「倍率は1.0倍台でほとんど落ちないのに、名門校として紹介されている」。大阪女学院を調べていると、正反対に見える情報が同時に出てきます。
どちらも本当です。ただし、見ている数字が違います。
学校が2026年7月に公開した入試データを開くと、通説とは逆の姿が出てきました。2026年度、中学の後期日程は3.17倍。一方の高校は、受験した221名のうち216名が合格しています。
ここでは入口(入試)と出口(進学実績)の数字を、のべと実数に分けて解きほぐします。読み終えるころには、「うちの子はどちらのルートで、何を積み上げればいいのか」まで見えるはずです。
- 中学は日程で難易度が割れる:2026年度は前期A方式1.24倍・前期B方式1.09倍に対し、後期日程だけが3.17倍。
- 高校は倍率で語れる幅が小さい:受験221名に対し合格216名。合否を分けているのは倍率より合格点(普通科文系の専願で144点/300点満点)です。
- 出願519件は「のべ」:1人が複数の日程に出せるため、実際に入学したのは193名。募集190名を上回りました。
- 出口には推薦という別の軸:公表されている推薦枠を足すと226名分あり、卒業生255名に迫ります(推薦で進学した実人数は非公表)。偏差値とは別の物差しが働く学校です。
- 枠があることと、使われることは別:青山学院大は推薦枠16名に対し、3カ年ののべ合格が1件。枠の数だけを見て進路を描くと外れます。
「入りやすいのに名門」の正体|入口の数字を分解する
結論から言うと、入りやすさは日程とコースで大きく違い、「学校全体が入りやすい」とも「難関」とも言えません。2026年度のデータで見ていきます。
中学の2026年度|後期日程だけが3.17倍まで上がった
学校は2026年7月公開の学校案内で、中学は過去3年分、高校は2026年度の入試データを公表しました。まず中学から見ます。
| 日程・方式 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格点 /満点 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国際特別 | 43 | 43 | 27 | 非公表 | — |
| 前期A方式 | 210 | 189 | 152 | 139.0/320 | 1.24 |
| 前期B方式 | 79 | 72 | 66 | 153.0/320 | 1.09 |
| 後期日程 | 187 | 92 | 29 | 120/200 | 3.17 |
後期日程は前年が1.25倍、その前が1.42倍でしたから、2026年度に跳ね上がったことになります[2]。合格者は29名で、前年の51名から減りました。
一方、前期A方式は1.24倍、前期B方式は1.09倍。同じ学校の同じ年でも、日程によって景色がまったく違います。「大阪女学院の倍率は1.0倍」と語るときは、どの日程の話かを確かめる必要があります。
高校の2026年度|受験221名に対し216名が合格した
高校の2026年度は、第一志望を専願で出した受験者が138名、併願が83名の計221名。これに対し、合格者は専願133名・併願83名で216名、さらに特別入試での合格が5名です[3]。なお特別入試の受験者数は公表されていないため、221名は専願・併願だけの合計です。
倍率という言葉で語れる幅は、この年度の高校入試にはほとんど残っていません。合否を分けているのは、コースごとの合格点です。
| 学科・コース | 専願 | 併願 | 満点 |
|---|---|---|---|
| 普通科 文系 | 144 | 159 | 300 |
| 普通科 理系2類 | 257 | 280 | 400 |
| 普通科 理系I類 | 222 | 248 | 400 |
| 英語科 英語コース | 165 | 181 | 300 |
| 英語科 IBコース | 合格点は掲載なし/2026年度入試データでは基準点も非公開 | ||
普通科文系の専願は300点満点で144点、英語コースの専願は300点満点で165点。理系は理科を加えた400点満点で、理系2類が257点。コース間の落差がはっきりしています。偏差値61から65という幅は、この落差を丸めた表現だと分かります。
