「大阪女学院って実際どうなの?」
神戸女学院や四天王寺は難しすぎるかもしれないが、確実に良い大学には進学させたい。英語教育に力を入れている学校を探している。推薦枠が充実している学校はないだろうか。
大阪女学院中学・高等学校は、まさにこのようなニーズにマッチする可能性の高い学校です。
しかし、学校選びで失敗しないために確認したいのは以下の点です。
- 関西女子校の中での序列は?
- 協定校推薦の価値は?
- 卒業生は本当に満足している?
- 学費に見合った教育を受けられる?
この記事では、これらの疑問に対し客観的データに基づいて紹介します。
大阪女学院中学・高校の基本情報と特徴

基本データ
学校名 | 学校法人 大阪女学院 中学校・高等学校 |
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区分 | 私立女子校(中高一貫) |
設立年 | 1884年(明治17年) |
所在地 | 〒540-0004 大阪市中央区玉造2丁目26番54号 |
公式サイト | 大阪女学院中学校・高等学校 |
学校の特色と教育方針
大阪女学院は1884年に設立された、アメリカ人宣教師を創設者に持つミッションスクールで、キリスト教教育とともに英語教育が柱となり、英語に触れる機会が多く設けられているのが特徴の学校です。
キリスト教教育
- 全教員がキリスト教徒
- 毎朝の礼拝
- 年間を通じた宗教行事
国際教育
- 2018年国際バカロレア認定校となりました。
- 大阪女学院大学の国際性ランキング全国3位、女子大1位
高校では、世界基準の教育プログラムである国際バカロレア(IB)コースを選択できます。IBは国内外の大学進学で有利になる一方、独自のカリキュラムや課題への理解が不可欠です。

偏差値と入試難易度
2025年度最新偏差値
高等学校
普通科 理系 | 67 |
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英語科英語コース | 66 |
英語科IBコース | 62 |
普通科 文系 | 61 |
中学校
偏差値 | 49 |
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中学・高校入試の難易度差
大阪女学院の特徴的な点は、中学入学と高校入学で偏差値に大きな差があることです。中学校の偏差値49に対し、高校では61-67と大幅に上昇していることから以下を意味していると考えられます。
- 中学からの方が入学しやすい
- 高校から入学する外部生は高学力層
- 内部生は外部生との学力差に注意が必要
中学受験は比較的入学しやすい一方、高校受験では高学力層との競争になります。どちらのルートを目指すにせよ、関西圏のライバル校に打ち勝つための学力は必須です。
質の高い教材で基礎から応用まで着実に力をつけたい場合、難関校受験で定評のあるZ会の通信教育
で対策を講じるのも有効な選択肢の一つです。
大阪府内での位置づけ
府内順位 | 32位/531校中 |
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私立順位 | 17位/344校中 |
全国順位 | 337位/9,124校中 |
この数字から、大阪女学院は府内上位校ではあるが、最難関校ではないことが分かります。
関西女子校ランキングと競合校比較
関西私立女子校の偏差値序列
中学受験における関西私立女子校の偏差値序列は以下の通りです
- 神戸女学院(偏差値69)
- 四天王寺(偏差値55-69)
- 同志社女子(偏差値50-55程度)
- 大阪女学院(偏差値49)
同レベル競合校との比較
同レベル校
桃山学院中学校
四条畷学園中学校
関西大学北陽中学校
高校での競合校
泉陽高等学校
開明高等学校
この比較から、大阪女学院は関西女子校の中では中堅上位に位置することが分かります。
在校生・保護者の口コミと評判
良い評価・メリット
保護者からの良い評価
- 自由と責任の意味を子供達は会得します
- 個人を尊重する学校。親が積極的に関わることも前提なら、子供の個性や意志を尊重出来る素晴らしい学校
- 制服が可愛くて娘はとても満足
在校生の声
- 最初は内部生と外部生で壁を感じますが、半年も経てばクラスみんなが仲良くなっていました
- 毎日が本当に楽しかった
気になる点・デメリット
厳しい評価
- 昔の女学院はどこへ行ったのでしょうか…勉強の出来ないお金持ちで派手な子が多い学校
- 親世代とは別物の学校になっています
- 相手の気持ちを考える事が出来る生徒が少ない。精神年齢が幼稚すぎる
評判の総合分析
口コミから見えるのは、伝統的な女学院のイメージと現実のギャップです。
- 自由な校風を評価する声がある一方
- 昔の格式や規律を求める層からは厳しい評価
- 生徒の多様性が広がっている現状

