分けた少人数制授業を実施」と説明しています。毎日朝の時間帯には「All English」で様々な英語活動に取り組みます。

特徴的な授業
  • English Inquiry:週2時間、英語ネイティブ教員によるイマージョン教育
  • LDT(Learning Design Time):大学や研究機関と連携した探究学習
  • 1人1台のタブレットPCが提供され、全教室にプロジェクター完備

部活動と学校行事

在校生からは「部活動の種類はそれほど多くない」という声もありますが、新設校のため今後充実していく予定です。

主な学校行事

  • 大宮国祭:学校独自の文化祭
  • 表現発表会:学習成果の発表
  • EU出張授業:ヨーロッパ諸国の外交官による授業

校則と制服について

「校則は緩くもなく、厳しくもなく普通ですが、着崩している人はいません」という在校生の声があります。制服については保護者からの評価が高く、デザイン性に優れているとの評価です。

大宮国際中等教育学校の制服イメージ画像。夏服男女、冬服男女
サイト運営者によるイメージ図作成

他校との徹底比較|同レベルの選択肢

埼玉県内の公立中高一貫校との比較

学校名偏差値特色進学実績
大宮国際56IB認定、国際教育早慶74名(1期生)
浦和中60伝統校、進学重視東大10名前後
伊奈学園中55総合選択制国公立100名前後

私立国際系との費用比較

項目大宮国際私立国際系A私立国際系B
6年間学費約170万円約800万円約600万円
IB認定ありありなし
海外研修3回複数回2回

受験を検討するなら|入試の傾向と具体的対策

適性検査の詳細分析

適性検査A

  • 英検5級程度の英語が出題
  • 小学校で学習した基礎知識の活用
  • グローバル・スタディの内容も含む

適性検査B

  • 表やグラフを用いた数的処理が中心
  • 見慣れないグラフや図形の読み取り
  • 文章や資料の読解力が重要

適性検査C(作文)

  • 自分の考えを論理的に表現する力
  • 課題解決への提案力

特別選抜(帰国生・外国人)の内容

第1次選抜

  • 適性検査D:日本語または英語選択可能
  • 集団面接:日本語と英語で実施

第2次選抜

  • 適性検査E:作文形式(一部英語使用必須)
  • 集団活動

合格者が多い塾ランキング

2024年までの実績で合格者を多く輩出している塾

  1. 栄光ゼミナール
  2. SAPIX
  3. 早稲田アカデミー
  4. 日能研
  5. 四谷大塚

これらの塾が人気ですが、一方で「自分のペースで学習を進めたい」「近くに通える塾がない」といった場合には、オンラインで完結する学習サービスも選択肢となります。中でもの作文や適性検査対策は、多くの受験生に利用されています。

出願から合格発表までの流れ(2025年度実績)

時期内容
10月下旬生徒募集要項配布開始
12月上旬~下旬志願者情報登録・入学選考手数料納付
12月下旬提出書類郵送
1月中旬第1次選抜実施
1月下旬第2次選抜実施
2月上旬合格発表

学校見学と説明会情報

参加すべきイベント

学校説明会

  • 年3回程度開催
  • 教育方針や入試について詳細説明
  • 個別相談会も同時開催

オープンスクール

  • 実際の授業見学可能
  • 在校生との交流機会
  • 施設見学ツアー

入試説明会

  • 過去問の解説
  • 出願書類の書き方指導
  • 面接・集団活動の対策

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結論|大宮国際中等教育学校に向いている家庭、向いていない家庭

この学校が適している家庭

  1. 海外研修費用を含む追加費用に対応可能な経済力
  2. 子どもが自主的に学習に取り組める性格
  3. 国際教育への明確な目標を持っている
  4. 新しい教育方針への理解と共感

慎重に検討すべき家庭

  1. 確実な大学進学実績を最重視する場合
  2. 受け身な性格の子どもの場合
  3. 通学の利便性を重視する場合
  4. 指定校推薦の活用を期待している場合

学校選びで最も大切なこと

ある保護者は「受験は見栄ではなく、本当にやりたいことがあり、それを実践できる学校かどうかが重要」と述べています。

大宮国際中等教育学校は、従来の進学校とは異なる教育理念を持つ学校です。偏差値や進学実績だけでなく、6年間で子どもがどのような経験を積み、どのような人材に成長するかを重視する家庭にとって、価値ある選択肢となるでしょう。

ただし、1期生が経験したように「新設校のため指定校推薦もなく、先輩もいない」という状況があります。この学校を選ぶということは、子どもと共に学校の歴史を築いていく覚悟が必要だということも理解しておくべきでしょう。


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この記事を書いた人

Masakiのアバター Masaki 国際バカロレア進路専門家

我が子のIB経験と海外留学準備で奮闘した保護者としての実体験が原点。「同じ保護者の目線」で膨大な情報を整理・分析し、後悔しない進路選択を共に考えるパートナーとして「国際バカロレアIB広場」を運営。大学選びから留学手続き、その先のキャリア形成までを見据えた情報を提供しています。

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