併願83名が全員合格した仕組み|第二志望で拾う制度がある
併願83名が全員合格したのは、学校が誰も落とさなかったからではありません。第一志望で合格点に届かなくても、第二・第三志望で届いていればそこで合格になる制度があるためです[3]。
2026年度の併願受験者83名の内訳と、実際に合格したコースを並べると、人が動いた跡がそのまま見えます[3]。
- 理系2類:第一志望にした26名に対し、理系2類での合格は13名。残る13名は第二志望の理系I類で合格しています。
- 英語コース:第一志望にした27名に対し、英語コースでの合格は25名。2名は第二志望の普通科文系で合格。
- 普通科文系:第一志望にしたのは29名ですが、合格者は31名。英語コースから下りてきた2名が加わっています。
- 理系I類:第一志望にしたのは1名で、合格者は14名。理系2類から下りてきた13名が加わっています。
つまり「全員合格」の中身は、希望どおりのコースに入れた人と、第二志望に振り替わった人の合計です。理系2類と英語コース、IBコースは、そもそも単独では受験できず、第二志望の設定が必須になっています[3]。
※ 併願で合格した83名のうち、実際に入学したのは21名です[3]。併願合格者の多くは公立などへ進むため、合格者数と入学者数は一致しません。
出願519件・募集190名・倍率1.0倍台が、すべて本当である理由
中学の2026年度は出願が急増しました(前年400件から519件へ)。ただしこの数字は人数ではなく件数です。1人が国際特別・前期A・前期B・後期のうち複数に出願できるため、出願者数の合計は延べの件数になります。
募集190名に対して入学したのは193名。定員を超えています[2]。前年の入学者は173名、その前は178名でしたから、2026年度は増えました。「定員割れしている」という前提は、少なくとも2026年度には当てはまりません。
同時に、合格を得たあとで進学しなかった人も82名います[2]。前期で合格を確保し、第一志望の結果を待って辞退する。この動き方が、延べの出願件数と実際の入学者数の差を生んでいます。
高校も同じ構造です。学校自身が「専願、併願とも志願者が増え、入学定員を大きく上回る入学者数となりました」と自己評価に記しています[14]。
「偏差値が下がった」はどこから来るのか
先に断っておくと、学校は偏差値を公表していません。以下は模試運営会社が算出した目安です[6]。
| 高校のコース | 偏差値の目安 |
|---|---|
| 普通科 理系コース | 65 |
| 英語科 英語コース | 64 |
| 英語科 IBコース | 62 |
| 普通科 文系コース | 61 |
中学の目安は前期A方式46・前期B方式48・後期49です[8]。中学49と高校65。この差を「下がった」と受け取る読み方が生まれます。
ただし2つは別の母集団の数字です。中高一貫では中学から入った生徒は高校を受験しないため、高校の偏差値は「外部から高校で入る層」だけを映した数字になります。同じ学校の学力を年を追って測ったものではありません。
高校では1年生の最初から内部進学生と外部入学生が混合クラスになり、学校は「近年は学科コースにもよりますが、クラスの半数近くを高校入学生が占める割合になっています」と説明しています[13]。高校から入った生徒が教室で少数派になる、という構図ではありません。
入った後の出口|「のべ合格数」と「実際に進んだ人数」を分ける
進学実績で最初につまずくのが、この2つの混同です。学校が出している合格数は3年分を足した延べの件数で、1人が何校に受かってもすべて数に入ります。実際に何人がどこへ進んだかは、別の表に載っています。
3カ年のべ1,631件と、単年255名
2026年3月に卒業したのは255名。その進路の内訳が次の表です。
| 進路 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 大学 | 217 | 85.1% |
| 短期大学 | 1 | 0.4% |
| 専門学校 | 5 | 2% |
| 留学 | 10 | 3.9% |
