AICJ中学高校は本当にいいの?偏差値・学費・進学実績から見る入学価値を親目線で検証

「AICJ高校って本当にいい学校なの?」
「高い学費を払う価値はある?」

広島県内で国際バカロレア教育に力を入れ、偏差値68~74の難関校として注目されるAICJ中学・高等学校。海外大学進学実績も豊富で、一見すると理想的な学校に思えます。

しかし、実際の保護者からは「本当に期待通りの教育を受けられるのか」「入学後についていけるのか」「高い学費に見合う価値があるのか」といった不安を抱く保護者も多いはずです。

この記事では、2025年度最新の入試データから進学実績、在校生・保護者の本音まで、進路選択に必要な情報を客観的にまとめました。

目次

1. AICJ中学・高等学校とは?

学校の特徴と強み

AICJ中学・高等学校は、広島県広島市安佐南区に位置する私立の中高一貫校です。AICJとは「Academy for the International Community in Japan」の頭文字で、「日本における国際社会のための学校」という意味を持ちます。

IMAGE: AICJ
主な特徴
  • 西日本初のIB認定一条校:2009年に国際バカロレア(IB)認定を取得
  • 徹底した英語教育:現在19名のネイティブ教員による英語イマージョン教育
  • 高い英検実績:2023年4月時点で英検1級取得者33名、準1級取得者153名
  • 海外大学への進学実績:世界ランキング上位大学への合格者多数

ネイティブ教員による質の高いイマージョン教育が提供される一方で、学校外でさらに実践的な英語力を磨きたいと考える生徒には、ネイティブ講師とのオンライン英会話サービスを活用することも有効です。

例えば、24時間いつでも好きな時に外国人講師と英会話ができるのようなサービスは、AICJでの学びをさらに深め、流暢なコミュニケーション能力を身につける助けとなるでしょう。

コース構成と6年間の流れ

中学校のコース

東医Hコース東大・医学部医学科・ハーバード大を目標
早慶/国立大コース早稲田大・慶應義塾大・国立大を目標

高等学校のコース

東医コース国内難関大学を目指す
早慶/国立大コース国内有名大学を目指す
IBディプロマコース海外大学も視野に入れた国際コース
出典:AICJ

他の私立校との違い・位置づけ

2025年度最新偏差値では、IBディプロマコース偏差値74、東医コース偏差値73、早慶/国立大コース偏差値68となっており、広島県内でトップクラスの進学校として位置づけられています。

IBディプロマコース偏差値74
東医コース偏差値73
早慶/国立大コース偏差値68
他校との差別化要素
  • 西日本初のIB認定一条校としての地位
  • 英語での授業比率の高さ
  • 海外大学進学への豊富な実績

基本情報

学校名AICJ中学・高等学校
(AICJ Junior & Senior High School)
所在地731-0138
広島市安佐南区祇園3丁目1−15
設立年中学校 2006年
高等学校 2007年
区分私立中高一貫校(男女共学)
生徒数中高6学年で約700名(寮生60名程度)
公式サイトAICJ中学高等学校
SNS X(Twitter)

2. 合格可能性を判断する入試データ

最新偏差値と合格ライン(2025年度版)

高校の最新偏差値(2025年度)

IBディプロマコース偏差値74
東医コース偏差値73
早慶/国立大コース偏差値68

中学校の偏差値

推定偏差値:62.0程度

重要な注意点:受験生からの報告によると、実際の合格難易度は上昇傾向にあり、「国立コースでも偏差値最低でも65、東医は最低でも68程度が目安」との声があります。

コース別入試難易度の実態

近年の傾向

ウルトラクイズでここの生徒が準優勝してから知名度が上がって人気が出て、倍率が急騰していることが確認されています。

難易度上昇の要因
  • メディア露出による知名度上昇
  • 倍率の急騰に伴い試験内容が難化
  • 過去問では対応できない難問が出題されるケースが増加

このような難化傾向に対応するためには、学校の過去問対策だけでなく、基礎から応用まで体系的に学べる質の高い教材や、思考力を問う難問への対応力を養う学習サービスが不可欠です。

特に、難関大学受験や思考力育成に定評のあるのような通信教育や塾は、AICJのハイレベルな入試で求められる総合的な学力を効率的に高める上で、強力な助けとなるでしょう。

英検準1級優遇措置の活用法

重要な優遇措置

英検準1級以上を取得している場合、英語リーディング・英語ライティングの試験が免除され、得点は満点扱いとなります。

この優遇措置は非常に有利で、英検準1級の取得は実質的に合格への大きなアドバンテージとなります。

3. 投資対効果の徹底検証

学費と他校比較

学費(月額)

