国際バカロレア ディプロマ プログラム(IBDP)の認定を受けている学校は、インターナショナルスクール、私立高校、公立高校とあり、それぞれの学費は大きく異なります。
今回はこの3つの全体的な費用感や、実際にかかってくる授業料以外の必要な費用などを詳しくみていきます。
学費の目安比較
私立高校やインターナショナルスクールは、授業料自体も学校によって費用は様々なので、一概に金額を出すことはできませんが、概ね費用感に関しては下記のようになります。
年間学費の目安
公立高校:20〜30万円
私立高校:100〜200万円
インター:200〜250万円
公立のバカロレア認定校では、IBコースであっても一般コースであっても、授業料に違いはありません。
ただし、IBコースを受講するにあたってパソコン購入費用や積立金など、一般コースと費用が違う部分もあります。
また、各学校によって積立金の設定や、使用する教科書などに違いがありますので、公立校と一括りにしても授業料以外の部分では若干差があることには注意が必要です。
公立高校で受講する場合の費用
ここでは一例として、実際に2021年4月に公立高校へ入学(2022年1月よりIBのカリキュラムが開始)した際に必要だった費用を記載します。
実際にかかった費用
入学料:5,650円
授業料(年額):118,800円
諸会費(年額):71,642円
授業料に関しては、全国の約8割の家庭が就学支給金制度を利用しているそうで、就学支給金制度の対象になると授業料が実質無償になります。(世帯年収により変動)
この入学金と授業料、諸会費の合計金額を見ても、公立高校は私立高校やインターナショナルスクールと比較すると圧倒的な安さに驚かされます。
PTA会費 | 5,000円 |
校外模試受験料 | 10,000円 |
諸会費徴収事務手数料 | 126円 |
教育振興会会費 | 3,000円 |
生徒会費 | 8,400円 |
生徒会入会金 | 2,000円 |
高文連会費 | 350円 |
高体連会費 | 450円 |
日本スポーツ振興センター災害共済掛金 | 1,916円 |
学年費 | 39,000円 |
進路資料費 | 1,400円 |
諸会費合計 | 71,642円 |
学校のある都道府県により多少の違いはあるかもしれませんが、概ね上記のような費用感だと思います。
公立の国際バカロレア認定校で受講する最大のメリットは、公立高校の費用(授業料など)でIBDPの資格取得を目指せるという事です。
私立高校でIBDPを受講する場合の費用
私立高校は、各学校が独自の教育方針を持っていて、その特色を活かした教育を提供しています。
そのため、教育内容の質や大学進学に向けたサポートの充実度、施設の整備度など、幅広い理由で選ばれるため、多くの親御さんは、経済的や立地的な制約がなければ、公立よりも私立高校を選ぶ傾向にあると言われています。
ここからは、国際バカロレアの認定を受けている私立高校のうち、主要な地域の学校の中から、授業料に関する情報を一部取り上げて紹介しています。
東京都/玉川学園中学部・高等部
- 入学時費用
150,000円
- 年間費用
1,769,500円(Grade11)
1,776,500円(Grade12)
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
登録料(全学年) | 150,000円 |
年間の費用 | |
年間授業料(Grade10) | 1,347,000円 |
教育諸料 | 151,500円 |
教育情報量 | 44,000円 |
施設設備金 | 220,000円 |
神奈川県/法政大学 国際高等学校
- 入学時費用
330,000円
- 年間費用
895,000円
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
入学金 | 330,000円 |
年間の費用 | |
年間授業料 | 650,000円 |
教育充実費 | 220,000円 |
実験実習料 | 25,000円 |
京都府/立命館宇治中学校・高等学校
- 入学時費用
不明
- 年間費用
1,679,000円
※2022年5月調べ
年間の費用 | |
年間授業料 | 638,000円 |
教育充実費 | 291,000円 |
コース費 | 750,000円 |
福岡県/リンデンホールスクール中高学部
- 入学時費用
1,050,000円
- 年間費用
1,698,000円
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
入学金 | 300,000円 |
教育充実費 | 380,000円 |
施設充実費 | 370,000円 |
年間の費用 | |
授業料 | 1,200,000円 |
グローバル教育費 | 276,000円 |
後援会 | 24,000円 |
校友会費 | 18,000円 |
語学研修旅行積立金 | 180,000円 |
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールは、日本国内で国際基準の教育を受けることができる場所であり、多様な文化背景を持つ生徒たちと共に国際的な教養を深めることができるのが魅力です。