| 予備校 | 21 | 8.2% |
| 就職 | 0 | 0% |
| その他 | 1 | 0.4% |
| 合計 | 255 | 100% |
学校の表では大学・短大・専門学校・留学の4行が「進学」として括られており、合わせて233名・91.4%です[4]。就職は0名。予備校が21名(8.2%)で、この年の卒業生の12人に1人が浪人を選んでいます。
これに対して、よく引用される合格実績のほうは3カ年の延べです。
| 区分 | 3カ年のべ 合格数 | うち 過年度生 |
|---|---|---|
| 国公立大学 | 63 | 23 |
| 私立四年制大学 | 1,520 | 182 |
| 短期大学 | 48 | 3 |
| 関西学院大学 | 181 | 21 |
| 近畿大学 | 199 | 24 |
| 同志社女子大学 | 123 | 7 |
| 武庫川女子大学 | 91 | 5 |
| 神戸女学院大学 | 81 | 4 |
| 関西大学 | 67 | 18 |
| 同志社大学 | 54 | 6 |
| 立命館大学 | 52 | 6 |
| 青山学院大学 | 1 | 0 |
国公立63・私立四年制1,520・短大48を足すと3カ年で1,631件。うち208件は卒業後に合格した過年度生の分なので、在学中の生徒による分は1,423件。この3年間の卒業生851名で割ると、1人あたりおよそ1.7件になります。
※ 1,631件・208件・851名はいずれも当サイトによる合計です(過年度生208件=国公立23+私立四年制182+短大3)。卒業生数は2024年3月卒312名[16]・2025年3月卒284名[17]・2026年3月卒255名[4]です。
協定校推薦という第2の軸|偏差値と別の物差しがある
この学校の進路を説明するとき、外せないのが推薦です。大阪女学院は4つの大学と協定を結び、それぞれに枠を持っています[5]。
| 協定校 | 推薦枠 |
|---|---|
| 関西学院大学 | 48名 |
| 神戸女学院大学 | 11名 |
| 同志社女子大学 | 10名 |
| 東京女子大学 | 8名 |
東京女子大学の枠は新しく、2024年9月に高大連携協定を結んで8名分が設けられました[14]。関西の3女子大に関東の1校が加わった形です。
これとは別に、指定校にあたる特別推薦枠があります。公表されている抜粋は関西地区11校・関東地区12校で、武庫川女子大55名、青山学院大16名、同志社大13名、近畿大11名、関西大10名などが並びます[4]。
抜粋として公表されている分だけを足すと、協定校77名分+特別推薦149名分で226名分。2026年3月の卒業生255名に迫る数です。学校は「その他多数あり」とも書いています[4]。
※ 226名分は当サイトによる加算です。枠は学科・コースにより制約があり、全員が推薦で進学できることを意味しません。実際に推薦で進学した人数は公表されていません。
枠の数を、そのまま進路の見込みにしない
同じ資料の別の表を見ると、枠と実績はきれいには対応していません。青山学院大は特別推薦枠16名に対し、3カ年ののべ合格が1件です[4]。武庫川女子大は枠55名に対しのべ91件、関西学院大は枠48名に対しのべ181件。
枠は「使える上限」であって、進路の見込みではありません。枠の多さで学校を選ぶなら、その枠が実際に使われているかまで見る必要があります。同じPDFの2つの表を並べるだけで確かめられます。
「偏差値の割に国公立が少ない」への回答
この学校について長く検索されている問いです。数字で言えば、国公立は3カ年のべで63件、うち23件は卒業後に合格した過年度生[4]。現役分は40件で、1学年あたりに直すとおよそ13件です。
医学部・歯学部・獣医学部となると、数は多くありません。学校案内の「大学合格者中の理科系等合格状況」でこの3つに当たるのは、医学部が福岡大1件、獣医学部が岡山理科大1件、歯学部が愛知学院大2件だけで、いずれも過年度生(卒業後の合格)の内数です[4]。
ただし同じ一覧には、薬学部27件・看護学系27件・保健学系11件が並びます[4]。医療系以外でも建築学系12件・工学系11件・理学系9件があり、理系が弱いのではなく、進む先が医歯薬看のうち後ろ2つに寄っていると読むほうが、数字に近い見方です。