項目中学校・高校共通
(東医・早慶/国立大
IBディプロマ
授業料36,000円56,000円
教育充実費5,000円5,000円
PTA会費500円500円
生徒会費700円700円
合計42,200円62,200円

その他費用

  • 入学金:220,000円
  • 施設設備費:50,000円
  • 教材費・模試代等:年間20,000円~40,000円程度

*金額はすべて令和5(2023)年4月時点のものであり、変更の場合があります

特にIBディプロマコースの学費は他校と比較して高額ですが、IBコースの学費比較も参考にして検討することをお勧めします。

医学部・難関大進学実績の真実

2023年度進学実績

分類合格者数
京大1人
旧帝大+一工4人
国立大(旧帝大+一工除く)29人
医学部合格者数12人
早慶上理ICU21人
GMARCH12人
関関同立23人

注意点

  • 卒業生数に対する合格率は非公表
  • 浪人生を含む数字の可能性
  • 複数合格者が含まれている可能性

海外大学合格実績とIBコースの価値

2024年度海外大学合格実績(一部)

主要な海外大学への合格実績

  • トロント大学:3名
  • ユニバーシティカレッジ・ロンドン:1名
  • エジンバラ大学:1名
  • キングス・カレッジ・ロンドン:2名
  • マンチェスター大学:2名
  • その他多数

IBディプロマの成績実績

スクロールできます
最終試験学内平均世界平均学内最高点
2024年11月34.2429.242点(2名)
2023年11月32.7529.0640点

評価: AICJのIBスコアは世界平均を大幅に上回っていて、質の高いIB教育が提供されていることが確認できます。

IBスコアの詳細や大学進学での活用方法についても詳しく解説しています。

IBディプロマの進学活用

国内大学での活用状況

  • IB入試実施大学:75校(国立24校、公立8校、私立44校)
  • 主要大学:東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学など

海外大学での活用

  • 世界100カ国以上で認知
  • イギリス、アメリカの主要大学で入学資格として活用

英検1級・準1級取得の実現可能性

実績データ 2023年在籍者の英検1級取得者44名、準1級取得者170名という実績があります。

一般的な取得難易度との比較

  • 一般的な高校生の英検準1級合格率は約18%
  • AICJでは中学生でも準1級合格者が多数存在

現実的な見通し
在校生の体験談によると、「英検の後押しや英検のための勉強の制度はない」「自主的な勉強が必要」との声もあり、全員が自動的に高い級を取得できるわけではありません。

このように、学校のカリキュラムだけではカバーしきれない部分や、個々の英語力に応じたきめ細やかなサポートを求める場合、自主学習の一環として活用できるオンライン英会話サービスが役立ちます。

特に、学校では得られないようなリアルな会話経験を積むことで、英検やIBDPで求められるスピーキング能力を効率的に向上させることが期待できます。例えばは、自宅で手軽に国際的な会話力を養う手段となるでしょう。

IBディプロマコースで求められる英語力のレベルについても事前に確認しておくことが重要です。

4. 入学後の学校生活の実態

授業の厳しさと課外活動の負担

授業時間の実態

基本的な授業時間

月・水・金6時限(15時終了)
火・木8時限(16時50分終了)

課外授業の負担

東医・早慶コースでは正規授業に加えて課外授業が実施されており、在校生からは負担の大きさを指摘する声があります。

週間スケジュール例

  • 高1:週3回の課外授業(各1時間半)
  • 高2以降:それ以上の頻度
  • 実質的に週のほとんどが17時または18時35分まで

英語教育の実効性

コース別の学習内容

コース目標英語で学ぶ授業の割合
東医東京大学
医学部医学科
海外難関大学
40%
早慶/国立大早稲田大学
慶應義塾大学
国立大学
40%
IBディプロマ国内外の難関大学約90%

中学での英語教育の実態

現在19名のネイティブ教員が指導しており、英語・数学・理科・音楽・体育のオールイングリッシュ授業が行われています。

実際の授業構成 在校生からの情報によると、実際の英語授業の比率は公式発表と異なる場合があり、中学では一部の科目で英語が使用されているものの、高校では英語以外の科目は主に日本語で行われているとの報告があります。

英語力向上の実態

肯定的な評価

教育の質について:先生や授業の質はすごく良いです!先生たちは親身になって質問に答えてくれたりします。受験に関して不安に感じることはないとの評価があります。

英語環境について:英語を伸ばしたい!という人にとってはすごくおすすめの学校です。ネイティブの先生が多くいて学校内で英語を話す機会が増えますとの好意的な評価が見られます。

