知っているのと知らないのでは大きな差がついてしまう、試験対策としても必須であり、また日頃の学習効率を高めることができる、国際バカロレア(IB)生徒の羅針盤とも言えるシラバス(syllabus)。
そのシラバスの中でも、正しく理解しておくことで、試験ではスムーズに回答が出来るようになり、また高得点を取る上では絶対に知っておかないといけない「Command Terms」について徹底解説をしていきます。
Command Termsとは
国際バカロレア(IB)生徒の羅針盤とも言えるシラバス(syllabus)の中に、問題に回答する上で知っておかないと、圧倒的に損をしている「Command terms」が記載されています。
シラバスは上画像のようなもので、数年に1度改訂が行われているようです。そのシラバスの中に記載されているCommand termsは、問題自体が何を求めているのかを示しているもので、日本語版では「指示用語」と訳されているものになります。例えば以下のような用語です。
- Explain
- Conpare
- Analyse
- Show
これらCommand terms(指示用語)は、Assessment Objective(評価目標)が示されていて、1〜4の4段階で構成されています。AO1→AO3に上がるにつれて、求められる解答のレベルも上がり配点も高くなります。
AO4はAO1〜AO3とは異なり、教科特有の回答方法があります。※AO4が無い教科もありますし、AOが段階分けされていない教科もあります。
Command termsを理解するメリット
Command terms(指示用語)を理解することは、
- この問いは何を求めているのか。
- どのような回答をするべきか。
などが明確に理解することができるため、試験で高得点を取るためにも必要不可欠なこととなります。
反対に、これらの用語の理解が出来ていないと、求められている回答に達することが出来ず、獲得できていたはずの点数が得られないという事にも繋がります。
説明する
Command term | Definition(定義) |
---|---|
Describe | 詳しく説明すること。 |
Explain | 理由や原因を含めて、詳しく説明すること。 |
どちらも定義においては「詳しく説明すること」という点に違いはありませんが、Explainで問われている場合、理由や原因を含めて、詳しく説明することが求められています。
反対に、Describeで問われている場合には、理由や原因についての記述は必要ありません。
- Describe:理由や原因を含める必要なし。
- Explain:理由や原因を含める必要あり。
調べる、分析する
Command term | Definition(定義) |
---|---|
Analyse | Break down in order to bring out the essential elements or structure. 本質的な要素や構造を引き出すために、分解すること。 |
Examine | Consider an argument or concept in a way that uncovers the assumptions and interrelationships of the issue. 論点やコンセプトを、問題の前提や相互関係を明らかにする形で考察する。 |
これら2つはどちらも「調べる」といったニュアンスの言葉になりますが、求められている事には大きな違いがあります。
- Analyse:要素や構造を引き出すために分解。
- Examine:前提や相互関係を明らかにする形で考察。
比較する、区別する
Command term | Definition(定義) |
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Compare | 2つ(またはそれ以上)のアイテムや状況の類似点について、その両方(すべて)に言及しながら説明しなさい。 |
Contrast | 2つ(またはそれ以上)のアイテムや状況の違いについて、その両方(すべて)に言及しながら説明する。 |
Distinguish | 2つ以上のコンセプトやアイテムの違いを明確にする。 |
Compare and contrast | 2つ(またはそれ以上)のアイテムや状況の類似点と相違点について、両方(全部)に言及しながら説明することができる。 |
日本語ではどれも、「比較」や「区別」といった意味合いになる言葉ですが、この違いもしっかりと理解しておかないと評価されないことになります。
- compare:類似点について
- contrast:相違点について
- Distinguish:相違点を明確に
となっていますので、どの点に着眼してどういう風に記述が必要なのかは異なります。また「その両方(すべて)に言及しながら説明しなさい。」となっているので、どちらか一方にしか言及していないような解答だとダメという事にも捉えることが出来ます。
定義する、述べる
Command term | Definition(定義) |
---|---|
Define | Give the precise meaning of a word, phrase, concept or physical quantity. 単語、フレーズ、概念、または物理量の正確な意味を示す。 |
State | Give a specific name, value or other brief answer without explanation or calculation. 説明や計算をせずに、具体的な名称や数値などの簡略な答えを出す。 |
明確に定義や述べたりするという意味合いの2つの用語ですが、どちらも求められていることには大きな違いがあります。
- Define:言葉の正確な意味を示す。
- State:具体的な名称や数値などの答えを出す。
図に関するもの
Command term | Definition(定義) |
---|---|
Draw | Represent by means of a labelled, accurate diagram or graph, using a pencil. A ruler (straight edge) should be used for straight lines. Diagrams should be drawn to scale. Graphs should have points correctly plotted (if appropriate) and joined in a straight line or smooth curve. 鉛筆を使い、ラベルを付けた正確な図やグラフで表現する。直線の場合は定規を使うこと。図は、縮尺に合わせて描く。グラフは、ポイントが正しくプロットされ(適切な場合)、直線または滑らかなカーブで結ばれていること。 |
Label | Add labels to a diagram. 図にラベルを追加する。 |
Annotate | Add brief notes to a diagram or graph. 図やグラフに簡単なメモを追加する。 |
この3つは図に関することが定義されていますが、Drawは図やグラフを作成するところからですが、LabelとAnnotateは図(グラフ)にラベルやメモを追加するとなっています。
- Draw:正確な図やグラフを表現する。
- Label:図にラベルを追加。
- Annotate:図やグラフに簡略なメモを追加。
その他のCommand Terms
他にも頻出のCommand Termsはありますので、それぞれの科目のシラバスを確認することを推奨します。
科目によって記載されているCommand Termsの数などは違いますが、定義は国際バカロレア機構(IBO)で統一されています。
しっかりとシラバスに目を通し、Command Termsに記載されている用語の求めることを理解しましょう。そうすることで回答を求められた時に、求められている答えを導くことが出来ます。