※ 件数は当サイトが1行ずつ足したもので、一覧全体は12の学部群・112件です。この一覧には対象年度の記載がありません。なお同じ資料の3カ年表には大阪歯科大7件・松本歯科大1件(いずれも過年度生の内数なし)もあり、学部の内訳までは表から特定できません[4]。
ただ、これを「学力が足りないから」と読むのは早いかもしれません。推薦で進路が決まる生徒が多いほど、一般選抜で国公立に挑む母数はそもそも小さくなります。協定校推薦は高校3年の7月に、指定校推薦は9月に決まります[5]。夏の時点で進路が固まる生徒がいるということです。
在校生の保護者からは、こんな見方も投稿されています。
中堅進学校によくある、「国公立への誘導」が全くなく、自分の進路をしっかり考えさせてそれに対するサポートが手厚いと思います。あらゆる情報がオープンで、指定校推薦の条件などは進路室に行けば明確に教えてもらえることが素晴らしいと思います。
※ 2023年に入学した生徒の保護者による投稿(2025年4月・みんなの中学校情報)[8]。
もうひとつ、進路の性格を示す数字があります。併設の大阪女学院大学・短期大学へ2026年に入学したのは、255名のうち合わせて6名[4]。系列大学を持ちながら、外へ出ることを前提にした進路設計です。
その出口を使うための条件|評定と英検
推薦を狙うなら、確かめておくべきは「どうすればその枠に手が届くのか」です。学校は選考の流れを公式に説明しています。
- 協定校推薦:高校3年の1学期が終わる7月に学内で推薦者を選考。論文や志望理由書などの書類選考と面接で決まり、学内が定める成績基準を上回っていることが求められます[5]。
- 指定校(特別)推薦:高校3年の9月に各大学の枠と成績基準が公表され、希望者の中から書類で選考されます[5]。
- 決まった後も続く:推薦が決まった生徒には、その後も同程度の成績を維持することと、卒業までの奉仕活動が義務づけられます[5]。
そして、見落とされやすい条件がここに書かれています。協定校推薦について、学校は「英検2級の取得が義務付けられる大学もあります」と明記しています[5]。どの大学かまでは公表されていません。
入試では加点、出口では要件|英語資格の非対称
高校入試では、英語資格を持っていると筆記試験の「英語」の得点が読み替えられます。CEFR B1以上で80点、B2以上で100点。当日の得点がこれを上回れば高いほうが採用され、普通科・英語科のどちらでも適用されます[3]。
ここが非対称です。入口では英語資格は「あれば有利」ですが、出口の推薦では「無いと出せない」大学がある。入学時に持っていなくても困りませんが、3年後には条件になり得ます。
実際、中学の口コミには「関学の指定校も余っているみたいです。何故なら条件である英検2級を取得できないからです」という保護者の投稿があります[15](2023年5月・みんなの中学校情報)。校内選考についても、在校生から次のような投稿が出ています。
大学は推薦取れたら高3から暇かなー。でも、推薦とる人達は順位が上の方ではないと取れない、、。下は一般入試受けるしかない。
※ 2020年に入学した在校生による投稿(2022年11月・みんなの高校情報)[7]。
枠が多いことと、その枠が自分に回ってくることは別です。入学した後の3年間、定期テストと提出物を安定させられるかどうかが、この学校では進路そのものに直結します。
在校生・保護者の口コミと、学校自身の調査
評価は項目によってはっきり分かれます。制服と施設、行事は高く、いじめの少なさと進学は相対的に低い。まず高校の項目別スコアです。
| 項目 | 評価 | 府内順位 |
|---|---|---|
| 制服 | 4.66 | 2位 |
| イベント | 4.25 | 20位 |
| 施設 | 4.19 | 12位 |
| 部活 | 3.87 | 73位 |
| 校則 | 3.84 | 29位 |
| 進学 | 3.61 | 63位 |
| いじめの少なさ | 3.58 | 133位 |