否定的な評価・課題

部活動との両立について:課外授業の頻度が高いため、部活動との両立が困難との声があります。特に文武両道を目指す生徒には負担が大きいとの指摘があります。

学習サポートについて:自主学習を重視する方針のため、手厚い指導を期待する生徒には物足りない場合があるとの報告があります。

「ついていけない生徒」の実態

学習面での課題

自主学習の重要性:在校生の証言によると、学校側からの手厳しいサポートは限定的で、自主的な学習姿勢が強く求められます。

AICJでは自主学習が重視されるため、自宅での学習習慣の確立や、学校の授業で疑問点を残さないための質の高い学習サポートが成功の鍵を握ります。特に、難関校のカリキュラムを先取りし、個々の理解度に応じた学習計画を立てる上では、などの通信教育や塾が有効な選択肢となり得ます。これにより、入学後に「ついていけない」という状況を回避し、AICJでの学びを最大限に活かすことができるでしょう。

英語力格差の存在:英語の力には人によって差が出やすいことはあります。1級を余裕で通る人もいれば、3級もなかなか通らない人もいるのが現実という実態があります。

適応が困難な生徒の特徴

  • 自主学習習慣が身についていない生徒
  • 課外授業の負担に耐えられない生徒
  • 英語学習への強いモチベーションがない生徒

5. 入試・学費・アクセス詳細

入試要項・出願方法

高校入試の概要

募集定員

IBDP・東医・早慶/国立大の3コース計160名(AICJ中学校からの進学者約120名を含む)で、IBDPコースは30名程度の募集となっています。

試験科目(推薦・併願A型)

試験科目時間/配点
国語50分/100点
数学50分/100点
英語リーディング50分/80点
英語ライティング50分/80点
面接15分/40点

英検優遇措置:英検準1級以上取得者は英語リーディング・ライティングが免除され、満点扱いとなります。

試験科目併願B・専願)

試験科目時間/配点
国語50分/100点
数学50分/100点
英語50分/100点

英検優遇措置
英検2級以上取得者は英語の試験が免除され、満点扱いとなります。

入試倍率(2025年度中学入試結果)

スクロールできます
コース募集区分受験者数合格者数実質倍率
東医Hコース自己推薦1451181.23倍
東医Hコース本校入試4263161.35倍
早慶・国立大コース自己推薦1451181.23倍
早慶・国立大コース本校入試4263161.35倍

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まとめ

AICJ中学・高等学校は、西日本初のIB認定一条校として、高い英語教育と国際性を特徴とする学校です。偏差値68-74という高い入学難易度を持ち、海外大学への進学実績も豊富です。

選択の判断ポイント

こんな家庭・生徒におすすめ
  1. 英語教育を重視する家庭(ネイティブ教員による授業や高い英検実績は魅力的)
  2. 海外大学進学を目指す生徒(IBコースの充実した実績は大きなメリット)
  3. 自主学習ができる生徒(手厚いサポートよりも自立的な学習が求められる)
慎重に検討すべき場合
  1. 経済的負担を重視する場合(特にIBコースは月額62,200円と高額)
  2. 手厚い学習サポートを期待する場合
  3. 部活動との両立を重視する場合
重要な注意点
  1. 入学後は自主学習が前提となる学習環境
  2. 英検取得は個人の努力に依存する部分が大きい
  3. 課外授業の負担が重く、部活動との両立は困難な場合がある

なお、費用を抑えてIB教育を受けたい場合は、公立高校でのIB教育という選択肢もあります。

最終的な判断について

この記事は参考情報の提供を目的としており、最終的な進路選択は各家庭の価値観や経済状況、お子様の特性を十分に考慮して判断されることをお勧めします。可能であれば学校見学や説明会への参加、在校生・卒業生からの直接的な情報収集も重要です。


出典・参考文献

※情報の正確性について
本記事の情報は2025年1月時点のものです。入試要項や学費等の詳細情報は変更される可能性があるため、必ず最新の公式情報をご確認ください。また、進路選択に関わる重要な決定については、学校への直接確認や専門家への相談をお勧めします。

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この記事を書いた人

Masakiのアバター Masaki 国際バカロレア進路専門家

我が子のIB経験と海外留学準備で奮闘した保護者としての実体験が原点。「同じ保護者の目線」で膨大な情報を整理・分析し、後悔しない進路選択を共に考えるパートナーとして「国際バカロレアIB広場」を運営。大学選びから留学手続き、その先のキャリア形成までを見据えた情報を提供しています。

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