進学実績
協定校推薦の実績
協定校推薦枠
大阪女学院の強みである推薦制度に加え、IB生は国内外で多様な入試方式に挑戦します。IB生の大学出願パターンについて、以下の記事で詳しく解説しています。
2024年度入試
- 関西学院大学
-
48名
- 同志社女子大学
-
10名
- 神戸女学院大学
-
6名
2023年度入試
- 関西学院大学
-
48名
- 同志社女子大学
-
10名
- 神戸女学院大学
-
5名
一般入試での進学実績
2023年3月卒業生実績
就職者 | 0名(全員が大学進学) |
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国公立大学合格者 | 65名(2021-2023年延べ) |
関関同立 | 多数合格 |
指定校推薦の豊富さ
関関同立をはじめ、早稲田大学、上智大学、ICU、MARCHなど多数の指定校推薦枠を保有しています。
2024年度入試

2023年度入試

大阪女学院の強みである推薦制度に加え、IBコースの生徒はその特殊なカリキュラムを活かして国内外の多様な入試に挑戦します。
これらは専門性が高く、独自の対策が求められるため、IB対策に特化した家庭教師サービスEDUBALなどを活用し、海外大学や国内のIB入試に備える生徒も少なくありません。

海外大学進学実績
海外大学への合格状況


学費
年間学費・諸費用
中学校(年額)
入学金 | 230,000円 |
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授業料 | 678,000円 |
初年度合計 | 約120万円 |
高等学校(年額)
入学金 | 200,000円 |
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授業料 | 663,000円 |
IB教育費(IBコースのみ) | 220,000円 |
初年度合計 | 約110-130万円 |
IBコースを選択する場合、授業料に加えて年間22万円のIB教育費が必要です。この金額は他のIB校と比較してどうなのでしょうか。
公立・私立・インターナショナルスクール別のIB費用比較については、こちらの記事で詳しく解説しています。

入試戦略と対策
中学入試の特徴と倍率
:1学年190人 募集人数
入試方式
・国際特別
・前期A方式(専願)
・前期B方式(併願)
・後期
中学校の入試倍率
年度 | 国際特別 | 前期A | 前期B | 後期 | |
---|---|---|---|---|---|
2024年 | 受験者数 | 26 | 132 | 71 | 35 |
合格者数 | 25 | 129 | 71 | 31 | |
倍率 | – | 1.02 | 1.00 | 1.12 | |
2023年 | 受験者数 | 33 | 145 | 67 | 40 |
合格者数 | 29 | 137 | 67 | 36 | |
倍率 | – | 1.06 | 1.00 | 1.11 | |
2022年 | 受験者数 | 26 | 132 | 71 | 35 |
合格者数 | 25 | 129 | 71 | 31 | |
倍率 | – | 1.02 | 1.00 | 1.12 |

高校入試の戦略ポイント
外部募集:約115名
志望設定:第二・第三志望制度あり
普通科文系 | 約40名 |
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普通科理系 | 約30名 |
英語科英語コース | 約30名 |
英語科国際バカロレアコース | 約15名 |
特に英語科国際バカロレアコースを目指す場合、入学前から高い英語力が求められます。IBDPの授業についていくために必要な英語レベルの目安については、こちらの記事も参考にしてください。
英語資格による優遇制度
重要な制度
- 英語資格による得点読み替え
- CEFR B1以上:80点
- CEFR B2以上:100点
このCEFR基準をクリアし入試を有利に進めるには、4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランス良く伸ばす必要があります。
特にスピーキング能力の証明には実践的な会話練習が不可欠です。ネイティブ講師とオンラインで手軽に練習できるサービス【Cambly(キャンブリー)】
などを活用し、早期から対策を始めることが合格への鍵となります。
- 転科・転類・転コース合格制度


向いている人・向いていない人の特徴
大阪女学院がおすすめな人
- 協定校への確実な進学を望む
関西学院大学、同志社女子大学、神戸女学院大学への進学希望 - 英語教育・国際教育重視
- IBコースでの国際的な教育
- 海外大学進学も視野
- 自由な校風を求める
- 個性を尊重する環境
- のびのびとした学校生活
慎重に検討すべき人
- 最難関校志向
偏差値や大学実績で関西トップを求める場合 - 厳格な規律を重視
伝統的な女学院の規律を期待する場合 - 宗教教育に抵抗がある
キリスト教行事への参加が必須
まとめ|大阪女学院の真の価値
大阪女学院中学・高等学校は、関西女子校の中堅上位校として、以下の価値があります。
客観的な強み
- 協定校推薦による安定した進学ルート
- 国際バカロレア教育による国際性
- 比較的入りやすい入試難易度
注意すべき点
- 関西最難関女子校ではない
- 伝統的な格式は薄れている
- 生徒の学力・意識レベルにばらつき
投資対効果の判断
年間学費約120万円に対する教育効果については、協定校推薦制度や指定校推薦枠などを総合的に検討する必要があります。
ただし、教育投資の価値は各家庭の価値観や経済状況により異なるため、慎重な検討をお勧めします。
ただし、最難関校を目指す層や、伝統的な女学院教育を求める層には不向きかもしれません。