投稿を読み進めると、評価が割れる原因は学校の良し悪しよりも、入学前の期待と入学後の実態のズレに集まっているように見えます。評価1.0の投稿には、外部から高校に入った生徒のものがあります。
高校入学生ですが、入学して2、3週間でこんなとこ受けなければよかったと後悔しました。事前のオープンキャンパスや説明会では、内部生はみんなフレンドリーで外部生との壁もすぐになくなりみんな仲良く和気あいあいと、自立心を持ち、積極的でetc…とベタ褒めでしたがいざ入学すると全然違って本当に残念
※ 2016年に入学した在校生による投稿(2016年9月・みんなの高校情報)[9]。掲載元は「投稿者が卒業して5年以上経過している情報のため、現在の学校の状況とは異なる可能性があります」と注記しています。
10年前の投稿ですが、距離に触れる声は近年にもあります。2023年に入学した在校生は2024年7月に「内部生と外部生の距離は、他の私立高校よりかは少しあるかな、?」「自分からなにかしら行動しないと絶対に孤立するよ」と投稿しています[7]。
学校は高校1年から混合クラスにし、高校入学生がクラスの半数近くを占めると説明しています[13]。制度としては混ざっていて、体感としては距離がある。この二重性は、説明会の段階では見えにくい部分です。
高校の項目別スコアと投稿[7]、中学の項目別スコアと投稿[15]のうち公開されている範囲を見ると、評価は次の点に分かれます。
- 自由と責任を大切にし、個人を尊重する校風。行事への熱量が高い
- 制服の評価が府内2位。校則やイベントも府内で上位に入る
- 進路情報がオープンで、推薦の条件を進路室で確認できる
- 課題の量が多く、授業の進度も速い。中学の保護者からは「勉強が苦手で置いていかれる子は塾などに行かせて対策したほうが良い」という投稿がある[8]
- 強制されない校風のため、取り組む生徒とそうでない生徒で差が開くという指摘
- 内部生と外部生、コースによって体感が違うという声
学校自身が公表している調査結果
匿名の投稿とは別に、学校は毎年の自己評価を公開しています。2025年度の調査では、生徒の91.4%が「大阪女学院が好きか、誇りを持っているか」に肯定的、保護者の98.4%が「入学させて良かった」と回答しました[14]。
読むときの前提も同じ資料に書かれています。生徒と教員は回答時間を設けたためほぼ全員が答えた一方、保護者の回答は433件で、全保護者のおよそ3分の1にとどまっています[14]。学校自身が課題として挙げている点です。
もう1つ、古い口コミを読むときの注意です。2025年度から週5日制に移行し、土曜日は高校1年以外は正規授業を行わず、生徒が選んで受講する講座になりました[14]。「土曜授業がある」と書かれた投稿は、現在の運用とは違います。
お嬢様学校なのか|学費と、無償化で変わること
「お嬢様学校ですか」という問いには、2つの中身が混ざっています。校風の話なら、答えは口コミの評価に出ています。中学は制服4.77・校則4.42でいずれも府内2位[15]、高校も制服は4.66で府内2位[7]。身なりと規律の評価は高く、一方で強制が少ないぶん差が開くという指摘も出る学校です。
もう1つの中身、つまり「うちの家計で通えるか」を、ここでは名目の金額から確認します。
名目の学費|初年度はおよそ128万円
まず中学校から。続けて高等学校を並べます。
| 入学金 | 230,000円 |
|---|---|
| 授業料 | 650,000円(年額) |
| 入学時納入金 | 420,004円(入学金+制服・学用品+タブレット端末) |
| 入学後3期 分納額 | 846,400円(授業料+PTA会費+奨学基金分担金+積立金+諸費) |
| 初年度の目安 | 約128.6万円 |
| 入学金 | 200,000円 |
|---|---|
| 授業料 | 630,000円(年額) |
| 入学手続時校納金 | 約368,360円(入学金+制服・学用品+教科書等) |
| 入学後3期 分納額 | 普通科 906,400円/英語コース 956,400円/IBコース 1,226,400円 |
| 初年度の目安 | 普通科 約127.5万円/英語コース 約132.5万円/IBコース 約159.5万円 |