インターナショナルスクールは、外国人の子供たちが日本で教育を受ける場としても利用されています。そのため、英語を中心とした教育が行われており、日本に居ながらにして高度な英語スキルを習得することが可能です。
その一方で、質の高い教育を提供するための授業料は高額となることが多いです。
東京都/アオバジャパン インターナショナルスクール
東京都の目黒区と練馬区にキャンパスを持ち、2011年より高校に相当する過程も新設されて幼稚園から高校までの一貫校となったインター校。
CISからの認定によって高校課程の卒業生は日本の大学への進学も可能です。
- 入学時費用
663,000円
- 年間費用
3,151,500円
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
出願費用 | 23,000円 |
入学金 | 320,000円 |
施設設備開発費 | 320,000円 |
年間の費用 | |
年間授業料 | 2,500,000円 |
施設設備維持管理費 | 154,000円 |
ファミリーコミュニティ会費 | 12,500円 |
サポート・プログラム | 485,000円 |
兄弟割引 | -10% |
東京都/インディア・インターナショナルスクール
東京都の江戸川区内にキャンパスを3つ持ち、幼稚園児から高校生までいる、3〜4割の日本人生徒が通うインター校。
こちらのインターは、語学や数学に力を入れた現代の世界的なリーダーを生み出している、インドの学校と同じカリキュラムで授業が受けられるのが特徴。
- 入学時費用
10,000円
- 年間費用
1,270,000円(Grade11)
1,320,000円(Grade12)
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
登録料(全学年) | 10,000円 |
年間の費用 | |
年間授業料 | 1,200,000円 |
教科書費(Grade11) | 20,000円 |
サイエンスラボ費(Grade11) | 50,000円 |
愛知県/名古屋インターナショナルスクール
愛知県内で唯一、3歳からIB(国際バカロレア)の全課程を一貫して受けることができる正規な認定校です。
- 入学時費用
20,000円〜770,000円
- 年間費用
2,765,000円
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
入学申込金 | 20,000円 |
入学金 (キンダーガーデンから12年生に入学/進級する生徒) | 200,000円 |
建築分担金 (キンダーガーデンから12年生に入学/進級する生徒) | 550,000円 |
年間の費用 | |
年間授業料 | 2,695,000円 |
教科書費(Grade11) | 20,000円 |
サイエンスラボ費(Grade11) | 50,000円 |
大阪府/関西学院大阪インターナショナルスクール
基本的には外国人を対象とした学校ですが、日本で初めて国際バカロレアの初等教育PYP、中等教育MYP、ディプロマDP資格に完全準拠した学校でした。
- 入学時費用
370,000円
- 年間費用
2,533,000円
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
申請料 | 40,000円 |
登録料 | 330,000円 |
年間の費用 | |
年間授業料 | 2,255,000円 |
EAF | 275,000円 |
PTA | 3,000円 |
福岡県/福岡インターナショナルスクール
九州で初めて国際バカロレアの初等教育PYP、中等教育MYP、ディプロマDP資格を一貫して提供する学校でした。
在籍者の国籍は約40カ国と非常に多国籍で国際色豊かな学校となっています。
- 入学時費用
400,000円
- 年間費用
1,860,000円
※2022年5月調べ
入学時の費用 | |
申請料 | 20,000円 |
入学試験料 | 30,000円 |
登録料 | 350,000円 |
年間の費用 | |
年間授業料 | 1,760,000円 |
施設費 | 100,000円 |
まとめ
ここまで公立校、私立校、インターの学費についてみてきました。
私立高校やインターは、各学校が独自の教育方針を持っていて、教育内容の質や大学進学に向けたサポートの充実度、施設の整備度など、公立校より優れた点があります。
そのため、経済的や立地的な制約がなければ、公立よりも私立高校を選ぶ親御さんが多いと言われています。
しかし、この費用の違いはとても大きいものとなっています。
年間学費の目安
公立高校:20〜30万円
私立高校:100〜200万円
インター:200〜250万円
公立のバカロレア認定校では、IBコースであっても一般コースであっても、授業料に違いがないのがメリットです。
例えば海外大学を目指していて、距離的な制約がない公立校がIBDPの認定を受けていて、志望する進路に合致した科目が開講されているのであれば選択肢としてみてみると良いのではないでしょうか。