中学の口コミでは、学費の項目が3.00で府内350位[15]。通っている家庭からも「安くはない」と受け取られている水準です。ただし次に説明する無償化で負担が変わるのは高校の3年分で、中学の3年分は対象外です。
無償化で何が変わり、何が変わらないか
制度は国と大阪府の2階建てです。順に確認します。
- 国の高等学校等就学支援金:2026年度からの新制度で所得制限がなくなり、支給上限額は私立45万7,200円(公立11万8,800円)です[10]。
- 大阪府の授業料支援補助金:国の支援と合わせて年間63万円を上限に交付されます。府は「授業料支援補助金の対象であれば、全日制高校の場合、63万円を超える授業料は学校が負担し、大阪府内の対象校は保護者が授業料を納付する必要はありません」と説明しています[11]。
- 対象校かどうか:大阪女学院高等学校は令和8年度の私立高校生等就学支援推進校の一覧に掲載されています[12]。
大阪女学院の高校授業料は年630,000円。府の標準授業料63万円とちょうど同額です[3]。
ただし、対象になる費目は限られています。府の説明では、支援の対象は「授業料と全ての生徒が一律で納付する費用(施設整備費等の経常的納付金)」で、入学金や教科書代、修学旅行費など授業料以外の納付金は対象外です[11]。上の学費表のうち、入学金・制服・積立金・諸費は自分で支払う前提で見てください。
なお国の就学支援金は高等学校等が対象で、中学校は含まれません[10]。中学から入る場合、6年間のうち中学の3年分は名目どおりの学費がかかります。
IBコースを選ぶ場合は、授業料に加えてIB教育費が年220,000円。この負担が他のIB校と比べてどうかは、公立・私立・インターナショナルスクール別のIB費用比較で確認できます。
英語科とIBコース|この学校でしか選べないもの
大阪女学院の独自性がいちばん濃いのがここです。高校の英語科には英語コースと国際バカロレア(IB)コースがあり、一条校として大阪で初めて日本語ディプロマの認定を受けた学校です[3]。
履修する6科目は、文学・英語・歴史を上級レベル(HL)、生物・数学・美術を標準レベル(SL)。学校案内の説明では、授業の使用言語は英語と数学が英語で、他の科目は日本語です[3]。1年次は日本の高校卒業資格の必履修科目が中心で、IBの授業が中心になるのは2年次からになります。
外部から入る難しさは、倍率ではなく別のところにあります。IBコースの出願は専願に限られ、単独では受験できず第二・第三志望の設定が必要です[3]。
2026年度にIBコースを第一志望として受験したのは2名。うち1名は第二志望の英語コースで合格しており、IBコースの合格者2名は第一志望から1名・特別入試から1名という内訳です[3]。2027年度の募集は約15名です。
定員に対して外部からの志願者自体が少ない状態です。ただし2名のうち1名が第二志望へ振り替わっている以上、出せば入れる枠ではありません。IBを目指すなら、中学の国際特別入試から入って内部で進む道も現実的な選択肢になります。
海外進学の受け皿も用意されています。進路指導部には海外進路担当のカレッジ・カウンセラーが配置され、「ワールド・カフェ」と呼ばれる専用の相談室が生徒全員に開かれています[3]。海外大学とは6大学と協定(MOU)を結んでいます。
2026年3月卒業生の海外大学合格先は、トロント大学、シドニー大学、メルボルン大学、国立台湾大学、ネブラスカ大学リンカーン校など11校(校名のみ公表・人数の記載なし)[4]。同じ年に留学を選んだ卒業生は10名でした。
関西でIBのある学校を見比べるなら、大阪府立の水都国際中学校・高等学校や、京都の立命館宇治中学校・高等学校も候補に挙がります。公立か私立か、英語DPか日本語DPかで、必要な英語力も費用も変わります。
IBのディプロマは、国内外の大学出願で使い方が変わります。IB生の大学出願パターンやDPの授業についていくために必要な英語レベルもあわせて確認しておくと、入学後の負荷を見積もりやすくなります。
PRIB(国際バカロレア)対策|オンライン・海外からもOK
IBは独特。“経験者”に頼るのが立ち上がりの近道。
✓ IBの課題(EE・TOK・IA)や英語での授業に伴走してほしい
✓ DPスコアを上げたい/評価の仕組みが分からない
✓ 海外大出願まで見据えて相談したい
IBは学習法も評価(EE/TOK/IA)も独特で、入学後に負荷を感じる生徒は少なくありません。EDUBALの教師はIBを実際に経験した帰国子女×現役大学生が中心。まずは無料の体験授業で、オンライン指導が合うかを1回確かめてみるのが近道です。
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向いている人・向いていない人
- 推薦という軸で進路を考えたい:3年間の評定を安定させられるなら、偏差値とは別の物差しで選択肢が開けます
- 英語と国際的な進路に関心がある:英語科・IBコース・海外進路の相談室まで、校内で完結する導線があります
- 自分で決めることを面白がれる:強制の少ない校風は、動く生徒には環境として効きます
入試と学校の実務データ
| 学校名 | 大阪女学院中学校・高等学校 |
|---|---|
| 区分 | 私立女子校(中高一貫) |
| 設立 | 1884年(ウヰルミナ女学校として開校) |
| 所在地 | 〒540-0004 大阪市中央区玉造2丁目26番54号 |
| 電話 | 中学 06-6761-4451/高校 06-6761-4113 |
| 公式サイト | 大阪女学院中学校・高等学校 |
中学入試(2027年度)|4区分の使い分けが結果を左右する
募集は1学年190名。2027年度は国際特別が1月16日、前期日程が1月17日、後期日程が1月18日です。受験料は20,000円(学校案内に前年度の額として掲載)[2]。
- 国際特別:本校を第1志望とする受験生が対象で、事前エントリー方式。海外や国内のインターナショナルスクール在籍歴、または英検3級以上・CEFR A2以上などが出願資格です[2]
- 前期日程:国算理または国算社の3科目・320点満点。A方式とB方式の両方に出願することはできません[2]
- 後期日程:国語・算数の2科目・200点満点[2]。2026年度に3.17倍まで上がった日程です
前期はA方式かB方式のどちらか一方しか出せないため、実質的な受験機会は最大3回。後期に賭ける前提の組み方は、2026年度の結果を見る限り勧めにくい設計です。なお中学ではコース分けをせず、高校でのコースを3年間の学びの中で決めます[13]。
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高校入試(2027年度)|第二志望の置き方まで含めて設計する
外部募集は約115名(普通科文系 約40名/普通科理系 約30名/英語科英語コース 約30名/英語科IBコース 約15名)。出願は1月20日から1月29日、試験日は2月10日、合格発表は2月12日です[3]。
| 普通科 文系 | 国語・英語・数学の3科目(各60分・100点満点)の合計で判定 |
|---|---|
| 普通科 理系 | 上記に理科を加えた4科目の合計で判定(理系2類のみ数学に基準点あり。数学・理科の内申平均が4.5以上なら達成とみなされます) |
| 英語科 英語コース | 3科目の合計で判定(英語に基準点あり。個人報告書の英語の評定が5なら達成とみなす) |
| 英語科 IBコース | 筆記資格試験に加え、小論文・個人面接・集団討議と個人報告書の評定で判定(筆記試験の英語にIB基準点80点) |
設計で効いてくるのは、第二志望の置き方です。理系2類・英語コース・IBコースは単独受験ができず、第二志望(IBは第三志望まで)の設定が必要になります[3]。どのコースを第一志望にし、どこで受け止めるかを出願の時点で決めておくことになります。
英語資格を持っているなら、出願時に提出すれば筆記試験の英語が読み替えられます(CEFR B1以上で80点、B2以上で100点)。普通科でも適用される点は見落とされがちです[3]。
まとめ|数字を読み替えれば、判断できる学校です
大阪女学院は、入りやすさと名門らしさが同居しているように見える学校です。中身を分解すると、次の3つに整理できます。
- 入口は日程とコースで別物。中学は後期だけが3.17倍、高校は合格点で分かれる。「1.0倍」も「難関」も、切り取る場所によって成立します。
- 出口には推薦という別の軸。公表分だけで226名分の枠があり、偏差値とは別の物差しが働きます。ただし推薦での進学実人数は非公表で、枠と実際の合格数も一致しません。
- その物差しは評定と英語資格。入学後3年間の成績と、大学によっては英検2級が条件になります。入る難しさより、入った後の積み上げが効きます。
合否だけを見るなら、この学校の入試は厳しい部類ではありません。ただし第二志望の置き方、コースごとの合格点、入学後に評定を保てるかどうかで、3年後に手が届く進路は変わります。どのコースを狙うかが決まった時点で、必要な準備の中身も決まります。
筆者の体験
我が家の高校受験は、住んでいる地域で特色選抜と呼ばれる、一般入試とは別の枠での出願でした。試験は総合問題と小論文。過去問を見ても、どう書けば評価されるのかが親子では読み取れませんでした。自分たちだけで準備するのは無理だと判断して、夏期講習でプロに見てもらいました。科目の点数を伸ばす対策とは、やることがまるで違う入試でした。
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「うちの子、間に合う…?」
合格戦略の次は“何を対策するか”です。
✓ 推薦で内申を確実に届かせたい
✓ 適性検査/一般入試、何から手をつける?
✓ 英検で入試を有利にしたい
内申・適性検査・英検活用は“動く時期”で差がつきます。学研の家庭教師は体験指導+学習相談で約60分・無料。対策を始める前に「今の成績で何を優先すべきか」を聞けます。料金も公式に明記(時間あたり4,950〜8,800円・税込)。
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参考情報・出典
- 大阪女学院 沿革・公式サイト(2026年7月確認)
- 大阪女学院 学校案内2027(中学版)(2026年7月公開・P.33 2027年度募集要項/P.34 入試データ 過去3年間・校納金)
- 大阪女学院 学校案内2027(高校版)(2026年7月公開・P.11 進路紹介/P.18 IBコース/P.29 2027年度募集要項/P.30 転科転類制度・校納金/P.31 2026年度入試データ)
- 大阪女学院 学校案内2026 進学実績(2026年7月公開・2026年3月卒業生の進路/大学合格状況 2024-2026年卒 3カ年総数/推薦枠/海外大学)
- 大阪女学院 協定校・指定校推薦について(2026年7月確認)
- みんなの高校情報 大阪女学院高等学校 偏差値(2026年度版)
- みんなの高校情報 大阪女学院高等学校 口コミ(総合3.73/91件・2026年7月時点)
- みんなの中学校情報 大阪女学院中学校(偏差値2026年度版・口コミ4.51/31件)
- みんなの高校情報 大阪女学院高等学校 口コミ(2016年入学の在校生・2016年9月投稿)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金等」令和8年度予算額・新制度の概要(2026年6月)
- 大阪府「令和8年度以降の授業料支援制度について」(更新日2026年6月5日)
- 大阪府「私立高校生等就学支援推進校の一覧【令和8年度】」
- 大阪女学院 よくあるご質問(2026年7月確認)
- 大阪女学院中学校・高等学校 2025年度自己評価(2026年6月公開)
- みんなの中学校情報 大阪女学院中学校 口コミ(項目別スコア・投稿一覧・2026年7月時点)
- 大阪女学院 進路状況(2024年3月卒業生の進路)(合計312名)
- 大阪女学院 学校案内2025 進学実績(2025年3月卒業生の進路)(合計284名)
- 大阪女学院 キリスト教教育(2026年7月確認・毎日の礼拝/必修科目「聖書」)
この記事は2026年7月時点の公開情報をもとに作成しています。入試データ・進学実績・学費・募集要項・就学支援制度の適用条件は年度により変わります。最新かつ正確な情報は、必ず学校公式サイト・募集要項・大阪府および文部科学省の案内でご確認ください。
